クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
検討・MiToの次に乗るべきクルマは何か?
| クルマにまつわる四方山話 | 00:28 | comments(14) |

全体的に草臥れて(くたびれて)きた我がMiTo。7年という歳月も去ることながら、14万kmというこれまで後にしてきた走行距離を考えれば、それも当然であろう。厳然たる事実は受け入れねばならない。筆者はまだまだドライビングを楽しみたいと思っているので、「MiTo以降」に連なる車歴も考えねばならぬ。要は次、何を買うのか?ということだ。

大前提がある。筆者自宅の駐車スペースはそもそも2台分で設計されているが、想定外の事態により現在3台駐車する仕儀となっている。全幅1,715mmのMiToでさえドアの開け閉めに苦労しているのだ。仮に1,800mm前後のクルマに乗り換えるとしたら、3ドアHBやクーペは難しい。

そういう前提をもとに考えれば、引き続きコンパクトカーと呼ばれるジャンルのクルマが現実的ではある。しかしこれが意外と難問だ。動的にも静的にもMiToよりも優れたコンパクトハッチバックはあると思うが、では即座にMiToと置き換えられるか?と問われるとうーむと唸るしかない。置き換えができない理由を深く考えれば考えるほど、今安価に買えるクルマの中に「MiToのようなクルマ」が1台もないことに思い至る。

筆者が考えるMiToの魅力とは、突き詰めれば以下のふたつだ。

・ブランドが持つヘリテージやムード
・エンターテイメント性の高い動力性能

もうこのふたつしか考えられない。「しかし、なにより嬉しいのは『何に乗ってるんだい?』と訊かれた時に『アルファさ』と答えられるという点だ」と、かのジェレミー・クラークソンも書いているが、この感覚はよくわかる。筆者はMiToで初めてアルファ乗りになった「にわか」ではあるが、現代のアルファロメオが醸す「スポーツカー的雰囲気」に惹かれて購入したわけだし、そういうアルファオーナーは多かろう。よく言われる「イタリアンデザイン」とは、そういうふわっとした雰囲気もひっくるめたものだと思っている。

動的性能のエンターテイメント性とは、つまりぐわっと加速してクイッと曲がるという例のアレ。日本の、それも仙台という地方都市の日常領域で味わえるわけだから、意地悪に(冷静に?)「底が浅い化学調味料的な味付け」だと言う人もいるだろう。が、ちょっとそこまで買い物に行くこと自体がアトラクションになるのだから、筆者はそれを歓迎せざるを得ない。懐の深い、限界領域での超絶性能を備えているクルマも断然魅力的ではあるものの、365日のうちそれを味わえる日が何日あるのかと考えれば、日常の小アトラクションを筆者は選ぶのである。

クドクドと書いてきたが、筆者の言うふたつの魅力を満たして、なおかつMiToよりもいいよねと言える全幅1,800mm以下の車種を、読者諸兄はすぐに思い浮かべることができるだろうか。2016年、このブログで筆者はアルファロメオの159だブレラだ、またはプジョー 308GTiだと書き連ねてきたが、全幅の条件を考えればブレラもメガーヌR.S.もNGだ。例え4ドアでも全幅1,830mmの159や1,805mmの308では心もとない。
 

アルファロメオ ブレラ
このお尻を毎日見られるという事実だけで
どんな欠点も霞む…ような気がする
 

ルノー メガーヌR.S.
実物はぎょっとするほどデカイ。
でも乗れば乗るほどコンパクトに感じられるのだという(K店長談)

とは言え自宅での乗り降りだけを条件に考えるのは空しいのも事実(笑)。もう少し夢を持ちたい。前述のふたつの条件を咀嚼しつつ、筆者が所有したくなる勘所がもうひとつある。それは「10の欠点があってもそれを帳消しにする2の長所があるようなクルマ」ということである。どんなに優秀でもVW POLO GTIとかAUDI A1みたいに「隙が無いクルマ」は選択肢には入らない。ヒモ同然のダメ男だが凄腕のギタリストと同棲を続けるグルーピーガールの心境がよく分かるのである。

だから例えばプジョー 208や最近意欲的なニューモデルが出たルノー トィンゴが、乗れば楽しく、また実用上も素晴らしい体験をもたらしてくれることは容易に想像できる。しかしこっちは全方位的によく出来たクルマではもはや満足できない身体になってしまっているのだ。とんでもない性悪ホステスに惚れて金をつぎ込む公務員とか銀行員の気分とはこういうものだろうか。まだまだMiToにはがんばってもらわねば。
 

気立ても良くて働き者で…というイメージの
ルノー トィンゴ(MY2016)
「でも夜は娼婦の如く…」を望むなら、
いつか発売されるであろうR.S.モデルを
待つしかない
MiToで行く!山形「ちん豚」・けもの道
| その他のツーリング・夜活など | 22:46 | comments(7) |

山形市へ向かう際は必ずここを通る。
釜房ダムの定点

MiToのパワステが壊れてるのに走り続け、とにかくハンドルを回すのが重くてしんどくて…という悪夢から目覚めた二度寝の朝(というか昼?)。どういうわけか仙台は秋晴れが続いている。では行くしかあるまい。悪夢を祓うのだ。




R286の松林


山形自動車道笹谷トンネルを210円払って抜ける

以前から書いているとおり、山形市内はとんかつ砂漠である。天童のABC食堂という奇跡が2016年にはあったが、とにもかくにも山形市内でうまいとんかつ屋を見つけないことには安心して生きていけない。以前からインターネットをさまよい目星を付けておいたのが「ちん豚」。ちん豚でとんかつを食べて、朝日町から寒河江に抜けて、関山峠を超えて仙台に帰ってくればいいや、というイージー具合。
 

ちん豚(山形県山形市城西町3-20-30)
これは通りに面した方の「正面玄関」。
駐車場は裏にあって、駐車場からの出入口もあり、
みんなそっちから出入りしてる感じ。
そういうところもいい(笑)

