ポテンザRE050Aチェックのためのライトツーリングの話とは前後するが、花巻から仙台までの県道三昧コースを再び走ってしまったので、その話もご報告したい。ただ2週連続で200kmほどの同じ道を走るのは特殊なことであるし、同じ道程なので面白いことが書けるわけではない。しかし快晴の日の夕暮れから夜という、かつてない時間帯に走ったことで、何度も走っている岩手県K37、K49の新しい姿を見ることができた。
花巻市内K37で北上市、水沢市へ抜けK49へ。K49で宮城県栗原市へ入り、K42、R457、K17、K59で大崎市へ。今回感銘を受けたのは花巻市内、K37へ合流するためにさ迷った田んぼの真ん中を横切る農道である。その区間を走ったのは17時頃で、ちょうど西の山々へ太陽が沈んでいく時間。まさに「夕陽に向かって走れ!」状態だった(笑)。週末の夕暮れ、クルマはほとんど走っておらず、もちろん道行く人もいない。クルマを降りると聴こえるのはただ風が吹き抜ける音と渡り鳥の鳴き声だけという耳の贅沢。
K37に乗ると、前回は闇に溶けていた景色も夕陽に輝いている。積んでいる機材の固定が上手にできなくて(ライヴ後の疲れた身体で乱暴に積み込むと、こういうことはよく起きる)、再固定作業のために何度か停車せざるを得ず、結果的に今まではただ通り過ぎるだけだった場所からの眺めを堪能することもできた。
定点観測地点。
金ケ崎温泉の近く
陽が、陽が暮れるぅ〜
衣川天体観測所
奥州市の衣川地区付近でとうとう暮れきってしまう。こうなるとあとはあまりクルマを停めて写真を撮るには灯が少なすぎるし、疲れていたので早く帰宅したいというのも本音としてある。それでも骨寺荘園跡の定点観測地点で撮影する。
最近こんな色の空を見たなぁと考えてみたら、宮城県・鬼首へ夜明けを見に行った時だと思い当たった。もっともあの時は東の空がどんどん明るくなっていったのであり、今回は西の空に残った残照がどんどん消えていく。骨寺荘園跡付近は山間の田園地帯という趣であり、人家もまばらなうえクルマも滅多に通らない。良く知らない土地という要素を加味しても、やはりこういう山里で日が暮れていくのは心細いものだ。プン太郎の車内に戻ればそれはいくらか紛れるが、「人間の手に負えないもの」としての自然に囲まれている感覚は強くある。「文明の利器」などと我々はよく口にするが、クルマにしろ家にしろ、大自然を前にするとそれらはずいぶん頼りないものだとひしひしと感じる。
さらに南下して宮城県に入る。K42、宮城県の本当に端っこにあるふたつのトンネルの、大きい方の入り口でまた写真撮影。
この写真を撮っている時、
右側の薮から突然「がさっ!」と音がして、
マジでビビりました
宮城県に入ったとは言え、県北・県境から仙台市までは相当な距離がある。大崎市内を目指してK17あたりを走っている内は良いのだが、K59やK158に至ると交通量はぐんと増える。大人しく車列に紛れ、ようやく帰宅。
3時間45分/333km
岩手県K37とK49は、こんな短期間に2度走っても「楽しかったー!」と思える。また年内に何度も走りに来てしまうのだろうが、しばらくは封印しよう(笑)。