クルマで行きます

AlfaRomeo MiToが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のMiTo乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
500を3台乗り比べ!「500 TwinAir そんだけ弄ったらどうなるの?」OFF会
| 試乗レポート | 00:22 | comments(29) | trackbacks(0) |


本ブログではこれまでに何度もフィアット 500の試乗記を上梓してきた。2007年の発売当初からごく最近のものまで、それなりの数になっているはずだが、筆者が本当の意味でこの"ヌオーバヌオーバ"500の真価を理解したのは、とどのつまりデュアロジック(セミオートマティックトランスミッション。アルファロメオで言うところのセレスピード)を理解できた時からと言える。理屈を踏まえて自分の運転をアジャストすれば、デュアロジックは運転好きのイタリア人が作ったなかなかの機構であることがよく理解できる。そこを理解できない頃の筆者の試乗記には歯に物が挟まったような記述が散見される。申し訳ないがそれはもう忘れてほしい。今や筆者は500+デュアロジックを所有してもいいと思うほど宗旨替えをしてしまった。ということで、改めて読者諸兄に本ブログから500に関する試乗記をご紹介するとしたら、それは以下のエントリーであろう。

【試乗記その1】FIAT 500こそファミリーカーの決定版である。以上!!
【試乗記その2】FIAT 500 1.2POP 足るを知る
【試乗記】フィアット 500 TwinAir・「必要充分」の一割増し

500のチューンナップ版たるアバルトブランドのモデルも大絶賛である。まぁこれらはMTモデルなのだが。
試乗記・ABARTH 500、ぷりっぷりのもぎたてフルーツ
試乗記・ABARTH 595Competizione。「過剰」ではなく高次元で高バランス

これら試乗記を丹念に読み返していただく必要は今はないが、要約すると「フィアット 500は良いクルマである」というシンプルな一言となる。下駄グルマとして実際に自分が所有できるとしたら、笑顔笑顔で運転すると確信している。

しかし、だ。500と言ってもずいぶんとバリエーションがある。特に筆者が激賞するTwinAirエンジン搭載のモデルやアバルトの諸モデルまで考慮に入れると、同じものをベースにしているが別物と言っていい。実際乗り比べたらどのように印象が違うのか、ヘンタイ諸氏ならかなり興味を惹かれるのではないだろうか。

ひょんなことからその乗り比べが実現した。山形在住のエンスージアストしげさんはマツダ アテンザに惚れ抜いて購入し、奥様のためのもう1台としてフィアット 500TwinAirを増車。もうこの状態でかなり羨ましい状態であるが、手を入れずにいられなかったらしい(笑)。順当にあれこれ手を加え始めてしまった。冒頭に紹介した「【試乗記】フィアット 500 TwinAir・「必要充分」の一割増し」は、エアクリーナーを導入した直後の試乗記で、日本導入直後に筆者がディーラーで試乗した時よりも好印象は3割増だった。しかししげさんの改造欲はエアクリーナーに留まらず、マフラーレースチップインチアップしたホイールとタイヤダウンサス…。
 






箍(たが)が外れたようなしげさんの改造日記は、SNSでイヤでも目に付く。それらの改造を「ふーん、そうですか、ま、ほどほどに」などとやり過ごせるほど筆者は枯れていない。折々に「今度運転させてくださいよ」としげさんにお願いしていたところ、とうとう叶うことになり、ちょっとした思いつきから500に縁のある方々もお誘いしてみた。
 


ユキノッティも参加


alfa_manbowさん。弟さん所有の「素の」TwinAirでご参加。Tazzaさん。MiToから乗り換えたアバルト 500でご参加。あおさん。500とは縁は薄いが(笑)、本ブログのOFF会発起人として強制参加。つまり

素の500TwinAir
あれこれ手を入れた500TwinAir
メーカーコンプリートカー的なアバルト 500

を一気に乗り比べである。これは地味ながらすごい企画ではないか。自動車メディアでもせいぜいTipoがやるかやらないかの企画(笑)と言える。500は中古の弾数も多いため、今まさに500を購入しようと貯金通帳や財布と相談している方も多かろう。ヘンタイ知識欲を満足させるとともに、真剣に購入を検討している方々への貴重な情報となるよう書いてみたい。試乗会場は当ブログ5月のオフ会の定番となりつつある山形県山形市、西蔵王公園。アップダウンを含めたワインディングロードを擁する絶好のロケーションで、同車種のレンジテストである。今回は通常のOFF会ではなく勉強会、すなわち「クルマで行きますワークショップ」とでも言おうか。題して「500 TwinAir そんだけ弄ったらどうなるの?」(原案しげさん)。はじまりはじまり〜。←イントロが長い



さて各車の違いをあれこれ書き連ねる前に、今回の乗り比べで筆者が重視したポイントを書いておく。

1.主に加速域での動力性能
2.コーナリングの限界値
3.「走る・曲がる・止まる」の要素バランス


どれも「走って楽しいかどうか」に大いに関わる部分である。エクステリア・インテリアの差異やそもそもの出来については今回は考えない。そこはもういいでしょう(笑)。そもそも見た目だけで買っても損しないクルマなのだから。ともあれ早速乗り比べの印象を書いていこう。

