クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
スマートな運転とは?
| クルマにまつわる四方山話 | 23:51 | comments(6) |
このブログには過去に何度か書いたことがあるが、筆者は自動車の運転がうまくなりたいと思っている。うまくなりたいと一口に言っても意味合いはずいぶん多様である。もう少しフォーカスの合った表現は無いか…?とりあえず「スマートな運転」とでも言ってみるか。筆者が考えるスマートな運転とは、少なくとも以下の3つは満たしているべきと思う。

・適切なライン取り
・適切な車間距離
・コーナーではスローインファストアウト

箇条書きにすればまるで自動車教習所で習う初歩の初歩である。だがこの3要素を高いレベルでクリアする運転は「スマート」だと思う。

「適切なライン取り」という意味で最近気をつけているのは、コーナーに浅く進入しないことだ。道路設計者が図面上に想定したとおりのコースでコーナーを処理する。それが楽しい。あの「実情に即していないんじゃないか?」と思われるゼブラゾーンを含んだカーブ曲線を誘導する白線も、いざそのとおりに走ってみれば一番効率良く曲がれるように引かれている。これに気付いた時は目からウロコが落ちる思いがした。同時に多くのクルマがその白線を無視してコーナー(ほとんどが交差点)に進入し、コーナー途中で舵角を修正していることもわかってきた。

この「あれ?なんか白線のとおり進むと結果的に効率がいいぞ」と気付いたことが、改めてスマート運転へ回帰するきっかけになった。

GoogleMapよりキャプチャー

上掲画像は実際に筆者が日常生活でよく走る交差点である。画像内、T字路交差点に下方から進入し、右折していく経路を青と赤のラインで示してある。ほとんどのクルマは青いラインで抜けていく。が、実際には直進(あるいは左折)するクルマが赤信号を停止線の位置で待っているケースがほとんどなので、青ライン途中で舵角を修正する必要に迫られる。一方赤いラインは交差点中央のゼブラゾーンが指示する曲線にほぼ忠実であり、曲がり切って直進に戻すタイミングが青ラインに比べ早く、結果的にハンドル操作の収束は赤ラインの方が早い。要はステアリング操作をする時間が短くて済むのである。

もっともすべての交差点で、引かれた白線の通りに走れば万万歳かというとそうでもない。筆者の生活圏内に何ヶ所かとても曲がりづらい交差点がある。そのうちのひとつは自動車運転免許を持たない設計技官が図面をひいたという。その話を聞いた時も「あー、やっぱり」と思ったものだ。その交差点は特にひどい。曲がるたびにドライバーの神経を逆なでするようなコースを走らされるので、結局その交差点は避けるようになってしまった。そういうケースもまた少なくはなかろう。

本当にライン取りは奥が深い。そのことを考えれば「前走車との適切な車間距離」なんて簡単じゃないかと思うのだが、実際はそうでもない。安全運転のつもりで自分勝手に長大な車間距離を空けるのは論外だが、クセモノは登り坂道で徐々に減速してしまう車である。当方は一定の速度で走っているだけなのに、どんどん車間距離を詰めて煽っているかのようになってしまう。筆者が思うにこれはオートマティックトランスミッションの弊害であろう。自車の速度管理に無頓着ってのは意外や重症だと思うのだが。

特に「適切な車間距離」のことだけを考えても、スマートな運転とは自分以外のクルマの動きを予測しつつ走ることである、という結論になってしまう。筆者はまだまだだ。
温泉街をいくつも通り抜けたがまったく風呂に入らない話
| その他のツーリング・夜活など | 18:19 | comments(2) |

2015年のツーリングシーズンも終わりが近づいている。夏の終わりに長雨が降ったせいか、気付いたら秋深し。そんな感覚も手伝ってか、今年はツーリングシーズンの終わりが特に早く来るように感じられる。居ても立ってもいられず出かけることにした。今年の岩手県花巻、宮城県気仙沼、山形県長井市、福島県二本松などの思い出深いツーリングの対極ということで、さっと行ってさっと帰ってこられるプランとして宮城県加美郡加美町の薬莱山方面からR347で山形県尾花沢市へ。赤倉温泉をターニングポイントにして宮城県鳴子温泉へ帰ってくる。どうです?シンプルでしょう?

