クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
【試乗記】シトロエン C3(2005)・この快楽は知っている人だけが知っていればいい
| 試乗レポート | 23:20 | comments(6) |

 

2016年初夏、3度目の車検に旅立ったMiToの代車はシトロエン C3だった。と言うとある意味白々しい。(株)イデアルさんのフロントSさんに「なんかおもろいクルマにしてくださいよー」と泣きついたのだった。C3なら役者に不足はないぜ!

 

ちなみに家人はこの頃の尖ったダブルヘリカルロゴの方が好きそうです

 

シトロエン C3(個体の車検証による)

総走行距離約4万3千km
初年度登録 平成17年(2005年)
形式 GH-A8KFV
原動機の形式 KFV 直列4気筒
排気量 1.36L(ガソリン)
車両総重量1,355kg(前々軸重680kg 後後軸重400kg 車両重量1,080kg)
全長 385cm
全幅 167cm
全高 154cm

 

C3、乗るごとに、走る距離を重ねるごとに評価がうなぎ上りである。今回代車としてあてがわれたC3は、2016年現在「先代」にして「初代」ということになるが、筆者の経験上の比較対象は家人の愛車である同門シトロエン DS3(2010)と、やはり代車で経験したプジョー 206Styleということになり、偶然にもトランスミッションは全車同じく4速AT(AL4)、そのうち今回のC3と206は足周りの構造も同じと思われる。

 

これまで経験してきた206の主な試乗記はこちら

 

代車・再び206がやってきた!
プジョー206・まだまだ現役じゃないですか!
プジョー 206・赤裸々にオススメしてみる
代車206の奇妙な挙動
206・ファンを追求するなら、M/T?
206・本当に買う人向けの話

 

しっかし、どんだけ楽しかったんだ、206…。

 

 

毎日運転して200km以上走った現在の感想で言うと、C3、とにかく軽い。正確には軽く感じる。ひらりひらりである。もっともこれは「体感的な車重」で、車検証上の重量はC3=1,355、DS3=1,455、206=1,315kgだからC3と206はほぼ同じで、DS3(1.6l/NA)のもっさり感はある意味当然だった…。ほぼ同じ重量のC3と206ではなぜC3の方に軽快感を覚えるかと言うと、上記リンク記事の206個体が13万kmも走った個体なのが大きく影響しているのだろう。要は足廻りのヘタり故の感想。もっとも足廻りの印象をこの個体で測られてはプジョーから公式抗議が来そうだ。まぁそれはともかく、今回の初代C3、体感上だろうが実測値だろうが、軽くて助かっている。

 

なぜならC3、はっきり言って加速がしょーもない。MiToを預けて(株)イデアルさんからC3で走り出した時、「こりゃパッソか??」と思ったほどだ※。エアコンなどONにしようものなら印象はさらに悪化。青信号スタートなど、車間距離が異常に開いてしまうし、交通量の多い大きな交差点での右折などかなりスリリングである。帰り道、さっそくAL4のスポーツモードを使ってしまったではないか!←結局この時の1回きりだが

 

ブレーキも褒められたフィールではない。プジョー・シトロエンの右ハンドルモデルの難点については色々言われるが、ブレーキのフィールもよく言われるダメポイントだ。マスターを左側に残したままペダルだけ右に移動させている(踏力伝達のためのバーを増やしている)らしく、当然フィールが曖昧にならざるを得ない。ある程度以上の踏み込み速度・踏み込む力があれば、ブレーキの素性自体は悪いものではないことがわかるのだが、それってつまり急ブレーキであって、そんな場面は滅多に無い(というかそういう場面がなるべく無いように運転するべきだ)。

 

電子制御と思われるパワーステアリングもやたら軽くて少々物足りない。「曲がらない」わけではないが、体感上のクルマの重さに対して、ステアリングの抵抗が軽すぎる印象である。

 

しかし。これらはあくまで走り出しから40km/hくらいまでの、ごく低速域での話。シトロエンの下から2番目の安グルマC3の本領はむしろ速度を上げたところにあるのである。具体的には60km/hから100km/hの間である。その盤石具合はまるで別人格。速度が上がれば上がるほどステアリングの反応もアクセルペダルの反応もダイレクトになっていき、「思った通りにクルマが動いてくれる快感」には驚かされる。大げさでもなんでもなく、レーンチェンジですら笑みがこぼれるくらい。

 

加えて車内の目に見える部分にデザイン上の工夫や遊びが目に楽しい。

 

ダッシュからドア内張まで続くドット状のシボ。

日光の当たり具合によって表情が変わる

 

C2でもお馴染だったくるりと一回転するエアベント。

まるでハニースプーンみたいでかわいい。

部品点数も節約できるスグレモノ

 

サイドウィンドウのデフロスター暖気の出口。

ネコの肉球か、はたまたボーリングの指穴か。

とにかくクスッとしてしまうキュートさ

 

単なるAL4のくせにシフトノブの握り心地はかなり良い

 

左右どちらのパワーウィンドウスイッチにもAUTOを示す

"A"が刻印されているが、助手席側(左)は落ちる時だけオート。

上げる時は引き続けなければならない(笑)


はっきり言う。この色使いのセンスやデザイン上の洒脱さはモデルイヤーの新しい現行C3やDS3よりも上である。素材はチープである。樹脂感著しい。だが安い素材でも目を楽しませることはできるのだ。国産車のC3と同クラスや軽自動車がひたすら物入れの数を増やすことに汲々としているが、オーナーを喜ばせるのは実用上の利点ばかりではない。

 

