MiToにスマートフォンフォルダーを増設した。固定方法は吸盤式。平面がほぼゼロのMiToのコクピットには取り付け位置の選択肢はほとんどなかった。
取り付けレポートをこうやって書いてはいるが、MiToの車内空間には極力モノを置かない、設置しない方針である。MiToのインストゥルメントパネルは、複雑な曲面構成やクラシックかつ雰囲気のあるメーターの設えが本当に美しい。このコクピットに着席しての光景が、MiTo購入時の決め手(のひとつ)となったのは間違いない。思い返せば2009年の春、欲しくて欲しくてたまらなかったVW シロッコがようやく店頭に置かれはじめ、喜び勇んで展示車両のコクピットに座ったものの、ゴルフVからの使い回しパーツばかりで構成された、黒一色のコクピットの光景のあまりの地味さにひどく落胆したものだ。あのがっかり感は今でも鮮明に思い出すことができる。シロッコも実走してみれば印象が上向いた可能性もあるが、残念ながらそのお店に試乗車はなく、また約450万円という車両本体価格(欲しかった2.0TSIの場合)がトドメとなって、シロッコは購入希望リストから除外された。
こういうのを「機能美」と称して
萌える人もいるのかもしれないが…。
ネットから拾ってきた画像
同時期に偶然試乗したMiToのコクピットの眺めはVWブランドの各車とは全く正反対。有機的で、かつ扇情的だった。松本零士世代としては、メーターの数は多ければ多いほど良い。スポーツカーのインストゥルメントパネルはこれだよ!と俄然その気(買う気)になったものだ。そんな背景から、この時代遅れでマシンライクな運転席からの眺めを変えたくないのである。
そこまで言うのに、なぜ今ごろ社外品の後付けなのか。最大の理由はスマートフォンの買い替えが近づいていることである。筆者はiPhone5をベルトにぶら下げる方式のホルダーに入れて携帯しているのだが、これを近々6s plusに機種変更するつもりである。この携帯方法、現状の5でもシートベルトレセプタクル側に干渉が著しく、さらにサイズの大きな6s plusに買い替えたら確実に座れなくなってしまう(か、iPhone自体を傷めてしまう)。同時に爆音で音楽を聴くことが多い筆者は、腰のあたりでiPhoneが鳴っても着信に気付かないことが多々ある。もとより運転中に電話に出るつもりは無いのだが、クルマを路肩に停めて、いちいちシートベルトを外してiPhoneを取り出すのも、いかにも面倒くさい。
そこでボディバッグ買ってみた。クルマに乗る時はかならずiPhoneを取り出してホルダーに固定する。これは常態化すればそれほど煩雑な行為ではない。着信に容易に気付けるだけでなく、ケーブルを延ばせば充電もできるし、ナビを取り外してしまった筆者のMiToでは、iPhone上のGoogleMaps.appがナビ代わりなので、その意味でも一石二鳥、いや一石三鳥である。
さて、インターネットで良さそうな商品を見つけた。年末のどたばたしていた時期だったことも手伝って、深く考えずにamazon.jpで購入した。結果的に衝動買いの大失敗だったと気付いたのは、いざ品物が届いて、当初目論んでいた設置場所に取り付けられないことが判明した時である。当初想定していた設置場所とは、センターコンソール、1DINオーディオユニットの上段の空き家である。ナビを取り外して以来、サードパーティーのプラスティック製1DIN小物入れをインストールしていたが、それは別段なくても困らないし、明らかに平面である。以前
K店長がタブレットと無料ナビアプリでご機嫌なナビライフを送っているエントリーを書いたことがあるが、目指すはあれだ。しかし届いた品物の吸盤周辺の設置高はDIN規格の1ユニットの高さである50mmを超える高さがあって、小物入れ内には収まらなかったのである。
はっきり言ってバカである。
しかしおよそ3,000円もした買い物である。返品も面倒くさい。どこかに平面は無いか…??探してみたが(探すまでもない)、それはRHD車で言うところのセンターコンソール右側、ターンシグナルレバーの脇しかない。この面にしても全体でみれば上下はわずかにラウンドしており、レバーの脇の10センチ程度だけがほぼ平面と言える場所なのだ。素晴らしいデザインも、こうやって社外品を後付けしようとすると苦労のネタでしかない。
しかし若干はラウンドしている
取り付けにあたっては、当然のことながらレバー操作に干渉しないことが重要だが、もうひとつ、フロントウィンドウを邪魔しないことも、個人的には重要であった。この辺に関しては自分でも驚くほどストイックである。フロントウィンドウ全面が切れ目なく見渡せないとイヤなのだ(従ってMiToの場合エアベントに取り付ける方法もベストではない)。と言うことでようやく決まったのがこの位置関係である。
通常のグリップではまったく問題なし、だが…
中指でターンシグナルレバーを操作する時は大丈夫でも…
薬指での操作時はホルダーに干渉してしまう。
必ず薬指で操作するわけではないが、絶無というわけでもない
急いで後進する時など、ハンドルを回す右手指が干渉してしまうことがあった。後ろを確認するため身体をひねるので、真正面を向いている時とは違う握り方になってしまうからだろう。取り付けてそろそろ1週間が経とうとしているが、まだ微調整を繰り返している。また強度も万全かどうかはまだわからない。可動部分(多くは吸盤とステーの接合部)の全高が50mm以内のスマートフォンホルダー、実はまだ物色を続けるつもりである。
右手で緩くグリップすると干渉する
後進時に後ろを振り返りつつハンドルを切る時にこうなる。
けっこう痛い…
しかし一番の問題は、そもそも筆者には滅多に電話がかかってこないということだ。