冒頭の画像はこの地図内の起点で撮ったもの。
このブログでは数え切れないほど登場している

前夜の仙台はシトシトと雨が降っていたが、幸いこの日は薄曇りと晴れを行ったり来たりする天気。陸上自衛隊王場寺ヶ原演習場をかすめ、K156をするする走り、薬莱山まではすぐである。

冒頭の画像の別ショット。
季節の移り変わりは早いねぇ

薬来山

薬来山を通り過ぎるといよいよ県境である。が、ふと思い付いて漆沢ダムへ寄ってみた。ちょうど紅葉が良い感じに色づいてきたところだった。紅葉も南下が早いねぇ。



お!船だ!湖面調査みたいなことするんだろう。
ドックに入ってみたら…

こんなリフトが!気分はもろにサンダーバードである。
当然動作中は「わんだば」が流れ…てほしい

この船の写真を撮っていたら管理事務所から人が来た。挨拶をしたら筆者のクルマを見て「これは…、ミトですね?」とおっしゃるではないか。聞けば弟君がツインスパークのスパイダーに乗っておられたという。思いがけずヘンタイエンスー話に花が咲く。こういう縁がどこにあるかわからないからひとりツーリングは楽しい。筆者のMiToがそろそろ走行距離12万kmだと告げると「ぜ〜んぜん大丈夫!」と太鼓判。ちなみに管理事務所氏は以前の愛車ソアラ(何代目かはナゾ)で28万km走破して、まだ大丈夫だったから弟君に譲ったという。さすが県職員、移動距離がハンパ無い。

「お気を付けて〜」と見送られ、さらにR347を尾花沢市へ向かう。以前何度か書いたが、R347は改修工事の真っ最中で半分くらいが片側通行である。普段ならイライラするかもしれないが、何度も止められたおかげでこの日は紅葉をたっぷり楽しめた。



銀山温泉を通り過ぎるとR347はちょっと退屈になる。なんとかK28まで辿り着き、赤倉温泉方面へ曲がる。けっこう交通量が多い。



赤倉温泉から鳴子温泉へR47を宮城県側へ戻る。驚いたのが鳴子峡。警備員が何人も配置され、駐車場は入り待ちの車列ができている。あわよくば軽食コーナーでそばでも食べようかと思っていたが、とてもとてもそれどころではない。鳴子峡すぐ脇の橋など、老人のグループが縁石に腰掛けて眺めていたり、超望遠レンズをひっさげたカメラマンなどでごった返している。紅葉ハイシーズン鳴子峡がかくも大賑わいとはまったく知らなかった。走り目的のヘンタイ諸氏はご注意めされたい。

大混雑の様子は驚いて撮れなかった。
鳴子峡を通り過ぎてすぐの駐車場もごらんのとおり
ほぼ満車。普段ならあり得ない

東鳴子温泉入り口近くのコンビニエンスストアで中華まんの昼食を摂っても11時半過ぎ。このままR47〜R457を走っても心は踊らない。ふと川渡温泉から中新田(それってつまりこのツーリングの起点である薬来山付近である)へ抜ける県道をGoogleMapで見つけたことを思い出した。K267である。ま、どうせR457には戻らなければならないのだから、初踏破の道を走って少しはわくわくしておきたい。




初踏破ではあるのだが、それも途中まで。K267は先日の宮城県北部の稲刈り状況調査に赴いた際に走ったコースに合流する。ちょうどK226への交差点が閉校した上多田川小学校跡地である。ちょっと寄ってみることにした。