ちん豚に到着したのが12:30頃。食堂のプライムタイムに新参者がノコノコ入っていっていいのか…?と恐る恐る入店。カウンターに1席だけ空きがあったので、小さくなって着席。別の場所に書くつもりなので詳しくは書かないが、店内はまるで数年ぶりに訪れたおばあちゃんち的な、アットホームムード120%である。とにかくお金を払うお客が口々に「ごちそうさん」とか「おいしかったよ」と声をかけていく。お店のゴッドマザーからも「待たせてごめんねー」とか「久しぶりだったねー」とか、気さくな会話がはずむ。こういうお店に間違いはない。唯一目測を誤ったとすれば、御飯の量が尋常ではなかったことだ。丼に圧縮されたぎゅうぎゅうの白飯。優に御飯茶わん3杯分+はあったろう。なんとかやっつけて、お店の流儀にならい、筆者もゴッドマザーに「あぶなかった…。御飯を残しちゃうところでした」と挨拶して退店。
 

とんかつ定食1,200円。左手前の御飯に注目。
あと大根おろしもついてきて、
自然と和風おろしとんかつが食べられるようになっている。
こういうハイブリッド型定食は珍しい

実は筆者は不治の病にかかっている。どんなに満腹でも食後に甘いものを食べたくなるという恐ろしい病である。ちん豚の隣には偶然にもお菓子屋さんだった(じんだん本舗 豆太郎)。じんだん大福とじんだんまんじゅう(じんだんはずんだとも言い、枝豆をつぶし砂糖と混ぜて餡にしたもの。気が遠くなるほどうまい)を購入。満腹なのに食べる。ちょーうまい。

大福とまんじゅうを食べつつ山形市内を西に走る。K49で山形県民の森をかすめ、K17へ合流し白鷹町へ。すぐにK143に折れて寒河江を目指す。このK143は今までは「寒河江から白鷹町へ」走ったことしかなく、逆に走るのも楽しい。山間の集落を結ぶ細い県道は、この時期が一番美しいかもしれない。
 



水車が珍しくて写真を撮ったが、
背後の家、立派で驚いた!



白鷹町へ。町営スキー場をバックに








道の駅あさひまちりんごの森の周囲は本当にりんご畑が!

一瞬R287に乗って「道の駅あさひまちりんごの森」に立ち寄り。りんごを買う。MiToのシートに戻りGoogleMapで面白そうな道を探す。するとさっき走っていたK143がそのまま寒河江方面へ伸びているではないか。しかも地図内のその白線はぐにゃぐにゃと曲がりくねっている。これは…ワインディングに違いない!りんごの森のすぐ後ろを走っているK143にふたたび乗った。
 

確実に交通量極少


マジかよ…


マジかよ…2


こういうの、草ヒロってんですよね


今思えばK143の朝日町内からR458へ抜けるこの区間が、すべて舗装されていたのは奇跡に等しい。「熊に注意」の看板が何枚も立っていて、写真撮るのが怖かった(笑)。「これ、対向車来たらほんとにどうしよう」と思いつつ走ったが、結局追走車も対向車も一台も現れなかった。R458、R287を経てK23へ乗り、寒河江市街地へ。ごく限られた道しか走っていないのだが、寒河江の町並みも実に味わい深い。なんというか、地に足のついた生活がそこにあるように見える。高い建築物が無いのもいい。
 

ニッカウヰスキー工場の近く

寒河江からR48に乗り仙台へ。熊ケ根から大倉ダム方面へ折れ、K55を経由し番号もついていない細い市道(?)を走る。ここは青葉区の山奥、大國神社に抜ける道で、実は筆者の自宅方面へのショートカットである。だが寒河江のK143程ではないがこの道もかなり細く、対向車が来るとやっかいなのであまり走らない。この日は勢いづいていたのか、躊躇することなくこの山道へ突入。実にスムースに走ることができていたのだが…。

工事現場で警備員さんに止められる。「あー、えーと、今通れないんですよねー」。と言われてもUターンもできないような細い道をひたすら(距離にすれば5〜6kmかもしれないが)走ってきて、通行止めの案内もなく通れないって言われてもさー。「いや、ここは通れるんですけど、この先で別の工事をやってまして、そこが通れないんです」。

つまりほとんど同じ場所でふたつの工事が行われており、筆者が止められたのは法面補修工事。ここは小さめの重機やダンプカーを寄せれば通り抜けられる。だがその先の伐採工事現場に、今まさに重機と工事事務所用プレハブ小屋が運ばれてきたところであり、この細いワインディングロードに20t車だの10t車だのが、今まさに設置工事を始めるところだという。もちろん施工主が違うので、筆者とやりとりしている法面工事現場の警備員さんも伐採工事の方はとんと見当もつかない。状況を察した法面工事の作業員の人たちが向こうの作業員に声をかけてくれた。なんだか面白そうなので筆者はMiToから降りて工事現場へ入っていく。伐採工事の作業員の人たちと直接お話。「引き返せって言われてもさー、ここUターンもできないさー」「ですよね…。いや、ちょっと待ってください、5分!5分でどけますから。おーい!ちょっと!外車通るからこいつどけて!」。プロの大型車ドライバーさんの腕はすごい。MiToですら転回をためらうような狭い道で、巧みに切り返しを続け、道路脇の現場(ちょっとだけ伐採されて広場のようになっている)に重機を載せたまま20t車が頭を入れていく。プレハブを積んだ10t車がようやくギリギリで路肩に寄せ、大勢の作業員さんに見送られつつMiToは通り抜けることができた。スペクタクルだった。
 

法面工事現場をようやく通り抜け、
振り向いたところ



右のちょっと緑が切れている脇に少し広くなっている場所があって、
20tがようやくそこに入ったところ

ちん豚、K143、そしてあわやの工事現場という三題噺。楽しい道行きだった。まだまだ山形は探検する必要がある。
 

久々のひとりツーリングでトリップメーターBをセットするの忘れた!
ようやく広い道路に出て1枚。
秋の夕暮れは物寂しい

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DS3・クルマもキャラが大事です
| CITROEN DS3 | 23:43 | comments(9) |


