2016.10.27 Thursday
検討・MiToの次に乗るべきクルマは何か?
全体的に草臥れて(くたびれて)きた我がMiTo。7年という歳月も去ることながら、14万kmというこれまで後にしてきた走行距離を考えれば、それも当然であろう。厳然たる事実は受け入れねばならない。筆者はまだまだドライビングを楽しみたいと思っているので、「MiTo以降」に連なる車歴も考えねばならぬ。要は次、何を買うのか?ということだ。 大前提がある。筆者自宅の駐車スペースはそもそも2台分で設計されているが、想定外の事態により現在3台駐車する仕儀となっている。全幅1,715mmのMiToでさえドアの開け閉めに苦労しているのだ。仮に1,800mm前後のクルマに乗り換えるとしたら、3ドアHBやクーペは難しい。 そういう前提をもとに考えれば、引き続きコンパクトカーと呼ばれるジャンルのクルマが現実的ではある。しかしこれが意外と難問だ。動的にも静的にもMiToよりも優れたコンパクトハッチバックはあると思うが、では即座にMiToと置き換えられるか?と問われるとうーむと唸るしかない。置き換えができない理由を深く考えれば考えるほど、今安価に買えるクルマの中に「MiToのようなクルマ」が1台もないことに思い至る。 筆者が考えるMiToの魅力とは、突き詰めれば以下のふたつだ。 ・ブランドが持つヘリテージやムード ・エンターテイメント性の高い動力性能 もうこのふたつしか考えられない。「しかし、なにより嬉しいのは『何に乗ってるんだい?』と訊かれた時に『アルファさ』と答えられるという点だ」と、かのジェレミー・クラークソンも書いているが、この感覚はよくわかる。筆者はMiToで初めてアルファ乗りになった「にわか」ではあるが、現代のアルファロメオが醸す「スポーツカー的雰囲気」に惹かれて購入したわけだし、そういうアルファオーナーは多かろう。よく言われる「イタリアンデザイン」とは、そういうふわっとした雰囲気もひっくるめたものだと思っている。 動的性能のエンターテイメント性とは、つまりぐわっと加速してクイッと曲がるという例のアレ。日本の、それも仙台という地方都市の日常領域で味わえるわけだから、意地悪に(冷静に?)「底が浅い化学調味料的な味付け」だと言う人もいるだろう。が、ちょっとそこまで買い物に行くこと自体がアトラクションになるのだから、筆者はそれを歓迎せざるを得ない。懐の深い、限界領域での超絶性能を備えているクルマも断然魅力的ではあるものの、365日のうちそれを味わえる日が何日あるのかと考えれば、日常の小アトラクションを筆者は選ぶのである。 クドクドと書いてきたが、筆者の言うふたつの魅力を満たして、なおかつMiToよりもいいよねと言える全幅1,800mm以下の車種を、読者諸兄はすぐに思い浮かべることができるだろうか。2016年、このブログで筆者はアルファロメオの159だブレラだ、またはプジョー 308GTiだと書き連ねてきたが、全幅の条件を考えればブレラもメガーヌR.S.もNGだ。例え4ドアでも全幅1,830mmの159や1,805mmの308では心もとない。 とは言え自宅での乗り降りだけを条件に考えるのは空しいのも事実(笑)。もう少し夢を持ちたい。前述のふたつの条件を咀嚼しつつ、筆者が所有したくなる勘所がもうひとつある。それは「10の欠点があってもそれを帳消しにする2の長所があるようなクルマ」ということである。どんなに優秀でもVW POLO GTIとかAUDI A1みたいに「隙が無いクルマ」は選択肢には入らない。ヒモ同然のダメ男だが凄腕のギタリストと同棲を続けるグルーピーガールの心境がよく分かるのである。 だから例えばプジョー 208や最近意欲的なニューモデルが出たルノー トィンゴが、乗れば楽しく、また実用上も素晴らしい体験をもたらしてくれることは容易に想像できる。しかしこっちは全方位的によく出来たクルマではもはや満足できない身体になってしまっているのだ。とんでもない性悪ホステスに惚れて金をつぎ込む公務員とか銀行員の気分とはこういうものだろうか。まだまだMiToにはがんばってもらわねば。 |