2015.07.31 Friday
ブレーキパッドに悩む夏
ブレーキパッドに何を期待するかは人それぞれだと思う。いや、ブレーキパッドなんだから当然「確実な制動」を期待するのは当然なのだが、筆者が言っているのはその基本性能に加えての「低ダスト」とか「耐フェード性」といった、どちらかと言えば付加価値的なものである。 話には聞いていたが、欧州車の純正ブレーキパッドが出すダストがこれほど多いとは思わなかった。2002年にプジョー 307SWを購入した直後の感想である。筆者にとって初の輸入車だった307SWに限らず、街中ですれ違うドイツプレミアムブランドのセダンを見ても、当のアルファロメオ MiToを見ても、駆動輪のホイールは黒めである。毎度洗車時にホイールをごしごしやりながら「あー、めんどくせー」と思うものの、「効くからダストが多い」と解れば、フロントホイールを真っ黒にして渋滞にハマっているメルセデスBクラスなど、良い具合に道具感が漂っていてむしろ好ましい。 ここ2週間くらいで、我がMiToの制動力がめきめきと落ちてきた(笑)。6月に通した12ヶ月点検時に「フロントブレーキパッド、そろそろやばいです」と言われたから気付いた…というわけではなく、もう体感できちゃうレベルなのである。正確に言えばちゃんと止まる。止まるけど、これまで以上に踏力が必要になってきた。タイヤと併せて早く交換したい。 先のタイヤどうしよっかなーエントリーにも書いたとおり、筆者は基本的に街乗りオンリーであるから、ブレーキパッドに求めるのはごくごくベーシックな性能である。だがベーシックな低価格帯製品の中にも、製品ごとの細かい性格の違いはある。これまでの経験から低ダスト製品の代名詞的ブランド「ディクセル」の安いやつ(笑)、Type Mはもう卒業しようかなと思う。低ダストは本当だが、制動力曲線が自分の求めるものではない。もっともディスクローターは前後ともディクセルだし、リアのブレーキパッドもディクセルなのだが(笑)。いや、低ダスト万歳じゃないですか。 筆者のMiToに現在装着しているのはEBCのグリーンシリーズ。 EBCはそもそもフィアットにOEM供給しているメーカーらしく、MiToの純正も実はEBC(のボトムグレード)ではないか疑惑がある。サードパーティにこだわって探しているつもりが、意識せず純正に回帰してしまった(笑)。グリーンシリーズの制動力は実に自然かつ強力。個人的な感想だが速度が落ちてきてからの制動力曲線が筆者と生理的に合っている。筆者レベルの運転ではフェードらしいフェードも経験したことがない(サーキット走行などすればどうだかわからないが)。唯一の難点は純正同様盛大にダストを発生することだが、ここは何を優先するかで話が変わってくるだろう。 家人のシトロエン DS3にはSTOLZを装着してみた。ダストはそこそこだが、STOLZとDS3の組み合わせでは初期制動力の立ち上がりがやや唐突に感じられた。減速がきちんと行われるのは歓迎すべきことだが、Bペダルの踏み始めにやや神経を使うということでもある。わざわざ「STOLZとDS3の組み合わせでは」などと書いたのは、MiToではそう感じない可能性もあると思ったからだ。DS3の乗り味は、やや硬いとは言え基本的にはフランス車のそれであり、STOLZの初期制動力の立ち上がり方と、やや相容れない感触があるのだ。その点脚の動かないMiToのゴツゴツした乗り味となら、そういったミスマッチ感は薄いと想像するのだ。家人のDS3については肩ひじ張らずに次は純正部品に戻してみるのも良いかもしれない。 その他にも興味あるブランドは多々あるが、効き具合を体感できているものから選ぶとなれば、(純正を除けば)EBCが今のところ最右翼だろう。そう思って輸入元に問い合わせてみたら、在庫残1だそうで…。発注しました。うちのMiToのブレーキパッド(フロント)は、8月以降もEBCグリーン2000シリーズである。 |