しょっちゅうという訳ではないが、家人のシトロエン DS3(デヴュー・セリという名の日本発売記念の限定版。機械的中身はカタログモデルの初代シックに相当)を運転する機会はそれなりにある。面白いことにMiToとDS3を筆者が運転する際のマナーは、同じ人間が運転しているのに正反対である。もっとも顕著なのは車間距離である。MiTo運転時はすぐに狭まってしまうのだが、DS3だと盛大に空くことが多い。ついでに言うとDS3を運転している時は、黄色信号で躊躇無く停止する。生来せっかちな筆者としては、DS3運転時のこの自分のマナーはなかなか驚きなのである。MiToもDS3もごくごく近しい造りなのに、そういう差が生まれる原因は何か。自己分析してみるに、その原因はおそらくふたつある。トランスミッションとエンジンだ。

家人のDS3のトランスミッションはトルコンAT、それも悪名高いAL4だ。2000年代初期からプジョー車やシトロエン車に導入されていたこのトランスミッションは、60km/h以下の速度域(つまり日本の道路を走行する時のほとんどを占める速度域)では繊細かつ俊敏な加速動作そのものが難しい。そういう運転時は変速のショックも大きい。だからきれいな運転をしようと思うと、基本的にアクセルペダルを限りなくソフトに踏み増して行くしかない。加えてエンジンは1.6lのNA、120ps。車重は約1.2t(MiToとほぼ同じ。ちなみにMiToは1.4l+ターボで155ps)で、体感上は明らかに非力である。トランスミッション動作上の性格と非力なエンジンキャラが合わさって、結果的に前走車との車間距離が大きく空くのだ。

トルコンATだからDレンジに入っているうちは常に微弱にでも動力は伝わり続ける。同乗者の頭を揺すらない停止をするためには、特に停まり際、非常に神経質なブレーキペダル操作を強いられる。ブレーキそのものは良く効くのだが、こちらもソフトにペダルを踏み増すことになり、結果的に制動距離が伸びる。こういった条件が複合的に絡まることによって、筆者のDS3運転では車間距離が空く。以上が筆者の考察である。
 


きちんとキャラクターが作られたクルマだと、ドライバーが同じでも運転そのものが変わるのだ。筆者がイタフラ車に慣れている、かつ好意的(つまりヘンタイ)という事実を差し引いても、これは事実だと思う。そもそもクルマが「オレのことはこういう風に運転してくれよ」と語りかけてくるものなのだ。

ところで初代DS3シックの名誉回復もしておきたい。60km/h以下の速度域では確かに前述のような挙動ではある。ところが、だ。それ以上の速度域に入るとガラリと豹変するのだ。街乗り用の中庸なセッティングなのかなぁと思っていた足はとたんにしなやかに路面に追従し、ずいぶん軽いな〜と思っていたステアリングは適切な抵抗を示す。しかもブレーキは実にリニアで適切な制動を効かせる。前後に誰もいない三ケタ国道や広めの県道・農道など走る時はまさに水を得た魚、脳内アドレナリンがドバドバ噴出する事態に。

DS3シックは2015年後半になってエンジンもトランスミッションもリニューアルし、1.2lピュアテック+ターボという新心臓と6速ATのEAT6が搭載された。エンジンのサイズダウン(軽量化)による前後重量バランスの改善とキメ細やかなギア選択は乗り味のリファインにメガヒット。全域に渡って前述のしなやかな挙動をものにした。つまり動き出し直後からアドレナリンがドバドバ。イイモノに乗っている感ヒシヒシである。

まぁ以前書いた試乗記でも読んでみてくださいな。
【試乗記】シトロエン 新DS3・普通になったら極上だった

最近本ブログのコメント欄に登場されたワゴンさん。ドイツ車ばかりを乗り継いでこられたワゴンさんもDS3(MY2015)に一目ぼれ&試乗で納得ということで買ってしまったそうだが、実に実にめでたいことである。家人の愛車、初代DS3デビュー・セリではこれからも車間距離を多めに取ることになるが、イタフラ車ヘンタイにとってはこういう二面性までもがツボと言える。こうやって自分の運転を分析するきっかけにもなったし。この駄文を読んでDS3に興味を持ってくださる方が増えれば望外の幸せである。
 


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試乗記・ABARTH 124スパイダー あれこれ言ってもしょーがない
| 試乗レポート | 22:27 | comments(6) |

世間様から遅れること2週間近く、ABARTHからリリースされた124スパイダーに試乗することができた。ABARTH仙台のYさんに「あれ?acatsuki-studioさん、まだ乗ってなかったでしたっけ??」と言われつつ。
 


このブログの読者諸兄に対して「釈迦に説法」なのは承知の上だが、万に一つ、何かの間違いで迷い込んだ輸入車童貞/処女の方々のために一応説明しておくと、ABARTH 124スパイダーの実態はマツダ ロードスター(ND)である。ざっくりざっくり言うとエンジンをフィアットのマルチエアエンジンに換装し、エクステリアの一部をイタリアンテイストにリメイクしたものである。それ以上でもそれ以下でもない。

で、試乗の結果もそのまんまなのだ。それ以上でもなければそれ以下でもない。
 


NDロードスターよりもかっこいい!


