またMiToのバッテリーが死亡した。今年8月に続きこれで2度目である。
前回はジャンプ起動であっさり問題は解決。その際バッテリーを検査するも異常が認められず、様子を見ていたところ絶好調なのでその事実をすっかり忘れていた。
▼▼発端編
あの日、職場近くのコインパーキングに1日駐車していたMiToのロックを遠隔解除したところ、アンサーバック動作のターンシグナルパッシングがわざとらしいくらいに弱々しい。乗り込んでみて念のためにキーをひねってみた。すると「Fuel Cut-Off Unavailable」とマルチディスプレイに表示されるものの、セルはぴくりとも動かない。主治医の株式会社イデアル、サービスフロントに電話をしてみる。バッテリーでしょうねぇ。ええそうでしょうねぇ。あわよくば車載車など出してくれないかなーと思ったのだが、あいにく出払っているという。仕方ないので自力でなんとかするしかない。折悪しくその日に限って家人を同乗させて出勤しており(つまりDS3は自宅にある)、さらにその夜はMiToを停めたまま別の会合に出席しなければならなかった。
初めて見るアラート
▼▼DS3に助けられた編
で、どうしたか?瀕死のMiToを置き去りにして別会合に家人と合流して出席し、21時過ぎに晩ご飯を食べた。そのまま地下鉄、バスと乗り継ぎ23時に一旦帰宅。で、即座に家人とDS3に乗り込み、職場近くのパーキングまで取って返す。この時すでにMiToは完全に沈黙しており、物理的にキーを差し込んでロックを解除。ドアガラスの圧抜き動作(ドアを開けるためにノブを引くと、自動的にガラスが10mmくらい下がる)も無いため、開け閉めのたびに屋根の黒い張り出し部分にガラスが引っかかりガラスが撓る(しなる)。割れるんじゃないかとヒヤヒヤした。しかもトランクに積んでいるブースターケーブルを取り出そうにもリアゲートが開かない(ロックは電動)。リアシートを倒してなんとか取り出し2台のバッテリーを接続してエンジンをかけた。
いざエンジンがかかってみると時計も何もリセットされており、カーオーディオのヘッドユニットもわざとらしいデモ画面がうねうねと表示されている。また助手席エアバッグキャンセルワーニングランプが点灯。ま、そんなのどーでもいーから無視。無事に帰宅する。前回のケースではその後はまったく問題なくエンジンもかかったため、明日も普通にエンジンもかけられるだろうし、走れば充分バッテリーも充電されるだろうと高を括って就寝。
翌朝、予想に反してMiToは再び沈黙していた。
▼▼やばい編
あー、とりあえず今朝は家人のDS3に乗せてもらって出勤かー。夜にまたDS3と繋いで…。
ん??????
しくじった。改めて書くが、MiToのドアロックは電子制御なので、バッテリーが放電しきってしまうとワイヤレスでは解錠できない。物理的にカギを差し込んで開ければ良いだけなのだが、キーホールは運転席側にしかない。昨夜右側の壁際に寄せてMiToを停めてしまったため、RHDの筆者のMiToはドアを開けられない。MiToの車内に入れなければボンネットも開けられない。マニュアルも車内である。万事休す、である。
この状態で、ロック解除できるのは
右ドアだけ…
この日はイデアルさんの定休日だったので1日放置。翌日、さっそくK店長に電話してみた。「あのー、バッテリーを放電しきってしまったんですけどー」「おやおや」「で、右の壁に思いっきり寄せて停車してるので、解錠できてもドアを開けられないんですけど」「ふむふむ…、え??」「乗り込めないからボンネットも開けられないんです」「それ、やばいですね。やばい状況ですね」「ええ、やばいです」。状況もやり取りも中学生みたいだが(K店長、すみません)、基本的に車内に入り込まないことにはボンネットを開ける方策は無いことが判明した。やばい。
過去に窓ガラスを割って対処した経験をK店長は持っておられるそうだが、そんなやばい=費用が嵩むことはしたくない。荒っぽいが大人4人くらいでわっしょいわっしょい持ち上げれば、横にずらすことくらいできるんじゃないか。フロントバンパーとかタイヤハウスに手をかけてがんばればどーにかなるんじゃないか、とK店長に言うと「いや!フロント、そんな強度ないです。ボディ曲がります。フレームには手が届かないし。むしろリアの方がいいんじゃないですか。荷重も400kgくらいだし。リアバンパーは強固だし」「おー、なるほどー」。ひとまず筆者と息子でがんばってみるとして、K店長には持ち込んだらすぐに交換できるよう、新品バッテリーを用意しておいてくれるよう依頼。この日もここまで。
