クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
シャッフル命
| 車載オーディオを考える | 14:31 | comments(8) |
最近はクルマの中であまり聴かなくなってきたとは言え、カーオーディオで再生する音楽は相変わらず重要である。聴く頻度が少なくなった理由は運転により集中する機会が増えたからだ、と思う。ゴキゲンなワインディングや人気(ひとけ)も前走車も無いカントリーロードなどではBGMなど必要ないと思ってしまう。と同時に「移動の歓び」を音楽が増幅することもまた確かで、またそんなにいつもいつも運転に血眼になっているわけではない。のんびり走りたい場合もある。

運転場面によって、あるいは運転中の意識のあり方によって音楽の聴こえ方が変わるのは多くの人が感じることだろう。別の言い方をすれば、様々な運転シチュエーションに対応すべく様々な音源を車載したくなるとも言える。筆者のMiTo購入時、iPodがデジタル接続できることが必須条件だった。もはやCDなど積んでいられないのである。それでいてラジオを聴く習慣が無い。またiPodに収録した曲をシャッフルで聴くことを好む。プリンスの次にアニメの主題歌なんかが流れるのが大好きなのだ。ここ数年CDの収録順、アーティストがアルバムとしてパッケージした状態で音楽を聴いた事がない(車内では、ね)。

筆者のMiToではALPINE CDE-9871JiというCD・ラジオヘッドユニットにiPod Touch(3rd.Gen_64GB)をデジタル接続している。どちらももはやビンテージクラスの機材だが、一向に不便が無い。特にK店長のプロデュースによってスピーカーを交換別体アンプを搭載してからはほぼ100%満足いくオーディオ環境となった。収録データは基本的に9割がAIFFかWAVEデータ、止むを得ずiTunesStoreなどで購入したAACファイルなどの圧縮データが1割である。iPod Touchにはプレイリストが複数収録されているが、とりあえずこれがあれば大丈夫というリストをテキストにかき出してみた。その結果A4、12ページとなったのだが、下の画像がその1ページ目である。iTunesはどうも数字〜あいうえお順で書き出すようだ。

ぜひ「新しいウィンドウ(あるいはタブ)で開く」で開いて
ブログ本文と見比べながらご覧いただきたい

この中で特筆すべき事象があるとしたら、やはりアーティスト名が80〜90年代の人ばかりということか。しかし今も現役の人たちばかりである。もっとも左とん平や日下まろんのように、すでに歌唱の最前線からは引退(あるいは引退同然)の人もいるにはいる。一番新しくて大橋トリオというあたりに筆者の音楽的感性が垣間見える(笑)。

このプレイリストの他にはインストナンバーばかりとか日本語の歌詞だけとか、テーマを設定したリストもあるのだが、一番設定の頻度が高いのは収録曲約900曲全曲をシャッフルで聴くモード(CDE-9871Jiに由来)である。ごくたまにだが夕焼けの帰り道に「銀河鉄道999(ゴダイゴ)」が流れるような、つまりシチュエーションにぴったりの曲をiPodが選ぶことがあって、その時のぞくぞく感というかわくわく感が忘れられない(笑)。iOSはバージョンを重ねるたびにこのシャッフル機能がどんどんバカになっていくようなので、Appleはもっと気合いを入れて欲しい。


※画像のリスト下から3番目に見える水沼慎一郎とは友人であり作曲家である。がんばってほしい。
MiTo・今日もパッドが鳴いてるぜ
| AlfaRomeo MiTo | 23:12 | comments(4) |

かつて経験したことのないレベルのブレーキ鳴きが発生したブレーキパッド交換後の筆者のMiTo。その音量たるや古びた10tトラックかタンクローリーかというもので、さすがにこれはちょっとと思いディーラーである(株)イデアルさんで面取作業をしてもらった。要はパッド表面を削って平滑化を図ったわけだ。結果鳴きは消えた。根絶できたわけではなく、もっとピッチ(音程)の高い音量の小さいものになった。それでも万万歳である。調子にのって夜活に出かけたら自宅に辿り着くあたりで復活した(笑)。


現状では再びトラックかタンクローリーかという音質・音量で鳴きまくっている。ホント、鳴くのはサンタナのギターだけでけっこうなのだが、こうなった以上はパッドがある程度すり減るよう酷使するしかない。今日もパッドが鳴いてるぜ。

※念のため書いておくが、筆者が装着したパッド「EBC(のグリーンシリーズ)」だから鳴くのではない。たまたま鳴く個体に当ってしまったということだろう。EBCのブレーキパッドの効き方は筆者はすごく好きである。
鳴くのなら 面取しよう ブレーキパッド(字余り)
| MiToのメインテナンス | 22:29 | comments(2) |

筆者のMiToのフロントブレーキは現在、

(ローター)ディクセルPD2014年7月より+(パッド)EBCグリーン2015年8月より

という組み合わせになっている。初めて履くタイヤATR Sportの印象ばかり書いていたが、2013年7月に引き続き装着することにしたEBCグリーンブレーキパッドについても書いておこう。

筆者のようにサーキットに行くわけでもなく、いわゆるストリート走行ばかりというMiToオーナーなら、EBCグリーンは素晴しいブレーキパッドである。きちんと止まる。「止まる力」のことをこのブログでは制動力としばしば書いているが、その制動力のカーブがほぼリニアである。強力な上にリニアなので、本当に止まる瞬間のコントロールはちょっとコツがいる。同乗者の頭を揺らさずに止まるには最後の最後にちょっとだけ気を使う必要があるが、低速、中速、高速、どの速度域からでも同じ感覚でコントロールできるという事実は、最終的に運転中の心情的保障になる。