というわけで、100点満点ではないものの、筆者は束の間のC3ライフを大満喫している。先日の代車はこのC3よりも遥かに距離数の少ない程度の良いスズキ スイフトだった。あれはあれで良かったが、最初の印象がどこまでいっても平面状に広がるだけで、C3の80km/h付近で見違えるほど増えるステアリング情報や、ダイレクト感などと比べると、面白みに欠ける。

 

試乗記・スズキ スイフト、これが国産Bセグの標準評価軸…であってほしい

 

そうなのだ。C3はオールラウンダーではなく狭い範囲だが得意技がちゃんとある「ギャップに惚れる」系。一度美点を知り、そこに惚れてしまえばアバタもエクボ。もはや筆者は青信号加速のもっさり感など気にならなくなってしまっているのだ。試みに中古車価格検索をしてみたら、1.4lモデルで4万km走った個体で25万円なんて値段で出ている。50万円でお釣り??こいつが??世間の無知なみなさん、C3の中古価格を低くしてくれてありがとう。この快楽は、知っている人だけが知っていれば良い、のだ

 

中古車代車ならではのテキトーなアンテナ

 

前オーナーはこの個体をけっこう愛したんだろうなぁと思わせる

ミラフィオーリ(イベントらしい)のステッカー

 

運転席側には堂々とトリコロールのシトロエンステッカー

 

運転中、めっちゃ邪魔です…、前オーナー…。

 

※老母の愛車トヨタ パッソは「高齢者や運転に不慣れな人の誤操作で事故を起こさないよう、敢えて加速を悪くする方向でチューニングされた」といい、自動車ジャーナリスト清水草一氏によれば「振り込め詐欺防止装置付き」という「走らない」クルマなのだ。

 

参考記事「先代パッソが、アクセル全開でも加速するまで5秒近くもかかったのは「老人や主婦のため」だった

 

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MiToの帰還、遅れり。だがC3がゴキゲンな件
| 試乗レポート | 21:21 | comments(10) |

 

わがMiToの帰還が大幅に遅れるらしい。7月の第2週になりそうだ。フロントのアッパーマウントとブローバイガス廻りのなんちゃらについて交換を勧められているのだが、せっかく圧縮できた費用を軽く上回る見積もりだったので華麗にスルー。なんで時間がかかるかと言うと、多分「6月は決算月」ということに関係があるのだろう。そもそもSさんに「6月は忙しいんで…」と予告されていたのだった。

 

だが代車シトロエン C3が快適なので、MiToとの再会が遅れても我慢できる。どれくらい快適なのかについては別にレポートするので、このエントリーではイッコ前のモデルなのに「いいねぇ」と思える部分について書こうと思う。

 

◎5ナンバー
やっぱり横幅が狭いのはイイ。助手席にまだ誰も乗せたことがないので、ホントにイイかどうかは断言しない方がいいのかもしれないが、ひとりで仙台の細い道を走るには最高だ。

 

◎キーリモコンの感度がいい
と言うか、DS3の感度が悪すぎるのだ(笑)。ガチャッという音が勇ましい(笑)。広い場所なら10mくらい離れたところからポケットの中でスイッチを押しても反応する。

 

◎荷物がすごい積める

なんと、MiToよりも快適だった。

 

これはMiToの画像だが、

これと同じ物量がもっとフィットして積める

 

もっと大きいのがこの部分。

MiToだとこの場合シンセの角が肩に当たる。

だがC3は当たらない。

この違いはデカイ

 

と言うことで、試乗記は書いているのだが、まだ途中。

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25万
| AlfaRomeo MiTo | 23:11 | comments(7) |

さあゆくんだ そのかおをあげて。MiToは3回目の車検に旅立って行った。
 

車検証、自賠責保険加入証、自動車税納税証明書

今回の(車検以外の)メニューは以下のとおり。

1.ブレーキローター、ブレーキパッドの交換(フロント/リア)
2.ボディのグラスコーティング
3.フロントグラス、ドアグラスの撥水加工

ここまではとにかくやる。で、以下が問題だ。かかる工賃次第では今回は見送ることも検討。

4.ステアリングセンサーの交換(持ち込み純正品)
5.リアワイパーの交換(持ち込み純正品)
6.エアクリーナーの交換(持ち込み純正品)
7.ダンパー、スプリングの交換(持ち込み純正品・フロント/リア)

今年になってからメカニックからフロントに転向されたSさんに泣きつく。「トータル、税込みで25万希望です!」。

Sさん、うーん、と。車検の入庫スケジュールなどを話し合った時にすでに上記の希望は伝えていたのだが、実は入庫当日までにすべて盛り込んだ見積もりを改めて作ってくださっていた。そしてそれでも約29万円の壁は崩れず。見ると、フロントスポイラーの交換(部品代と工賃合わせて約7千円)が乗っかっている。あ、Sさん、これ外しましょう。とりあえず今困ってないし。するとSさん、ある工賃の数字をペンで上書きしてくださるではないか。

「これで、どうでしょう」
「・・・。呑み会を3回我慢したと思えば…!!」


ということで、25万にはならないが、耐久生活を送ればなんとかなりそうなムードが漂ってきた。万歳。ただしフタをあけてみたら「あれとこれも交換しないとまずいっす」みたいなことはあり得るので、楽観は禁物である。
 

しばしの別れ。そして束の間の逢瀬


ともかく。MiToは旅立った。帰還は6月末日になるだろう。それまでシトロエン C3の厄介になることになった。試乗記は別途。
 
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ボンド機能のオフり方 その1
| AlfaRomeo MiTo | 23:47 | comments(4) |

晴れて(?)車検入庫待ちのわが家のMiToであるが、5月に開催した走らないOFF会こと「クルマで行きますOFF会#11西蔵王公園でまったり」の際、じゃるさんに指南してもらいつつ施したある処置(改造と言うほどのことでもない)があった。

 

クルマで行きますOFF会#11「西蔵王公園でまったり」無事終了

 

予てからMiToのあるふたつの機能をキャンセルしたいと思っていた。ひとつはワイパー作動時にリバースギアへ入れると連動してリアワイパーが動作する件。もうひとつはフロントライト点灯時にウィンドウウォッシャーを使うと、フロントライトウォッシャーが連動して動作する件。

 

かのABARTH乗り(だった)Ryouさんが「ボンド機能※」と称した後者は、特に「いらねー」と思っていた機能。じゃるさんがヒューズを抜いてその機能をキャンセルしたと聞き、指南をお願いした次第。

 


いざこれだけのことで、こんなに快適だなんて…。特に本体を傷つけたりするような改造もないので、両隣のクルマに迷惑をかけているなーという自覚がある方は試してみても損なし!

