クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
エンスーだから、という理由だけではありません・洋菓子ピュイダムール
| クルマにまつわる四方山話 | 13:42 | comments(3) |

今困っていること、それは自宅近辺においしい洋菓子店がないことだ。以前は団地の中に素敵な洋菓子店があった。わざわざ遠くから買いに来る客もいたという。しかしご主人が思うところあって閉店した。団地住民の嘆きたるや。閉店日はある年の大晦日。整理券が発行されたがお店の前は路上駐車車両があふれた。しかし誰も文句を言う人などいなかった。以来筆者家族は洋菓子難民だ。

宮城県多賀城市の洋菓子店ピュイダムールのお菓子はどれも素晴らしい。オーナーパティシエ氏はハンドルネーム「トーマス」さんとして、このブログのコメント欄に時々現れる。筆者とはアルファロメオ MiTo乗り同士として知りあう方が先だった。お話を聞いていたら、なんと先の閉店した洋菓子店のご主人とは師匠が同じ、兄弟弟子同士なのだという。不思議なご縁もあるものだ。

過日どうしても「間違いないケーキ」が欲しくて、多賀城までプン太郎を飛ばした。我が家はホールケーキを滅多に買わない。ショートケーキのアラカルトで各人が好きなものを食べる。何を食べてもおいしいピュイダムールのケーキなら、アラカルトで食べた方が目も舌も楽しいに決まっているし、何を買っても間違いない。
 


洋菓子店ピュイダムール
(宮城県多賀城市笠神5-14-18)


我が家からピュイダムールまではほぼ1時間。仙台の西の外れの山のふもとから太平洋の海辺の多賀城市までは、どうしても混雑するポイントをいくつか抜けねばならず、増してや週末の夕方だったので1時間で到着するのはむしろ早いと言える。入店すると聞き覚えのある曲が店内に流れていて…ってこれ、オレのアルバムじゃないかー!トーマスさん、先日わざわざ筆者の手から直接購入してくださった。しかも店内BGMに使ってくださっていた。「勝手にすみません」と言われたけど、むしろこちらこそありがとうございます、である。夕方で品数も少なくなってきているショーケースの中からケーキを選ぶ。どうせ何を食べてもうまいんだから目隠しして「上の段、右から◎番目」みたいに選んでもいいくらいだが、敢えての定番ショコラとか、むしろ変化球の桃のケーキとか、両極端なチョイスでイケイケである。さらにロールケーキを1本買う。持ち帰りはそこまでなのだが、さらに筆者と家人でシュークリームをイートイン(笑)!クリーム詰めたてのシュークリームが一番ウマイに決まっている。むははははは。

帰路は利府町へ抜けて山沿いから帰ってくる。このコースなら混雑はなかろうと踏んでいたのだが、富谷市近くであり得ない大渋滞に。そのままさらに北へ向かい、富谷市から大和町へ抜けてR457で帰ってきた。帰路もやはり1時間だった。

そういうわけでピュイダムール、気軽に行ける距離ではないのが本当に惜しい。しかも買ったら一目散に帰らねばならないからツーリングの途中で寄るわけにも行かぬ。焼き菓子を買えばいいじゃないかって?あんなうまそうなケーキやシュークリームを横目に焼き菓子「だけ」買って退店するなんて、あっしにゃできねぇっ!そうしてまたトーマスさんに不義理をしてしまうわけだが、どうか許していただきたい。

このエントリーをお読みのみなさま、宮城県多賀城市のピュイダムールのお菓子は何を食べてもハズレがないので、ぜひ足を運んでいただきたい。トーマスさんの人柄そのものの洋菓子。しょちゅう食べられないが、筆者はいつもありがたく食べている。
 


奥に停まっているのが
MiTo QV トーマス号


おまけ
定義山の門前喫茶Norah、仙台市泉区寺岡にあるパティスリーソワンのケーキもうまい。Norahは文字通り筆者行きつけのカフェ。カフェだけど自家製ケーキとパンも滅法うまい。ソワンは近いからありがたくて通っているけど、団地の中にぽこっとあるくせに中々上品なお味。和菓子についてはまた今度。

プン太郎で行く!ケバブサンドとだしそばの道
| その他のツーリング・夜活など | 20:32 | comments(11) |

夏休みの惰眠を貪る息子を伴って、山形県・寒河江市と山形市内を走ってきた。日本国内が酷暑に晒される中、わざわざ仙台よりも気温が高い山形県内に赴く理由はもちろんある。

このブログの過去エントリーを丁寧に読み返していくと、道の駅「チェリーランドさがえ」が何度か登場することに気がつくだろう。チェリーランドさがえにはトルコに関連した施設や食べ物メニューが揃っていて(姉妹都市か何かなのだろう)、実際にトルコの人が作るケバブサンドが食べられる。息子はこのケバブサンドの大ファンで、よく筆者に「寒河江に行こうぜ、ケバブサンド食おうぜ」と言ってくる。が、「暑いからヤだ」とか「休日は混んでるからヤだ」とか、いろいろ理由をつけて筆者は息子を連れていかなかった。たまたま気が向いたら息子は夏休みだった。明かしてしまえば大した事のない理由だが、ひとりツーリングの行き先など、そんな理由で決まるものだ。

朝9時過ぎに自宅を出発。寒河江までのコースは仙台市内からR48で県境を越え東根市に入る、何の変哲もないもの。
 


R48
作並温泉を通り抜ける


たまたまこの日、仙台は予想最高気温が30度を下廻るという酷暑の八分休符みたいな日だったが、関山峠トンネルをくぐって山形に入ると、明らかに気温がどんどん上がる。あっという間に32度だ。仙台では窓全開で走れば暑さを我慢できたが、32度ではちょっと…。しかし久しぶりにエアコンロス無しにプン太郎を走らせると、やはり良い。運転のリズムを作りやすい。そして特に2、3速の2,800rpmくらいからのトルク感もりもりもり具合の楽しさと言ったら…。そいつを身体に馴染ませてしまうとその快楽にはもう抗えない。寒河江に着くまでエアコン無しで走ることにする。わはははは。

今回もなるべく未踏破の道路を探して走ってみた。R48を進み天童市へ入り、ローソン天童川原子本郷店のある交差点を北へ曲がる。ひたすら果樹園が続く地帯の、農道と思われる細い一直線の道路を西へ進む。走っているのは軽トラックばかりだし、道路の左右には農作業中の方々がちらほら見える。プン太郎で走るのはちょっと場違いな気がしたが、なるほど山形空港へのショートカットとしては理想的。
 