これはリンク先の9月末の時の画像

校庭脇の駐車場に停める


上掲の由来に拠れば平成10(1998)年に新校舎を建設したものの、平成26(2014)年に統合閉校されたという。どおりで平屋のモダンな校舎や巨大な体育館などがピカピカなわけだ。これ、このまま休眠させておくくらいなら、内外からアーティストを呼んでレジデンス拠点にしたらいいのに。「アーティストインレジデンス」なんてこの地域の人のほとんどの人にはちんぷんかんぷんかもしれないが、生涯学習拠点だのコミュニティーセンターだの、立派だけど誰も使わないまま塩漬けにするよりよっぽど良いと思う。加美町の誰に交渉すれば良いのだろう…などと妄想しつつ敷地をうろうろ。地域に愛された学校なのが端々から伝わってきて切ない。

上小を後にしてK226をひたすら南下。このコースを南下するのも初めて。北上しても南下してもトリッキーな細いワインディング。無理せずゆっくり走る(それはそれで面白い)。


R457に合流して13時半に無事帰宅。9月からイベント続きで体力的にヘトヘトになり、結果的にちっとも洗車してやれなかったMiToをとうとう洗車してこの日のツーリングは終了。温泉街をたくさん走ったのにまったく風呂には入らず(笑)。風呂に入ると眠くなっちゃうのだ。昼寝込みのプランを立ててみるか。

約5時間/196km
プジョー508はお好きですか?わたしは好きです
| クルマにまつわる四方山話 | 20:48 | comments(4) |
立て続けにプジョー 508SWを目にする機会があった。最初は昼間のコイン駐車場。マイナーチェンジ後の最新版(形式で言うとABA)である。別の日に見たのは真っ赤な個体。夜のコイン駐車場にてこちらはマイナーチェンジ前のモデル。この短い期間に同一車種のデザイン進化を、ショールームではない環境で、ある意味無防備に目にしたことで、クルマのデザインについて気が付くことがあった。

筆者は508のエクステリアデザインはMC前の方が良かったと思っている。いや、思っていた。コイン駐車場に止まっていた最新型508をそれと気付かずに目にした時「おお??なんだあのカッコいいのは!」と思った。その時はコイン駐車場脇の建物の2階におり、ナナメ横から見下ろしたのも影響したのかもしれない。すぐに508とはわからなかった。日付変わってMC前の先代を見た時も、ある駐車場にMiToを停めて歩き出したら視界の端にいたのだ。これも508と認識するまでに数秒かかった。夜で暗かったので、やはりすぐにはわからなかった。つまりどちらのタイミングでも「車種を知らずにまずクルマ全体を味わう瞬間」があったということで、それはそれで貴重な体験であった。

無防備に508に見惚れたことで筆者は悟ってしまった。「オレは新旧どちらの508も好きなんだ!」

これが先代

微妙に押出しが強くなった現行

現行508や現行ボルボ S60やV70とショールームで初めて対面した時、筆者が思ったのは「こうまであからさまに中国向けにしないとダメなのか?」ということだった。具体的には角張って面積の広いフロントグリル周り、全体的に直線・平面が多いエクステリア全体の印象。要は大きくて立派そうに見えればOKということなのだが、一部の国産車や新興国じゃあるまいし、まさかプジョーやボルボと言った「デザインで売っているブランド」のクルマが、そんなロジックでデザインされる日が来るとは思っていなかった。ところが冒頭の2台の508事件である。「世界の自動車業界の販売事情」とか、「欧州自動車ブランドの資本が中国企業だ」とか、そう言った予備知識や偏見を持たず、つまりは508と意識せずに「ん?なんだこのクルマ。見たことねぇ…って508かーい!!」というシチュエーションで眺めると、意外や意外、とても新鮮にクルマ本来の魅力を味わえる体験がとても楽しかった。

この1件で、普段は余計な知識や感情に影響されつつクルマを見ているのだなぁと、つくづく思い知らされた。もしくはフラットに見た情報に、自分の知識でバイアスをかけているのだとも言える。自動車のエクステリアデザインは不思議だと改めて思う。

