クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
試乗記・ホンダ ヴェゼル 少なくともまっすぐ走ります
| 試乗レポート | 21:28 | comments(8) |


社用車ホンダ ステップワゴン(初代)が車検を受け、その期間ホンダディーラーから代車が寄越された。それがなんとヴェゼルである。当社のステップワゴンはもはや20年選手であり、ホンダディーラーはきっとセールスの機会と捉えて、ちょっとイイヤツを送り込んでくるだろうという筆者の予想はまんまと大当たりであった(笑)。

ホンダ ヴェゼル(車検証による)
総走行距離約2,300km
初年度登録 令和元年(2019年)
形式 DBA-RU1
原動機の形式 L15B 
排気量 1.49L(ガソリン)
車両総重量1,465kg(前軸重750kg 後軸重440kg 車両重量1,190kg)
全長 433cm
全幅 177cm
全高 160cm

社用で、しかも同僚を載せて市街地を20km弱走っただけなので、例えばタイヤ銘柄は確認し損ねている。トヨタ C-HRに圧されてヴェゼルがすでに劣勢に回った「古いモデル」であることは商圏的には間違いないが、1台の自動車として見てみれば今回の個体はバリバリの新車である。いつものくたびれた代車の試乗記とはちょっと違いますよ(笑)。

さて、筆者は昨今市場を席巻するヴェゼルのようなSUVというジャンルの自動車にはほとんど興味がない。筆者にとってオフローダー、クロスカントリー車とはスズキ ジムニーだったりランドローバー ディスカバリーだったりジープ ラングラーなのであって、それらと同等に渡河したり荒野のガレ場を走破できるはずもない乗用車ベースの背高クルマには興味が持てないのだ(まぁ仙台程度の雪の朝には重宝するかもね、程度)。だが一方でこれほど持て囃される理由にはとても興味がある。少しでもそれがわかれば、と同僚からキーを引ったくって運転してみた(笑)。

●運転席環境
まず室内デザインについて。ホンダにありがちな複雑なパーツを何層にも重ねたような、目にうるさければ操作も複雑になりがちなコンソールデザインは見られない。昨今ありがちななんでもかんでも液晶タッチディスプレイでコントロールさせられるようなものもない。しかしこれはヴェゼルの設計が古いというだけで、モデルチェンジしたら真っ先に手を入れられる部分ではないか。ナビは2DIN社外品をどうぞご自由に…という今や古の方法。この個体にはGather名義のホンダ純正ナビがインストールされていた。これはあくまでナビゲーションとオーディオ類だけのユニットであり、クライメートコントロールはその下段に独立配置されている。このクライメートコントロールが液晶タッチディスプレイ方式である。最低最悪。部品数が減ってコストが下がって良かったですね。ちなみにデュアルゾーンエアコンではなかった。
 






運転姿勢を調整する。ハンドルはシートに正対して中央にあり、ペダルオフセットは確かにあるが、運転しにくさを覚えるほどではない。シートバックをやや立て気味にセットし、メータークラスタ中央に大きく鎮座する速度計盤面の傾斜と視線を合わせてやれば、正しい運転姿勢が自然と決まる。その時の座面長はわずかに短く膝裏は宙に浮くが、面でのホールドは最低限ある。硬過ぎず柔らか過ぎず。むしろシートバックがきちんと肩甲骨の下端周辺を押えてくれており、10時10分でハンドルを握る腕との関係も良好。

ヴェゼルのハンドルにはスイッチがてんこ盛りである。それはもう珍しいものではないが、ODDメーターを表示させるだけでも大騒ぎである。前述の車両諸機能の設定が、どうやらここに集中しているようだ(未確認)。筆者の感想としては、あらゆる操作子をハンドルにまとめるよりも、表示される場所の付近に関連する操作子が配置されている方が、人間として判断しやすいように思う。この不備はホンダに限った話ではない。
 


運転行為とは直接関係ないが、物入れやソケット類が充実していて驚いた。もっとも同乗した同僚(スバル フォレスター乗り)は、物足りなさそうだった。オフローダーな人と、速くコーナリングすることに血道を上げる人とは、車内に求める機能も違うのだなぁと感慨深い。
 


シフトレバーの下は
小物…大物入れと
様々な規格の接続端子が。
なんとHDMIまであったけど、
何に使うの?