山形空港すぐ隣のナイスとんかつ屋「3男坊」まで来ると、あとは手堅くR287とK25でチェリーランドへ。表通りのR112からではなく、川沿いの堤防を走破して(笑)パーキングに乗り込もうとしたその矢先、その表通りの入り口からアウディ R8が入ってくるではないか!!実車を見るのは2度目だ。
 


ひっくーっ!(低い!の意)想像以上に車高が低いR8を後ろから見ると、「これ、どこに人が乗るんじゃ」という態である。V10モデルでLHD、助手席からは見目麗しい女性がすらりと降りてくるんだから、こりゃ決まりすぎだろ!R8氏と女性は冷房の効いた建物へ。筆者と息子は冷房の無いケバブ売り場へ(泣)。ケバブサンド、おいしいね。
 


隙あらば辛味スパイスを
増量しようとするトルコの人





うめえ


190ml


喰うもん喰ったらその次だ!!R287で朝日町へ南下。K18で白鷹町、そのまま山形県民の森を抜けて山形市内へ、蕎麦でも喰うか!という算段。ここからはログを取っておいた。
 


プン太郎の外気温計は34.5度なんてふざけた表示を続ける。残念ながらチェリーランドを出発する時からプン太郎のエアコンはON。あーあ。そんな猛暑の中、屋根開きで走るアルファロメオ スパイダーの後ろに付いた。
 




夏スキーのメッカ、
月山(がっさん)



尊敬せざるを得ない


このR287は道路左右の眺めも良く、前を走るクルマのペースさえ良ければ三桁国道の癖に侮れない道路だ。しかし途中からK18に入ると、こちらはさらにゴキゲンである。ゆるい上り勾配の片側1車線ワインディング。エアコンロスが恨めしいが、助手席に息子が乗っていることもあって目を三角にするようなペースでは走らないから、ここは良しとしよう。いくつか集落を経由しつつK143に乗り換え、さらに細くなったワインディングで白鷹町へ抜ければ、広がるパノラマに思わずニマニマしてしまう。いつもそうだが、この日も前走車も後続車も対向車もいない。陶然としちゃうね。
 




ここも定点観測地点。
西村山郡朝日町下芦沢




 

白鷹町内で分岐するK17で山形県民の森を通り抜ければ、ほどなく山形市街地だ。目指すは「梅そば」、先日食べられなかったリベンジだ!息子よ!梅そばの定休日を調べろ!!高校入学と同時にゲットしたiPhone8plusでGoogle検索!!「本日定休日だって」ずこー。すかさず目標変更。西蔵王公園の竜山を目指す。R348からだと交差点をふたつ曲がるだけで到着してしまうイージーさに驚いた。
 






竜山
(山形県山形市八森96)



「あんまり暑いからお客さん来ないよ!」とご主人がぼやくとおり、なるほどお客がいない。入れ替わりに高齢のご夫婦が退店すると、店内は筆者と息子だけに。窓は開け放たれており、ひっそりとした座敷席は居心地最高である。読者諸姉諸兄におかれては可能な限り竜山を訪れていただきたいと願う。そうこうするうちに蕎麦が運ばれてきた。
 








ケバブサンドを食べた後でもツルツル入ってくる逸品。竜山はそば打ちに必要な清涼なる水を求めてこの山の中腹にお店を開いたらしい。蕎麦も出汁もそれを実感できる味である。必要以上に太かったりボキボキいわない、蕎麦に思い入れのない筆者ですら積極的に足を運びたくなる。加えて蝉時雨を聞きながら座敷で蕎麦をすするというロケーション。浮世の憂さもしばし忘れられるというものだ。食べ終ったあと、この座敷で昼寝したら最高だろうなぁと本気で思わずにいられなかった。

竜山に来るといつも思うのだが、ここでお酒を呑んで温泉にでも入ったら極楽だろうなぁ。竜山では日本酒ももちろんおいてある。山形の銘酒「十四代」を推しているようだ。ただ立地条件から言ってクルマで来るお客がほとんどだろうから、酒のアテの種類自体はそこそこだけど、そんなことは瑣末なことだ。竜山でお酒を呑んで蕎麦を食べ、蔵王温泉に戻って風呂に入って寝る。これが西蔵王公園・蔵王温泉コンプリートコースではなかろうか。

そんな夢想をいつか叶えん。しかし今日は笹谷トンネルを抜けて定番コースで自宅まで帰るのみ(泣)。例によって釜房ダム湖畔で定点観測。
 


笹谷


釜房ダムでも定点観測


5時間/189km


数年後に息子が免許を取ってBMW Z3を買ったら(欲しいんだそうだ。4気筒モデルなら中古価格も安いしな)、親子でツーリングに行けるだろうか。

 

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(相変わらず)エアコンは敵だった
| ABARTH PUNTO EVO | 21:59 | comments(10) |

記録更新の暑さが続く日本列島、読者諸姉諸兄はご健勝であろうか。あれこれあって、筆者はひとりツーリングになかなか行けない。それでもまぁプン太郎には毎日乗る。折りからの猛暑に対してエアコンを使わざるを得ず、結果エンジンパワーを心ならずも削られ痛し痒しな状況が続いている。
 


プン太郎を購入する以前、購入を検討し始めた頃、そして購入した直後。前愛車アルファロメオ MiToの、ちょっと辛口バージョンがアバルト プントエヴォだと思っていた。だが購入から半年が過ぎ、その認識は変わった。MiToとプントエヴォを比較すること自体が間違いではないかと思う。元となったフィアット車両から著しく性能を底上げする様をアバルトマジックなどと言うが、筆者とプン太郎の関係に限って言えば、足周りや旋回性能において特に強くそれを感じる。フィアット グランデプントをちょい乗り試乗しただけではあるが、グランデプントは基本的に生活用車両であって、特に動力性能は最低限の能力しか無かった。逆に言えばそんな生活グルマですら旋回と制動が気持ち良いあたりに凄みを感じるわけだが、まぁそれはともかく、グランデプントの印象に加え8年半乗ったMiToの記憶を重ね合わせても、アバルト プントエヴォというクルマの基礎能力の高さは驚く。特に日常生活の中で表出する範囲で、そのマジックをたっぷり味わわせるチューニングの妙味ときたら笑いが止まらない。池波正太郎なら