 

※ボンド機能:
言わずと知れたスパイ映画の長寿シリーズ、「007」の主人公ジェームズ・ボンドが駆るボンドカーが語源。ボンドカーはイギリス情報部MI6による特別装備満載のスーパーカー。カーチェイスシーンでは電動のこぎりやミサイル、マシンガンなどで敵の追っ手を蹴散らすのだ!武器はボタンひとつ(最新作「スペクター」ではとうとう音声入力ができるようになっていた)でドバドバ出てくる。車種は有名どころではアストン・マーティンだが、作品によってはロータス エスプリだったり、BMW Z8だったり、スポンサー次第でころころ変わる。一番有名な機能は「ロケット射出される助手席」であろう。

 

 

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調査報告・伊豆沼、400円で昼ご飯が食べられるか?
| その他のツーリング・夜活など | 20:32 | comments(4) |

 

2016年正月早々に伊豆沼を訪れた際、名物レストラン「くんぺる」の産直コーナーで、200円のおこわと120円のメンチカツを発見、なんと400円未満のチープランチだが味わい深いものが食べられることを発見した。

 

MiToで行く!伊豆沼、未踏の県道と豚ロースの香草グリル

 

上記エントリーの最後の段にそのことを書いた。なかなか試せないまま半年が過ぎたところだが、折よく伊豆沼湖畔のカフェで、さる打合せを行う必要が出来した。この機を逃さずにおくものか!どんよりとした梅雨空の下、自宅を9時頃に出発した。

 

  

上掲地図の起点、大和町浄化センターわきの農道より西をのぞむ。

分厚い雨雲で"七つ森"すら見えない。

ちなみにこの地点、東北自動車道の高架下である

 

先日のEDOセッションでも伊豆沼を経由したばかり。

 

EDO-R#11・TONO2016

 

松山町から田尻、瀬峰と宮城県央の田園地帯を県道中心に走ったのだが、どうもうまくGoogleMapを読み解くことができず、やや迷走した。今回は上掲地図を丁寧に走った結果、五輪堂山公園なる興味深いスポットも発見できた。

 

その五輪堂山公園前を東北本線が走っている。

この電車に乗れば伊豆沼まで行けるのだが…

 

伊豆沼に近づくにつれてどんどん気温は上がり、しかもうっすらと陽の光も差してきた。いいぞ。目的地のカフェ・コロポックルに到着する頃には、なんとすっかり晴れ上がり、まるで真夏のような景色であった。

 

これがコロポックル。

内部はぜひリンク先でお確かめいただきたい。

お金に糸目をつけないオーディオ装置の一例が見られる

 

目の前が伊豆沼。絶景。

夏以外はバルコニーでお茶をいただくこともできる

 

伊豆沼名物の蓮の花がぐんぐん育っていた。

8月になればこの蓮の花を縫って、湖上をボートで巡ることができる

 

無事に打合せを終え、誘われた昼食を辞退し(ヒドイ)、コロポックルの反対側のくんぺるを目指す。日差しで右腕がぴりぴりと痛い。夏じゃん!

 

 

 

さて、まんまと「しいたけおこわ194円」と「赤豚メンチカツ120円」を購入。湖畔に駐車したMiToの運転席で食べる。うーん。おこわが思ったよりもあっさり味ではあったが、314円の昼ご飯としては断然「あり」である。まぁもちろんこれにお茶などの飲み物を買うだろうから、さすがに314円では完結しないが、とにかく筆者が声を大にして言いたいのは、コンビニであれこれ買って600円ならくんぺるで500円で食べた方がハッピーだということである。

 

 

 

 

窓さえ開けておけば微風も通り、

車内でもあまり暑くない

 

食べたら帰る。1度のツーリングで同じ道を走らない掟に従って、普段の伊豆沼行きコースを逆走する態で仙台市を目指す。往路とは別ルートで瀬峰駅近辺まで戻り、呆れるほどただただまっすぐ走るK1で栗原市高清水へ。高清水から分岐するK167が本日のハイライト。前後に車影はまったく無く、マイペースで夏空の下を走る…。ごく控えめに言って最高である(copyright by Deboo Japan)。

 

いつもはそのまま岩出山町まで走りきるのだが、今回は新規開拓を心がけ、大崎市真山小学校(宮城県大崎市岩出山上真山日向要害2)の先で分岐する広域農道を走ってみた。ここが大当たりだった。

    

    

 

カンだけで走ったので結果的にR4に乗ってしまったが(ナビだのマップアプリだのに頼りすぎるとカンが鈍っていく。気をつけたい)、改めて上掲地図で見てみると、K59(乗ろうかどうか迷った)経由でR347に乗るのが、今回は最良だっただろう。不本意ながらR4をしばらく南下し、R347〜K156〜R457などを経由して帰宅。

 

例によって王城寺が原陸上自衛隊演習場

 

 

定点観測

 

 

約6時間/約185km

 