もちろん良い面ばかりではない。まずブレーキダストが盛大に出る。洗車しても3日もすればフロントホイールがくすんでくる。だがあの効き具合を鑑みればトレードオフと考えて良い。MiToを真剣に運転する人ならダストが少なく制動力の弱い(あるいはコントロールしにくい)パッドよりも、ダストが盛大でもリニアでたっぷりとした制動力を発揮するパッドの方を選ぶだろう。


それにしても2015年8月、つまりつい先日に装着したパッド個体にはまいった。これまで経験したことのないほど「鳴く」のである。「鳴く」とはつまりブレーキ作動中にキーとヒーとか鳴ることである。しかもブレーキにきちんと熱が入ってから、ほとんど止まる直前でのみ鳴く。ブレーキペダルを踏む足の力を一定にして、速度が落ちてくるに従って徐々に踏力を弱めていき、速度計読みで20km/hを割ったあたりでヒイイイッと、それはまるで古い路線バスやタンクローリーが苦しげに止まる時のような大音量で鳴く。ビル街なんかだと周囲に朗々と響き渡るのである。止まる直前で鳴くということは、渋滞ではちょっと動いては鳴き、また10台分くらい前に進んでまた鳴くという状態を延々と繰り返すことになる。いくらなんでもこれは恥ずかしい。

ということで(株)イデアルさんに持ち込んで面取をしてもらった。K店長によると左右組み換えてみるだけで鳴きが収まることがあるという。また大きめの粒子が含まれていることで鳴くことがほとんどで、その粒子が削られきってしまえば鳴きは収まるという。後者は筆者も経験値として持っているが、収まるのが明日なのか半年後なのかわからない。まぁここは手当てをしていただこうかなと。


作業後はいつものひ〜っという(文字で書いてもわかりにくいが、この『ひ〜』は超音波一歩手前の高い高いか細い音)ノイズが少々出るだけになった。万万歳かと思われたがいい気になって出かけた夜活の後半には復活の兆しが…。ま、あとは放置するしかない(笑)。
ATR Sportというタイヤ(感想編)
| パーツ/グッズ | 17:50 | comments(11) |

初体験タイヤATR Sport(以下ATR)のこれまでのインプレッションを書いてみようと思う。交換からすでに約500km走破しており、そろそろ真の姿を現しているはずだ。もっとも書いてみたら思わぬ長文になってしまったので、「導入編」と「感想編」に分けることにした。ひとつ前のエントリー「導入編」はこちら。今回は「感想編」である。

さてATR、肝心の乗り心地についてだが、良い点と悪い点が拮抗している。

良い点)
路面からのショックの丸め方がうまい。筆者が考える「軟派なMiTo」というクルマの性格に実に合っている。Mythos時代は神経質にラインを読んでできるだけショックを受けないように走っていたが、もっとのんびり走れるようになった。以前も書いたがこんなことでも車格がちょっと上がったような錯覚を覚えられて嬉しい。それでいて確かにグリップも良い。サーキットなどに持ち出せばどうなのかわからないが、日常生活プラスアルファの、ちょっと本気で走ろうかなという場面でもグリップに関する不安は一向にない。

悪い点)
そのグリップ力を発揮する時の動作がMythosとは正反対なのだ。Mythosはサイドウォールが最後まで変形せず、設置面のトレッドパターンやゴム成分の力でアスファルトをがっちり掴んでいる印象があった。対してATRは(トレッドやゴム本来の力もあるのだろうけど)サイドウォールが変形することでGを逃がしている感触がある。正反対な挙動だけにまだ違和感を感じてしまう。もっとも「そういう挙動のタイヤなのだ」と身体が理解してしまえばそれまでだ。実際Mythosでスキール音を出していた検証用ワインディングの特定のコーナーでも、ATRは粘りに粘って路面をホールドし続ける。ただ横Gがある程度以上になるとグニャッと上屋が外側に動く感触はあるので、そんな挙動にビビってアクセルを戻そうものならとたんにオーバーステアな挙動を示すのはスリリングである。いや、当然の挙動なのだけど。Mythosでこういう挙動を経験したことはない。まぁ慣れるしかない。


これらの感想について語るなら、実は着眼すべき点はタイヤだけではない。筆者のMiToに付いているダンパーは実は11万5千km走破した現在まで一度も交換していない。スプリングにしても当時約3万kmくらいでアイバッハに交換したきりだ。つまりもはや最低限の仕事しかしていないはずなのだ。ATRの感想にそのことが具体的にどう影響するかは明言できないが、タイヤを除く足周りがもう少しフレッシュだったら、さらに快適方向への変化に思えたことだろう。筆者は快適性重視のタイヤの方がMiToには合っていると思っている。しかし同時にワインディングでへなへな走るのはイヤだ!とも強く思っている。だっていくら新世代、元はフィアット グランデプントだと言ってもMiToはアルファロメオのエンブレムを付けているのである。このような矛盾したパーソナルを持つ筆者のようなユーザーには「ATR Sport、試しに履いてみたら?」とは言いたい。その際はタイヤハウスのインナーフェンダーへの干渉と距離計の誤差についてもよく自問していただきたい。

内容とはまったく関係ないが、このカーブは色っぽいよねぇ
ATR Sportというタイヤ(導入編)
| パーツ/グッズ | 21:53 | comments(6) |

初体験タイヤATR Sport(以下ATR)のこれまでのインプレッションを書いてみようと思う。交換からすでに約500km走破しており、そろそろ真の姿を現しているはずだ。もっとも書いてみたら思わぬ長文になってしまったので、「導入編」と「感想編」に分けることにした。今回は導入編である。本当に買おうかどうしようか迷っている頃のエントリーはこちら。履かせてみた直後の第一印象はこちら