運転席からの視界について本格的には追い込めなかったが、ピラーで視界が妨げられる体験は(短い試乗時間の中では)無かった。この手の自動車特有の高い着座位置からの視線は筆者には新鮮で、周囲の視認が楽なことは間違いない。つまりヴェゼルの運転環境は、かなり健やかだと言える(クライメートコントロール部分は除く)。ちなみに帰路は同僚に運転を任せて助手席に座ってみたが、シートのサイドサポートも含め、運転席と比べての明らかな手抜きは感じられなかった。後部座席には乗る機会なし。

●動的感想
市街地を法定速度で走行した範囲での感想を書いてみる。まず感じたのは「真っすぐ走るのが楽!」ということだった。ということはEPS(パワステ)がセンター付近でがっちり壁を作る嫌ぁなパターンか?と左右の微舵を試してみたが、そういうことでもない。ただし微舵に忠実に反応するわけでもなかった。つまり意図的に「速い舵にはしていない」ということなのだろう。直進が楽なことは明らかにメリットである。

視界が良く直進が楽なのは素晴らしいことだが、ネガティブな点が無いわけではない。まず左側面、もっと言うと左前輪の位置が把握しにくい。これはボンネットの前傾斜がきつく、前端が把握しにくいこととも相互関係があるように思う。理由はともかく、自信を持って位置決めしにくいのは残念だ。これが本格的なオフローダーなら文字通り死活問題である。

スローギアードなステアリングと併せてなんとなくもどかしい感触を覚えるのがスロットル、Aペダルである。ペダルの反応が遅いというよりは、エンジンはがんばっているようだが車速がついてこない系。もどかしいと感じる一歩手前という感じだ。とは言え一時期のホンダ車にあった狂騒的なレスポンスが胡散霧消したことはめでたい。ペダル踏み込み量と加速の感覚はリニアと言えるレベルにあり、コントロールに神経を使うようなことは(少なくとも街乗りレベルでは)ない。車高もロールセンターも高くなるであろうヴェゼルのような車両では、加速も旋回もピーキーではない方が良い、とホンダは言いたいのだろう。それはひとつの見識として受け入れることができる。

ごくわずかな時間・距離を走っての感想なので、なんだか静的観測ばかりが長くなってしまった。運転してみてSUVが持て囃される理由の一部でも理解できるかと期待したが、どうもやっぱりよくわからない。仙台市街地のような低速で走らざるを得ない細い生活道路から、ゴー・ストップを含めた極端な加減速を繰り返す郊外の混雑する国道のようなシチュエーションの両方を走ってみても、なにか明確な利点は感じられなかった。背高で視線が高いことから期待される見切れの良さは、前述のとおり車体デザインの不備によって万全ではなかったし…。そもそもどういうシチュエーションならSUV車両の善し悪しがわかるのだろうか。まずはそこから勉強せよ、ということだった。尻切れトンボっぽいが、これにて了。

プン太郎定期レポート#17_2020年2月
| 定期レポート | 21:47 | comments(13) |


総走行距離 70,078km(先月比+1,088km)

●信号無視で捕まる
仕事帰り。黄色から赤への際どいタイミングで交差点を左折したら、そこにパトカーがいた。9,000円。「壊さず・事故らず・捕まらず」のモットーを、2020年早々裏切ることになってしまった。
 


●ギシギシ音
2011年初年度登録のプン太郎、特に冬季、走り出し直後の車体のあちこちがまだ冷え冷えの状態の時は、あちこちからギシギシと音がする。

メータークラスターの中、ステアリングコラム、センターコンソールなどなど音源には事欠かない。メータークラスターやステアリングコラムからの音は得体が知れずなにやら不気味だが、センターコンソールのギシギシ音は正体がはっきりしている。社外オーディオユニット取り付けのために導入している1DIN フェイスパネルなのだ。オーディオユニットもその取り付け金具も社外品なので、微妙なずれが発生しフェイスパネルをきっちり最後まではめ込めない。故に常に少し浮いており、それが異音につながっているようだ。

1.carrozzeria DEH-970
2.PIONEER マツダ車用取付キット(汎用1D 12/8P) KJ-T11D
3.FIAT PUNTO evo 用1DINフェイスパネル JFPEV-01F_puntoevo