コロポックルでの充実した打合せ、くんぺるの充実したお総菜チープランチ、夏空の下の田園ツーリング。2016年、良くできた梅雨の三題噺。

 

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DS3・5度目の12ヶ月点検_75,015km
| CITROEN DS3 | 23:00 | comments(5) |
家人のシトロエン DS3デヴュー・セリ(以下DS3)が12ヶ月点検を受けたのだが、すっかり報告を忘れていた。基本的には息災で、オイル交換をさぼっていたのをたしなめられた(夫婦そろってオイル交換サボり)。

点検とメインテナンスの内容は以下のとおり。

12ヶ月点検 17,800円
エンジンオイル交換
オイル QUARTZ INFO 9,245円(@2,150*4.3)
DRN PLUG GASKET 100円
消費税 2,176円

ここから若干の値引きをいただいて

合計 29,381円

であった。

これらとは別に以前から気になっている点がふたつある。
ひとつ
ペースの速い右折時に右後ろ足付近から「ゴッ」とも「ギャッ」ともつかない音が聞こえる。打撃音のような擦れ音のような…。今回の点検で症状を訴えてみたがうまく再現しなかったらしい。ブレーキローターとパッドが何かの拍子に当たっているのかも…的な判断で、診断としてはおなじみの「様子見」だったのだが、速度4〜50km/hで普通の交差点を右折している時に、ほぼ必ず聞こえる。

ふたつ
悪評高いAL4(PSAグループの4速AT)、1速から2速にシフトアップする時に、足裏(つまりアクセルペダル)に「ゴッ」という音とともに、ペダルを裏からノックするような感触がある。冷間時に顕著で、クルマが暖まってくるといなくなる。

2件とも発生要因が特定できず、従ってメカニックさんに直接体験してもらうこともできずにいる。特に後者はもうかれこれ2年くらい「様子見」状態。もっともフランス車なので、このくらいは「個体の個性」として容認していればいいのかもしれない。神経質なこと言ってすみませんでした!!

過日、筆者が運転するMiToの後ろを家人が運転するDS3が着いてくるというシチュエーションを初めて体験した。ルームミラー越しに見るDS3は実にクールだった。宣材画像やカタログ画像で見ると、DS3、やや寸詰まりのイビツなハッチバックのように見えることがある。兄弟車のプジョー 207やシトロエン C3も同様である。だがDS3、真横8:フロント2くらいの割合でカーブに進入してくる姿は、チョップドトップ風の上屋の低さが効いて、実にスピード感のあるシュッとしたシルエットになるのである(実際同型のC3よりハイトは低い)。あおさんのスポーツシックのターボ付き156psを経験してしまうと、120psのデヴュー・セリの立ち上がり加速のもっさり具合には辟易するが、素直な操縦性や運動性能(ここでは特に回頭性能)には惚れ惚れしてしまう。家人もDS3が不動車になるまで乗ると言い張るが、さてどうなることやら…。
 

この角度がいいんです
 
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【予告】日本の夏・車検の夏2016
| MiToのメインテナンス | 23:21 | comments(11) |

箱書きと内容物はまったく関係ありません

いよいよ車検が近づいてきた。多くの方にご心配をおかけしたが、当家のMiToは非常に元気であり、今回の車検を通すことで2018年までの2年は延命したい。

今回のメニューは通常の車検整備の他に

1.ブレーキローターとパッドの交換(前後とも)
2.ダンパーとスプリングの交換(前後とも)
3.舵角センサーの交換
4.リアワイパーの交換
5.エアクリーナーの交換

ありがたいことに2〜5についてはさる方々から純正品をご提供いただいた。いずれもかつてMiToオーナーだった方々である。お名前を記してよいかわからないので今は書かないが、本当にありがたいことである。感謝多謝。さらに

6.ボディのグラスコーティング
7.フロントグラスとドアグラスの撥水加工

という、これはもう毎年恒例のメンテナンスも併せて実施する。ブレーキローターとパッドについてはようやく本日ブツが揃った。




 
すべてディクセル。ネット通販で買えるところをさ迷っていたら、パッドとローターを別々のお店から購入することになった。

DIXCEL ブレーキパッド Premiumタイプ 2753714(リア) 6,912円
DIXCEL ブレーキパッド Premiumタイプ 2514687(フロント) 8,640円

こちらはアフターパーツから。ちなみに品物を確認するために開封したら、手書きのメッセージカードが入っていた。こういうの嬉しいじゃないですか。

DIXCEL ディスクローター PD type 2514997 21,913円
DIXCEL ディスクローター PD type 2554970 15,109円

このローターはJO-YAから購入。送料などを合わせると

53,474円

であった。これでも純正品と比べれば大幅に安いわけで…。イデアルさんには工賃だけの支払いで申し訳ないが、背に腹は代えられない。思えば低ダストを理由に前後左右、ローターもパッドも全部ディクセルで揃えてみたいなーと以前から思っていたものだ。ただ今回購入した価格帯のものだと、制動能力が筆者の求めるものになっているか、少々不安ではある。特にローターは純正品が9万kmも持った(途中研磨を一度しただけ)ので、ローター純正品のクオリティは侮れないと思っている。

さてもろもろ吉凶どう出るか。入庫は6月20日夜。代車はシトロエン C3(ただし何代目かは不明)の予定である。これはこれで楽しみだ。むふふ。
 
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EDO-R#11・TONO2016
| EDO sessions | 23:24 | comments(3) |
ちょっと遠いところまで3台で走って、うまいものを食べて帰ってくる。親友3人と続けているEDOの第11回目を1年8ヶ月ぶりに実施。懸案だった「岩手県・遠野に行ってジンギスカンを腹いっぱい食べる」をとうとう実現させることとした。これはメンバーのひとり「あにまる」が大の遠野びいきで、見どころを熟知していることも影響している。ちなみに遠野も2度目である。