MiTo + ATRのインプレッションを書くに当たり、一番重要なのは実は装着したタイヤのサイズ。純正指定以外の大きさのものを履かせている。

純正)215/45/R17
ATR)205/50/R17

要は純正よりも細く厚いサイズになっている。このことで何か変化があるだろうか。ふたつある。扁平率が純正値と異なることでトリップメーターに表示される距離数が変化した。約2割減の数値で計算される。もうひとつはハンドルをロックするまで回すと、タイヤハウスのインナーフェンダーに干渉すること。ディーラーで交換後「注意してくださいね」と心配されたが、どういうわけかこれは筆者の個体では起こっていない。

トリップメーター読みの数字が変化した話。筆者の家から馴染みのガソリンスタンドまでの距離はGoogleMapで調べると5.1kmと出る。数十メートルの誤差はあろうが、GoogleMapは正しいと思われる。面倒なのでざっくり5kmと丸めるが、この5kmに対してかつての愛車プジョー307SWでは5kmと表示された(タイヤサイズは純正指定どおり)。上記純正サイズのタイヤを履かせているMiToだと(確か)5.6km、ATRでは4.0km。純正サイズタイヤを履かせているにも関わらず、MiToの距離計算がGoogleMapと一致しないのは、おそらく18インチタイヤ用にコンピュータがチューニングされているからではないか。いやまったくの想像なのだが。そしてATRに至っては正しい距離の約8割分しかカウントされておらず、つまり2割減である。

このようなズレをネガティブな変化と捉えるかどうかは人それぞれであろう。ともあれ現在筆者のMiToのトリップメーターの数値は、1.25を掛けた数値が正しい数値ということになる(合ってますよね?)。先日の秋田〜新庄の道のりの場合319kmと表示されていたので、本当は約398km走ったわけだ。うん、体感的にもそれくらい走った感覚がある。疲れたよ(笑)。


異サイズのATRを履かせた理由はもちろんある。ATRのコーナリング中のグリップ力は明らかにマランゴーニ Mythosよりも高いという。またタイヤが細くなることでトルクステアが減少し、結果として直進が楽になるともいう。誰が言うかって?筆者がお世話になりまくっているディーラー(株)イデアルのK店長、スタッフYさんである。おふたりともMiToユーザーでありATRを相次いで履かせたエバンジェリスト(笑)。「タイヤ、換えなきゃいけないんスよー」「それなら良いタイヤありますよ!」と激しく薦められた。タイヤ幅が215から205へ、接地面積が進行方向に向かって縦長になることで同じ車重でも横入力への頑張り具合や直進時の素直さが実現されるようだ。

もっともこれまで履かせていたマランゴーニ Mythos自体が(筆者にとっては)高グリップタイヤだったし、トルクステアだって1日に何度も体感するほど頻発するわけではない。なるほど、高グリップ力も直進が楽になるのも魅力的ではあるが、純正値を無視しても装着する価値はあるのだろうか…と逡巡しなかったわけではない。加えてATRはインドネシア製。はっきり言って怪しいタイヤである。しかしATRにはもうひとつ強力な美点がある。安いのだ。筆者がオンラインショップで購入した価格は1本4,090円である。もはや中古タイヤの域である。ハードボイルドなオーナーなら手を出さない価格帯だと思うが、逆に筆者にはその人柱感も魅力的に思えてしまう。1本3万円のタイヤで人柱は御免被るが、4本で2万円のタイヤならどういう結果になってもそこに残るのは笑顔だろう。K店長曰く「減りは早いんですよ、やっぱり。でもワンシーズンで履きつぶしたって、2万円なら」。もっともである。

もし筆者のインプレッションを読んで「まぁ、それじゃわたしも愛車のMiTo子ちゃんに履かせてみようかしら!」と思う淑女とヘンタイの方は以上のことをよくよく考えて装着していただきたい。万一純正サイズ以外のタイヤを履かせたことであなたのMiToに損害、故障・事故が発生しても、筆者は一切責任を負えない。ただどんな障害が発生してどういう原因だったのかということには興味があるけれど…。

で、履かせて運転してみてどうだったのか。それは「感想編」に続く。
MiToで行く!・秋田県、東成瀬と秋の空
| その他のツーリング・夜活など | 23:24 | comments(13) |

MiToでどこか遠くへ走りに行くのは実に楽しい。GoogleMapで経路を調べたりしているうちから楽しい。そしてついでに行った先での食事も吟味してしまう。筆者にとって「ツーリング」と「地場の旨い食事」は分かちがたい楽しみなのである。だがそこに執着すると足をすくわれることもある。「○○に行こう。となると食事はいつものあのお店だな」となりがち。目的地への経路は様々に工夫することはできるが、勇気を持って新規開拓をしなければ何度か訪れたことのある目的地なら食事メニューの選択肢は限られるし、おいしく、かつ筆者の好みに合う店が何軒もある場所など稀(まれ)である。

宮城、秋田、岩手の三県にまたがる栗駒山を迂回して、つまりK282を経由してR342で秋田県の東成瀬村を縦断、横手市へ抜けて稲庭うどんを食べる。2014年10月2015年6月と2度もチャレンジしたが、2回ともK282がまさかの積雪による通行止めで見送ったプランを今度こそ成就させたい。しかし2015年6月の失敗時に代替案としてR398などで横手市入り、とりあえず稲庭うどんだけは食べることができた。いや、できてしまった。中途半端に目的を達成してしまったことが、今回枷になっている。仮に満願成就でK282〜R342を走り横手市に辿り着いたとして、ふたたび稲庭うどんを食べるのか?それとも6月の訪問時になぜか店が開かなかったとんかつかつ卉横手店に再チャレンジか?稲庭うどんはまだ6月の時の感動も新しいし、とんかつは先日仙台市内で逸品を食べたばかりである。どちらもどうもピンとこない。走る道路にはわくわくなのに到着してから盛り上がるものがないなんて!冒頭に書いた「走る楽しみと食べる楽しみは不可分」ということに気付いてしまった瞬間である。

とある休日の前の晩。家人が「明日の休みはどこに行くの?」と聞いてきた(もう走りに行くこと前提)。そこで筆者は走りたい道はあるのに行った先で食べたいものがない、と愚痴った。すると家人はこう言った。「おにぎりでも握って行って、向こうで適当におかずを買えばいいじゃない」。「!!」その発想はなかった!なるほどそれはおもしろそうだ。まぁ現地で買えるおかずと言っても、今回のコースを鑑みればコンビニでコロッケくらいが関の山だが、それはそれで意味がある。行こう!秋田県東成瀬村(から横手市)!!