NDロードスターよりもカッコいい!2


●●静態観察
散々見せられてきた写真よりも大きく感じる。そしてフロントとリア(つまりABARTHが手を入れた部分)はプレスラインもセクシーで、期待は高まる。サイドシルは乗り込むのをためらうような太さではないものの、彫りが深く高剛性であることを匂わせる。乗り込むと目線はそこそこ低くてスポーツカーに乗りましたよーという気分も盛り上がる。ドライビングポジションを設定する。お尻の位置とペダル(特にクラッチ)に伸ばした左足膝の曲がり具合さえしっくりくれば、ポジション決めにあたって悩む要素はそれほど多くない。何と言ってもテレスコピック機構不搭載。左足膝とバックレスト角度以外調整要素が無いとも言える(笑)。が、無理な姿勢を取らされている感覚はない。家族で乗り回すようなクルマじゃないので、オーナードライバーが慣れてしまえば問題ないと割り切れる。
 


クロスカットテープは傷保護の意味で…


左腕の置き場所がきちんとあって、
ショートストロークシフトがスコスコ入る。
快感


タコメーターがセンターに来て盤面はメタリックレッド。「ほほ〜」。ダッシュ全般を革っぽい素材で覆い、赤いステッチが入っていて「なるほど〜」。しかしタコメーターの隣、燃料計と水温計が表示されるメーターの内部は日本語表示である。ABARTHの車内に日本語…。違和感である。前方180度の視界に限っても視界の中にはほぼ直線しか見えず(ハードなスポーツドライビングにはいいのかもしれないけど)、いわゆるイタ車に言わずもがな期待する造形上の「色気」はゼロである。かと言ってスパルタンかというとそうでもなく。まぁストイックと言えば言えるだろうが、パネル合わせ目やコラムのレバー類をしげしげと見ると、イタリアの匂いは胡散霧消。これらの印象を総合して短く端的に言うと「良くできてるけど、ABARTHに求めるものは盛り込まれてない」ということになる。

●●走ってみて
まずボディ剛性がやっぱり高い。ビシッとスキッと。だから直進がものすごく楽。シフトもほとんど手首だけで決まる。のだがゲート入り口の抵抗がやたらプラスティッキーで硬い。あんまり濡れてないのに無理やり入れちゃったみたいな感じ。「これ、硬くないすか?」と同乗のYさんに聞くと「いや、これでもかなりこなれた方なんです。マツダ内製で伝統的に渋いというか、硬いんですよねぇ」と、走り大好きで数々のクルマ遍歴を誇るYさんは言う。ワインディングを走ったわけではないので、全体の2〜30%くらいしか味わえていないことは承知の上だが、実にバランスが良い。口には出さないけど、これホントにFR?と思ってしまう。「雨の日に本気走りしたら、FR初心者の人は確実に事故りますね」とYさん。それなりの領域ではやっぱりちゃんとFR的挙動なのだそうだ。今回の試乗では、仙台港付近の3〜4車線の幹線道路で車線変更を行った時、そのことを気取ることはできた。スッと鼻先が入っていく。それもFF特有の全体が一気に移動する感じではなく、明らかに「蹴られたかのように」鼻先がポンっと入ったあとに車体後半が付いていくような、ものすごく鋭さだった。まぁ買うならこうであってほしいとは思う。

「買うなら??」え?買いたくないの??そう、なんだかちっとも欲しくならないのである。ABARTHのクルマの試乗なのに、走れば走るほど冷静になるとは、此は如何に。

●●スパイダーならでは
曇天ではあったが幸い屋根を明けて走ることができた。思ったより頭の随分手前でフロントガラスがすっぱりと切れ、風がそれなりに巻き込まれてくるが、不快ではない。会話もまぁ普通にできる。つまりここまでの印象は全部屋根を開けている状態のもので、それでも剛性感とかスパッと入るとか書けるのだからすごい。実に爽快な乗り味である。ソリッドである。走ることしか考えてない感じ。

●●acatsuki-studioの感想まとめ
ABARTHからスパイダー出るぞ〜〜!!の報に浮かれたい渇望感は、輸入車ヘンタイとしては当然だったと思う。実際このクルマは悪いものじゃない。いや、屋根開きグルマを買うなら最右翼で選考するべき車種だと思う。でもペネロペ・クルスみたいな肉感的美女をリクエストしてるのに、純和風のスレンダー美人を紹介されても困惑しちゃうのである。



ペネロペ・クルスはスペインの方ですが


今日は濃厚豚骨ラーメンにニンニク山盛り入れて喰うぞ〜!と意気込んでいるところに煮干し出汁のあっさり醤油スープ中華そばを出されたら、一部の人はテーブルをひっくり返して怒るかもしれない。このテーブルをひっくり返すほどの濃厚豚骨ラーメン好きこそが、我々のような輸入車、とりわけイタフラ車好きのヘンタイなのである。確かにマツダ ロードスターは「走ることしか考えてない」クルマの筆頭だろう。そのことで尊敬を集めてもきた。走ってナンボのクルマ「しか」出してこなかったという意味ではABARTHもまったく同じだが、両者は色気の有無において決定的に違う。あんなに実直かつ生真面目だと思っていたアバルトプントですら、124スパイダーに比べれば艶めかしい。やはりイタリア人はカッコつけることに関しては堂に入っている。躊躇しない。優先順位が高い。敢えてロードスターと書くが、このクルマは実直で良くできていて走ると速い。そこにあるのは言わば武士道的ストイックさで速さと正確さを追い求める姿である。カワイコちゃんを見つけたとたんに仕事をほっぽり出して口説いたりしない。ABARTHに武士道を求めるか?求めるわけがない。

フロントとリアのエクステリアをリデザインしようが、赤いステッチで彩ろうが、このクルマが国産車であることには変わりがない。事ここに至り、もはや輸入車ヘンタイがあれこれ言ってもしょーがないのである。むしろABARTHに過剰な幻想や期待を抱かない輸入車童貞/処女のみなさんこそが、このスパイダーを正しく評価できるのかもしれない。

筆者は人生に一度はオープンカーを所有したいと考えており、マツダ ロードスターはその最右翼だった。124スパイダーに試乗して、ますますその思いが強くなった。筆者が買うならロードスター。もう一度書くが、それ以上でもそれ以下でもないのだった。