EDO 遠野セッション決行

今回の内容はそんなわけでシンプルだ。

・早朝出発、有料道路不使用で遠野まで走る
・遠野のジンギスカン有名店「あんべ」で昼食
・遠野のあちこちに点在する遺跡群を堪能する
・「東北自動車道」を使い、仙台まで帰ってくる

本来EDO MTセッションでは有料道路不使用という掟があるのだが、さすがに50歳という年齢がリアルに感じられるお年頃になると、体力勝負は難しい。事故など起こしては元も子もないので、復路は無理せず高速道路である。初心に返るなら、もう少し総走行距離の短い場所を考えねばなるまい。そんなわけで、名称も単にEDOではなく「EDO-R」とした。RapidのRである。

朝6時集合に誰も遅れなかったのは奇跡である。最低限の地図情報としてGoogleMapを適当な縮尺で紙に印刷したものを3人で共有。「え?ナビは?」という質問ごもっとも。だがそもそもEDOは効率性無視のツーリングである(笑)。むしろ道に迷うことを是とする。今回の往路、宮城県の伊豆沼付近から岩手県奥州市人首あたりまでは、メンバーの誰も走ったことのないコース取りとした。Googleの予想では3時間59分だが、そんなもんじゃ着かない可能性大である(笑)。
 

■仙台市北部から伊豆沼まで
6:20に出発。伊豆沼までの県道三昧コースなら筆者の独壇場である。とりあえず筆者が先頭になって大和町、松山町などを抜け、瀬峰町を経由し伊豆沼畔のレストラン「くんぺる」に到着。休憩。80分かかってしまった。混雑するR4を徹底的に避けたのだが、思った以上に時間がかかるのだな(笑)。やぎと戯れつつ休憩し、いよいよ未踏のコースで岩手入りを目指す。
 

やぎと戯れるおじさん2名

■伊豆沼〜奥州市人首
ちょうど通勤ラッシュも終わりかけの時間。人口密度の低い地域でもありするすると走れるのだが、一向に道がわからない(笑)。混み合いそうな3桁国道を避けて県道に入ったものの結局国道に出るだけだったとか、あちこち蛇行しながらも北上。ようやく岩手県一関市でR284をまたぎ、これまた味わい深いK14に入るとようやく調子が出てきた。

東北新幹線の線路脇での休憩も趣深かったが(巨大建造物と田園というミスマッチがたまらない)、江刺市から乗ったK8沿いの人首(ひとかべ、と読むらしい)の町並みもグッとくるものだった。良い意味で「昭和」のまま。少しぶらぶらと歩いたら楽しそうだ。


伊豆沼を出発したのはいいが、「ここ、どこ?」状態(笑)






岩手県K14。東北新幹線を3本見送る。
この距離だとすごい迫力



同上




人首は「ひとかべ」と読むらしい


日産 サニー・バン


■人首〜遠野
途中細かい分岐でしくじったりしたが、R107〜R283がこれまた緑の美しい国道だった。思えば20年近く前に、「あにまる」のクルマ(確かスバル レガシィだった…)の助手席に乗って遠野に遊びに来たなぁ。当時は釜石自動車道など夢にも思わず、ひたすらこのR107〜R283を走ったものだ。実際のところ人首から遠野は意外に近く、ようやく一応のゴール地点、道の駅風の丘に到着した。11:00過ぎのことである。
 

山と山の間隔が近い






いったん休憩したものの、すぐに移動する。いよいよ昼食、EDOの本領発揮である。
 



あんべ(岩手県遠野市 2丁目4−12)」


マトン肩、モモ、ロース
ラム肩、モモ、ロース
以上6種類を制覇

■遺跡巡りと昼寝
いやー、喰った。喰ったね。それでも筆者は定食のご飯を普通盛りにしておいたので、事無きを得たと言える。それでも12時を少し回ったばかり。後半戦、遺跡巡りといこうではないか。まずは定番、「中村のお堂」こと荒神神社へ。
 



荒神神社で心を清めてもらいつつ、「としゆき」と筆者が頑強に希求した「昼寝」場所をどこにするか議論。山の上に「ウィンドファーム」なる風力発電のメッカがあり、そこならクルマを停められるし木陰もあるかも…、というあにまるのうっすらした記憶を頼りに貞任山を目指す。
 

R340

ウィンドファームはかつても訪れた山口集落の水車小屋から脇に逸れて山へ登って行く。先日の米沢付近の山形K282を彷彿とさせるような狭く中途半端に整備された山道を駆け上がっていくと、そこには絶景が待っていた。巨大な風力発電装置が10本近くそびえ立っている。すごい迫力である。道路は狭かったがクルマを置ける程度の空き地を見つけ、昼寝タイムである。
 



あにまる自慢の魚眼レンズで記念写真を撮って、今度は「山崎のコンセイサマ」へ。

■ディープ遠野と復路
コンセイサマとは金勢様の読みで、男根崇拝の神社である。1.5mもある男根型ご神体は珍しいものだそう。境内には男根石と女陰石も。メジャーな観光スポットらしいが我々の他には誰もおらず、人里から数百メートルしか離れていないのに、ひっそりとしている。やはり神聖な場所なのであろう。

遠野にはこういう場所がいくつもあり、今回の短い滞在でその奥深さにノックアウトされた。東北という風土の原形を見る思いである。途中の道行きも美しかったが、遠野自体の大ファンになってしまった。繰り返し訪れるあにまるの気持ちがわかる。
 