「たまらない…」
のである。


と書くだろう。

もちろん加速性能も気持ち良い。だがその気持ち良さを味わう作法がMiToとは異なる。プントエヴォはギアの1速で稼ぐ。2速は過渡域でしかなく、その先の加速は3速が担う。例えば高速道路への流入でいち早く100kmプラスアルファの速度に上げるような場面では1速と3速が主役だ。生活道路などを走るようなもっと低い速度域でも2速の役割は基本的に変わらない。MiTo(1.4T)はそうではなく、1速はクルマをゼロから動かす時にせいぜい3,500rpmくらい回せば良くて、あとは2速で加速を稼ぐ。今MiTo1.4T Sportのギア比がわからないのだが、マルチエアを積んだモデルではプントエヴォのような振るまいをするのかもしれない。

購入後半年でようやくそういう加速マナーを身に付けることができた。もうタコメーターを見なくても大丈夫。吠えろプン太郎!しかし2018年の猛暑に屈し、エアコンをがんがん回し続けていると、1.4リッターマルチエアエンジンにターボ過給のプン太郎ではエアコンの諸々の機械動作による動力ロスがある。それもしっかり体感できるレベルである。結果シフト操作がギクシャクしたりする。体調万全でもダメなのだ(笑)。

2018年5月にアルファロメオ 147 2.0TSに試乗させていただく機会があった。147初体験だった。かつての(あるいは現)147オーナーがどうしてあんなに褒めそやすのか、その理由を知りたかった。その試乗記にこんな風に書いた。

147は現代のクルマと比べると走らないし曲がらないし止まらない。そこを運転手が補ってやる必要はある。つまり漫然と運転させてはもらえない。その点だけで比較すれば筆者の老母が乗るトヨタ パッソ(の1リッターの方)と変わらない。しかし147は補って走るとその努力に相応しいリターンがある。そのリターンが想定一割増しなのだ(笑)。「え?ちゃんと走らせるとこんなに楽しいの?」なのだ。

147の気持ち良さの理由のひとつは、「運転手の努力が正しく報われる」ことだと思う。だがそのストライクゾーンが狭い(笑)。漫然と運転していては報われないのだ。そしてエアコンロスでいつものギアシフトではダメになってしまったプン太郎のストライクゾーンも、ひときわ狭くなった。非常に範囲の狭い「正しい運転」を強要されるクルマに乗れるのはいったい何歳までだろうか。
 

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DS3を購入するならば…・くうさんコメントへの返答
| CITROEN DS3 | 00:57 | comments(55) |

なんか違う感・プン太郎カーオーディオ改造後の話」というエントリーに、くうさんという方からコメントをいただいた。DS3の購入にあたり意見が欲しいとおっしゃる。コメント欄の返信として書き始めたら、ものすごい長文になってしまったので、独立したエントリーとしてアップすることにした。まずはくうさんからのコメントを引用する。

初めまして。
こんばんは。DS3購入検討中のものです。
acatsuki-studioさんのブログは大変わかりやすく参考にさせてもらっています。

香川県在住なので地元にシトロエンがなく、DS3 パルテノンの展示車を見に神戸まで行きました。流石にメンテナンスに通うには長距離なので、翌週岡山シトロエン に行ったところ神戸より見積もり金額が高く予算オーバーとなってしまいました。
その際置いてあった、中古のシック ウルトラ プレステージの色、デザインが気になり、予算内で購入できることもあり、どちらを買うものか悩み中です。
年式は2012年 40000kmのものです。
現在14年目のトヨタ車に乗っていて輸入車購入は初めてです。
DS3、10年くらいは乗れるもの何でしょうか?

もしよろしければご意見お聞かせ願えないでしょうか?
よろしくお願い致します。
| くう | 2018/07/19 11:08 PM |


で、返答を書いた。

◇くう様
ようこそようこそ。コメントありがとうございます。香川県には高松市に先日おじゃましたばかり(笑)。お暑うございます。先日の豪雨被害はありませんでしたか?暑さで体調を悪くされていませんか?DS3のことを考えて元気にまいりましょう!

基本的にDS3は我が家の一員でもあり、当然大推薦なのですが、輸入車初購入・トヨタ車オーナーのくうさんの背中をどうやって押そうかな、と考えると返答を書くのも緊張しますね。人様の財布に直結の話でもありますので。しかしその大胆な乗り換えは全面的に支持するものであります!

シトロエン DS3、予算オーバーの限定車パルテノンと中古で40,000km走ったシック ウルトラプレステージのどっちがいいか。この質問にはすぐに一発でお答えできます。が、その前に輸入車初購入のくうさんに、シトロエン車のデメリットとメリットを私なりにご説明します。シトロエンを好きになっていただきたいのでメリットは後から書きます(笑)。

まずはデメリットから。よく言われる「壊れる」。20世紀のシトロエンに比べたら格段に壊れないです。メカニズムを共有するプジョー車と合わせればけっこうな弾数が売れているはずですから、万一の場合でも正規ディーラーさんなら予防・修理ノウハウもあるでしょう。でもやはりトヨタクオリティとは比べ物になりません。私はプジョー 307SWにも7年半乗って、現在家人がDS3に乗って8年目。途切れつつも15年ほどプジョー/シトロエンのクルマに乗ってますが(プジョーとシトロエンは同じ会社が作ってます)、なんか、おんなじところがダメになるんですよ、あの会社のクルマって(笑)。電気系統が弱いと言われますが、パーツのクオリティの問題もあるし、その組み込みが無茶というか、そりゃ何年かすれば壊れても仕方ないよ、という。まぁ主だったトラブルは年次改良でどんどん対策品と入れ替わっていきますけれど。だから以前エントリーに書いたように「予防」が肝要、先手必勝なのです。いつの間にかパーツ形状が改変されていて、交換するにも現状付いているパーツの写真をインポーターに送らないと正しいパーツが送られてこないなんてこともあります。右ハンドル環境のオフセットも定評あるところです。シートセンターとハンドルセンターがズレている。ペダル類がずいぶん左に寄っているなどなど。気にしないという方もおられますが、私は気になっちゃいますねぇ。

話を分かりやすくするために「デメリット」と書きましたが、これらは要は文化の違いというやつで、「大事なこと」「優先すべきこと」が日本人とは違うんです。新しい技術をきちんと整えてリリースするのが国産メーカー、トライアンドエラーを発売後も続ければ良いと考えるのがあちらのメーカーと言えると思います。だからイタリアやフランスの車のモデル末期は本当にスイートなものになっていることが多い。国産車は定期的にマイナーチェンジを重ねますが、良かったところにも手を入れてしまい、モデル末期はなんだかよくわからないものになっていることも多々あるじゃないですか。考え方がかなり違うんです。