●●おまけ
試乗から帰ってきてアルファロメオ仙台の前に124スパイダーを停め、クルマから降りる。そこには売り物のアルファブレラ(2.2JTS LHD 6MT)が。そのままYさんとブレラ礼賛の嵐。口角泡を飛ばして…という勢いでブレラを褒めちぎった。JTSで煤がたまろうが、全然エンジンが回らなくて重かろうが、あのお尻だけで2年は乗れる!ヘンタイにつける薬はイタフラ車しかないのである。



カーセンサーEDGE、当該ページより(笑)
MiTo・注油でゴキゲン、シフトノブ
| MiToのメインテナンス | 20:45 | comments(4) |

124スパイダーに乗ってきましたー!じゃなかった、MiToのトランスミッションがやたら渋い件、改善すべくイデアルさんに日帰り入院。124スパイダーに試乗もさせていただいたが、それはエントリーを分ける。

分解等したわけではなく、「オイル注油」でシフトノブ動きそのものは復活した。ただこれはあくまで応急処置かつ対処療法。様々な原因が考えられるため、シフトノブ周辺のアセンブリー交換をするなら…という見積もりはもらってきた。

シフトレバーASSY交換 55344847 CONTROL 23,600円
技術料 15,750円
消費税 3,148円
見積もり合計 42,498円

ただ筆者のMiToにはCLOSというブランドのクイックシフトが入っているため、元の状態(純正という意味ではなく、筆者好みに改造されていた状態)に戻すには純正のシフトノブアセンブリーに交換した上で、再度クイックシフトを組み込む必要がある。

まぁそれでも同じクイックシフトを組み込むなら部品代は2010年当時で12,000円。工賃込みでトータル5〜6万円で完治できそうではある。だがその後ろに控えているのはクラッチ交換で、クラッチ板、ベアリング、周辺のシールなどの3点セットで部品代が5〜6万、工賃も含めれば10万円から15万円の間くらいらしい。

いずれにせよある程度分解して調べないと決定的な原因を突き止めるには至らないとのこと。しばらく様子見である。ちなみに今回の注油と見積もりに関しては費用はかからなかった。Sさんありがとうございます!K店長、東京出張お疲れさまです!!

応急処置とは言えシフトノブの動きが元に戻ったことは素晴らしい。実際のところこの現象を認知して以来、MiToの動きそのものが鈍くなったようにすら感じられていた。クルマのユーザーインターフェイスとは本当に面白く、また繊細なものなのだなぁと再認識。ゲートの間をスムースに行き来するようになったシフトノブでMiToを操るのは快適である。

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MiTo・舵角センサー異常がまたやってきた!
| AlfaRomeo MiTo | 23:59 | comments(6) |
MiTo人生初のシフトノブ動作の異常に取り乱し、地味なトラブルを忘れていた。舵角センサー異常がまた発生した。
 

昔の画像ですが

ステアリングコラム一式を頂戴することができて(そういうミラクルが起こるのだ)、めでたくこの異常から逃れられたと思ったのだが、どうもそう甘い話ではないらしい。このブログを長くお読みいただいている方はうっすらと記憶にあると思うが、MiToのステアリングコラムに内蔵されている舵角センサーに異常が発生するとパワーステアリングの補助が失われる。要は重ステになるのである。

アルファロメオ 4Cなど、現代でもごく一部のクルマにはステアリング補助機構を持たないものがある。それらは間違いなくスポーツカーであり、ステアリングフィールがそのクルマの価値を左右するくらい、重ステは重要案件である。だが!しかし!MiToのような実用車ベースの「スポーツカー的な一般車」は油圧だの電子制御だののパワーステアリングが壊れると地獄である。

今回の発症時の様子を具体的に書くと、60km/hくらいで左旋回の下り坂を降りている最中に発症した。アシストが失われると、例えそれくらいの速度が出ていても進路を変えるには体全体でハンドルを回さなければならない。つまり路肩に寄せること自体が大仕事なのだ。

で、このトラブル、クルマを再起動すれば何事もなく復活する。いや、再起動って言葉、便利だからつい使ってしまうが、つまりエンジンを落し、アクセサリ電源もすべてOFFの状態にし、再度エンジンをかけると治ってるというわけだ。治ってないと大事件なのだが…。そうやって何事もなく走り出したのだが、実はこの日、この道行き、もう一度発症した。

以前にもこれは書いたが、この舵角センサーサプライヤーの品質に問題があるようで、2009年前後に作られたフィアット車(日本国内でならグランデプント、500、もしかしたらパンダ)で割りとよくある話らしい。薄い金属製ディスクに光を照射し、起点から何度回っているかを感知し続けるパーツで、分解修理は不可能である。だから交換するしかない。それでもかつては舵角センサー単体で交換することができた。センサー単体で4〜5万円+工賃。それでも高ぇなぁと思っていたのに、いつの間にやらステアリングコラムASSY交換のみという罰ゲーム状態に。もはや修理代16万円じゃ利かないのである。

この発症は、たまたま2日間もMiToを休ませていた直後の朝のこと。またこの日の朝、仙台は急に冷え込んでもいた。たまたま結露したなど特殊な事情であってほしいと祈るとともに、やっぱり毎日動かさないとダメだな!と変に得心したのであった。

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MiTo・疑惑!ミッションオイル欠乏
| MiToのメインテナンス | 23:36 | comments(12) |
あるクルマのレビュー記事を読んでいたら、「車体剛性の低いクルマは、内装の思いがけない部分がビビり音を出したりすることですぐにわかる」的な記述があった。考えてみるとMiToはそういうビビり音の宝庫で、特にグローブボックスの裏やルームミラーのあたりはヒドイ(笑)。

そのような音に関しては、これまであまり気にしたことはなかったが、それが車体剛性低下のサインであるならば少々話は違ってくる。総走行距離がそろそろ14万kmに達する我がMiToのボディが劣化していないわけがない。だが車体剛性よりもはっきりと明らかに劣化を感じる箇所が現れたのである。

シフトノブの動きである。
 

最初に気付いたのはシフトミスが頻発したからだった。特に2速から3速へシフトアップする時、ノブが3速に入らずゲートとゲートの間にゴツンとぶつかってしまう。疲れているのかと思ったが(実際疲れてるんだけど)、ふと気付いた。シフトノブの動きがやけにねっとりと抵抗値が高いのである。そのことに気付いてから2速から3速に上げる時は、わざわざ手で運んでやる心持ちでシフトすると問題ない。

これはウワサに聞くミッションオイルの劣化であろうか。今度イデアルさんで相談だ(ついでに124スパイダーも試乗か!)!