夏休みだが仕事だ部活だという家族を見送ってから自宅を8:40に出発。2ヶ月前に訪れたばかりの宮城県花山湖や湯浜街道は新鮮味が薄い。また天気予報を見て覚悟はしていたが、栗駒山に近づくにつれて天気はどんどん崩れてきた。湯浜峠では完全な雨だった。本当は晩夏の晴れ間を堪能する道行きを期待していたのだが、こればかりはどうしようもない。ともあれ無事にK282との分岐点へ到達。いよいよである。

前日の雨がウソのようにあがった朝

R457で北上中、ちょっと寄り道

栗原市花山湖

R398、湯浜街道。栗駒山が雨に煙る

とうとう来た!

行くぜ!K282!!

栗駒山周辺の天気はコロコロと変わり、それなりの雨がザッと降ったかと思うと時折晴れ間が見え隠れしたりする。総走行距離はけっこうな数字になるはずなので、あまりペースをあげずにヒラヒラと走る。

K282の途中で秋田県側を望む

栗駒山神社ってのがあった

最初の目的地須川湖に到着するとやたら風が強く、だがおかげで雨雲は宮城県側に流れているようだ。空気は湿っているが雨は降っていない。徐々に空が明るくなってくる。よしよし。K282をもう少しだけ岩手県の方に進むと栗駒山荘のまさに一歩手前にR342との交差点がある。さぁ本日のメインイベント東成瀬村縦断の道行きである。

須川湖。
キャンプに来た親子連れやバス仕立ての団体旅行などでにぎやかだった



東成瀬村の村内を駆け抜けると、思ったとおりの光景が次々と現れては背後に流れていく。無理やり知っている景色になぞらえるなら、宮城県白石市からR113で七ケ宿町へ抜けていく時の景色に近い。冬季は過酷な環境であろうことは容易に想像できるが、夏の今は米どころらしい山間の田園風景と緑の濃い山々が実に美しい。また集落ごとの家々が軒並み立派で、そのことも印象的だ。幸い前にも後ろにもクルマの姿はなく、マイペースで気持ち良く走れる。






だからなのか、思ったよりも早くR397との分岐点に到達してしまった。右へ曲がれば岩手県、左へ曲がれば横手市である。気が付くと猛烈に腹が減っている。それもそのはず11時30分を回ろうかというタイミングである。そろそろコンビニの一軒も現れてくれるんじゃなかろうか。本当は村に一軒のお肉屋さんを見つけて、コロッケとメンチカツとどっちにするか死ぬほど迷う!みたいな展開を期待していたのだが、残念ながらそんな魅力的なお店はなく、筆者の目に飛び込んできたのはデイリーヤマザキ東成瀬店(秋田県雄勝郡東成瀬村田子内字大橋場13−1)だった。マイデイリーチキンというフライドチキンなのか鳥の唐揚げなのか微妙なチキンの油揚げとまんじゅうを一個ずつ購入。雲の流れが速く基本的には青空。外気温計は29℃などと言っているが、駐車場でMiToの窓を開けると涼しい風が通り過ぎる。MiToの車内で自分で握ったおにぎりとチキンを頬張り、おまんじゅうのデザートで仕上げ。うーん、大満足!なんだ、こんなことでこんなに楽しいのか!!


食べかけですみません

デイリーヤマザキの駐車場でのしばしの昼寝から目覚めると、13:00にならんとするところである。ひとまず予定通り横手市方面に抜けるとして、仙台への帰路はどうするか考える。R13を南下し、どうやって宮城県入りするか。大きく分けて4つの選択肢がある。

1.R398で栗駒山〜花山へ抜ける
2.R108で鬼首〜鳴子へ抜ける
3.R47で鳴子へ抜ける
4.R347で鍋越峠〜大崎市へ抜ける


いずれも最終的にはR457に乗って帰ることになる。番号順はすなわち現在位置から近い順であり、所要時間もおそらく番号順に短いだろう。要はR13(もちろん旧道の方)を南下する距離が長ければ長い程、帰宅時間が遅くなる寸法である。来た道を戻る1のプランはあり得ない。さらにあんまり早く帰宅してもつまらないし、R13を走りつつ東の空の山際(つまり宮城県、岩手県側)を見ると絵に描いたような雨雲が山脈を覆っている。R108もR47も県境では恐らく雨が降っているだろう。栗駒山の雨を思い出し、せめて雨雲がもう少し薄くなるところまで南下してみることにする。すなわち4のR347鍋越峠である。