素の500TwinAir POP
まずは原点をきちんと確認。alfa-manbowさん弟君の個体をご提供いただいた。冒頭にこんなことを書いて恐縮だが、乗り終えた後は「これで全然いいじゃないか」と思う。踏めば応えてくれるエンジンではあるが、西蔵王公園の上り坂では確かに全開にせざるを得ない。だがトップエンドに至るまでの加速やトルクの出方は決して頼りないものではなく、むしろ「1リットル無いのにこんなに力強いの??」と毎回ニンマリしてしまう。当日は「使い切ってる感」という造語が生まれ、これは500TwinAirに対するかなり的を射ている賛辞だと思う。余談だが素の1.2POPもこの「使い切ってる感」は強い。が、TwinAirに比べると特に加速域のトルクの盛り上がりにやや線が細い印象があり、運転の楽しさにおいてはTwinAirの方が上と断じてかまわないだろう。

alfa_manbowさんは、コーナリング時の挙動について「けっこうロールする。そこにビビって踏みきれない。しかし今日のテストで、ロールした先できちっと踏ん張ってくれることが納得できたら踏めるようになった。リミッターは自分の心にかかっていた」という意味のことをおっしゃっていた。特に下りのコーナリングで実感できるそのロール具合を、筆者はアトラクションのように楽しめた。でも「この辺でやめておこう」というリミッターにはなりますね、確かに(笑)。

結局「平地をひらひら走ってる分にはTwinAir素モデルで充分」というのが現場の一致した感想であった。

メーカーコンプリートカー的なアバルト 500
改造したしげさんのTwinAirに直接乗り換えることも考えたのだが、ちょっと待てよと。各要素を後から追加していった改造後のTwinAirの前に、メーカーコンプリートモデルとも言えるアバルト 500の実力を先に体感しておく方が、しげさんの改造結果をより中立的な視点で感じられるのではないか?と考えた。そこでTazzaさんのアバルト 500のキーを借り受ける。現行アバルトのラインナップに500の名前ではもはや存在しない。だが今回のこのTazzaさんの個体は「アバルト 500」の素の状態。エッセエッセキットを搭載しているので「素」は大げさかもしれないが、いずれにしてもアバルトの名の下に施されたフィアット純正チューニングが、ピュアな状態で維持されているわけだ。その意味でも大変貴重な個体であり、今回唯一のMTモデルでもある。

実際に走り出してみると、素のTwinAirに対してふたつの余裕を感じることができる。ひとつはエンジン。ま、そりゃそうだ。てか比較すんなよ、という感じだ。だって1.4リッター直4DOHC16バルブターボにエッセエッセキットで160psに対してTwinAirはインタークーラーターボで85ps。比べてすみません。比べちゃいけない理由は後述する。とにかくアバルト 500、滑らかであり凶暴でもあり。あれよあれよと回転数が上がる。もうひとつは足。サスのストロークの余裕綽々っぷりはどうだ。単純な印象としてはバネレートが高い感じで、ストロークは(通常の500比)もちろん短いのだろうが、滅多なことでは底付きなんかしませんよ、という声が聞こえてきそうだ。これらが合算されることで、アバルト 500(エッセエッセキット付き)は速いべらぼうに速い。500ベースの着座位置はスポーツカーと言うには高目であり、その結果「バカッ速感」は緩和されているはずだが、これで目線があと50mm低かったら、感じる「速さ」はもっと増すだろう。でも恐怖は感じない。ひたすらシェアなハンドリングとペダルレスポンスがどの領域でも感じられ、「うーむ」と感心しつつもニヤケてしまう。MTのシフトゲートがやや曖昧なのが玉に瑕だが、ま、そんなことは些細なことですよ。

あれこれ手を入れた500TwinAir
さてこの日の本命である。素のTwinAirを「平地をひらひら走ってる分には充分」とまとめてはみたが、それは裏返せば、平地以外をひらひらじゃなく走るにはやや力不足な部分があるということでもある。しげさん改造のこの個体の魅力は「加速」と「足の踏ん張り」である。吸排気経路を整え、レースチップを組み込むことで低回転域のトルクが増したのだろう。明らかにAペダルのレスポンスが向上している。それも「うわ!下品!」と思う手前で踏みとどまる絶妙さ(レースチップのチューニングはこの試乗直前に"最強モード"に変更されたが、下品ではない)。またダウンサスと17インチにアップされた幅広タイヤ(ATR Sportだぜ!)のおかげで、ロール量は減少し、足が横に逃げる感覚がずいぶん緩和された。だ・か・ら!西蔵王公園のワインディングのコーナーで「おっと」とAペダルを戻すこともない。改造後のしげさんは「コーナーへの進入速度が20km/hくらい上がった」とおっしゃるが、これは筆者も体感した。そしてコーナー脱出のための再加速を加えるポイントも、より手前から踏んでいけるようになる。アバルト 500とはまた違う意味で、これも「速い」。あっちが「余裕」ならこっちは「発奮」である。どっちを好ましく思うかはドライバーの人生観による。

しげさんの個体、重箱の隅をつつけば、あとホンの少しステアリングをクイックにしてもらえると、より「速く」感じられると思う。また「こうなるとシートが物足りなくて…」ともおっしゃっていた。ステアリングもシートのホールド性も、加速とコーナリング性能の体感に密接に関わるチューニング領域なのだろう。そして残念ながら、5月に筆者が指摘した吸気の瑕疵はまだ解決されなかった。エアクリーナーの交換取り付け精度が高くなかったのか、「過呼吸」的症状が見られるのだ。それもちょうど3,000〜4,000rpm付近の「もっともおいしい」回転域の話。過吸気による不完全燃焼らしいが、こいつが本当に惜しい。これにはしげさんも手を焼いているようで、どうしたもんか的な会話が繰り広げられた。



ここですかねぇ


そういう小さな不完全さはあるものの、低回転域のトルクアップもコーナリングでの足の踏ん張りも、どちらも素のTwinAirに長く乗っていると「あとちょっと、こうだったらいいのにな」と感じずにはいられない部分であることは、オーナーではない自分にも容易に想像できる。そこをクリアしたのがしげさんの改造TwinAirと言える。しかもしげさんはちょくちょくこの試乗コースを走っている。このコースで感じる不満をクリアしたのだから、もはやこの個体は「西蔵王公園スペシャル」と言ってもいいのではないか(笑)。