ではここから「メリット」を書きます(笑)。言うまでもないことですが、エクステリア、インテリアを目にした時の気持ち良さ。これは99%の国産車には無いものです。「目に気持ちよい」感は特にフランス車が優れていて、英国車もベクトルは違いますけど目に気持ち良いですね。イタリア車は「目に刺激的」(笑)。ドイツ車はよくわかりませんが、見た目がフレンドリーではないですね。C-HRやカムリなど、トヨタプロダクツもレクサスの影響か手数の多い=やたらとプレスラインの多いデザインになってきましが、ああいう小手先のデザインではなく、必要なものと不必要なものがきちんと区別できているのがDS3のデザイン。結果的に唯一無二なものになっています(同時に自社ヘリテイジの引用もうまい)。インテリアも質素で決して豪華ではありませんが、色使いや形が洒落ている。余計な要素がない代わりにパーツひとつひとつの形状を研ぎ澄ましている感があります。オーソドクスだからこそストレスなく運転できる環境になっていると思います。

そんな環境でDS3を運転する時の気持ち良さを詳しく書くこともできるのですが、ずいぶん長文になってしまっているので要約すると旋回特性と足のねばりが国産車との一番の違いです。2015年以降の国産車についてはよく知らないのですが、とにかくハンドルと足の連携が素晴らしい。微舵にもきちんと反応します。かと言って神経質でもない。足はロールを許すけど路面追従性がとても高い。その上ショックの逃がし方は最高。DS3は運転していて本当に疲れません。

くどくど書きましたが、まとめます。

良くない
国産車に比べればまだ壊れる頻度は高い。パーツ類単価も国産車より高価。

良い
目に気持ち良く類似性のない内外装。ドライバビリティも高く、運転そのものが楽しい。


さてようやく本題です。シトロエン DS3のパルテノン(でも予算オーバー)と中古で40,000km走ったシック ウルトラプレステージ(2012)のどちらが良いか。答えは「がんばってパルテノンを買ってください。」です。理由は簡単でパルテノンが搭載している1.2リッターのピュアテックと呼称するエンジンと、形式名EAT6、6速オートマの組み合わせが超絶スイートだからです。エンジンが軽量化されて鼻先が軽くなり、もともと素性の良かった旋回性能がさらに軽快かつシェアに感じられるのです。逆にウルトラプレステージ(めんどうだから以下UPとします)が搭載しているBMWと共同開発した1.6リッター自然吸気エンジンと4速オートマ。この4速オートマ、AL4という形式名なんですが、こいつがよろしくない。出足と日常速度域が残念な出来。先に「旋回と路面追従性が素晴らしい」と書きましたが、それが色あせるんですな、このAL4だと。一応フォローしておくと、60km/hよりも上の速度域ではゴキゲンなんです。信号の無い郊外の県道なんか走ると陶然とします。ところが街中の40km/h前後で走ったり停まったりするシチュエーションでは1-2速をギクシャクと行ったり来たりで、アクセルペダルへの入力とクルマの挙動が一致しなくてイライラするんです。だからAL4が搭載されている以上UPは絶対に薦めません、というか、積極的に止めます。それにAL4、よく壊れるんですよ、距離を重ねると。その理由も先日ディーラーで説明を聞きました。構造的なものですから対策しようがないんです(一応メーカーも対策は取ったけどわれ鍋にとじ蓋みたいな策でした)。ターゲットのUPは現状40,000km。今のくうさんのクルマライフを存じ上げませんが、DS3を買ったことで突然ひとりツーリングに目覚めて、休日は走ってばかり…なんてことになるかもしれません。そうしたら数年で8万9万kmですよ。そのあたりまでAL4に異常が出なければラッキー(笑)。まぁそんなクルマライフを送るようになっていたら、それなりの修理代を払ってでも乗り続けたいくうさんがいるかもしれませんけれど(笑)。

UPの色使い・佇まい、確かに色気がありつつ上品です。まさにプレステージ、私も素晴らしいと思います。が、ここはひとつ予算的にがんばっていただきたいのです。「いや、無い袖は振れない」とおっしゃるなら、同じシックの限定版じゃない素のシックをご検討されてはいかがでしょうか。1.2+6ATなら何でもいいです。実はDS3、来年あたりフルモデルチェンジらしく、見た目ががらりと変わるようです。動的性能が悪くなるってことは多分ないでしょうけど、あのシンプルゴージャスな外見が変わるのは残念至極です。

あと視界にすら入っていないかもしれませんが、ひとつ上のグレード、スポーツシックを買うとDS3の素性をもっとダイレクトに味わえます。先の1.6リッターにツインスクロールターボを付けて165ps/6,000rpm。6MTもクセの無いトランスミッションで操作が楽しい。足周りもシックより若干引き締められていて、さらに旋回が楽しい。あの楽しさはもはや反則です(笑)。もう笑っちゃいますよ、楽しくて。

くり返しになりますが、国産車比しょーもない壊れ方をするので、ディーラーさんとは仲良くしておくことをオススメします。維持費は正味どれくらいかかるんだ?と思われる場合は、当ブログの「シトロエン DS3」カテゴリーをのんびり読んでいただくと、具体的事例がいっぱい書いてありますので参考になると思います。あのカテゴリーに書かれた出費は、輸入車初購入の際は「そんなにかかるのか!」と読めるでしょうけど、極上の運転体験を毎日享受しているうちに「まーしゃーねーか」と苦笑いでやり過ごせるようになるはずです。

さぁシトロエン岡山に行きましょう。そして予算を提示しAL4だけはイヤだ!とおっしゃってください。担当してくれる営業さんが苦笑いしながら「左様ですか。ではこちらはいかがでしょうか」とマイナーチェンジ後の1.2ピュアテック+EAT6の個体を薦めてくれるでしょう。

※AL4とEAT6の隙間にごく短い期間ETG5という2ペダルマニュアル「エフィシェント・トロニック・ギヤボックス」というのがありましたけど、AL4よりよろしくないので絶対ETG5搭載モデルは手を出しちゃいけません。

 

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プン太郎・幻のバッテリー異常アラート
| PUNTO EVOのメインテナンス | 07:00 | comments(4) |

過日、プン太郎で走行中、マルチディスプレイに突如バッテリー充電異常アラートが現れた。

ええっ?バッテリー死にかかってるの?とっさに取った行動がアイドリングストップ&スタート機能のキャンセル。慌ててとっ散らかっている。確かにセルを余計に回しているばーいじゃないけれど。停めようと思っていた駐車場へあと数百メートルという距離だったので、おっかなびっくりさらに走らせ、なんとか意中の駐車場に辿り着いた。アラート表示はそのまま。

駐車場で切り返しを行おうと思ったら今度はハンドルが鬼のように重い!出た!あれか!