昼食後、R342をR13めがけてひた走る

道の駅おがちで一休み。「クルマで行きますOFF会#7 夏の東北クルマ旅」で立ち寄った思い出深い道の駅である。


道の駅おがち駐車場から見る南の空。
明らかに雨降ってるでしょ、という感じの山際

道の駅おがちを出ると早速現れるR108への交差点もスルーだ。秋田から山形へR13で下るのはほんの数回だがこれまでにも経験がある。かつては人気の少ない山間の細い道をひたすら走るだけでタイクツだな〜と思ったものだが、オイルもタイヤもブレーキパッドも新調したばかりのMiToで走ると実に味わい深い。適当なアップダウンもあるし古いトンネルが時々現れるのも趣深い。時々西の空を見ると夏の終わりの青空が広がり、雲の形はすでに秋のそれである。基本的には窓を開けて走っているのだが、時々雨がさーっと降るのでエアコンも併用しつつ。



相変わらず東の空は山に覆われているが…

道中はこんなに良い天気だったりする

R347への交差点は山形県尾花沢市にあるので、秋田県の横手、湯沢からだとまず目指すのは山形県新庄市ということになる。新庄と言えば真っ赤なポルシェ 911とビアンコなアルファロメオ 156SWを駆るmarutaさんのお膝元である。そしてボリューミーなカツカレーで有名なエンジェルズが思い出深い。もっとも満腹だからエンジェルズには寄れないし、思いっきり平日だからmarutaさんも仕事中に決まっている。新庄市の市街地を走り抜け、念のためこの先の経路をGoogleMapで確認しようかなと道の駅尾花沢に立ち寄った。駐車場でクルッとターンしていたら道の駅の入り口から見覚えあるビアンコの156SWが入ってくるではないか!!な、なんとmarutaさんである。新庄市街地で筆者とすれ違い追っかけて来てくださったのである。先日の山形呑みOFF以来である。

奇跡の再会!!

「お!赤MiTo!まさかと思ったけど顔をみたらacatsuki-studioさんだったから追っかけてきました」。いや、まったく気が付かなかった…。「ストーカーみたいって思ったけど(笑)」とmarutaさんは笑うが、仮にもしこのブログエントリーのコメント欄に「実は新庄市内ですれ違いましたよ〜」みたいなコメントを下さったとしたら、やっぱり「えー!なんでクラクション鳴らすとか追っかけてくんなかったの〜??」と思うだろう。新庄から尾花沢と一口で言ってもけっこうな距離である。追いかけてくださってホントに嬉しい。156SWは最近911よりも金がかかるようになってきただのなんだの、駐車場でしばしヘンタイトークを繰り広げる。15時過ぎの道の駅の駐車場で立ち話ができるくらいに涼しくなってしまった…とふたりでしみじみ。秋ですねぇ。

帰宅途中だったmarutaさんと別れ、ようやく尾花沢市内でR347へ乗る。銀山温泉をかすめつつ一路鍋越峠へ。

一路銀山温泉へ!じゃなくて鍋越峠へ!!

R347は工事ばかりでちっともペースが上がらない。この工事は当分続きそうなのでR347鍋越峠を超える方はお気をつけいただきたい。



こんな狭い箇所に信号なんか設置するもんだから、
4トン程度のトラックが対向してくるとすれ違うのも一苦労

すすき!!秋じゃん!!

宮城県に入り加美郡加美町でK156に乗り換え。西の空を臨む

無事に自宅まで戻ってみればちょうど17時。雨の峠道を走ったせいでドロドロになったMiToをざっと水洗い。東成瀬村、おにぎりランチ、marutaさんとの不意のランデブー、実に濃い1日になった。そしてあんなに暑かった2015年の夏も、いつの間にか秋に変わっていたのだった。11月くらいまでがツーリングシーズンだとすれば、今年のシーズンはあと3ヶ月と少し。もっともっと走りに行かねば!行かねばの娘!しつこいですか?そうですか。

8時間20分/319km
やっぱり左ハンドル
| ココロ惹かれるクルマ | 19:29 | comments(4) |

オイル、ブレーキパッド、タイヤ交換のために(株)イデアルさんを訪れた際、ABARTH仙台の店先にABARTH プントエヴォが展示されていた。珍しい。Aマネージャーに伺うとフィアット プントエヴォをベースにしたABARTH プントの最終型だという。つまりこのモデルを最後にプントはABARTHのカタログから落ちたのだ。ほほう。

フィアット プントエヴォ(現行モデルはもはやエヴォが付かない)はグランデプントのマイナーチェンジ版で、旧グランデプントそのものは言うまでもなくMiToのベース車両である。つまり旧グランデプントはアルファロメオ MiToとABARTH グランデプントというふたつの派生車種があるわけだ。旧だの現行だのはひとまず脇に置いておき、筆者のざっくり評価としては「軟派なMiTo」「硬派なABARTHグラプン」である。大方の人がうなずいてくれるのではないか。どちらもブランドのイメージをわかりやすく体現していると思う。ABARTH仙台の店先にたたずむその個体は見るからにスパルタン。当然ながら左ハンドル。取り合えず運転席に座ってみた。

座ってみたところで基本的には左ハンドルのMiToなのだが、筆者は真っ先にシートセンターとハンドルセンターが一致しているか確認してみた。合ってる。合ってるよ!!あー、なんか、やっぱりちょっとがっかりだが、左ハンドルで開発されたクルマは左ハンドル環境こそが正しいのだ。このブログ、あるいはコメント欄に再三書いているが、右ハンドルモデルの筆者のMiToはシートセンターとハンドルセンターが数センチずれている。「気にし始めると気になる」レベルの話だが、毎日運転する身としてはこれが運転時の疲労に直結してたらやだなーなどと考えてしまう。残念ながら右ハンドルモデルオーナーは、シートを交換するなどの自助努力が必要なのだ。

ちなみに件のABARTH プントエヴォ、インテリア各部のリファインも素晴らしかった(MiTo1.4T Sport比)。一番感動したのはクラッチペダルとシフトノブの動きだった。変な表現だが、動きに「コクがある」のである。きっと運転中のインフォメーションも豊かだろう。その感想に拍車をかけるのがシートである。例えば同じABARTH 595 Competizioneなどに装着されているサベルトのバケットシートほどタイトではなく、だがMiTo純正のファブリックシートよりも格段にホールドは良く。個人的リファレンスではプジョー 207GTiのシートよりも良かった。「クルマをイス買い」という言葉があるらしいが、それ、あり得るわーと思える逸品だった。あーーーーーーーー!このシートだけでも欲しい!!

