家人がポツンと1日だけの夏休みを取得した。筆者はたまたま休日だった。シフトワイヤーが切れてMiToは入院中だった。という3つの条件が重なり、DS3で家人と遠乗りに出かけた。行く先は
肘折温泉。山形県最上郡大蔵村の山奥にある温泉街である。筆者の遠乗りローテーションからもちょうど良し、何よりもちょうど今開催中のイベント「ひじおりの灯」に筆者の同僚が出展しているのだ。
「ひじおりの灯」については
こちら
かつて肘折温泉に迷い込んでしまった2013年6月のツーリングレポート
「
灼熱の山形路ひとりツーリング!・幻の国道458号線」
このレポートにあるように、前回訪れた2013年当時はR458は通行止め区間が多く、肘折温泉へは迂回路として指定されていたK331+K57で行くしかなかった。結果的にそのふたつの県道からの景色は素晴らしいものだったから、当然今回も県道狙いである。
自宅を朝8時半過ぎに出発。まず最初のチェックポイントは宮城県の鳴子温泉である。例によって宮城県大衡村の王城寺原演習場脇を通り抜け、K159など山奥を走る県道を組み合わせて鳴子温泉へ抜ける。鳴子温泉からはR47で次のチェックポイント新庄市へ。この鳴子から新庄までの、西へ向かうR47からの景色が最高に美しい。折りしも秋晴れの午前中。この「盆地と山脈」の景色の美しさを初めて知ったのが、最上町付近からの眺めなのだ。今回も美しかった。
定点観測:加美郡色麻町
K226の奥、加美郡加美町
一気に鳴子温泉を抜けてR47、最上郡から南西を臨む
R47
新庄の手前で家人から運転を交替(運転してねーのかよ!)。R13をまたぎ、いよいよという段になってDS3を進めると、どうも様子が違う。R458への交差点のずいぶん手前から「肘折温泉17km」なんて案内が堂々と出ているし、実際R458に合流しても平和そのもの。かつての通行止め案件はすでに解消されたらしく、するっと行けるらしい。もちろん温泉とすれば往復の道がきちんと整備されているかいないかは大問題だろう。道路が整備されてよかったですね、という気持ちに嘘はないが、
オレが走りたいのはK331なんだよ!という衝動もまた切実である。
衝動に忠実に、4年前のあやふやな記憶を元にDS3を走らせ、無事K331に乗ることができた。相変わらず美しいワインディングである。
置賜広域農道ではありません(笑)
この角度から見ると、
ヘッドライト周りには往年のDSのイメージが
巧みに埋込まれていることがわかる
K331とK57との交差点付近では
そばの花が盛りだった
もう見渡す限りのそばそばそば
着いたー!
美しい景色に出会うたびにDS3を停め写真を撮ったりしていたので、肘折温泉に到着したのは12:30だった。ジャスト4時間。川沿いに立ち並ぶ温泉宿の景色は変わらない。速度を落して温泉街の細い道を進む。知人から聞き及んでいたお餅屋さんはどこだ…??何はともあれ腹ごしらえだ。
大ざっぱに言うと肘折温泉郷は南北に長い。その南端の方へ進むと現れたのが「餅屋久兵エ」さんである。小上がりもあり食事ができる。DS3を専用駐車場に停め、雑煮やあん餅、中華そばなどいただく。餅がうまい。
のんびりした後に満腹を抱えて温泉街をうろうろ。同僚作の行灯絵はどこだ…。あった!あとでおみやげを買おうと思っていた「ほてい屋」さんに飾ってあった。彼女の絵には情念がある(
という評価で彼女が喜ぶかどうかは疑問だが褒めてます)。選んだテーマと筆致がぴたりと一致した美しい行灯絵だった。他にも力作がたくさんあった。11年目を迎えて地元青年団的グループでの運営に変わったというこの「ひじおりの灯」は、これら行灯が軒先に揺れる風情を楽しむためだけに訪れても決して損はないと思う。
行灯に灯が入るのをぜひ見てみたいと思ったが、さすがにこの道行きだとこの温泉街に宿泊するしかない。残念ながらこの日それは無理だった。ほていまんじゅうを買い込んで肘折温泉を後にする。今度は無事に整備されたR458で一旦新庄方面へ戻る。ちなみにこの肘折温泉より南のR458が、
順当に寒河江まで開通するのはいったいいつのことなのだろうか。誰かおせーて。
2013年に訪れた時と同じく、R458を新庄手前で逸れ再び県道万歳なコース、K330からK30を経由してK36へ。このK36、相変わらず道幅が狭い。
半端なく狭い(笑)。幸い追走車も対向車も現れないまま激狭区間を走破し、次年子(じねんご)を経由して村山市内へ。あとは平和にR48で関山峠を超えて帰宅。
R458(の平穏な区間)
K36
同じくK36
約8時間/245km
仙台< >肘折温泉の道行きはコンパクトなツーリングコースだが、K331、K57、K36などの道幅の狭い県道や温泉街での食事を含めると、けっこうボリュームがある。それらワインディングロードをヤワな足で定評のあるDS3(デビュー・セリ=シック)で走ってもぎりぎり楽しめるレベルだから、アバルトの諸モデルやルーテシアで走ればもっと楽しめると思う。雪深い地域であることは考慮しなければならないが、ぜひ1度走ってみてほしいコースだ。おすすめ。
ところで後日、「肘折温泉のお餅屋さんがとってもおいしいんですよ」と教えてくれた知人に「肘折温泉で餅食べてきたよ!」と報告。よくよく訊いたら彼のおすすめは
もう1軒ある別の餅屋さんだった…。行くのか?再訪か?肘折温泉!!(つづきません)