なつかしや、
MiToのアラート表示


しかし上掲画像のような、見慣れたパワーステアリング関係のアラートメッセージは現れず。文字通り力技でなんとか駐車を終える。その時筆者は出勤途上だったので、とりあえずマニュアルを持ってプン太郎を降りた。落ち着いて警告表示類の項を読んでみても、具体的に原因の類いは書いていない。とほほ。揚げ句の果てには、オルタネータとのベルトが切れていたりするかもしれないからすぐにサービスへ持ち込め、とある。実際そういうこと、あったんだろうなぁと思わせるところが怖い。
 


マニュアル
4-18ページ


仕事を終え帰る段になると改めて戦々恐々。果たしてエンジンはかかるのか?パワステは復活しているのか??・・・筆者の不安をよそに、あっさりエンジンはかかり、ハンドルもいつもどおりだった…。その後主治医株式会社イデアルさんに持ち込みたくても持ち込めない状況が続いた。その間プン太郎はゴキゲン。筆者も疲労回復に努め体調も上々、早く遠乗りに行きたいなーと暢気に3日以上も経過してから点検のために入庫した。
 


結論から書くと、原因不明バッテリー本体にもオルタネータにも異常はなかった。まぁそんなこったろうとは思っていたけれど。イデアルさんでは高負荷チェックをしてくれた。フロントライトをハイビーム状態で点灯、エアコンONで風量最大、ハザードランプ点灯。ここまでやってもオルタネータの発電量はコンマいくつか減るだけで、これは許容範囲だという。発生時、エアコンはオートモードだったし、オーディオも鳴らしていたけどオルタネータに負荷がかかるようなドライブ具合ではなかった。朝だからもちろん燈火類はオフだったが、アラートが出た瞬間ウィンカーは出した。まさかウィンカー(ターンシグナル)の点灯でオルタネータがギブアップしたってことはあるまい。

ではパワーステアリングのアシスト消滅は?実はこれ、正しい反応らしい。オルタネータの発電量を監視しているECUが異常を感知すると、自衛のためにパワステのアシストをオフるという。そんなー、まずはエアコンとかからオフってよー。これはFCA、フィアット系車両共通の設計だそうで、筆者がMiToでさんざん経験し心配したステアリング舵角センサーの異常ではないようだ。よかったよかった(because ステアリングコラムASSY交換で15万円越えの案件なのだ)。

ちなみにPSA、プジョー/シトロエン系車両のパワステアシストモーターの動作は一転してバッテリー由来だという。だからオルタネータがトラブっても、プジョー/シトロエンの車両のパワステは、キーをACCポジションに入れれば動作するのだという。両者の設計思想の違いが垣間見えておもしろいトリビアだ。教えてくださったサービスのTさんは「バッテリー由来のパワステが生きてて喜ぶのはピットのスタッフだけですけどね、故障車の移動が楽なんで」と笑っておられた。

YさんやTさんと果てしないヘンタイトークを繰り広げているうちに、とっくにプン太郎はピットから戻っていた。それに気付かない筆者は延々と話し込み、気がつけば営業時間を大きく過ぎていた…。ホントすみません。慌てて退店。今回も整備代等はかからず。ありがとうございます。今年の猛暑でエアコンは使わざるを得ない。プン太郎(のオルタネータとバッテリー)、がんばってくれ。

なんか違う感・プン太郎カーオーディオ改造後の話
| 車載オーディオを考える | 06:49 | comments(2) |


改造したプン太郎のカーオーディオ環境。早くも「なんか違う感」が。低音域と中音域・高音域を別々のスピーカーで鳴らすことにフォーカスした改造だったのだが、分けた音域がシームレスに繋がっていない感じが拭えない…。



純正ウーファーは
トランク内右側に付いてます


MiTo時代と同じ機材を使って、プン太郎に初めから付いていたFIAT純正ウーファーを有効活用することを優先的に考えた改造だった。自動車内の音響特性は、そもそも音楽鑑賞に不向きだ。エンジン音やロードノイズなどノイズまみれな上に吸音材まみれという環境なのだから。そんな環境でコンテンポラリー音楽を聴こうと思ったら、在る程度は低音域と高音域のブーストはやむを得ない。必要以上にロー(低音域)が強い鳴り方は好きではないが、だからウーファー万歳だったのだが。

ウーファー重視プランのもうひとつの理由は、ドアスピーカーFocal 165CVXの負担軽減だった。このユニット、音質は筆者の好みにドンピシャなのに低音ユニットのヘタりが早い(数年でビビりが発生する)。それはガンガン低音を鳴らしているからではないか…と疑っていた。低音負担を減らして165CVXの延命を図る。それもやはりウーファーありきのプランなのだ。
 


FIAT HIFI SYSTEM!!


改造後、いろいろと調整していたら「ウーファーの出力が小さい」ことがわかった。それもちょっと足りないレベルではなく、「鳴ってる?これ」というレベルで小さかった。そこでまずウーファーに必要充分な音量を出させて、それに合わせてフロント側の音量を絞るようにした。すると当然のことながら、全体の音量は下がる。別に「里美洋と一番星」のショッキング演歌を道行く他人に聞かせたいわけではないが、自分のアドレナリンが出るくらいには音量を稼ぎたいではないか。DEH-970のボリュームはどんどん上がっていったが、なんとか「これ以上の音量はいらん」レベルにはなった。

そこまで追い込んで、冒頭の「なんか違う感」である。低音域はエネルギーは大きいものの波長が長く、高音域に比べれば耳に到達するまでに時間がかかる。増してウーファーはトランクスペースに設置されていて、トランクカバーもかかっている。耳に届くまでのハンデが大きい。その結果音楽から一体感が薄れ、曲によってはグルーブそのものが変わってしまったように聞こえるのだ。
 