前述のとおり、筆者はマイナーチェンジ前の508のエクステリアデザインを好ましく思っており、MCによって「軽快感」が失われて残念だ。改めて街中を走る旧508を見ると、偉そうなところのない身軽な、それでいて造りの良さを予感させる外観になっていると改めて思う(ブランドのフラッグシップモデルとしてそれが良いことかどうかは別だが)。実際旧508セダンに試乗したこともあるが、1.6リッターとは思えぬとても軽やかな動作が印象的だった。操作性は素直だし加速は良いしきちんと止まるし(特にこのブレーキは自動車雑誌でも特筆されていた)で派手さがないところが美点という、通好みな1台だった。そこからさらにマイナーチェンジされたとなれば、外観についてはもう好みかどうかだけで決めて良いと思うのだ。だって中身はすごく良いのだから。

クルマの善し悪しを見極める評価や判断の軸は数多ある。ありすぎる。クルマ大好きヘンタイな我々は、普段からクルマの善し悪しを「読み解こう」とするあまり、機械的な特徴から車種の歴史、クルマ業界におけるトレンド、果ては会社の懐事情からブランドフィロソフィ(笑)まで、多くの情報を摂取した上でクルマと対峙しようと試みる。クルマは機械であると同時に文化でもあるから、読み解くためにはその特徴や背景への理解・知識は必要だとは思う。しかし読み解くことに専心するあまり、今回書いたように「好き嫌いの即断即決」に無用なフィルター、バイアスがかかってしまっているのではないか?という疑惑はある。「読み解き」は自動車評論家の仕事、「好き嫌いの公言」はファンの仕事と割り切ってかまわないと思う。

自動車業界の裏読みは確かに面白い(笑)。でも筆者レベルの知識と読み解きでクルマ本来の魅力を見誤るなら、そんなことはしない方が自分にもクルマにも幸せだろう。
じゃる号と行く!・安達太良紅葉と成駒カツ丼
| その他のツーリング・夜活など | 20:23 | comments(10) |

じゃるさんとのふたりツーリング再び。前回のそれは二本松・岳温泉は名物食堂成駒を目指した。ソースカツ丼が名物だという成駒の初訪問が叶い、しかも宮城・福島両県の渋い県道をかなり思いのままなペースで走るという素晴らしいプランだったのだが、辿り着いた肝心の成駒がまさかの臨時休業というずっこけオチから早1ヶ月以上。ようやく悲願成就となるか。

筆者は「思いがけず失敗したツーリング」をやらかした場合、あまり日を空けず同じコースを走り同じことをしようと試みる。厄払いのつもりなのだ。だが先の集中豪雨で宮城・福島の県境を走るR349は通行止めである。じゃるさんと相談の上、トホホだった前回のツーリングの帰路に筆者が走ったコースを往路とした。2015年定番のコースである。


朝9時に道の駅しちかしゅくにて待ち合わせ。では自宅を何時に出発すれば良いのか、GoogleMapのルート検索へ聞いてみると7:20だという。拳々服膺し7:26に自宅を出発。「これで遅刻したら洒落にならん」と思いつつも道々MiToを停めて写真を撮る。山形県長井市にひとりツーリングへ出かけた時とまったく同じコースである。季節の移り変わりを写せるかと思い、なるべく同じポイント、アングルで写真を撮ってみた。前回はまだ山々も夏の葉のなごりで青々していたが、この日はかなり紅葉が進んでいる。気温も低い。秋も終わりなのだ。

最近キャンディーで有名な仙台市天文台

秋保温泉から川崎町へ

釜房ダム湖畔

秋だなぁ

R286に向かうK160の途中。
前回走った時は稲刈りの真っ最中だったが…

こうやってみると蔵王山も近いように見えるが…

なんだよ!もう紅葉かよ!

七ケ宿町に近づくにつれて晴れてきた!