喧々諤々ですよ


まとめ
貴重な体験だった。こうやって3台を乗り比べた後に500というクルマの楽しさの根源を考えていくと、TwinAirというエンジンの偉大さに突き当たる。TwinAirには「最小のものが最大の効果を上げる」瞬間を実体験できる快感がある。その快感が、素のままでも改造しても大きく変わることが無いのは正直驚いた。今だから書くが、この実験の結果は「素」<「改造」<「アバルト」だと想像していた。だが前述の通りアバルト改の直4ユニットマルチエア(※追記あり)とTwinAirはそもそも立脚点が違う。だから直接の比較にはならなかった。そして同じTwinAirでも「素」には「素」の、「改造」には「改造」の楽しみが確かにあった。しげさんの個体は「最小のものが最大の効果を…」の「最大値」を引き上げたもの。しかし要素改造なのでややアンバランスな部分もある。もっともこの個体はしげさんの、言わば「セミオーダースーツ」のようなものだから、そのアンバランスなところも含めて愛着を生む要素になるだろう。

500というクルマは、一見ファンションアイテムっぽいナリをしているが、「楽しく走る」ことにかけてはずば抜けて素晴らしい。その素晴らしさは全方位的な性能の良さではない。一部の人にデュアロジックは今でも鬼門だろうし、TwinAirのエンジン音と振動は「トラックみたい」と言われても仕方ない。しかしクルマへの愛着、性能の物差しは決して全方位的なものでも平均値的なものでもない。何を得て何を捨てるのか。作り手のその判断とオーナーの人生観が共鳴することがもっとも重要だと思う。500は得るものと失うものの区別がはっきりしているが故に、共鳴の幅は狭いかもしれない(そもそも日本に於けるイタリア車という段階で、すでに幅が狭められている)。しかしオーナーと共鳴すればその福音はとても大きなものになる。それを「アバタもエクボ」と言うことは簡単だが、どこにも引っ掛かりの無い車に無表情で乗るよりも、「あれもこれもしょぼいけど、とにかく乗ると楽しい!」と日々笑顔で乗るクルマの方が100万倍良いではないか。そんな500TwinAirの新車が車両本体230万円で買えることがそもそも素晴らしい(4気筒のPOPなら200万円を切っている)。普通の人が普通に買える価格帯にこんな楽しいクルマがあることを、多くの人に知って欲しい。

改めて今回お集まりいただき、愛車をご提供いただいたみなさまに感謝いたします。本文内、間違っている情報や筆者が突っ込めてないポイントなどあれば、ぜひご指摘いただきたい。めっちゃ楽しかった!



しげさんの奥さんと下の娘さんも合流して
恒例の竜山でそば



6〜9月の期間限定商品
「だしそば」!!
うめえ

 
※余談ですが、このワークショップの帰り道にMiToのシフトワイヤーが切れました。ちゃんちゃん。
※追記
アバルト 500のエンジンはマルチエアじゃありません。すみません。
MiTo・シフトワイヤーの断線
| MiToのメインテナンス | 21:52 | comments(9) | trackbacks(0) |

速報でお伝えしていたとおり、MiTo 1.4T Sportを運転中、ギアが2速から抜けなくなった。シフトノブはブラブラ、プラーン。まったく手応えがない。任意保険のレッカーサービスを動員して入院したMiToが、修理を終えてめでたく帰還した。

エンゲージ側シフトワイヤーの断線(入庫時走行距離数156,525km)

CABLE ASSY 55230836 21,800円
CABLE ASSY 55230837 22,800円
ABマフラークランプ67 800円

技術料 7,350円

消費税 4,220円

合計 56,970円

シフトワイヤーは縦と横の2本があり、今回切れたのは(詳しく説明を訊かなかったけど)0837の方だと思われる。これは恐らく縦方向=エンゲージ側だと思う。ケーブル長が長いから1,000円高いのだろう。今回断線したのはこっちの方で、実は横方向(エンゲージに対してなんて言うのだろうか)のワイヤーは無事だった。しかし同じ環境で同じ距離数/年数を経ているわけで、仮に今は良くてもいずれ逝くだろう…という読みで両方交換した次第。

断線のその瞬間、筆者は帰宅途中だった。異常事態の発生を認識して最善手を2速でノロノロ運転しながら考えた。いつもメンテしてもらっている仙台市若林区卸町のサービスフロントに自走するか?それとも筆者直接の担当営業であるS店長のいる仙台市泉区七北田のボルボ・カー仙台泉まで自走するか?そのどっちかからローダー車両を出して救援してもらえるか?後日GoogleMapで調べてみたところ、断線が発生した場所からサービスフロントまでは22km強、ボルボ・カー仙台泉までは21km強という、「サービスポイントのちょうど中間地点」で発生したのだった(笑)。加えて週末の16時頃。15万km走ったMiToのためにてんやわんやの店舗からローダーでピックアップする人員を割くことなどできるわけがない。ちなみに自宅までは13km弱。結果的に自宅まで自走したのだが、それはどうも最善手だったようだ。

さて卸町のサービスフロントでの修理を終え、受け取って走り出して驚いた。エンゲージの剛性感が増しているのである。シフトノブがゲートへ入っていくその瞬間、実にメカニカルでカチッという感触が豊かに手のひらに返ってくる。CLOSのクイックシフトを導入した当時(7年前)のシフトの感触はきっとこうだったのだ。日々少しずつ劣化してく感触に、人間の感覚など、かくも鈍感なのだ。

8年/15万kmくらい走行している1.4T Sportのオーナーのみなさんは、ぜひシフトワイヤーを交換されることをおすすめする。シフトチェンジがひたすら楽しくなることを請け負う。5万円以上かかるけどな




サービスフロントのTさんから
しばしの慰めにタオルをいただきました

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DS3・ラジエター狂想曲#3
| CITROEN DS3 | 23:40 | comments(4) | trackbacks(0) |