ということでいろいろショッキングな個体だった。走行1万kmで車両価格249万円。残念ながらすでに商談に入っているお客様がいるという。今日明日のうちならまだ座ってみるくらいはできるかも。しかしMiTo右ハンドルモデルのオーナーは座らない方がいいかも。かもねかもね恋かもね100パーセントそうかもね。
「なんでも新しい方が気持ちいいですよ」
| MiToのメインテナンス | 15:15 | comments(12) |
お盆からの復活初日はのんびりしたムードの
(株)イデアルさんのファクトリー

「なんでも新しい方が気持ちいいですよ」とはABARTH仙台スタッフAさんの名言だが、それを実感した今回の一件。すなわちエンジンオイルとブレーキパッドとタイヤ交換の儀である。エンジンオイルは114,555kmで交換(オイルのみ)。

エンジンオイル SELENIA STAR PE 6,500円(税・技術料・消耗品込み)
ブレーキパッド EBC Green2000 22,809円(税・送料込み)
タイヤ ATR Sport 20,680円(@4,080円*4 税・送料込み)
工賃等 22,450円(ホイールバランス調整、オイル交換、廃油処分料、ブレーキパッド交換)

合計 73,750円(イデアルさんへの消費税、値引き等含む)

今回は約4,000kmでのオイル交換。11万も走っているのだからますます労ってあげなければ…という思いからだが、こんな殊勝な心がけがいつまで続くか…。交換後の吹けはやはり一味違う。一般道を極端にぶっとばせるわけでは当然ないが、日常域でも回転のスムースさは体感できる。素晴らしい。

そしてその回るエンジンによるエネルギーをきっちり制動できてこそのドライビングプレジャーだが、EBC Green2000は相変わらず期待を裏切らない。すり減った先代と同じ感覚で踏み込んでしまい、カックンブレーキになってしまうこと2回。この効き具合にひとりでニヤリ。クルマにとって制動力はやはり重要である。ただしEBC、ブレーキダストは盛大に出る(笑)。

キラーン!Greeeeeeeenよ!!

これは交換の終わった先代

うっすー!(薄いの意)。これはあぶねーわ

これらも当然嬉しい変化なのだが、にも増して今回のトピックは初めて履くタイヤ、ATR Sportである。長距離を走り込んでいないので単なるファーストインプレッションでしかないが、実に良い。

まだゴムのビラビラが付いてる

どうやっても先代のタイヤマランゴーニ Mythosとの比較になるが、入力の丸め方がちょうど良い。普段生活で走る県道や市道に潜む轍、アスファルトに開いた穴、様々な段差などで受ける入力がMythos比まろやかになっているのがはっきりわかる。今回ATR Sportと天秤にかけていたのがFALKEN ZIEXで、家人のシトロエン DS3に履かせたZIEXと入力の丸め方が似ている。もちろんその印象にはシトロエンの足のセッティングの巧みさも大きく影響していると思うが、ZIEXの功績も大きいと思う。※1

で、ATR Sportの丸め方はそれに近い。まるでMiTo自体の車格がちょっと上がったかのような喜びである。加えて書けば、このブログで何度も書いてきた「神経質な乗り味」とはMythosの味だったのだな(笑)。これまでMiToの足のチューニング、純正ダンパーなどの部品精度の問題ではないかと漠然と疑ってきたが、どうもそうではなかったようだ。※2それでいてATR Sportの値段はMythosのほぼ半額(約4,000円@1本)なのだから驚きである。今回このテキストを打ってみて、ATRのタイヤよりもEBCのブレーキパッドの方が高価だったことに気付いてびっくりである。

いまだ体感できていないのがグリップ力の高さと直進安定性である。筆者が世話になっている(株)イデアルのATRユーザー、K店長、Yさん(両者ともMiTo乗り)は揃って「Mythosよりも限界が高い!」「直進時のトルクステアが無くなった!」とまるで新興宗教のお誘いみたいに熱く語っていた。筆者も早くそれを体感したい。最初のインプレッションを書くべく長距離を走りに行きたいのだが、あいにくの雨続き。近所をぐるりと廻っただけの感想だが、Mythos時代には経験したことのない横方向の動きが数回。唐突にずるりと滑る感じがあった。もっともまだ100kmも走っていないので剥けてないのだろう。まぁ急がずともすぐに長距離を走る機会は訪れるから、今日はこんなところで。

あ、ATR Sportに換えたら思ったとおり真っすぐ走るようになった!!!!減り具合の違うMythosをフロントに履かせていたのだから当然と言えば当然なのだが。嬉しい。

※1
DS3に装着されていた購入時の純正タイヤ、ミシュラン エナジーセイバーはやたらと入力の鋭いエコ系タイヤで、筆者がイメージする「シトロエンの乗り心地」と違っていた。コンフォータブル系のタイヤを探し求めていたところあおさんから紹介されたのがFALKEN ZIEXだった。これが大正解。あおさんありがとうございます。

※2
年次改良が進んで1.4T Sport初期型と比べればずいぶん乗り味がマイルドになったMiToだが、驚くべし、現行のTCTモデルも足周りの部品は同一である。ではなぜ同じ車種の同じ部品使用で乗り味がマイルドになるのか。想像だが理由はふたつある。ひとつはトランスミッションの自重が異なることによる前後荷重比の変化(前がより重くなった?)。もうひとつはリアブレーキディスクの小径化によるリアのバネ下荷重の軽減。あくまで想像だが。
DS3で行く!酒田・鶴岡、夏の旅2015
| その他のツーリング・夜活など | 21:59 | comments(4) |