以前友人のレコーディングにエンジニアとして参加した際、ドラマーから「必要以上に高音域を強調しないように」とリクエストされたことがある。ライドシンバルやハイハットなどの金物系が強調され過ぎてしまうのが困るという。高音域は低音域に比べて耳に届くのが速い。結果的にドラマーだけが先走っているように聴こえるのがイヤだという。なるほど、高音域を極端に強調したミックスとそうでないミックスをA/Bテストで聴き比べると、音楽のノリが違って聴こえるのだ。

改造後のプン太郎のカーオーディオ環境にも似たようなことが言えるだろう。プン太郎の場合低音域が脚を引っ張っている…と言えばいいのか。そんなわけで、せっかくカットしていた165CVXの低音域を徐々に復活させている。やはり純正ウーファーはほんのちょっとの薬味程度に考える方が良いのかもしれない。

プン太郎・ギクシャクする時は危ない
| クルマにまつわる四方山話 | 07:48 | comments(8) |

先に上げたエントリーで、10日代車に乗っただけでプン太郎の運転がギクシャクしてしまったことを書いた。どうギクシャクしたかというと、軽いオーバーステアだったり、旋回終了時にふらふらしたり、シフトダウンが決まらなかったりという、クルマを運転していれば当然何度も行う操作が決まらないとがっかりというか、オレやばいんじゃないかというか、とにかくすっきりしない。
 


先日友人にしてミュージシャンのK君が我が家にやってきた。彼はゴリゴリのインプレッサWRX乗りなのだが、プン太郎を見て「うわー!…いいなぁ」と。試乗を勧めたのだが「いや、そんな、こんなスーパーカーを…」と結局遠慮して乗らずに帰った。ゴリゴリの人にスーパーカーと言われれば悪い気はしない。

プン太郎は決してスーパーカーではないが、普通のクルマとは挙動が少々異なることもまた確か。代車のアテンザGG型を運転して改めて感じたのだが、むしろアテンザこそが一般的な乗用車として「普通」なのだ。プントエヴォ乗りの筆者が「やわやわじゃーん」とあげつらっても、一般人は「きょとん」とするばかり。それだけアバルトのチューンは「ちょっと変わってる」のだろう。

一般的にそうではあっても、MiToを経てアバルト プントエヴォに辿り着いた筆者にとって、プン太郎の挙動のひとつひとつが嬉しいものであることも間違いない。硬くて反応の良い足周りも、クイックな旋回性能も、MiToに乗っている時は「あとほんのちょっとだけ、◎◎なら良いのになぁ」と隔靴掻痒の思いをしていた部分だ。プン太郎のLHD環境に慣れ、あらためてプントエヴォというクルマの全容を把握できた時、「オレが欲しかったのはまさにこれだ!」と思ったものだ。それなのに冒頭に戻る。欲しかったものが欲しかった分だけ手中にあるというのに、このギクシャクっぷりはどうしたことか、自分。
 


ある日その理由が突然わかった。なんと、「疲れていた」のである。ある休日、なぜかどうしても遠乗りに出かける気になれず、スタジオにこもってレコーディングしていた。だが楽器に向かっていても調子が出ず、すっかり滅入ってしまった。気分を変えようと昼食にトンカツを食べたら急に元気になった。その時わかったのだ。「あ、オレ、疲れてたのか!!」と。ややピーキーな特性を持つプン太郎の運転がギクシャクするのもムベナルカナ、だったのだ。

筆者の健康状態は「プン太郎で出かけたい/出かけたくない」で測れるようになってしまった。体力が落ちれば気力も落ちる。気力が落ちれば集中力も落ちる。だから疲れを自覚している時は、運転のあらゆる動作をのんびりやっている。慌てないように心掛ける。「ギクシャク」とは脳みその命令と身体の動作が揃っていない状態だった。仕事帰りの道などが実は危ない。頭は冴えているのに身体の反応が付いていかないという状況は時折体感する。わかっていても冴えている頭の方に身体をあわせようとしてしまうのだ。こういう時は事故の確率も高まっていたはずで、ホントに危ない。若い時分とは違うのだ。
 

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プン太郎・エンジンオイル交換_37,339km
| PUNTO EVOのメインテナンス | 23:16 | comments(2) |

改造したオーディオに夢中でオイル交換のことを書き損ねていた。プン太郎のエンジンオイルとオイルフィルターを交換した。例によって株式会社イデアルさんにて。

オイルフィルター 73500049 1,600円
交換技術料 1,000円
小計 2,600円

プン太郎購入時に併せて購入したサービスクーポンが引き続き良い仕事(笑)。フィルター代だけで済んだ。香川県高松市への旅行と交換時期が重なって、交換予定距離より約2,000kmも過走行してしまったが、エンジンオイル交換後に目覚ましい変化は感じられない。でもきっと走行距離を重ねるに連れて効力が現れてくるんだろう。

それよりもトランスミッションオイルを替えた方がいいんじゃね?と思うくらい1,2速への入り具合が悪い。どうしたもんか。


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プン太郎で行く!鬼首に魅惑のパノラマあり
| その他のツーリング・夜活など | 22:44 | comments(2) |
ひとりツーリングに出かけて、次の課題を得ることも多い。過日の朝練で厳寒の鬼首(おにこうべ)を訪れたエントリーでも、ナイスなご指摘をいただいた。

プン太郎で行く!鬼首で夜明けを待つ
 

この時外気温はマイナス7度

プン太郎が鼻を向けている山、斜めに走る線。これをGoogle Mapで調べてみると、なるほどそれは鬼首から山形県最上町へ抜けるK63だった。そんな県道はまったく知らなかった。鬼首から最上?往路も復路も楽しくなりそうじゃあないか。雪の心配がなくなったら行ってみようと手ぐすね引いて待っていた。


朝8時に自宅を出発。せっかくなので山の中を走る県道を走り継いで、まずは鳴子温泉へ。自宅付近は今にも降り出しそうな曇り空だったが、鳴子まで来ると青空が。
 





例のオーディオ改造の期間中、代車のアテンザに10日間乗っただけでプン太郎の運転がギクシャクする。強力なブレーキは神経質に感じてしまうし6MTのシフトダウンはぎこちない。あー、オレはまだまだだ…。同時にプン太郎のフィードバックの多さにも感心する。ステアリングにせよ加減速にせよ、プン太郎がドライバーに伝えてくる情報は多い。やはり漫然とは運転させてもらえないクルマだ。

鳴子温泉を通り過ぎ、R47からR108へ折れると鬼首はすぐだ。冬に写真を撮った場所へプン太郎を進める。マイナス7度の一面の雪原は今青々とした水田となり、気温も31.5度。山々も心なしか近く感じる。草も木も生い茂り景色全体が生命力で溢れている。
 

来たぜ鬼首


冒頭のマイナス7度とほぼ同じ地点。
やはりK63が目の前に

本日の主題K63へ進入すると、リゾートホテルオニコウベオニコウベスキー場までは道路もきれいだし道幅も広い。
 

しかしスキー場から徐々に標高を上げて行くと、道幅が急に狭くなった。加えて夏草がずいぶん道路にはみ出している。鬼首側から登って行くと、進行方向右側には平地が常に見える。さっきプン太郎を停めて見上げていた場所を今走っている。Yeah!
 