エンジン冷却水消失のため入院したらエンジンオイルまで漏れてたYO!という家人のシトロエン DS3の修理顛末をレポートするこのラジエター狂想曲シリーズ。いよいよ最終回である。

#1はこちら
#2はこちら

修理内容は#2に詳細を記したが、筆者ごとき技術知識では伝票の記載内容を具体的に理解できず(笑)。そこで先日MiToのオイル交換に(株)イデアルさんを訪れた際に、詳細を教えてもらってきた。修理内容を再録する。

「シトロエン DS3 デヴュー・セリのエンジン冷却水消失とエンジンオイル漏れ修理」
入庫時走行距離 89,500km

サーモスタットハウジングより水漏れ 交換
アウトレットタンク    9810916880 *1 12,800円
Cooling Liquid 5L    00009735K0 *1 3,300円
Wire-Assembly    9804315380 *1 3,600円
技術料    22,050円

エンジンオイルポンプソレノイドよりオイル漏れ
リペアキット    V860997380 *1 5,400円
技術料    23,100円

消費税    5,620円

合計75,870円

この内わからないのは2点。ひとつは交換したクーラント液のアウトレットタンクとは具体的にどこについているどれなのか。もうひとつはエンジンオイルソレノイドという電気機器からなぜオイルが漏れるのか、である。今回対応してくださったKさんの説明によると

アウトレットタンク
エンジン後部とトランスミッションの間にある液循環用のタンクでプラスティック樹脂製。これが壊れる理由は、エンジンルーム内の熱によって急激に温められたり冷えたりを長期に渡りくり返すこと。購入からすでに7年が経過している。こういうのも「経年劣化」と言っていいのだろうか…。

ソレノイドからのオイル漏れ
エンジンオイルの油温センサーがオイル経路に差し込まれており、そのセンサー周辺をシールしているパッキンの劣化が漏れの原因である。劣化の原因はアウトレットタンクと同様。ちなみに交換したリペアキットのパッキンは対策品とのこと。

ついでに言えば工賃(技術料)がそこそこ高価なのは、上記部品類の取り付け位置がエンジンルーム内の奥まったところにあり、手数がかかるからとのこと。正規ディーラーだけあって修理行程の工数も定められているそうだ。

以上のことから、今回のトラブルは「経年劣化じゃ仕方ない(泣笑)」と言えよう。家人の個体がすでに9万kmほどの距離を後にしていることももちろん影響はしているだろう。ざっくり言えば「経年劣化に過走行」である。内容を振り返れば、結果的に大惨事になる前に入庫することができたとも言える。Kさんはとても丁寧に、かつわかりやすく教えてくださり、同席していた中三の息子ですら「すっげーよくわかった」と言うレベルであった。Kさん、ありがとうございます

ということで、シトロエン時代のDS3、及びメカニズムを同じくするプジョー 207乗りの皆様。今はなんともないかもしれませんが、これらのトラブルはあなたのクルマにもいつ起こるかわかりません。7年/8万kmを目安に詳細な点検と予防交換をオススメいたします

終曲
 

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【速報】MiTo・2速からギアが抜けなくなりました
| MiToのメインテナンス | 21:50 | comments(11) | trackbacks(0) |
2017年9月3日は盛りだくさんな一日だった。本来は時系列にいくつかのエントリーを上げたいのだが、まずは速報ということで、けっこうな大ネタをご報告しなければならない。

MiTo、2速からギアが抜けなくなりましたー!

帰宅途中、あと10kmくらい…という地点でシフトチェンジしようとしたら、かすかに「パキッ」という音がして、シフトレバーが突然まったくなんの抵抗もなくなった。スカスカ。プラプラ。

クラッチは切れるし加減速もまったく普段通り。ただシフトチェンジができない。シフトノブというかロッドが折れた疑惑が頭の中を駆け巡る。(株)イデアルさんのサービスフロントに電話を入れるも誰も出ない!こりゃ相当てんやわんやになってんだな…ということで、久しぶりにS店長へ電話。しかしこちらも大忙しらしい。

騙し騙し自宅まで走り切り、自宅から任意保険のレッカーサービスを要請。
 

てきぱき。
ローダウンしててゴメンなさい



手伝えないので写真を撮っていた


さぁみなさんご一緒に!
ドナドナドーナードーナー♪

あとはスムースに事が運び、今夜は入院となった。閉店間際のイデアルさんで元メカニックのTさんが初診。どうもシフトレバーのワイヤーが切れているか、ワイヤーのロックが外れているか。いずれにしてもシフトレバー周りのトラブルではあるようだ。
 

イデアルさんに到着ぅ

筆者は社外品であるCLOSのクイックシフトキットも疑った。本ブログを読み返してみたら、このクイックシフトキットは2010年の冬に導入していた。7年オチ!しかしこちらは問題ないらしい。さて修繕費はいったいいくらなのか…。1.4T Sport乗りのみなさんは刮目して続報をお待ちいただきたい。つ・づ・くぅ←直虎の梅雀風 ←しつこい


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MiTo・エンジンオイル交換_156,525km
| MiToのメインテナンス | 18:41 | comments(2) | trackbacks(0) |

MiToのオイル交換を行った。株式会社イデアルさんにて。

入庫時走行距離 156,525km(改めて見てみるとすげえ数字…)

SELENIA K PURE ENERGY 51028757 7,350円(@2,100*3.5)
SEALING GASKET 10261060 200円
OIL FILTER 73500049 1,600円
廃オイル処分料 175円

技術料 2,600円

消費税 954円
合計 12,879円

土曜日ということもありイデアルさんは大にぎわい。少々早めに入庫したにも関わらず迅速に仕上げていただいた。作業中は同行した息子と中古車売り場パトロール。ルノー メガーヌR.S.が2台。RHDモデルとLHDモデル。2台の差についてはエントリーを分ける。
 