・ミッションオイル疑惑
・エンジンオイル交換
・オーディオアンプへ引き回している電源ケーブルのメンテ

いろいろあるなぁ。
 

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MiTo・すぐ!というほどでもない…
| MiToのメインテナンス | 18:06 | comments(4) |

ホイールも新しくなり、アピアランスも新鮮!筆者のMiToは日々順調に距離を延ばしているが、あとここはどうしようかなーというマイナートラブルもなくはない。その着手するには決定的な不便がないトラブルをリストアップしてみる。

1)クライメートコントロールパネルのバルブ切れ
以前にも発症した運転席側のバルブ切れ。具体的にはエアコン吹き出しモードが夜に確認できない状況。前回は「夜不便だし、なんなら危険だし」ということで何かの折り(センターコンソールをバラす時)にバルブを交換したが、今ではソラでモード切り替えができるようになったので放置している。
 

2)オプションのLEDルームランプの接触不良
助手席側だけ不点灯。叩くと点く(笑)。純正オプションなのに…(純正オプション「だから」か?)。運転席側は順調に点灯するので放置している。
 

3)エグソーストパイプの緩衝材劣化によるカラカラ音
エンジン直下、パイプの接続ポイントに固定用フックとボディに当たらないようにゴム製(?)のストッパーが付いているのだが、これが劣化して接続ポイントのメッシュ部分やフックが干渉してカラカラと音がする。助手席に座っている人が「うわー(笑)」と言うようなコーナー処理をしたりすると音がする。普段はしない。だから放置している。
 



4)バッ直のオーディオアンプ用電源の接触不良
ボンネット内にヒューズを加えてバッテリー「+」端子から電源ケーブルを直接引き回しているのだが、このヒューズボックス辺りでケーブルが劣化したようだ。突然アンプが落ちたり、なんなら最初から電源が入らなかったりする。ケーブルの遊びを少なくしたら安定したのでこれも放置している。

4以外はイデアルさんで処理してもらいたいけど、この案件だけで入庫する(支出する)のもなぁ。全体的に、筆者はオーナーとしてスレてしまった。フレッシュじゃない。以前ならこういう小さな不具合も即座にイデアルさんに持ち込んでいたものだ。もうすぐ14万kmに達さんとするくたびれたイタ車に乗っていれば、誰でもこうなるのだろうか。

※今回の画像、ピンボケばかりでもうしわけない

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DS3で行く!郡山・裏磐梯・大内宿2016 その2
| その他のツーリング・夜活など | 18:16 | comments(9) |

よくある話だが、ホテルの部屋って、なんであんなに暑いんですかね。夜中に何度か目が覚めてしまった上に、必要以上に早起きしてしまった!となれば朝風呂だ!DS3で行く裏磐梯とかツアー、二日目は朝風呂からスタートである。貸し切りではなかったが男湯は今朝もガラガラ。めっちゃ和んでしまったぜ。風呂上がりに即朝食。よくある話だが、ホテルの朝食バイキングって、なんであんなに食べ過ぎちゃうんですかね。明らかに三食分は食べた。食べ過ぎた。

初日の内容はこちら
 

この日の裏磐梯は雲ひとつない快晴。磐梯山の威容もますます強調される。初秋の朝、山間の空気はことさら澄んでいる。遊歩道などあればさくっと歩いてみるべきところだが、寝不足+朝風呂+満腹のトリプルコンボで部屋で朝寝決定(笑)。小一時間うとうとしてからチェックアウト(どんだけ早起きだったんだ)。
 

イル・レガーロとセットで諸橋近代美術館に初めて訪れたのは、2015年5月の「クルマで行きますOFF会#9裏「磐梯・芸術の道」」 の時だ。その時のオーガナイザーあおさんの提唱する訪問理由が奮っている。曰く「 イタフラ車を愛する者は芸術文化にも親しんでいるべきだ」。筆者はこの考えに深く賛同するもの也。開館とほぼ同時に入館したつもりだが、先客がちらほら。前回(つまりOFF会の時)は前半こってり観賞してしまって疲れてしまい、奥の方は駆け足になってしまった。今回はそのつもりで前半はさらっと見るつもりだったのだが、たまたま開催中だった企画展の内容がとても良くて「そんなの無理!」。でも前回よりはペース配分には成功したと言える。2回の訪問からアドバイスするなら、諸橋近代美術館はざっと観賞するだけで90分コースである。ここんちは立体造形作品が多く(そもそもダリは立体も多く創った人のようだし)、本当に見応えがある。ミュージアムショップや喫茶コーナーを楽しむなら120分でも足りるかどうか…。庭も散策するなら半日コースと考えていただいた方がいい。訪れる際の参考にしていただきたい。

90分コースでもやっぱり疲れてしまった(笑)。だが疲れてばかりもいられない。二日目のメインイベントは奥会津の大内宿探訪である。
 





ルーフトップの色落ちが著しい…

裏磐梯から大内宿へはけっこう遠い。会津若松市内を経由することになるが、その先は大まかに言って二通りのコースがある。今回はR118を南下し(前日からR118を走ってばかりだな)、大内宿のある下郷町へ至る。途中の芦ノ牧温泉には東日本大震災直後にEDO特別セッション「アンチ福島風評被害ツアー」で訪れた。ここも思い出深い温泉街である。

EDOグルメツアー「アンチ福島風評被害ツアー」を決行した!
 