ほぼ毎年、お盆の時期に家族でクルマ旅行に出かけているが、今年は諸般の事情から日帰り旅行となった。仙台市から日帰りで、しかも中学生でも楽しめるプランを練るのは思った以上に難事業である。予想通りプランニングにはずいぶん時間がかかったが、山形県鶴岡市の加茂水族館に行きたい!という家人と長女の情熱が軸となり、酒田・鶴岡への日帰り旅行を実施した。家人と運転を折半するのでシトロエン DS3デヴュー・セリで走ってきた。行程は以下のとおり。

1:山形県酒田市にある土門拳記念館に行く
2:酒田市内で昼食
3:山形県鶴岡市にある加茂水族館に行く
4:どこかで晩ご飯を食べて帰宅

シンプルなのである。


当日は朝5時30分に自宅を出発。降ったり止んだりという空模様。酒田への行き方は何通りかあるが、今回はR48の関山峠で山形県入り、村山市内を経てR13に乗り、尾花沢市を素通りして新庄市へ。敢えて旧R13を一瞬走り、R47に合流して酒田入りである。尾花沢の先の舟形町、大蔵村をK31で走ったのだが、ここは筆者も初めての道。実にナイスなカントリーロードである。朝の早い内だからクルマ通りもほとんどなく、マイペースで走る。結局R47沿いの道の駅とざわまでは家人が運転。筆者は助手席でのんびりである。あ、もちろん移動にガソリン代以外のお金はかけない。有料道路は不使用の精神である。

関山峠付近。雨は降っていないが…。
今にも降りそう

奥羽本線を列車がゆく

道の駅とざわ(山形県最上郡戸沢村蔵岡3008−1)

チヂミと蒸しギョウザを貪り食う長女と長男

立川町の風車群。実際見ると「威容」という言葉がぴったり

道の駅とざわからは家人と運転を替わり、一路酒田市内を目指す。戸沢から向こうのR47も実に素敵だ。ただ徐々にクルマも多くなってくる。そもそもお盆の時期だし、里帰りのメッカみたいな場所だし。むしろ「道は空いている」と言ってもいいのかもしれない。GoogleMapを過信したおかげで少々いらぬ道も走ったが、無事に酒田市写真展示館(土門拳記念館)に到着。仙台市内と比べるとさすがに酒田市内は暑い。湿度が高く、ねっとりと暑い。


冒頭の画像はここんちの池

土門拳記念館では「戦後70年特別企画 土門拳が視た昭和」を9月28日(月)まで実施している。中学生の子どもたちが楽しめるか少々不安でもあったが、それぞれに何かをちゃんと感じ取った模様。もっともそんな心配が杞憂で終わるくらいに展示作品の力は強かった。筆者がこの記念館を訪れるのは2度目(最初はEDOの第1回目)だから普段の館内の様子はよくわからないのだが、どうも観覧者数が多く感じられた。夏休み時期だからなのだろうか小学生も多い。館の運営と土門拳の作品にとっては素晴らしいことだが、筆者個人としてはもっと人が少ない時に再訪したい。なにしろ1枚1枚にものすごく情報量が多いのだ。キャプションが極めて少なかったのも、それが理由かもしれない。あまり周囲を気にせずじっくり観賞したい。また建物そのものも実に気持ち良い造りである。

お約束のクルマ画像。
家人のシトロエン DS3デヴュー・セリ

思ったより早く移動することになった。昼時には少々早い。酒田の観光名所のひとつ、山居倉庫にも足を延ばした。こちらは土門拳記念館どころじゃない大混雑。



米俵を運んだ船(のレプリカ)

併設されている庄内米歴史資料館の体験コーナー。
30kgと60kgの米俵重しがあって、それを担ぐ体験ができる

倉庫西側のけやき並木。夏の高温と冬の海風から倉庫を守っている

しかし酒田は実に趣深い歴史の町だ。本当は宿をとって足でぶらつくのがいいのだろう。そんな感慨にふけりつつ、しかし昼ご飯を食べねばならぬ。お子様味覚の当家の中学生2名のために、酒田港の「海鮮どんやとびしま」も奇跡の日本料理屋「味工房八月(はづき)」もスルー(号泣)。肉を食えるところはどこだ、肉を。ということでピックアップされたのが「とんかつ わたり」である。

とんかつわたり(山形県酒田市相生町1丁目5)

ロースカツ定食1,450円


家族連れの客が多く(当家もだが)、正しく「町のとんかつや」を体現している居心地の良いお店。家族経営のようだが接客にぬかりはなく、そういうお店のとんかつがおいしくないわけがない。酒田にはもう1軒宿題になっているすし屋があり、とびしま、八月、わたりと酒田には一体何回来ればお腹が満足するのだろう。

満腹になって次は鶴岡の加茂水族館を目指す。酒田・鶴岡間はR112の一本道をただ南下すれば良い。30分くらいで加茂水族館に到着。隣接した海水浴場とともに、ものすごい混雑っぷりである。


そもそも加茂水族館、以前はこぢんまりした「昭和な」水族館だったのだが、90年代の終わりから「クラゲの水族館」として全国的に有名になり、先頃全面的に改装しモダンに生まれ変わった。2009年に家族旅行で訪れた時とまるでイメージが違っていて驚いてしまった。そして人・人・人である。筆者の個人的な経験との比較で言えば、まるで祇園祭の四条通りの路上である。人ごみがあまり得意でない筆者はどっと疲れてしまった。