アバルト 124スパイダー
デビュー1周年記念モデルの
ABARTH 124 spider 1 Year Anniversary
まんまやん…


交換後、50kmほど遠回りをして帰宅。以前は交換をサボって、その結果交換後のエンジンフィールが劇的に変わった経験がある(そしていい気になって飛ばしていたら覆面パトカーに捕まった)が、最近はそんなこともない。コンディションに関わらず5,000kmを目安に交換しているので、ひどく悪化もしないが大改善も、まぁしない。しかしこの状態を維持することがMiToの延命になると思っている。
 

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トヨタの80点主義が照射する光と闇
| クルマにまつわる四方山話 | 22:41 | comments(8) | trackbacks(0) |

試乗記を書こうかどうか迷っている案件がある。それは先日の「北日本MiTo会MMSS+クルマで行きますOFF会#15」で試乗が叶った、トヨタ カローラフィールダーハイブリッドである。現行ではなく先代のそれは、ある事情でalfa_manbowさんが乗ってきたレンタカーである。その気安さから軽い気持ちで運転させてもらったのだが、自動車文化の光と闇についてうっかり触れてしまったような、考えさせられるちょい乗り試乗だった。
 


 

このカローラフィールダー、もし試乗記をエントリーするとしたら、表題は一発で決まる。「トヨタの80点主義炸裂」。これしかない。よく聞く言葉だったが、老母のトヨタ パッソに乗ったくらいではその神髄への理解が足りないことがはっきりわかった。フィールダーの運転印象を「〜る」「曲がる」「止まる」「さ鐔酸」「シ从兩」の5項目レーダーチャートで表すとしよう。するとそれは綺麗な正五角形になるはずだ。「80点」なのだから、形は綺麗だがそのサイズは小さい。しかしそんな感想は、普段は歪なレーダーチャート図のクルマに乗り慣れた筆者だからこそ湧くもので、自動車の運転に頓着しない、あるいは執着のない一般的なドライバーが乗れば「全方位的に優れた車」という評価になるのだろう。

さて、「全方位的に優れた車」が優れた運転を誘発するかというと、決してそうではないと筆者は思う。

日々自分のクルマを運転していると、「曖昧な運転」や「自己中心的な運転」をする対向車や並走車に辟易することがある。生活する場所によって傾向の小差はあるだろうが、そういう運転をしているのは国産車が圧倒的に多い。フィールダーに限った話ではなく、おおむね「全方位的に優れている」国産車でどうしてあんな運転になるのか。以前筆者はこのことについて、運転手の技量不足・認識不足が主な原因だと思っていた。実際に80点のきれいなレーダーチャートの車であるフィールダーは、どこにも歪なところが無いという意味ではとても運転しやすい自動車だった。しかしその運転しやすさは、運転手の集中力を高める方向には作用せず、むしろ「如何に運転手が楽できるか」に向いているように思えた。「どんな要素がそう思わせるのよ??」と興味を持つ読者もいるかもしれない。しかし筆者はうまく「これ!」と指摘できない。ボディは硬くもなく柔らかくもなく。足周りはクタクタでもなくガチガチでもなく。AペダルもBペダルも反応は悪くもなく特段レスポンシブルでもなく(トヨタのハイブリッドだからブレーキはヘンだったかも)。ステアリングはダルでもなくクイックでもなく。ATだから身体の左半分はリラックスしたまま。インフォメーション画面には瞬間燃費などエコ情報が常に表示されている。同乗してくださったalfa_manbowさんは試乗の冒頭に「これはおそろしい車ですよ」と筆者に言った。試乗を終えた筆者もそう思う。

これは恐ろしい車である。

どこにも神経に障るところが無いフィールダーは、運転中に特段の集中力を必要としない。弛緩していくのだ。「楽であること」を是とすることに慣れてしまう。良くできているが故に、車の運転から意識がどんどん離れていくのである。
 




セダンと比べて、フィールダーは個人オーナー、
それもセダンよりも若い世代をターゲットにしている。
だからなのかメーターはブルーに縁取られているし、
エンジンスターターボタンもブルーである。
それにしても、カローラにスターターボタンかよ!


筆者はクルマの性能は「予想の一割増し」が良いと思う。「わ!思ったよりも加速がいい!」「わ!思ったよりキュッと曲がる!」「わ!思ったよりブレーキ強力だなぁ!」が理想である。2009年当時の筆者にとって、MiToはまさにそういうクルマだった。「思った以上」なのだから運転にはある程度以上の集中力が求められる。それが安全運転に繋がるはずだ。もちろん「予想の一割減」はどんなに綺麗なレーダーチャート図の車であろうと、「嫌悪」という形で集中力を削いでいくわけだが…。

悪いところが見つからない、一見(一聞?)すると良いことずくめの80点主義フィールダーは、実際に運転してみると、少なくとも積極的に運転に関わる気がしない。中途半端に良くなれば良くなるほど運転手は甘やかされ技量が落ちていく。従って事故は増え安全運転支援装置がどんどん加えられていく。それら装置を効果的に動作させるために自動車の電子制御領域は広がる一方。その結果自動車からのダイレクトなレスポンスやフィールは消えていく。フィールダーのドライバーへの反応は常に無表情。言うことは聞いてくれるが、必ずしもオーダーのすべてを反映するわけではない。その代わりに得られるのは疲れないというメリットだけだ。疲れないことが最上なのであれば、向かうべき未来は自動運転…。恐ろしい!!我々のようなクルマヘンタイにとって、80点主義のトヨタ車は自動車運転の楽しみを駆逐するウィルスである

技術の進歩は人類にとって「光」だが、こと自動車運転に関して言えば、人間の運転技術を退化させる「闇」にもなり得る。自己中心的な運転を繰り広げる自動車が日常の道路に溢れる理由も、また先進技術がもたらした「闇」である。OFF会会場でのフィールダー試乗時、あおさんに「またディスるエントリーをあげるんでしょ(笑)」とつっこまれた。これはもはや特定メーカー・車種へのディスり行為やイチャモンではない。自動車の未来に対する切実な不安である