ま、音楽を聴くという機能には関係ないので(そうか?)放置している。

●スコスコ入る2速
アバルト プントエヴォのMT、2速に入りづらいのは既知の事実である。メカニズムを共有するアルファロメオ MiTo QVの事例としての方が有名だろうか。要はエンジン回転数が高過ぎても低過ぎてもゲートへの入りが悪く、特に2速でそれが顕著。だがこのシフト、ギアと回転数が合っていればスコッと実にスムースに入る。欧州車の実用車にはよくある話のようだが、電光石火のシフトチェンジ!に拘らず、ひたすらギアのシンクロとエンジン回転数が一致するタイミングを待てば良い。1速で発進し、2速のゲートの前にシフトノブを待機させて、4,000rpmくらいから回転数が落ちて行くのをひたすら待っていれば、ノブは吸い込まれるようにゲートに入って行く。

そのことを心がけつつシフトしていると、プントエヴォという車種がそもそも持っている固有の加速・変速マナーが、けっこうのんびりしたものだということがわかってくる。クルマを長持ちさせる運転ってのは、こういう固有のマナーやテンポを乱さない運転のことなのかなぁ…とぼんやり考えている。
 

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70,000km
| ABARTH PUNTO EVO | 18:23 | comments(3) |

先日購入したポジドライバーや電動空気入れの活躍もないまま、プン太郎の総走行距離が70,000kmに達した。2年と23日で約45,000kmですか。良い調子じゃないですかね。

00年代以降のイタリア車にとって、70,000kmはターニングポイントだと考えている。つまり予防メンテがより重要になってくる走行距離数ということだ。まぁそこはS店長やK店長と相談しつつ。これからもよろしく頼むぜ、プン太郎!!
 

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買っただけで…
| パーツ/グッズ | 23:18 | comments(11) |
懲りもせずメインテナンスツールを購入することがある。シャープペンシルやノートを買っただけで勉強したような気分になる、あれと同じだ。

今回購入したのはポジドライバーPZ2と電動空気入れである。
 

当ブログコメント欄に時折降臨されるガキんちょチンクさんのブログエントリーに触発されて購入。以前ストップランプバルブを自分で交換した際、プラスドライバーで強引に回してパーツの取り外しをしてしまったが、本来はこのドライバーが必要だったわけだ。試しにネジを1本回してみた。なるほど、正しいツールを使うとこういう感触で回るのか、という素人っぷり。
 



CAMPFIREというクラウドファンディングサイトで発見。空気圧測定が充填と同時にできるし、USB充電前提なので作業時は電源コードレスで使えるのが良い(シガーソケットからも採電可能)。取り扱い説明書を読んでみたら「クルマのタイヤの充填にあたり、1本充填したら次のタイヤの充填作業までには10分間隔を置け」という表記を発見。これはゼロbarからの充填のことを言っているのだと思われる。そりゃそうだろう。自宅でのタイヤ交換作業で4本微充填するたびに10分も待てるわけがない。自宅での作業ではせいぜい1bar未満の微調整だから、実作業上は問題あるまい。早速充電はしてみたものの、春のタイヤ交換までは出番がない(笑)。

ポジドライバー VESSEL メガドラ ポジドライバー PZ2×100 903 601円
電動空気入れ YANTU A05 5,680円
のんびり運転ブーム、C3にも到来!
| CITROEN C3 | 22:41 | comments(4) |

どういうわけか筆者に訪れた「アバルト プントエヴォをしごかないでのんびり優しく運転するブーム」。同じ視点で家人のシトロエン C3を運転してみると、こちらもやはり調子が良い。どこがどう調子良いのか。それはエンジンマウントに由来する。

ダウンサイジングターボは00年代以降欧州車の定番パッケージだが、1.3lの直列3気筒という額面だけを見れば、C3の1.2tという車重に対して不安に思う人がいるかもしれない。その不安は1度でも試乗してみれば杞憂であることがわかるのだが、自家用車として毎日(筆者の場合は時々)乗るようになると、特に動的性能については、やはりギリギリのところで成立していることがわかってくる。
 