左が男、右が女、ですよ


時は15時過ぎ。あまり遅くなってもイカンので、そろそろ帰ることにする。道の駅風の丘に再度寄り、お土産など購入。すぐ近くの釜石自動車道に遠野ICから乗る。せっかく昼寝したのに、この遠野から東北自動車道、前沢SAまでが猛烈に眠かった。いかんいかん。しかし前沢SAで休憩したら復活。そのまま南下し、鶴巣PAで解散。
 

釜石自動車道遠野ICへ


鶴巣PA


13時間/約437km
参考までにオンボードコンピュータによる
トータル燃費は約15km/l

30年来の親友3人と、ひとり1台のツーリングに出かけられるということは、よく考えると非常に稀なことであり、ありがたいことだと思う。あにまる、としゆき両氏に感謝。みな無事に帰宅できて何よりである。次回は初冬の予定だが、行き先は未定。
MiToで行く!・水窪ダムでギャー!!
| その他のツーリング・夜活など | 22:05 | comments(14) |
山形県米沢市にある水窪ダムを目指すひとりツーリングに出かけた。例によって久しぶりに走る道、できれば一度も走ったことのない道を選んで…。だがその結果あんなことになるとは…。
 

水窪ダム(周辺の道)の楽しさを思い知らされたのは過日の当ブログ主催9回目のオフ会でのことだ。

宿願成就!クルマで行きますOFF会「裏磐梯・芸術の道」無事終了

この時は福島県喜多方市から山形県米沢市へ抜ける道すがら、寄り道のような形で水窪ダム周辺を走った。とにかく、たいそう楽しかったという記憶ばかりがある。でもあの時のコースをそのままトレースするのはやや遠回りである。そこで久しぶりに福島県からR13で米沢入りを目論んだ。往路の問題は如何にR4を避けて福島入りするか、である。復路にブドウマツタケラインを走ることにしていたので(米沢方面に行くのだから当然である)、遠刈田温泉経由の宮城県K51は往路に使えない。今回はあまり珍しくもないが、村田町から蔵王町へ、白石市内をR4で抜け、R113経由のK46、万蔵稲荷をかすめつつ福島県国見町へ入った。


川崎町・支倉郵便局近くのK119


村田町へ抜けK12から蔵王を望む定点


七ケ宿町・下戸沢宿


七ケ宿町から福島県国見町へ抜けるK46、万蔵稲荷


そしてそこは小坂峠というのだそうだ


国を見るから国見!を実感

とにかく素晴らしい天気で、前後左右どちらを見ても景色が輝いている。ファビュラス。伊達群桑折町の「旧伊達郡役所(福島県伊達郡桑折町字陣屋12)」に立ち寄る。建物も味があるが、周辺の環境も含めて空気がゆっくり流れていて、町そのものに味わいがある。飯坂温泉にほど近いこの地も、本当はクルマを降りて歩いてみれば、もっといろいろなものと出会えるのだろう。いつも通り過ぎるばかりだが。




さてフルーツラインことK5に乗ると「せっかくだから磐梯吾妻スカイバレー、行っちゃう??」的な迷いがむくむくと鎌首をもたげてきた。結果的に今回のツーリングは道々なにかしら迷うことが多かった。悩みつつ西進し、初志貫徹でR13に乗る。さすがに平日の幹線道路、ロジスティック系トラックやら紅葉マークのセダンやらが走っていてペースがあがらない。まぁそれは良い。栗子国際スキー場の手前で、本日の最初のハイライト、K154に乗る。とたんに山深い素晴らしい景色が広がる。おわ〜!目のご馳走だ〜!


GoogleMapを見るとR13から分岐したK154からつながるK232沿いには「米沢市立関根小学校板谷分校」の表示もあるし、山形新幹線もすぐそばを走っているし、なかなか快適そうで楽しみな道だわぃなどとルンルン気分(死語)でMiToを進めたが。
 

なんだおめー的なおさる


なんだか、イヤな予感がしますよ

道はどんどん狭くなってくるし、猿はゆうゆうと鼻をほじっているし、夏草は道路にはみ出さんばかりの勢いで茂っているしヒグラシ??みたいなのがけたたましく鳴いているしで、どんどん深山幽谷の世界に入って行く。てかヒグラシ??まだ6月ですけど??山ってこうなの??トンボとか飛んでるんですけど。
 

こんな峠道に駅があるの…??


さすがにこれはすれ違えないけど、まだ舗装されてて偉いなぁ


と思ったら未舗装かYO!!

これ、すれ違えないじゃん!という道幅になったところでとうとう舗装も終了。ぐえ〜!やっちまった…。でも今からR13に引き返すという選択肢は無い(めんどうくさい)。と言うことでそろりそろりと進む。それでも雨水が作った轍などのせいでアンダーカバーを擦る擦る。うへ〜。背後から建材運搬のトラックがひたひたと付いてきて(こんな峠道で珍しい)、追い抜いてもらおうにも待避所がとんと来ない。けっこう長い距離を我慢比べのように走った印象がある。
 



よりによって3ナンバーのワゴンかYO!!
ホントは写真など撮っている場合じゃなく、
このワゴン車のために100m近く後進

 
それでも奥羽本線(=山形新幹線)の大沢駅まで来るとようやく人里らしくなり、道も普通となる。すまなかったMiTo。あとはバリバリだぜ!大沢駅付近から水窪ダム周辺を走るK376に乗ると、あっという間に水窪ダムである。あれ?もうダム??ここに来るまでにずいぶん楽しい道を、あの時は走ったような気がしたのだが…。まぁいい。だってすごくきれいだから。








MiToをまったく意に介さない鴨の親子


到着すると、1台だけ先客がいた。お孫さんを遊ばせているおばあさんである。そのふたりも間もなく帰ってしまった。周辺には誰もいない。クルマも通らない。空は晴天、時折風が吹き、ホトトギスが鳴いている。極楽である。それにしても水窪ダム、でっかいな〜。北側を走るだけでもけっこうなボリュームがある。左右に振るだけではなく、適当にアップダウンもあって、(ドイツを除く)欧州車のために作られたんじゃないか?とすら思える極上湖畔路を堪能。楽しい〜〜!