ZFやボッシュなどを筆頭に欧米のパーツメーカーに侵食されてきているとは言え、自動車工学における日本の要素技術はまだ高いレベルにあると思っている。トヨタ車など、その高い要素技術を積み重ねることでクルマの形になっていると言える。フィールダーに乗ってしみじみとそう思った。各要素はすごいのだ。しかし1台の車としてまとまると、とたんにスケールが小さくなる。これはおそらく「車のキャラクター付け」の段階でこうなっているとしか思えない。優れた要素技術の優先順位を決め、「自動車運転を楽しむなら、このチューニングしかない!」とチームを鼓舞し、上層部を納得させるリーダーが必要なのだ
 


あー、恐ろしい体験だった…。忘れるためには500TwinAirとか乗らないとダメだ…

DS3・ラジエター狂想曲#2
| CITROEN DS3 | 23:34 | comments(2) | trackbacks(0) |

シトロエン DS3が戻ってきた。エンジン冷却水喪失事件のため入院したところ、さらにエンジンオイル漏れまで発見されて踏んだり蹴ったりである(家人の財布が)。ようやく退院してきたので、まずは費用から報告したい。診断と治療は当然ディーラーである(株)イデアルさんである。

入庫時走行距離 89,500km

サーモスタットハウジングより水漏れ 交換
アウトレットタンク    9810916880 *1 12,800円
Cooling Liquid 5L    00009735K0 *1 3,300円
Wire-Assembly    9804315380 *1 3,600円
技術料    22,050円

エンジンオイルポンプソレノイドよりオイル漏れ
リペアキット    V860997380 *1 5,400円
技術料    23,100円

消費税    5,620円

合計75,870円

この技術料から鑑みるに、それなりの深度でバラシ作業があったのだろう。10日の入院もムベナルカナというところか。

と言うか、またソレノイドか!!PSA車のソレノイドは鬼門である。2002年にプジョー 307SWを購入して以来、わが家には13年に渡ってPSA車とつきあっているが、ソレノイド原因のトラブルが何回あったか思い出せないほどだ。思い出したところで両手の数くらいだろうが、部品の仕入れ先変えろよ!と言いたい。

無事に帰宅したDS3、ボンネットの中の話だから外見上の変化は無いのだが、ホイールがとても綺麗になっていて印象が全然違う!もっと洗ってあげるべきであろう。

息子と一緒に軽く夜活に繰り出してみたが、まったく問題なかった。相変わらず滋味溢れる乗り心地。画像と修理詳細はまた改めてエントリーしようと思う。つ・づ・くぅ。←おんな城主直虎の梅雀風


JUGEMテーマ:CITROEN

酷い副作用
| 次の1台 | 22:18 | comments(6) | trackbacks(0) |


BBCの人気番組「Top Gear」でかつて司会者のひとりだったジェレミー・クラークソンが、MiToのインプレッション記事を書いていた。筆者のフェイスブックアカウントで以前共有した記憶がある。「次の1台」の考察には遠く及ばないが、とても印象深い文章があったので、それについて書いてみたい。

先のエントリーで筆者は

B、Cセグメントの元気なクルマが大同小異に思えてしまう今、MiToからジュリエッタに乗り換えたところで世界は大きく変わらない。俗に「アガリのクルマ」という言い方があるが、このジャンルでアルファロメオのクルマに乗ったことは、筆者にとって「アガリのクルマ」と出会ってしまったということなのかもしれない。

MiToから乗り換えるモチベーションが曖昧な理由として、「アルファロメオオーナーではなくなる」という要素があるということは以前も書いた。乗っているだけで「あなたはクルマが好きなんですね?」と理解してもらえるブランド、アルファロメオ。ようやくそのオーナーになれたのに、自らその座を降りるなんて…。という、端から見たらまったく馬鹿げている理由で、シートセンターとハンドルセンターが10mmもオフセットしているクルマから乗り換えを躊躇ってしまう。あくまで私見だが、アルファのクルマには、歪であればあるほどオーナーが勝手に「愛」に変換するという陰徳がある。「みんなおまえをダメだというが、本当の良さをオレはわかってるぜ」と、その歪さを許容する自分に酔ってしまうのだ。

ジェレミーはそのことを下記のように書いている。

しかし、何度も言ってきたように、アルファを所有するということは、車と家電製品の違いを理解するために必要な車好きの通過儀礼だと思う。

アルファには欠陥があり、まるで魂や感情を持った人間のようだ。アルファ車はどれも(当然、アルナは例外だが)ロシアの小説に出てくる英雄のようだ。全て理解することなどできないほどに深い車だ。

あるいは、コカインにも似ている。不気味なほどにハイになれる。しかし、そこには酷い副作用が伴う。


筆者は今、「不気味なほどハイに」なった後の、「酷い副作用」のまっただ中にいるのだと思う。
 


POWAAAAAAAAAAAAAAAH!!