R457〜K51は相変わらず交通量極少。良いペースで走れたので、なんと9時ぴったりに集合地点に到着。先着していたじゃるさんとしばしヘンタイ談義。イスとテーブルと飲み物・軽食があれば、あっという間に数時間が経つだろう。走らないOFF会やりたいなぁ。ちなみにじゃるさん、つい先日alfa_manbowさんと七ヶ宿ダム湖畔を走った際に、エンジンルームのアンダーカバーを脱落している。なので出発後はR113を大人しくK46へ向かう。

じゃるさんもタイヤをATR Sportに交換。
タイヤのインプレッションなどでgdgd

R4西側は道に疎くて…というじゃるさんに請われ、筆者が先導してまずは小坂峠を駆け上がる。福島県国見町へ抜けたあとは桑折町、飯坂温泉と進み、K5フルーツラインからR115へ合流、ジェラート屋さんのHoney beeを今回は素通りして土湯温泉方面へ。素晴らしい秋晴れ。じゃるさんは晴れ男の素質が大いにあると思う。


小坂峠へ向かう七ケ宿町下戸沢宿の町並み

福島県に入ってK5フルーツライン

土湯温泉からさらに標高を上げていく

見事な秋晴れ

土湯峠から下って岳温泉へ

道の駅つちゆからR459へ降り、岳温泉街のほぼ真ん中にある成駒へ11:30少し前に到着。よかった!開店している!!喰うぜソースカツ丼。


成駒、入店してみると昭和テイストの小体な食堂である。昼前から来店者も多い。店内には有名人のサイン色紙に混じって昭和30年頃の店先を写した写真が飾られているなど、つまり温泉街の名物食堂として実に正しい佇まいなのである。メニューもカツ丼(ソースも煮込みもある)を筆頭に、カレーライス、蕎麦、ラーメンなどぬかりない(笑)。メニューのページをめくれば地酒も豊富に並んでいるので、温泉宿に素泊まりして晩ご飯を成駒で食べるなんてことも楽しそうだ。そんな店のソースカツ丼である。味を云々するのは野暮というもの。いや、決してまずいわけじゃない。むしろソースカツ丼としてはオススメの1杯である。だが筆者がここで述べたいのは、1回の食事として最高峰かどうかということではない。「○○に行ったら■■を訪れよ」というお店があることは、土地の大きな魅力になるということだ。岳温泉にとっての成駒はすでにそういうステイタスになっているように見えた。もちろん旅行者である筆者のようなものには、それらのことがただただありがたい。ぜひ今のままで末長くのれんを守っていただきたい。

That's 昭和な成駒の店内

ソースカツ丼1,000円+温泉たまご100円



これはじゃるさんが頼んだ煮込みカツ丼1,100円

食べ終わってヘンタイトークを繰り広げても12時少し過ぎ。素晴らしい。このまま郡山へ行かねばならないじゃるさんと二本松の南外れまでK30(こいつはぜひ北上するべき!安達太良山の紅葉が見渡せる素晴らしい県道である)をランデブーし※、R4合流地点でお別れ。福島県内をK40で北上する。気が付けばK40は前回じゃるさんと南下してきたコース。徹底的に逆に走ってみることにした。


安達太良の紅葉は本当に言葉を失うほどの美しさ

じゃる号を追って福島県K30。
サムネイルをクリックして大きな画像を見ていただくと、
じゃる号に起こっている異変がしっかり写っている(笑)。
エントリー本文最後の※参照

K40〜K51はその大部分が山間の田園風景を縫いつつ走るカントリーロードである。晩秋の陽を浴び、稲刈りの終わった田を眺めつつの道のりはもはや冬支度を連想させる。ついこないだ「ようやくツーリングシーズンがきた!」などと喜んでいたのになぁ…。



徹底的に逆に走ってみるとは言え、本当にそうすると宮城県丸森町手前のR349で通行止めとなってしまう。ここ1年の県道三昧のおかげであまり走らなくなったR349、R399、K125という超正統派のコースを走ることにして、桑折町直前のR4に乗る。そのまま北上し宮城県白石市へ。R4自体はまったく面白くないが(笑)、福島・宮城の県境、白石市越河の風景は実は大好物。このあたりから丸森や角田へ抜ける県道もいずれ研究せねばなるまい。などと考えつつ超定番となった宮城県蔵王町の農道を経由して村田町へ。あとはいつものとおり。仙台市太白区生出へ抜け帰宅。