約90分で大内宿へ到着。江戸時代の茅葺き屋根農家を景観保護のため維持している「宿場町」。以前から来てみたかったのだが、如何せん仙台からは遠い…。ようやく念願が叶った。長ねぎ一本が丸々供されるそばなどが名物なのだが(そのねぎでそばをたぐるのだ。たぐれるのか?)、昼時にも関わらず、筆者と家人の胃袋はホテルの朝食バイキングに占拠されたままである。お土産屋さんの店頭を冷やかしつつぶらぶら。少し雲は出てきたとは言え相変わらず晴天。江戸時代にタイムスリップしたかのような山間の宿場町を歩くのは確かに楽しい。観光客がずいぶん多くて驚いたが、これが紅葉シーズンの真っ盛りの週末だとしたら、どれくらいの人出になるのだろうか。想像もつかない。そう言えばR118の道々に「観光客用臨時トイレ」がいくつも設置されていたが、なるほど、臨時トイレが必要になるくらい渋滞するのか…。
 











改めて地図で確かめてみると、大内宿と猪苗代との距離は実は栃木県日光とあまり変わりないのだ。驚き。確かにそっち方面や新潟ナンバーのクルマが駐車場にはちらほら。じゃあなに?ここからさらに2時間くらい走ると日光東照宮に行けちゃうの?はー。そりゃ仙台から遠いわけだ。東北だけではなく北関東からも集客があるのか…。景観保護地区になるためには、随分住民の中でも賛否があり、ようやく今の形態に落ち着いたのだそうだ。それもまたそうだろうなぁと思う。白川郷など、この景観を維持するために得るものとあきらめるものがあるのだろう。おみやげをいくつかと焼き餅を食べて大内宿を後にする。

さて帰路をどうするか。栃木県に抜けて高速道路…は、まぁ無いとして(笑)、猪苗代方面に戻って R459 で福島市内、当然honey beeに立ち寄ってジェラート…というプランか、会津〜喜多方へ北上し、宮城県七ヶ宿へ抜けるかそのままR13で山形まで北上するか。さてこの二択、どちらを取るべきか…。あ!重要なことを忘れていた。喜多方の菓子舗「太郎庵」でお菓子を買わねば!とここで気がつく。会津へ戻るコースは往路で走ったR118ではなくK131にして、喜多方市内を目指す。

自動車専用道路が整備されたおかげで会津〜喜多方間は30分で行き来できるようになった。太郎庵の前に食堂「さがの」に立ち寄る。食事が目的ではなく、家人にその威容(異様?)を見せるため。ファミリーレストランやモダンな店舗ばかり通りに突如現れる昭和50年代スポット!!とにかく喜多方の奇跡と言いたくなるような地元食堂である。外から見るだけだったが、立派な「さがの」の看板が外されていてびっくり。営業はしているようで安心したが、本当に営業を継続しているのか、また訪れて確かめてみたい。

「さがの」と太郎庵喜多方店は目と鼻の先。定番お菓子を家族用に買い込み、いよいよ本格的に帰路につく。そろそろ晩飯も視野に入れつつコース取りをしなければならないが、喜多方にいる以上もはや山形県米沢へ抜けるしか途はない。夕闇迫るR121で米沢を目指す。
 

R121、道の駅田ざわ

米沢市内も食事のチョイスが難しい。実は家人は米沢にある短大に通っていた。つまり米沢は家人の青春の地(笑)なのである。だが言い換えればもっとも貧乏な時期の滞在だったため、ろくな店を知らないということでもある(笑)。銀婚式旅行の最後の食事が某食堂のさもないラーメンというのも釈然としないものがある(笑)。うーん。筆者の知り合いには米沢に縁の深い方も多く、SNSで米沢での食事のエントリーも見かけるのだが、いまだこれ!というお店には行き当たらない。何よりも米沢市内にいる現段階でまだ16時過ぎで、しかも別に切羽詰まって空腹でもない。無理するところでもないので、米沢はスルー。

高畠町を目指してR13を北上しながら、奇跡的に宮城県白石市のナイスうどんや「青山(と書いてせいざんと読む)」を思い出す。この旅行は奇跡がしょっちゅう起こるのである。すっかり夜になってしまったR113で白石市へ。
 

まもなく七ヶ宿ってあたり。
見えているのは高畠〜南陽だろう






うどん屋「青山〒989-0218 宮城県白石市鷹巣東3-9-8)」


青山のうどんはきちっと腰があり、まるで本場のさぬきうどんを食べているような心持ちになる。この時間になればさすがに腹は減っていたが、二日間フル活動だった胃を労るために、ひやしぶっかけうどんくらいにしておいた。満足満足。白石からは往路と同じくK12で村田町〜K31で仙台市生出へ。


535kmってけっこう普通だ(笑)

その1に書いたとおり、全行程を通じて100点満点の小旅行だった。特に郡山周辺の県道はぜひMiToでも訪れてみたい。そしてDS3、MiToと比べて疲労度が全然違う。楽だわー(笑)。シフトチェンジが無いだけでなく、芯はありつつもふわっと柔らかい乗り心地がその疲労軽減に一役も二役も買っている(MiTo、18インチにホイールを換えたら直進が超神経質になって…(笑))。前日夜までどっちで行くか迷っていたのだが、DS3にして明らかに正解であった。

以上、2016年9月のツーリングまつりのレポートはこれにて終了!