あそこ!
あそこでプン太郎の写真撮った!!※

K63に入って以来、下ってくるデリカ D:5とすれ違ったが、プン太郎以外に走っているクルマはその1台だけ。そこそこ道路状況も良く、見晴らしも良い。このK63、なかなかに素敵な道だぜ!ゴキゲンだぜ!とペースも上がる。
 

意外や峠のてっぺんはすぐに現れ、そこが山形県との県境だった。山形県側に入るとさらに道路幅が狭くなる。夏草のイキオイもあり、対向車がいたら確実にすれ違えないレベルへ突入。宮城県側と違って路側帯もほとんど設けられていない。対向車が来ませんように…と念じつつ下ることしばし、なんと未舗装路が現れた!!
 

ただしところどころ舗装路が復活する。なんだこれは。山形県がやる気がないのか、雨水の処理のための敢えての未舗装なのか。いずれにしても未舗装部分ではそろりそろりと走る。

ようやく山里へ出ると一気に平和になる。この最上町の山際の景色は、山形県南陽市や福島県三春町のあたりを彷彿とさせる。つまりは盆地の眺め。

R47へ合流し、赤倉温泉、銀山温泉を経由して帰ることにする。新庄市へ抜けエンジェルスでカツカレーとも思ったが、先に書いたプン太郎とのギクシャク感が少々気になる。今日は距離を延ばすよりも丁寧な運転を心掛けた方が良さそうだ。R47をしばし宮城県側へ走り、赤倉温泉駅でひと休み。K28で南下する。
 



帰宅してから地図でこの日の走行経路を確認すると、K63でR47に合流した付近から赤倉温泉の少し南へ抜けるK262というのがあるではないか!そっちは未踏破道路だった。ぜひ走ってみたかったが、帰宅してからそんなことを言っても後の祭り。しかしR47から南下するK28を普通に走っているだけでも美麗な水田風景はたんとある。再び夏の陽射しがギラギラと照り、入道雲が山上にもくもくと。夏だ。今年はきちんと夏が来ている。西日本の豪雨被害に苦しむ人々には苦しい夏であろうが、昨年冷夏を体験した筆者には久しぶりの夏だ。
 

R347に合流し、銀山温泉を横目で眺めつつ宮城県側へ進む。この先はどうというドラマもない。なるべく往路とかぶらないようにコース取りをするが、R457へ出てしまうとほとんど選択肢がない。順調に帰宅。なんと13時前である。
 

4時間半/206km

改造したカーオーディオの音質をチェック・改善したり、プン太郎の挙動を身体に思い出させたりと盛りだくさんなツーリングだった。残念ながらK63は山形側の環境が改善されないとプン太郎では走れない。山形県の奮起を期待してこの項終わり。


日を置いて改めて画像を検証してみると、この田んぼの中の1本道は撮影した道とは違うようだ。じゃああれはどこだったんだろう…
 

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プン太郎・オーディオ改造2018
| 車載オーディオを考える | 21:16 | comments(4) |


2018年1月下旬のプン太郎納車以来、純正オーディオにXcarLinkという2chアナログオーディオ信号のCanBus変換パッケージを使って、iPod Touchのアナログ信号で音楽を聴いてきた筆者。これまでの状況は拙ブログのエントリー「純正オーディオ、侮り難し」に詳しい。この度MiToに取り付けていた諸々をプン太郎に再インストールしてみた。

その諸々とは
・メインユニット carrozzeria DEH-970
・パワーアンプ ADDZEST APA4200 
・スピーカー Focal 165CVX

である。

「侮り難し」と書いたくせになんだよ、と思われる読者も少なからずおられると思うが、XcarLink経由のアナログ信号に看過しがたい瑕疵があったのだから、これはやむを得ぬ仕儀である。シガーソケットから取っている電源経由でiPodからのアナログ信号に、オルタネータの作動ノイズが盛大に乗っていることがある日判明。iPodの再生を止めている時に今日はやけにターボの吸気音が聞こえるな…などと暢気に喜んでいたのだが、ひゅいーーーーん!というその音はオルタネータの動作音そのものだったである。がーん。

もっともこれは有名な案件らしい。iPodはバッテリー駆動にすればいいじゃん!とご指摘になる読者もおられようが、しょっちゅう家に持ち込んで充電しなおすとかやっとられんわ!とにかくオルタネータ由来ノイズとの決別が第一の目的。

もうひとつはウーハーをもっと積極的に使ってみたくなったこと。今回の改造によってMiTo時代と同様、リアスピーカーもツイーターもミュートして(配線を外して鳴らさないようにする)、交換するドアスピーカーFocal 165CVXだけで鳴らすことになる。このスピーカーはお気に入りなのだが短寿命。数年でダメになる。以前からそのことを惜しいと思っていたのだが、安普請だけではなく、低音をブイブイ鳴らし過ぎていることもその原因ではないかと疑っていた。要は低音域の過負荷である。そこでせっかく付いてきたFIAT純正ウーハーと組み合わせることを試したい。低域はもっぱらトランク設置のウーハーに任せて、165CVXは中域〜高域と担当分けをする。これが第二の目的。音源(スピーカー)の数が少ないほど位相ズレの影響が減るし。

加えて上記の環境を実現した上で、DEH-970に搭載されているタイムアライメント機能を使って、ダイレクトすぎる聴こえ方を緩和するのも第三の理由と言ってもいいかもしれない。ま、これはやってみないと功罪がわからない。

施工をお願いしたのは株式会社イデアルK店長。MiToのオーディオ改造ではその見事な手腕を発揮していただいた。右欄の用語解説に書いているとおり、K店長はカーオーディオに湯水のごとく金を注ぎ込んできた猛者=カーオーディオ地獄サバイバー。聞けば中高生の頃からオーディオに凝っていたらしい。さもありなん。だがK店長、多忙すぎてひとりの顧客のオーディオ改造のプランニングや、増して施工などやっているヒマがない。そこで外注となった。この外注先についても一波乱あった。持ち込みオーディオの取り付けという、割とシンプルな作業に10日以上もかかったのにはそれなりに理由があるのだが、詳述は避ける。ちなみにその外注先の名前をここに明かしたところでネット検索には引っかからない。興味のある方は今度OFF会でお会いした時に筆者に問い質していただきたい。