宮城県蔵王町へ帰ってきた

背後は東北自動車道


これはもう仙台市内

8時間/275km

秋晴れのワインディングロードを紅葉の木々の間を縫って走る。このブログをご覧のヘンタイ諸氏にこれ以上の説明は不要だろう。じゃるさん今回もおつきあいいただきありがとうございました。

※K30を南下しながらじゃるさんの後ろを付いていったのだが、またもやエンジンルームのアンダーカバーが外れかかっているではないか(笑)!パッシングしたりハンドサインを出したりしたのだが、一向にじゃるさんは気付かない。こういう時に限って信号は青続きで(笑)。結局伝えられぬまま別れてしまったので帰宅後メール。とりあえず郡山までは無事だったようだ。「D.I.Y.じゃなくちゃんとAR仙台泉で診てもらった方がいんじゃね?」と老婆心ながら申し添えておく。
MiTo・力ステ(りきすて)はつらいよ
| AlfaRomeo MiTo | 21:43 | comments(8) |

筆者のMiTo、パワーステアリングの不調が現れ始めた。以前から忘れた頃に現れていたのだが、症状としてはアシストの消失、つまり力ステ(りきすて。パワステの反対)になってしまうのだ。ロータス エリーゼの場合は美点として喧伝されるノンアシストステアリングだが、ことMiToの場合、発症すると低速ではハンドルそのものを回せないくらいに重くなる。もっともハンドル操作そのものはできるし、それなりの速度(40km/hくらい)が出ていれば最低限の操縦はできる。筆者など「こりゃdynamic mode※1のさらに上のrace mode※2じゃね?」と呑気に考えられたくらいである。

これまでの発症時の状況を書き出してみる。

・交差点右折時の停車中
・ただ走っている最中
・Uターン中

「ただ走っている最中」を2回経験しているので合計4回経験していることになる。いずれもエンジンを切り、一呼吸置いてから(根拠無し)再度エンジンをかければ嘘のように治っている。ただ一度エンジンを切るために路肩に寄せるのが大変なのだ。文字通り全体重をかけてハンドルを回さなければならない。

この不調の原因、舵角センサーのエラーということはわかっている。アルファロメオ仙台泉の診断に拠れば、ハンドルの回転状況を監視しているセンサーが、なんらかの理由でハンドルセンターを見失うことが原因なのだそうだ。なるほど交差点右折もUターンもハンドルをかなり切った状態での発症なわけで、因果関係はわかりやすい。特にUターン中に発症したケースでは、ほぼロックするまでハンドルを回している最中の発症だった。この舵角センサー、薄いディスクにレーザーか何かの光をあてて読み取ることで職責を果たしているのだそうで、センシティブな部品なのだという。問題はこの舵角センサーがバラせず一式交換しかできないことと、部品代だけで4〜5万円かかるということだ。エンジンオイル交換のような気軽さでは処置できない金額である。ちなみにある時期(MiToがリリースされた2009年頃)に作られたFIAT車、要するに500やグランデプントなのだが、これらには時折見られる故障だそうだ。同一サプライヤーの製品を複数の車種で使用しているわけだ。

先日は左折し終わってハンドルをセンターに戻している最中に発症した。ある程度の速度が出ていればハンドル操作はできることを、その時に身をもって体験した。つまり例えば高速道路を爆走中に発症しても、路肩に寄せたりPAに入ることくらいは問題無くできるということだ。また停車中にも発症したことがない。突然のアラームとググッと重くなるハンドルの反応に慌てなければ、そうそう危ないものではないのかもしれない。もっともすべての局面で安全というわけではないので、舵角センサーはいずれ交換せねばなるまい。

※1 dynamic mode
d.n.a.システムに於ける最もエキサイティングで運動性能が上位のセッティング。d.n.a.システムとは「ドライバーの意思や路面状況に応じ、クルマのダイナミックパフォーマンスを3つのモードから選択できる機能。モードごとに変化する要素はエンジン出力特性やプリフィル機能、Alfa TCTの変速制御ロジック、アクセルレスポンスに加え、ESCやElectronic Q2電子制御式ディファレンシャルロック、ASR(トラクションコントロール)機能の作動マナーまで広範囲にわたっている。(アルファロメオ公式サイトより)」だそうだ。