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DS3で行く!郡山・裏磐梯・大内宿2016 その1
| その他のツーリング・夜活など | 23:53 | comments(2) |
夏休みを取って家人と一泊旅行に行ってきた。今年銀婚式を迎えたのでそのお祝いの意味もある。自分たちで自分たちを祝うのはおかしいのだが、誰も祝ってくれないのでここは能動的に。今回は裏磐梯に宿を取り、そこからプランを広げていった結果、二日間かけて福島県内をふらふら走ってみることにした。もっともこちとら蔵王や男鹿半島とロングツーリングを立て続けに実施したばかり。ということもあり家人と運転を折半するために足はDS3。大冒険ではないがいつもひとりで走っている道、初めて行く場所をミックスにして、時間も順路もほとんど決めずに出発した。

<初日>
・二本松とか郡山市あたりで昼食
・羽鳥湖周辺の県道を堪能
・猪苗代湖を南から攻め、裏磐梯の宿にチェックイン

<二日目>
・諸橋近代美術館
・大内宿

今振り返ってもアバウト過ぎる…。アバルトは最高だが…。だがしかし、このアバウトさが全面的に吉と出た。100点満点の小旅行となったのである。

自宅を8:30頃に出発。けっこうしっかりした雨降りだが快方に向かうという天気予報を信じるしかない。まずは県道県道また県道という裏道ツアーで福島県三春町を目指す。宮城県村田町〜白石市〜福島県伊達市梁川〜霊山…。梁川では発作的にお菓子屋さんに突入。極上のまんじゅうを見つけてしまった。その梁川からはじゃるさんに教わった交通量ほぼゼロの裏道を快適に飛ばす。この道のり、知ってる人はニンマリというマイペース天国である。
 

阿武隈川

このあたりまでは三春町を目指していたのだが、このままではかつてひとりツーリングで何度も訪れた三春町三条屋で三春そばを食べることになる。三条屋も三春そばも最高ではあるものの、毎度毎度では変わり映えがしない。そこで家人が以前から提案していた「郡山市で以前食べ損なったとんかつ屋」を目指すことになった。善は急げでコースを変更。二本松ICから東北自動車道に乗り、郡山へ。その際二本松市内に立ち寄ってすべてがナイスすぎる菓子舗「玉嶋屋」へ。羊羹とかいろいろ購入。
 



わくわくする店内の様子。こんな感じが360度

郡山と言えば「クルマで行きますOFF#5 福島・郡山堪能の旅〜」で立ち寄った郊外の食堂「ローマの太陽」なのだが、今回はJR郡山駅前に適当にDS3を停め、市中をぶらぶらと歩いてみる。幸い雨はほとんど上がった。折りしも安積国造神社の例大祭の真っ最中。路地のあちこちにちょうちんや神輿が置かれ、商店街には屋台がずらり。コンパクトながら呑み屋街が縦横に拡張されたかのような中心地を歩きつつ、まず件のとんかつ屋を探す。辿り着けば本当にJR郡山駅西側の真ん前にあったのだが、なんと閉店していたー!永遠に食べる機会を失ってしまった…。無念。
だが知らない街をふらふらと歩くのはとても楽しい。最近立て続けに傘を紛失した家人が傘を買いたいという。傘とナイスなランチを求めて郡山市街地をふらふら。




いい加減ランチタイムもそろそろ終盤という頃合いに洋装店でナイス傘を無事に購入。そのお店を出て角をひとつ曲がったら、奇跡の出会いが我々に訪れた。「元祖肉処源氏(〒963-8002 福島県郡山市駅前1-5-3)」。あとでネットで情報を漁ったら創業40年、ポークソテーの専門店だった。




家人がトラディショナルにポークソテーを注文したので、
筆者は「焼きカツ」に挑戦。おいしかった

長いカウンターがメインのようだったが、3〜4席ほどの小上がりの方に席を取る。店内は落ち着いた雰囲気で、隣の席ではまつり袢纏を着たおじさんふたりが、延々と町内会のあれこれを話している。こういうお店と出会えることは人生の幸福である。充実した郡山滞在を経て、羽鳥湖を目指す。


 
郡山市内からK109〜K29で郊外へ。西の空から薄日が差し始めた。黄金色の田園地帯を経て辿り着く羽鳥湖とその周辺の道路は、前述のOFF会でやはりじゃるさんに案内され訪れた。ほんのりワインディングという感じのR118を羽鳥湖目指して爆走。
 







適当にクルマも走ってはいるが、周辺は静寂に包まれた山の中の湖。この頃になると天気も持ち直し、青空が見え始めた。いいね!思わず「道の駅羽鳥湖高原」で梨を買ってしまう。旬のものは旬のうちに食べるべきなのだ。若干同じ道を戻りK294で猪苗代湖を目指す。
 







雲がなければ正面に磐梯山なのに…


猪苗代湖東岸の定点観測地点

ここまで来れば裏磐梯はもはや目と鼻の先…と思いきや、大きな山だけに回り込むのに小一時間ほどかかってしまう。それでも17時前には裏磐梯ロイヤルホテルにチェックイン。意外や広くていいお部屋。少し休憩して宿から徒歩5分のリストランテ「イル・レガーロ」へ。
 

思ったより広くて良いお部屋












 
ここもやはりOFF会であおさんに教えていただいたお店。平日の夜でお客は筆者夫婦ともう一組ご夫婦がおられるばかり。そしてこの店の料理も実に素晴らしいものだった。あまりにおいしかったのでお店の人に感想を伝え、「銀婚式旅行なんですー」と浮かれて話したら、食後シェフから記念にと干し菓子をサービスされてしまった。地元栽培の無農薬リンゴの干したもの。こってり濃厚なイタリアンドルチェの後でもしっかり味わえる逸品であった。「良い季節にご旅行ですね」と声をかけていただいたので、「偶然なんですけど、緑もきれいだしそれほど暑いわけでもないし、とても良かったです」と応えたら「すぐに雪の季節です…」と苦笑されていた。さもありなん。

宿に戻って風呂。なんと露天風呂まであり、しかも男湯は貸し切り状態だった。露天風呂に大の字になって星を眺める幸せよ。初日はここまで。二日目は次回に続く。
 

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筆者の愛車ABARTH PUNTO EVOのこと。
ブログ本文に「プントエヴォ」と
フルネームで書くと煩わしいので命名。

■R、K■
R=国道(Route **)
K=県道(Kendo **)
のこと

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。

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筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

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早朝に走りに行くのが朝練。
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夜の走行活動の略。
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つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

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親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
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