▼▼力仕事編
こういうタイミングに限ってウィークデイの出勤が続く。平日休みがシフト勤務のメリットなのに!恨めしくMiToを眺めるだけの日々。眺めてばかりいても1mmも動かない。ひとりでなんとかならないかと思ってリアバンパーのあたりに手をかけて持ち上げてみた。
やべえ。思ったよりも重い。
そりゃそうだ。車検証によれば後輪荷重は430kgである。以前宅急便のお兄さんに聞いたところ、人間ひとりに持ち上げられる重さはせいぜい50kgまでだそうだ。これはもう筆者と息子が気合いを入れれば…のレベルを超えている。ということで、たまたま休日で寛でいたEDOメンバーを非常招集!「すげえバカバカしい話なんだけど、かくかくしかじかで、MiTo持ち上げてくんね?」しぶしぶ快く参集してくれたEDOメンバーと息子と筆者の4名でMiToのリアを持ち上げる。せーの!!。
1っmmも動かない。400kg÷4=100kg
だからひとりの人間が持てる最大重量は50kgなんだってば!!何度やっても浮き上がりもしないMiToに、「もーロードサービスのレッカー呼ぶのが一番じゃね?」という空気が漂ってきた。いやー、
また2万5千円払うのか??それはいやだ!!というところで筆者が無茶ネタを思いつく。油圧ジャッキである。
危険なので詳細は省くが、これでなんとか30cmくらい左に動かすことができ、一番痩せている息子が車内に滑り込み、左ドアを開けてくれた(電源が消失していてもインナードアオープナーの解除でロックは解除できるのだ)。
おおおおおおおっっっ!!
ようやくDS3とケーブルでつながったMiToは、それでもなかなかセルが回らなかった。エンジンをかけたDS3とケーブルでつないだまま待つことしばし。結局セルが回ったのは10分くらい充電できてからである。EDOメンバー諸君、息子よ、ありがとう!!お疲れさま!!
なんと筆者、みんなを置き去りにして速攻でイデアルさんへ。バッテリーを交換してもらい無事に帰還。いやー延々4日間、長かった。
BATTERY L1 50AH 59123254 25,000円
交換技術料 2,000円
交換部品 廃棄処分手数料 500円
消費税 2,200円
合計 29,700円
▼▼まとめ
原因はいったい何だったのか。3つの仮説が立てられる。
1.バッテリーの劣化
前回の交換からもう2年も経つ。それ以前の4年という記録と比べると短命ではあるが、あり得ない話ではない。
2.電気回路中のリーク
今回の交換時の点検では動作中、またはACC OFF状態での電圧変化などは見られなかった。
3.つなぎっぱなしのiPod Touch 3rd. Gen
調べてみたら、この車載専用iPod、購入は2010年だった。ほぼ8年オチ。もはやバッテリーは充電しても充電してもすぐ干上がる。こいつに常時給電できるようにオーディオヘッドユニットを交換したのだが、もしかして停車中にも電気を吸い取っていたのではないだろうか。そもそもヘッドユニット交換が6月で最初のバッテリートラブルが8月。点検して異常なしの診断後、今回のトラブルが10月。2ヶ月ごとに何か起こってるじゃないか!!
iPodが車載バッテリーを全喰いするとも思えないが、実に怪しい…。ということで、エンジンを切るたびにiPodのUSBケーブルも外すことにした。とほほ。
以上、バッテリーを放電させてしまい、しかもドアを開けられず4日間MiToに乗れなかった話はおしまい。くっそー!!
余談:ちなみに発端編に書いた「Fuel Cut-Off Unavailable」というアラートは、衝突などの緊急事態発生時に燃料ポンプの動作をカットする機能が不全という意味だそうだ。燃料カットのセンサーはエアバッグ動作を監視しており、電源不良でそのセンサーが動作しないので、「今エアバッグが開くような重大な事故が起こっても、燃料カットできないからねー」とMiToが言っていたのだ。ま、そういうセンサーが付いていて、ちゃんと動作していることはわかった(笑)。