だがしかし、劣悪峠道のおかげで到着時刻は予想よりも遅くなってしまった。昼食が問題である。何が問題なのか。

1.お金がそんなにない
2.混み合っているお店が苦手

時あたかも平日の12時過ぎ。はっきり言って状況は不利である。昼食候補のお店を3つくらい挙げられれば心持ちも穏やかでいられるが、米沢市内はそんなに詳しくないのだ。ひとまず初志貫徹ということであるおそば屋さんに向かう。某SNSである方が紹介していた(というか自慢していた)お店である。水窪ダムからR13に乗り、ブドウマツタケラインの入り口を横目で見つつ市街地入り。
 

新富(山形県米沢市城北1-8-20)でおそば






だいたいこんなところ

はー、満腹満腹。外に出ると米沢市内、暑い。ここからは復路となる。高畠町からR113で七ケ宿町へ。K51で遠刈田温泉〜川崎町〜仙台市内というコースである。何も工夫がない鉄板コースだが、これだけの晴天ともなると「天気が良い時の鉄板コースの景色」も見てみたくなる。いや、こういう記憶が沈殿して「鉄板コースの記憶」となるのだ。重要である。

という言い訳はともかく(笑)、改めてR13からブドウマツタケラインに乗る。南端から走るのは久しぶりで、やはりこの道は何度走っても楽しい。夏草の勢いも良い。あっという間に高畠町入り。R399の鳩峰峠の入り口へ差しかかる。ふと、どうせ七ケ宿町のR113に合流するなら、いっそ鳩峰峠を越えて稲子から七ケ宿町へ抜けてもいいじゃないか…と思いついてしまった。鳩峰峠は山形から登っても福島から登ってもハードなワインディング。それでなくても米沢入りの前にヘビー過ぎるワインディングを走破していることもあり、かなり迷った。だが別の視点で考えると、鳩峰峠は積雪だのがけ崩れだのなんだので、実は1年を通じて走れる期間がものすごく短い。6月初頭の、しかもこんなに天気の良い日中に走らないのは、あまりにももったいないのではないか…。よし!走ろう。待ってろ鳩峰峠!!


ずこー。今年も通行止めに祟られ続けられる運命なのか…。また宿題が増えただけと気を取り直す。想定通りR113を七ケ宿町へ。稲子峠からの三差路を忌々しく見やりながら玉の木原水芭蕉群生地のパーキングへ。ここで一眠り。すっきりしてからK51へ。相変わらずこちらも美しい。幸いあまり走っているクルマもなく、マイペースで遠刈田へ。そのまま村山町から川崎町へ抜け仙台市天文台方面から帰宅。






左下には長老湖


ここもK51の定点となりつつある


村田町から川崎町へ抜ける名も無き道


釜房ダムまで戻ってきた!


9時間半/285km

今回のような、OFF会の足跡をなぞるひとりツーリングもまた格別である。誰かのあとを着いて走るだけでは道の記憶がふわっとしてしまいがちだから、素晴らしいコースを自分の中に消化するためにも必要だし、ひとりでふらりと走っている解放感もやはり捨て難い。そして何よりも、オイル交換の効果がようやく実感できるようになってきた。4,000rpmよりも上が俄然活発になり、交換前の鈍重な印象とは大違いである。オーナー、しかも毎日乗っているような状態で初めて気取れる程度の違いだが、高回転域の反応が違うだけでクルマそのものが活発になったかのように思える。それを味わうには実にちょうどよい道行きだった。ただし、山形県K232には要注意である。もちろんこのエントリーを読んで、わざわざ出かけて行くMiToオーナーはいないと思うが、人は「やっちゃダメ」と言われるとやりたくなってしまう性質を持っている。だから逆のことを書けばいいのか。山形K232、素晴らしいですよ。ぜひ走ってみてください。
 
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【試乗記】プジョー 308GTi250 by Peugeot Sport・豪速球の直球
| 試乗レポート | 23:04 | comments(4) |

プジョー 308GTiに試乗した。250の方。わざわざby PEUGEOT SPORTなんて付いてて某R.S.と真っ向勝負。MiToのオイル交換に行ったら帰り際K店長に声をかけられた。「さんまるはちじーてぃーあいってもう乗りました?」と突然聞かれるもすぐ脳内変換できず、「は?え?乗ってません」と間抜けな返事。と言うのもこのGTi、5月2、3週の週末プジョー仙台泉、仙台で持ち回り試乗ツアーやってた話は聞いていた。が、筆者の折悪しく…というヤツで試乗叶わず、「オレには縁のないクルマリスト」入りした直後だったので。でも返却されてなかった。陰の方からわざわざK店長が引き出してくださった。
 





結論から言う。良すぎて筆者には関係ないクルマだった。いや、漠然と「良い」と言うのも無責任だな(このブログが責任を負うと書いた記事はかつて無いが(笑))。動力・旋回・制動・居住性・外見という、およそクルマ評価軸の全要素、全方位的にバランス良く、しかも高次元での良バランスだった。じゃあなぜ関係ないかというと、それは恐らくラテン系グルマと日本国産車を含むジャーマン系グルマの対立軸にまで話は及ぶと思われる。「生き方の問題」と言ってもいい。
 