ジェレミー・クラークソンのMiTo評全文は以下のページへ。
海外自動車試乗レポート「アルファ ロメオ MiTo 1.4 TB 試乗レポート By Jeremy Clarkson

劇的に変わるクルマ、求む
| 次の1台 | 20:16 | comments(6) | trackbacks(0) |

2009年6月にMiToを購入して、実際に自宅駐車スペースにMiToを置いて、ちょっと離れた所から眺めてこう思った。「とうとうオレもアルファロメオオーナーか…」。西風(と言う名の漫画家)作「GT Roman」を愛読してきた筆者ゆえ、アルファロメオというブランドの印象には必要以上にブーストがかかっているのは間違いない。しかし、それを抜きにしても、やはり「アルファロメオのオーナー」という立場は目尻が下がる状況だ。そのクルマに乗っているだけで「あなたはクルマが好きなんですね?」と周囲から思ってもらえるブランドはそう多くない。


そんなことを恥ずかしげもなくこうやってブログに書くほどの筆者だが、アルファロメオの現行ラインナップにはまったく魅力を感じなくなってしまった。もちろんジュリエッタの動的性能の楽しさは理解しているつもりだし、間もなく日本国内で発売されるジュリアも、巷間言われるほどエクステリアは嫌いじゃないし、乗れば良いものなのも容易に想像がつく(先日S店長から久しぶりにメールが来たと思ったら、ジュリアの資料PDFが添付されていた(笑)。意欲的な技術がてんこ盛りという印象)。しかし食指が動かない。なぜだ。


全36ページ

アルファロメオやアバルトといったフィアット系列のイケイケ系。プジョーやシトロエンというラリー畑のスター。ストイックに速さを追求するルノースポール物件。いわゆるホットハッチ的なキャラクターの世界にいつのまにか心酔していた筆者は、MiToに8年も乗ってきて麻痺してしまったのかもしれない。B、Cセグメントの元気なクルマが大同小異に思えてしまう今、MiToからジュリエッタに乗り換えたところで世界は大きく変わらない。俗に言う「アガリのクルマ」という言い方があるが、このジャンルでアルファロメオのクルマに乗ったことは、筆者にとって「アガリのクルマ」と出会ってしまったということなのかもしれない。アルファのラインナップにときめかないのに、アルファ以外のクルマに乗る自分も想像できないのだ。せめて8年も乗り続けたMiToから乗り換えるなら、筆者の日常をより良く変えてくれるクルマにしたい。

あれこれ考えてみると、ジュリエッタでは「MiToの続きでしかない」ということが問題なのではないか。乗り換えによる新鮮味が少ないのだ。現行アルファロメオのラインナップに魅力を感じないのは、LHD設定やトランスミッションがTCTしかないこともさることながら、MiToから乗り換えても劇的にクルマライフが変わる予感がしないことが原因ではないか。

3(あるいは5)ドアハッチバックというパッケージが、実生活の道具としてとても便利なことは確かである。まったく違う姿形の車種に乗り換えても、戻ってくる可能性もある。だがMiToから別のクルマに乗り換えて、その後再びMiToに乗ることはもうないだろう。
【試乗記】ルノー メガーヌR.S.「えぇ、もう、これで」
| 試乗レポート | 10:58 | comments(10) | trackbacks(0) |

筆者が愛読していた自動車雑誌AUTOCAR JAPAN(日本版は現在休刊しwebのみ)の英国本国編集部は、英国フォードとルノーびいきだった。あるドイツ製スポーツカーとルノースポール(本当はずばりなメーカーと車種が書いてある)の対決評価記事で「ドイツ製スポーツカーがエクセルシートと定規から作られている印象なのに対し、ルノースポールはドライビングシューズとお尻の感覚をもとに作られている印象がある」という意味の一文があった。筆者はこういうのにシビレるタイプである。

筆者は「スポーツカー」とは「観念」の世界だと思っている。作り手の「こうあるべきだ」が存分に反映されている必要があって、その考えに共鳴できるかどうか。観念と観念のすり合わせで納得できれば買う(多額のお金が必要だが)。その意味ではルノーでもトヨタでも共鳴さえできれば良いわけだが、「ドライビングシューズとお尻の感覚をもとにチューニング」する観念には積極的に共鳴したい。特にMiTo乗りである筆者にとって、ワンランク上のセグメントに君臨するメガーヌR.S.は現行モデルがデビューした時から垂涎の的であった。

2017年8月に開催された北日本MiTo会 MiTo Meeting 2017に参加してくださった関東在住のしまのすけさん。LHDのMiTo QVからルノー メガーヌR.S.への乗り換えを実現されていた。「うわー!いーなー!!」とよだれを垂らしていたら「乗ってみていいですよ!」と勧めてくださった。これまでイデアルさんの中古車売り場に並んでいるメガーヌR.S.のコクピットには何度も座ってきたが、動かすのは初めてのことである。厚かましくも試乗させていただいた。メガーヌR.S.を今からでも買おうと思っている人は、以下読まないでいただきたい。筆者の購入時にライバルが増えて困るいやー、メガーヌ最低!こんなの乗る人の気が知れない。最悪。以上、メガーヌR.S.を買おうと思っている方、さ・よ・お・な・ら。ぶっ!
 


これが!しまのすけさんのメガーヌR.S.だっ!


以下メガーヌR.S.に興味の無い人に向けて書く。着座してドライビングポジションは調整せず、しまのすけさんのポジションのままで走りだした。やっぱり人様のポジションをあれこれ弄るのは(ちょい乗りだし)気が引ける。しかし一応着座環境についてレポートしておく。まずイスとハンドルの関係は素晴らしい。ハンドルに刻まれた黄色いセンタートリムは伊達じゃない。メジャーなどを使っての検分ではないが、少なくともこの点は問題ない。ABペダルレイアウトは、やや左に寄っていた。敢えて理想のAペダル位置を探ってみたが、タイヤハウスに盛大に邪魔されている感じもない。もうちょっと右に寄せようと思えばできたと思われるが、深遠なチューニングの結果なのか機構的制約の産物なのかは判明せず。少なくとも気に障るほどのことはない。