これまでC3に対して、筆者は「国産車の1リッターモデルとは違って、動的性能にも室内環境にも余裕がある」と書いてきた。これはウソを言っているわけではなく、前述のシビアなエンジン性能でもC3はキビキビと走ってくれる。だが特に発進時や低速で微妙な加速を行う場合、ひとつ明らかになる瑕疵がある。それがエンジンマウントの緩さである。

受け売り蘊蓄で恐縮だが、エンジンマウントを緩くすると、特に音振対策に有効なのだという。つまりエンジン本体の揺れを押え込むよりも、揺らして発散させる方がフレームを介して室内に音や振動が進入しにくくなるというわけだ。増してやC3の3気筒エンジンなれば、(バランサーシャフト付きとは言え)エンジンの振動が多めなのは致し方ない。上位セグメントの高級車なら防音材を豊富に仕込んだり、ガラス類を厚くするなどの対策も取れるが、取り分けコスト管理が厳しいA-Bセグメント車ではそんなことはハナから無理だ。必要最低限の音振対策にがんばる小さなエンジンという図も必然ということになり、騒音や振動もマシマシである。それでもC3は音振対策は上手な方だと思われ、車内の居心地については大きな問題はない。しかしエンジンマウントの緩さは、1度気付いてしまえばそれを無視するのは難しい。

緩いマウントを意識するのはどんな時か。赤信号停止からごく普通に周囲のペースに合わせて加速を始める時。交差点内で右折待ち、対向車線の直進車両が途切れたからそれ行くぞ!という時。ブルンと鼻先で大きめの質量のものが震える感触が確かにある。シトロエンだってそんなことは先刻承知なようで、こういう場面でAペダルをググッと速く踏み込んでも、実際のクルマの動作として表出するまでに一瞬のタメがある。つまり電子制御で急なスロットルコントロールを均しているのだ。前述したシーケンスは日常茶飯に頻出するわけで、その度に「ブルン」を体感することになる。

試みに周囲のペース云々を無視して、ものすごく丁寧にAペダルを踏めば「ブルン」は避けられるものの、文字通り軽自動車に置いて行かれる仕儀となる。しかしこのように丁寧に加速動作を作ると、C3が持っている上質感がさらに増す気がする。ケースバイケース、TPOを弁えての操作なら、しずしずと走り出してエンジンの揺れを感じないようにコントロールするのも、ひとつのゲームのようで楽しめる。これも「のんびり運転」のメリットと言えるだろう。
 

 

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のんびり運転ブーム到来!
| ABARTH PUNTO EVO | 20:45 | comments(10) |

とりあえずまったくノートラブルのプン太郎。オーナーの財布的には最高だが、ブログを書くとなると筆が全く進まないという事態になる。1月中旬に気仙沼・大島で魚研ご夫妻に遭って以来、遠乗りもしていない。いやはや、単調な毎日である。

そんな単調な毎日でも、通勤のためにプン太郎を一定距離運転はする。だが仕事に行く時にテンションアゲアゲなわけもないし、帰宅する時もヘロヘロだから、まぁ自重する(以前はアドレナリンが出まくって速度を上げがちだったけど、もうそういうのもないな…)。そういう毎日が続いていたからこそ気付いたのが、のんびり走っている時のプン太郎の挙動の充実感。赤信号停止からあっという間に80km/hみたいな運転をしなくても、一定の加速で法定速度まで速度を上げて行くだけでも充分「運転の楽しさ」は味わえることに、改めて気付いた。

で、通勤ではなく、ちょっと遠いところまでのんびり走っても楽しいのか。宮城県北まで県道・農道を走り継いで確かめてきた。
 












思ったとおりぶっ飛ばさなくてもとても楽しいのだった。しばらくはこののんびり運転でプン太郎の挙動チェックをしてみようと思う。
 

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■プン太郎■
筆者の愛車ABARTH PUNTO EVOのこと。
ブログ本文に「プントエヴォ」と
フルネームで書くと煩わしいので命名。

■R、K■
R=国道(Route **)
K=県道(Kendo **)
のこと

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。

■顧問■
筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

■朝練&夜活■
早朝に走りに行くのが朝練。
夜に走りに行くのが夜活(やかつ)。
夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■EDO■
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親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
「同乗者無しでひとり1台」
「うまいものを食べ、飲む」が掟。
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