これがノーマルモード時のメーターで…


この真っ赤なのがスポーツモード時。
右のタコメーターは反時計回りの
アストン・マーティン流儀のニクいヤツ

MiToに乗れば乗るほど、ジャーマン系スポーツカーへの興味が失せて行く。いや、今でもBMWやMの偶数クーペ、AMGバッヂを付けた諸モデル、AUDIの諸Sモデルなどには興味津々である。しかしそれは「乗ってみたい!」という一過性の興味で、狂おしいまでの所有欲は感じない。筆者は「全方位的に優れているもの」よりも「不完全でも傑出・突出したサムシング」があるクルマを愛好するのである。いや、もはやそういうクルマしか愛せない。それは多分「不完全でも傑出したサムシング」だけのクルマ・MiToに7年も乗っているからだと思うが、結果的に身の回りの品々を選ぶ時も、気付けばそんな視点で選んでいる。

308GTiも、長年乗っていれば、不完全な部分や傑出したサムシングを感じられるかもしれない。だが30分程度の試乗でその兆候や要素を見出すことは、筆者程度の腕前と感性では無理だ。それほど優れている。思い返しても一番印象に残っているのはボディ剛性だ。ボディがしっかりしていることは、あらゆる要素にプラスに働くのだなぁと実感した。試乗時は開き直って終始スポーツモードに入れっぱなしだったのだが、多分OFFでも充分驚いたろう。

実は250にはLSDが装着されていないという(270には標準装備)。本当に本当の高速域での旋回動作制御はむしろ250の方が辛口…と言えば聞こえは良いが、つまり最後の最後ではドライバーの腕次第という、実は男気に溢れたモデルだという。もちろんそんな速度域を体験できたわけではなく、負荷をかけると言っても、唯一直進加速で「あ、ターボラグがあるのね、ちゃんと」ということが気取れたくらいで、もちろんその加速は不満を持ちようがないほど強烈である。iCockpit化されてハンドルが小径化された心理的影響もあるのか、ハンドル操作の反応はリニアというよりもはっきりクイック。そしてブレーキの動作が感動的なほどリニアリティに溢れている。同乗してくれたK店長曰く、プジョーはかなり細かいパーツまで内製しており、各パーツの動作バランスがとても良い。その上車両姿勢も良好なので、スペックだけ見れば大した事ないブレーキも、実際には必要充分な制動力を得ているという。はー、なるほど。いやいや、ブレーキを踏むたびに嬉しくなるような踏み応えでしたよ。その点アルファはあちこちからテキトーな部品を寄せ集めて組み立てるから、要素要素だけに注目すると「すげー!」となるものの、実際は動作のバランスが悪い(笑)。パッドすぐ減るしね(笑)。
 

太いエグゾーストが素敵すぎる

全方位的に素晴らしいとなれば、思い浮かぶのはジャーマン系のクルマたちである。では308GTiは、例えばGolf GTIなのか?と問われると、それも違うように思う。やはりドライバーが気持ちよく感じるツボを強調して押すことを忘れてはいない。Golfは明らかに「どこにも文句の付けようがない状態」を目指していて、それは例のネジの一本一本から精緻を極めていて…ではあるのだが、積分による「どこにも隙が無い」という印象そのものが、微分的思考の「不完全でも傑出・突出したサムシング」を求めるヘンタイには返って「冷徹」「面白みが無い」などという印象につながってしまう。だが308GTiの気持ち良さとは、体全体を揉みほぐしてくれるが、今日はここが凝ってますねぇと気を利かせてくれる馴染みのマッサージ師のプロ意識のそれだ。
 

いざ握ってみるとノブは少々握りづらい

加えて308GTiは価格もまた凄い。筆者がweb上のコンフィギュレーターで見積もってみたら、青く塗って(フレンチ車をブルーに塗るだけでオプション価格である)ナビとETCを付けただけで4,436,600円だった。筆者なら間違いなくジュリエッタQVをTCTで乗る方を選んでしまうだろう。だがアルファロメオのあの伊達具合が鼻に付くという人もおられるかもしれない。質実剛健を好む人もいるだろう。そんな人には308GTiがぴったりくると思う。家族からも(価格以外は)文句はなかろうし、極端な話、葬式にでも乗って行ける程度のステルス性はある(ジュリエッタやMiToでは少々気が引ける)。

筆者の指向する生き方とは少々の差異がある308GTiだが、もしこれを買ったら、やはり今のMiToと同じように年間2万km以上走ることになるだろう。晴れた休日には桧原湖まで県道と国道だけで往復してみるだろう。理由もなく用事もなく走りに行きたくなることは間違いない。同じラテングルマのアルファが華麗な変化球だとしたら、プジョー 308GTi250は豪速球の直球だ。走って楽しくないわけがないのだ。

余談
試乗にあたっての唯一にして最大の問題。それは実は筆者が左ハンドル童貞だということだった。ちゃんとシフトできるのかいな?と思いつつ、いざ走り出してみたらシフトチェンジよりも右側の安全確認の方がよっぽど難事業だった。30分ほどの試乗から帰ってくる頃には運転操作には慣れてしまったが、右側ドアミラーに写る景色が遠くて遠くて、最後まで車線変更にはヒヤヒヤした。大きなLHDセダンなんかに乗っている人は、室内に右後方を映すカメラを置いて、その画像を後付けナビよろしくダッシュボードに増設した小モニターで確認したりするらしい。右ハンドルしか運転したことのない筆者には、思わぬ障害であった。
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■プン太郎■
筆者の愛車ABARTH PUNTO EVOのこと。
ブログ本文に「プントエヴォ」と
フルネームで書くと煩わしいので命名。

■R、K■
R=国道(Route **)
K=県道(Kendo **)
のこと

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。

■顧問■
筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

■朝練&夜活■
早朝に走りに行くのが朝練。
夜に走りに行くのが夜活(やかつ)。
夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■EDO■
Eat and Drink Organizationの略。
親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
「同乗者無しでひとり1台」
「うまいものを食べ、飲む」が掟。
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