6MTたるMiTo1.4T Sportの場合、エンジンレスポンスの向上とステアリング反応がより重くなる("よりダイレクト感溢れる"などと言う)のが2大特徴。ちなみにd.n.a.とはそれぞれにdynamic、normal、all weatherという各モードの頭文字。社外製品のスロットルコントローラーを搭載していないMiToの場合、nとaは存在しないものと思っていい。

※2 race mode
上記d.n.a.システム搭載のアルファロメオ 4Cに設定されているdynamic modeのさらに上位のセッティング。すごいことになるらしい。もちろん筆者は未経験。 
MiToで行く!・生きているって叫んでみろ!山形長井と白鷹町
| その他のツーリング・夜活など | 21:59 | comments(4) |

唐突だが、「オレは今生きている!!」と実感できることが、人生にいったいいくつあるだろうか。筆者にとってのそれは、リハーサルもしていないのにステージ上で演奏者全員の歯車がかみ合った濃い演奏ができた時や(本当に、そういうことがある)、久しぶりに訪れた飲食店で「うわー、久しぶりー!」と店員に迎え入れられた時や、晴れた日の午後に窓を開け放ってマンガを読む時などがそれにあたる。どれもこれも大したことではない(いや、ライヴの話はけっこう大したことあるな)。だがこういう瞬間をきちんと噛みしめるためには、精神的にも身体的にもストレスがないことが前提であり、それ自体がめでたいことだ。そしてたいていはその瞬間にそんな大げさな歓喜も訪れない。ふと振り返った時に「結局、オレの人生、こういうことの積み重ねなんだよな」としみじみ噛みしめる程度のものなのだ。

そして秋晴れの日に絶好調のMiToで郊外を走ることも、筆者にとってはやはり「オレは今生きている!!」案件である。9月末から10月いっぱい、仙台はそういう季節である。だから当然走りに行くのだが、絶好の秋晴れを前に困ったことに行き先に閃くものがない。宮城県北部は最近連続で2回走ってしまったし、南の福島には10月半ばに走りに行く予定がある。で、この日の行き先は山形県である。宮城県七ヶ宿町から山形県高畠町へ。南陽市を経由して長井市へ。長井から白鷹町を経由して山形市、そして仙台へ戻ってくる。何度か走ったことのあるコースだが、これまでは逆。つまり山形から長井・南陽と南下して高畠〜七ヶ宿へ戻ってきていた。逆も新鮮だろう。とりあえず長井のそば屋はせ川屋で蕎麦を食べて帰ってくることにした。


朝9時頃に自宅を出発。秋保温泉を経由して川崎町釜房ダム、そしてR457で青根温泉、遠刈田温泉を経由して七ヶ宿へ。

秋保温泉から釜房ダムへ向かうK160

釜房ダム(冒頭の画像も)

R286へ合流する直前の田園風景。
西を向いている。稲刈りの真っ最中

R286の松林

R457に乗る。コーナーの先を横断しているのは
山形自動車道

思えばこの光景を順光で見るのは初めて。
いつもは午後に来るから逆光なのだった

R113、七ケ宿町を行く

はい、ここからが山形県

思いっきり平日の、農繁期の郊外である。軽トラックや高齢者運転のクルマが多かったが、それでもなかなか良いペースで走ることができる。空が高く刷毛ですぅっと延ばしたような雲が広がる。遠刈田温泉から七ヶ宿へのK51区間ではもはや窓全開では肌寒い。MiToは絶好調。ガソリンもたっぷり入っている(笑)。

高畠では一瞬ブドウマツタケラインを走る衝動に駆られた。先日alfa_manbowさん、じゃるさんと3台のMiTo乗り比べを行った区間である。manbowさんのMiToはその後もらい事故に遭い、残念ながら廃車となってしまった。サミシイ。新しい蛇が納車されるらしいが。