2009年8月に訪問した際の入り口

2015年現在の入り口

加茂水族館もまた人の少ない時期にゆっくり見学したい。展示内容もその規模も地元密着の素晴らしい内容だと思う。もちろんクラゲの水槽はどれも美しかった。まぁ土門拳記念館(+酒田市内観光)と加茂水族館見学を1日でやっつけようというプランに少々無理があるのだ(笑)。夏休みっぽくて楽しいけど。家人と長女はアシカショーも堪能し(筆者と息子はクラゲアイスを賞味)、16:00頃、筆者の運転で帰路についた。

クラゲの大水槽

帰路もシンプルにR112でひとまず寒河江を目指す。ところが鶴岡市内は14日に荘内大祭、翌15日には花火大会があり、市内の大通りが通行止めになっていたせいでかなりの渋滞。市街地を抜ける頃にはすっかり夕暮れである。月山ダムあたりまでくればクルマ通りは少なくなり、ひたすら曇り空の暮れ時を前のクルマについて走ることになる。これははっきり言って眠い(笑)。山脈を越え寒河江ダムの東、道の駅にしかわで家人と運転を交代。ちょうどこの西川町から寒河江までが豪雨と言っても差し支えないくらいの雨。なんとなく晩ご飯を食べられるお店を探しつつ走るのだが、お盆時期の影響もあるのか国道沿いですら営業しているお店が少ない。結局R48で仙台入り、熊ケ根鉄橋近くにあるピザとパスタのお店「アルベロ」に入店。

庄内平野をぶっとばせ!

いっきに数時間経過して、仙台に戻ってきた!
アルベロ(仙台市青葉区上愛子字白沢23−1)

ここは以前長男と入店しようとしたが、あまりの混雑っぷりにあきらめた過去がある。有機野菜を中心に据えたピザ屋で、カントリーハウスっぽい内外装のおしゃれな店内。とくればデートから女子会から近所のお年寄り夫妻の昼ご飯まで大人気になっても当然のお店である。たまたま通りかかった時間が良かったのか、店内には筆者一家以外は1組のお客がいただけだった(その後大家族が2組入店してきて大忙しになったが)。

とりあえずマルゲリータ

半熟卵を溶いておいしいビスマルク

ピッツァだけで済むわけないじゃんボロネーゼ


家人曰く「100点満点」。子どもたちも大満足の晩ご飯になって良かった。

その後自宅には20:40頃帰着。道中雨降りを覚悟していたが、酒田では晴れ間も広がり、鶴岡でも途中パラパラッと来たけどそれだけ。滞在先での天気には恵まれた。ひとつひとつが濃厚な訪問先だったので、機会があればひとつひとつ改めて訪問しなおしたい。酒田も鶴岡も仙台からだと3時間半の行程だが、クルマ移動でそれくらい時間がかかるともはや文化圏が違うことを素直に実感できる。逆にほんの3時間半で東北の異文化を堪能できるのは素晴らしいと思う。列車も良いが、好きなタイミングで好きな場所に行けるところにクルマ移動の醍醐味がある。クルマを運転できることに感謝である。

15時間半/322km
MiTo・アンダースポイラー伝説第三章
| AlfaRomeo MiTo | 21:37 | comments(5) |
先日仙台市街地にあるとんかつ屋を訪れた折り、駐車場の新規開拓のため初めて停める立体駐車場に入ろうとしたその時、イヤなものを見てしまった。

立体駐車場のパレットに乗り入れる際、たいてい奥の壁面には自車の進路を確認するための鏡が付いていると思うが、その鏡に、筆者のまさに乗り入れようとしているMiToが映っていた。サスがヘタって車検基準ぎりぎりまで車高が落ちている筆者のMiToの場合、パレットに真っすぐ乗り入れているか?よりもパレット真ん中の出っ張りが底に当らないか?の方が300倍(当社比)くらい重要である。奇しくもこの日、まさにアンダースポイラーが擦っているのが鏡にはっきり映っているではないか。それだけならまだしも、なんだか片方が外れかかってプラプラしているような…。

おー!部品代は安い(2,700円)が、なんだか面倒だゼーーーット(by 水木一郎)!

こうやって見ると特に異常はなさそうだが…。
あ、フロントバンパー底面の傷は気にしないでください

帰宅後見てみたら、固定が外れているのではなく、スポイラーそのものが一部裂けているのだった…!!以前底面を擦って引きちぎってしまった際、イデアルメカニックさんの機転でボルト留めに改めて以来※脱落の心配はしていないのだが、まさか裂けるとは!!ボルト留めがダメになっているならともかく、当面大丈夫そうだから放置決定。

べろーん

ちなみに立体駐車場の場合、ほぼ間違いなく「ドアミラーは畳んでねー」と係員に言われるのだが、ドアミラーの格納が手動式のMiToの場合ほぼ100%驚かれる。「これガイシャだよね??自動じゃないんだ!」。走るのに関係無いんだもん。

でもリバースギアに入れるとドアミラーがちょっと下を向く機能、あれは欲しいと思う(笑)。

※ちなみに1.4TSport初期型の場合、アンダースポイラーはタッカー(ホチキスのでかいの)留めである。よくあれで落っこちないもんだ。
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■プン太郎■
筆者の愛車ABARTH PUNTO EVOのこと。
ブログ本文に「プントエヴォ」と
フルネームで書くと煩わしいので命名。

■R、K■
R=国道(Route **)
K=県道(Kendo **)
のこと

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。

■顧問■
筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

■朝練&夜活■
早朝に走りに行くのが朝練。
夜に走りに行くのが夜活(やかつ)。
夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■EDO■
Eat and Drink Organizationの略。
親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
「同乗者無しでひとり1台」
「うまいものを食べ、飲む」が掟。
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