フロント窓外を見ると、ボンネット前端は大きく落ち込んでいてまったく目視できず。このクルマでコンビニの駐車場に前から停める人はいないと思うので、これも大きな瑕疵ではない。本当はボンネット前端が把握できなくても不安に思わない理由は別にある。後述する。目線を移すとメータークラスターやダッシュボードの位置が予想よりも高い位置に見え、ボンネット前端の件と併せて、身長170cmの筆者でもやや囲まれ感のある環境ではある。巷で言われる後方視界は、なるほど狭い(笑)。だが少し走って引き返す時、駐車場に入ってわざと白線内に後進して停めてみたのだが、意外や苦労しなかった。ドライバーの目線から、クルマの向き(どれくらいナナメになっているか、真っすぐか)が把握しやすい。フロントドアガラスのラインの切り方がうまいのかもしれない。同じフランス車でも家人のシトロエン DS3はドアガラスの下端が前から後ろに向かって上がるように傾斜しているせいか、ドアを規準にすると真っすぐ後進しづらいのだ。ドライバーの感覚って繊細かつ微妙なのね…。おまけにメガーヌR.S.、どういうわけかタイヤの位置がとても把握しやすいのである。これは数メートル走らせただけでひしひしとわかる。ボンネット前端が把握できなくても不安を感じない理由はこれだ。駐車スペースに後進で停める1回の動作でこれらのことを体感できることは稀である。つまり着座環境全体ではネガティブな気持ちは一片も生まれない。

続いて走り出してどうだったのか。6MTとエンジン性能のバランスは気持ちいい。シフトノブの動きも格段にクイックではないものの、充分に「飛ばす気になる」動作。クラッチミートのタイミングもヘンなクセはなく、Cペダルのチューニングは手前側でミートするもので、MiToから乗り換えても違和感が無い。MiToと比べる視点でもうひとつ加えればシフトノブがやや短く、それだけで御の字だ。残念ながら今回のちょい乗り試乗ではエンジン(2リットル直列4気筒DOHC16バルブターボ)の真価を体感することはできなかったが、あっという間に免許に優しくない領域に突入してしまう、とだけ書いておく。

驚いたのはハンドルの重さ。電子制御パワーステアリングの抵抗感。もちろん驚くのは走り出しの一瞬のことで、速度が乗れば落ち着く。むしろコクのある動きである。しまのすけさんの個体は18インチホイールに確かミシュランパイロットを組み合わせていたが、メガーヌR.S.の純正オプションには19インチホイールもあるそうで、そんなの履かせたら一体どうなるんだ?と心配になるほどの抵抗感である。筆者が知る限りではあおさんのプジョー 206SW S16の油圧モノよりも、ヘタしたらMiToのdモードよりも重い。その分当然のことながら直進性は素晴らしく、残念ながらそれを堪能できるだけの直進路は無かったのだが、充分に想像できた。このハンドルの重さから逆説的に考えると、MiToを含めた昨今の欧州車の電制パワステが軽過ぎるのかもしれない。タイヤの位置の把握しやすさと合わせて、このハンドルの抵抗感はもしかしたらメガーヌR.S.の最大の美点かもしれない。試乗コースは羽鳥湖湖畔のザラザラとした平坦なクネクネ道。MiToのお手軽電制パワステに慣れ切った筆者では、ハンドルを切るのに「オラァ!」的な気合いがいるのだった。

しかし前述の車両情報やタイヤ位置の把握しやすさが、こういう道でものすごく生きてくる。横幅は1800mmを超えている(1,850mm)にも関わらず、初めての運転で車線のセンターを(コーナリングの最中でも)ビシッと維持できる。コクのあるハンドル操作とAペダルの微妙なコントロールと併せて、ラインはどうにでもコントロールできる感覚がある。

ちょちょちょ、ちょっと待ってくださいよ。

なんですか?このゴキゲン具合は。

めっっっっっっちゃ楽しいんですけど!

かつてイデアルのK店長がメガーヌR.S.を評して「乗れば乗るほどボディを小さく感じる」とおっしゃっていたが、なるほどなるほど。さすがにこの試乗だけでボディを小さく感じることはできなかったが、外観を裏切る車両の把握のしやすさはビンビンにわかる。その車両感覚の感知を助けているのがボディの高剛性とセミバケットシートだ。メガーヌR.S.の剛性感は、右ドアの合わせが微妙な感じになるほどグズグズに草臥れてきた我がMiToとは比ぶべくもない異次元の硬さだ。かつてhoshinashiさんとalfa_manbowさんの年代の異なるジュリエッタで経験した剛性感ともまた違う。メガーヌR.S.と比較すれば両ジュリエッタはまだ「しなっている」。腰から下(ドアから下)はみしりとも言わないガッチリ具合。ボディだけではなく足周りの取り付けからビシッと微動だにしない感覚が味わえる。半面ドアから上、ドライバーの肩から上に関しては、変に突っ張る感じはなく、爽やかに入力が逃げていく。ワインディングを全力で駆け登ったり駆け降りたり、あるいはサーキットに持ち込んで限界走行をすれば、また印象は変わるのかもしれない。繰り返すがアップダウンのないややざらついたクネクネ道での試乗だから、まったく涼しい顔である。こういうのをキャパが広いというのだろうか。

そしてそれらの感触を余さず伝えてくるのがセミバケットシート。まさにお尻で得る情報が溢れんばかりで、もっとペースを上げても左右のホールドは微塵も揺るがないだろう。沢村慎太郎のQ&A本に「速く走りたいならホールドの良いシートに替えるのが一番の近道」と書かれていたが、これは筆者も納得の回答である。自分の身体感覚とクルマがしっかりシンクロしている実感がある。レカロに換装したalfa_manbowさんの愛車2台を試乗させていただいた時もそれを実感したが、メガーヌR.S.でさらに上書きすることになった。

OFF会会場に戻り、あおさんに感想を訊かれた。

「どうでした?」
「えぇ、もう、これで」

自分のドライビングスキルを、今よりも高いところへ押し上げたいと考えてMiToから乗り換えるなら、こういうクルマがいい。しまのすけさん、ありがとうございました。

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■顧問■
筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

■朝練&夜活■
早朝に走りに行くのが朝練。
夜に走りに行くのが夜活(やかつ)。
夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■EDO■
Eat and Drink Organizationの略。
親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
「同乗者無しでひとり1台」
「うまいものを食べ、飲む」が掟。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。
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