南陽から長井までのR113が以外と退屈で(笑)。西へ向かって走るのは初めてなのでそこそこ新鮮ではあるのだが。途中R113をR287へ右折する交差点を見落とし、直進してしまった(よくありますよね、こういうこと)。Uターンして事無きを得たのだが、そのUターンの最中にパワステエラーが発生!パワーアシストが消失し、鬼のように重いステアリングをねじ伏せ路肩に駐車。これで3回目。幸い再起動で症状は消えるのだが、いずれ舵角センサーの交換が必要だろう。一式4〜5万というそれなりにデカい(イタい?)案件である。

これは前回の発症時に撮影したもの

その後は何事もなく平和にはせ川屋へ到着。11:30。理想的である。少々迷ったが二色せいろ+てんぷらというセットを注文。そばも麦切り(うどん)もうまい。こういうお店が近所にあればなーというお店は押し並べて良い店である。長井市で腹が減っても案ずることはない。なぜならはせ川屋があるからだ。



二色せいろとてんぷら1,450円




食べ終わってちょうど昼頃。ここから復路になる。


R287を白鷹町へ向けて出発。その前にはせがわ屋を出てすぐにある和菓子屋「長井風土菓処白山堂芳賀」に立ち寄る。まんじゅうを家族に、自分用にスイートポテトや麩まんじゅうを購入。どれもこれもうまい。麩まんじゅうは以前立ち寄った時に売り切れていて、次回こそ!と誓ったのだった。幸せひとしお。お麩とこしあんの魅力が渾然一体となった充実の品。お麩の風味がしっかり味わえる麩まんじゅうは実は貴重である。135円。午前中に売り切れてしまうのも納得である。



おー、びゅーてぃふる。
麩まんじゅうは車内で食べてしまったから画像はない

午後から天気は崩れるという予報だったが、正午付近にはその兆候はまだ見られず。くっきりとそびえ立つ朝日連峰を常に西側に見ながら、ほぼ直線のR287を白鷹町〜山形市へ進む。このあたりを走る時はいつも「空き家がないかな〜」と思ってしまう。毎日この山並みに夕陽が落ちるところを見られるのは贅沢なことだと思う。まぁ実際はそんな財力はないし、たまに訪れるのと住むのとでは土地の印象は変わるのだろうけれど。

朝日連峰を背後に

毎日こんな風景を見られるなんて、贅沢ではなかろうか

いくつかトンネルを抜けると南陽市をかすめつつ山形市内へ入る。あとはいつもどおりR286で笹谷峠(今回は210円を払ってトンネルを使用)を越え、釜房ダムへ戻ってきた。確かに帰宅する頃には雲が多くなり、昼寝して目が覚めたら雨が降っていた。実にラッキーだった。

約5時間/228km。
ちょうどよい

同じ時間帯に同じコースを逆方向に走ると、いつもの場所もまた違った表情が見られる。太陽光の当たり方が違っているのだから当然と言えば当然なのだが、特に宮城県の蔵王や山形県白鷹町での景色はまた違った味わいだった。何度か走っている道でもこういうことがある。正しく「オレは生きている!」を実感する道行きだった。

※標題は以前筆者が参加した対バンイベントのタイトル。当時は「誰がつけたのか知らないが、大げさなタイトルだなぁ」程度に思っていた。もう何を演奏したのかも覚えていない…。
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■プン太郎■
筆者の愛車ABARTH PUNTO EVOのこと。
ブログ本文に「プントエヴォ」と
フルネームで書くと煩わしいので命名。

■R、K■
R=国道(Route **)
K=県道(Kendo **)
のこと

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。

■顧問■
筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

■朝練&夜活■
早朝に走りに行くのが朝練。
夜に走りに行くのが夜活(やかつ)。
夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■EDO■
Eat and Drink Organizationの略。
親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
「同乗者無しでひとり1台」
「うまいものを食べ、飲む」が掟。
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