さて、このブログはできる限り読者の益になることを書きたいと思っている。しかしただでさえ国内ユーザーが少ないプントエヴォの、しかも純正オーディオを改造しようという人がどれほどいるのかという根本的な疑問はあるが、ゼロでもあるまい。このエントリーではプントエヴォのオーディオを改造したい!と欲する希少種オーナーのために、注意点などを書いてみようと思う。

■1DINユニット用フェイスパネルが高い!事件
まず最初に調達しなければならないのが社外品の、しかも1DINユニット用のフェイスパネルだった。噂によるとアバルト プントエヴォは最初の船便で到着したロットで輸入が終わったらしく(泣)、つまり日本国内の個体数が少ない。順当に考えてそんな車種のそんな商品が成立するのかどうかも微妙。恐る恐るネット検索したらあまり労せず見つけることができた。これだ。

SOUND HONP
FIAT PUNTO evo 用1DINフェイスパネル JFPEV-01F_puntoevo 16,200円
(このエントリーを打っている現在、まだ在庫があるようだ)

速攻でポチったわけだが、まぁ、イイお値段。加えてユニット本体を裏で支える金具が3,000円(汎用製品の「マツダ車用」が輸入車にドンピシャです)、欧州車用電源カプラーが2,000円とじわりじわりと財布を痛めつけるあれこれ(笑)。プラスティックの化粧板にイチマンロクセンエン!と思わないでもないが、これらをカーオーディオ屋さんでワンオフ製作したらいくらになるのか、想像しただけで冷夏到来である。そもそもオーディオ改造を思いついた段階でやばいのだ。



再掲。びゅーりほー


純正はこんなの


■純正オーディオには純正別体アンプがあった!事件
これはK店長から施工作業報告として聞いた話だが、純正ユニットにはアンプは入っておらず、ちゃんと別体アンプがあったらしい。おー、意外とちゃんとしてんのね。純正ユニット裏はすぐ配線がまとめられてボディに潜っているらしく、個別の配線が見つけられない状態。DEH-970から直で配線してみたらウーハーから音が出ず、そこで発覚した。現在は別体アンプ2台体制である。なんと贅沢な。

■ドア内張の中身がMiToとかなり違う!事件
ドアスピーカー交換のために内張を剥がしてみたら、ドア側も内張も内部構造はMiToと大きく異なっていたという。筆者もK店長も「どうせあれこれMiToと同じだべ」と高を括っていたのだが、そもそもそれが大きな間違いだったようだ。余計な共振を嫌ってなるべくシンプルなプランでお願いしたのだが、ドア直付けでは降りてきたドアガラスと干渉してしまう。かと言って分厚いバッフルを付けては今度は内張に干渉してしまう。薄いMDFのバッフルじゃ返って余計な共振の元になる。今回はもともと付いていたプラスティックのカバーを改造することで解決できたらしい。実に芸の細かい仕事をしてくださった。



助手席下にアンプ設置


びゅーりほー2


室内配線の取り回しなども美麗で、改造作業の出来上がりには大満足。いざ音質のチューニングである。

まずはフロントドアスピーカーの低域をカットする。これはHPF(ハイパスフィルター=特定周波数「以上」の信号を通す)で暫定的に125Hzから下をばっさりカットした。今後も注視していきたい。
 


極めて後ろ寄りだが
リアで鳴るのはウーハーばかり也



ばっさりカット


フロントの出力も絞っちゃう


今回プン太郎に組んだシステムでは、低域をどれくらい派手に鳴らすかはフロントドアスピーカーとウーハーの「音量差」で決める。単純で良い。しかし今回ウーハーだけ単体で鳴らしてみて初めて分かったのだが、ウーハーのボリューム、意外や小さい…。純正のアンプが非力なのか、まだどこかに調整パラメータが潜んでいるのか。この状態で前後のフェーダーでバランスを取ると、ずいぶんフロントのボリュームが小さくなってしまい、これまで楽しんできた音量まで上げるには、相当システムのボリュームを上げることになる。幸いHPFにアッテネータ機能があったので、フロント側を出力から下げて辻褄を合わせてみた。これも暫定処置。

費用の内訳を記す。

FIAT PUNTO evo 用1DINフェイスパネル JFPEV-01F_puntoevo 16,200円
欧州車用電源カプラー JE-1230 2,160円 
PIONEER マツダ車用取付キット(汎用1D 12/8P) KJ-T11D 3,380円
オーディオ取り付け一式 43,000円

約64,740円

この金額は高いのか安いのか。そして結果はどうか。

スプリットした周波数が本当に正解か、現状では断言できない。再生中にドアスピーカー周辺に手を当てて振動っぷりを確認してみると、確かにフロントスピーカーへの負担は減った。同時にウーハーから今まで経験したことのない低域がブイブイ言うのだが、若干時間差があるようにも感じる。そもそも低周波はそう感じがちではあるから仕方ない。例えばもっと低い80とか50Hzくらいでスプリットして、本当に本当のローだけをウーハーに担当させればまた印象が変わるかもしれない。

逆に取り立ててハイを強調しなくても音質は充分硬く、「現代のコンテンポラリー音楽」を再生するに足る音質は得られた。DEH-970のタイムアライメント機能も十全に機能しており、前席2席を包み込むような音場を構築できている。ただしハンドルのスイッチ類は全部無効になった(笑)。ということで、出費に対してまずは勝利と言えよう。もうちょっとウーハーの鳴らし方を追い込んで、「速い低音」を実現できないか試行錯誤してみるつもりだ。
 

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■プン太郎■
筆者の愛車ABARTH PUNTO EVOのこと。
ブログ本文に「プントエヴォ」と
フルネームで書くと煩わしいので命名。

■R、K■
R=国道(Route **)
K=県道(Kendo **)
のこと

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。

■顧問■
筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

■朝練&夜活■
早朝に走りに行くのが朝練。
夜に走りに行くのが夜活(やかつ)。
夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■EDO■
Eat and Drink Organizationの略。
親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
「同乗者無しでひとり1台」
「うまいものを食べ、飲む」が掟。
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