ようやく、ようやく時が来た。この春から同僚となった若人が、実は福島県の猪苗代付近の出身だという。筆者の猪苗代湖の美しい思い出を話したら、「北の志田浜なんかが有名ですけど、西岸もキレイなんですよ」と言われちまったYO!これまで北の志田浜や東岸を訪れてひととおり征服したようなつもりになっていたのだが、猪苗代湖、奥が深い…。GoogleMapを見ると、確かに西岸にも湖水浴場がいくつもあるようだ。
そんなことを知ってしまったら行かずにはいられない。次のひとりツーリングは猪苗代湖西崖だぜ!と決めたのは良かったが、それ以来なぜか休日には雨が降ったり、過剰に疲れていたり、どうにもタイミングが悪かった。この日も身体は疲れていたのだが、とにかく気分を変えなければならん!天気予報では晴れ後曇り。降水確率はそれほど高くない。家族を見送り朝の家事をこなしてから出発したので9時頃になってしまった。
例によって往きの道行きしかプランを立てず(笑)。仙台市内からK25で村田町へ。K12で白石市へ。R113で七ヶ宿町へ。K46で福島県国見町へ。飯坂温泉を経由してK5フルーツラインへ。K70で信夫温泉、高湯温泉を経由して吾妻小富士へ。数々の温泉街を経てR115で猪苗代湖へ至る。文字で見てもなんのことやら。
ところどころでMiToを停めて写真を撮る。宮城県内、県境、何度も走って見慣れているはずのコースだが、写真撮影の定点を少しずつ外してみたら存外に発見がある。ひとりツーリングではペースを維持することに執着してしまうので、ある意味仕方ないのだが…。
宮城県七ケ宿町の下戸沢宿
福島県国見町
小坂峠っちゅーのか!
かつて大名もこの峠を通った…と書いてあるが、
大名行列はもっと移動の楽な平野を行くのでは…?
という話はさておいて、
江戸時代の旅人がここを歩いたのか!と思うと
感慨もひとしお
以前から超絶気になっていた「あぶらや肉店」。
福島県飯坂温泉すぐ近く。
この店名で精肉・惣菜って書いてあるんですぜ?
オレのための店か??
走り慣れた福島県K5フルーツラインからK70へ右折。信夫温泉〜高湯温泉と温泉街とワインディングロード。磐梯吾妻スカイラインをひとりで走るのはもしかすると初めてかもしれない。有名な道なのに。東吾妻山付近は活火山なので当然といえば当然だが、蔵王山へ登っていく宮城県側の景色に酷似している。宮城県側の蔵王と違うのは福島市などの平地が素晴らしいパノラマとして楽しめる点であろう。ただこの日は雲が多く、ぼんやりとしか見えなかった。なに、また来ようじゃないか。
残念ながら景色はぼんやり
先に初めて走る…と書いたが、吾妻小富士は恐らく小学生の修学旅行で訪れているはずだ。レストハウスでカレーを食べたような気がする(笑)。その時は猪苗代側から登ったはずだが、自分のクルマで走るなら、今回と同じく信夫温泉側(福島市側)から登って行きたい。つい先日まで火山性微震動と有毒ガス発生のせいで通行止めになっていたが、ようやく開通したものの通行可能なのは9時から17時まで。いやぁ美しいなぁ、とのんびりMiToを進めていたら…。
吾妻小富士の直前の「賽の河原」には圧倒された。この画像の近辺は今も「火山性ガス発生の恐れ有り」とて窓を開けるなとか停車するなという立て看板があちこちに立っている。確かに硫黄の臭いが鼻を突く(いや、窓は閉めましたよ)。無事に浄土平パーキングに到着。丁度12時頃なのだが、まだ空腹でもなく、浄土平レストハウスにもどうしても心惹かれるメニューがあるわけでもない。意を決して猪苗代湖まで走り切ってしまうことにする。
浄土平を過ぎると程なく道路は下りのワインディングへ。タイヤの溝はあと2mmしかないし(左だけ)、フロントブレーキパッドも残り3mmなので無茶はしない(泣)。ちんたら下っていたら浄土平パーキングで見かけたルノー メガーヌRS(しかもジョーヌペガス)が道路脇に停めている。思わずその後ろにMiToを停めてオーナーさんにごあいさつ。
うずくまって愛車を激写しているのがオーナー氏(笑)
やっぱ黄色、い〜わ〜
福島の県南にお住まいの方で、乗って数年(?)なのにすでに走行7万km超えだという。「過走行道まっしぐらですね!」と言ったら、「楽しいんで、どうしても走っちゃいますねぇ」ときた(笑)!筆者やこのブログをごらんのみなさんと同じ匂いがする方である。しばし歓談して結局R115の合流地点までランデブー。メガーヌはレークラインへ消えていった。どうかご無事で。
こちらは無事にR115で無事に猪苗代湖へ到着。東岸から回り込む。
実はここも定点ポイント。
ここで写真を撮った
磐梯山を望む
西岸を遥かに臨む。待ってろ!!
時は13時過ぎ。まともなメシを喰おうと思ったらそろそろどこかのお店に入店せねばならない。GoogleMap上でなんとなくアタリをつけていた湖南町の食堂「
会津めん 大阪屋」さんへ。味噌ラーメンが人気らしいが、外気温は30度近くあり、とてもじゃないがラーメンをすする気になれない。ここは福島ご当地メニュー、ソースカツ丼をオーダー。
こ・れ・が!望外の大当たりだったのである。筆者は別に
トンカツブログを立ち上げているくらいのトンカツマニアであり、これまでも福島では務めてソースカツ丼を食べるようにしてきたが、実を言うと(以下3,891文字に及ぶトンカツとソースカツ丼に関する概論を書いたが省略)だったのだが、この大阪屋のソースカツ丼は「カツの厚み」「衣のざくざく具合」「ソースの調合」「丼メシの上のキャベツ」など、加えて漬物の味や味噌汁のしょっぱさまで全方位的にぬかりなく、総合得点でほぼ100点満点である。夢中でかき込んでしまった。これで930円。大バーゲンである。
たまんねぇ
食事をしていたらお店の厨房がざわざわ。空が暗いから間もなく雨だねぇなどなど。会計時に聞いてみたら「うん!降りそう」と力強い予報(笑)。あーあ、好天もここまでか〜。とりあえずお店を出てR294へ。大阪屋からだと猪苗代湖を時計回りに北上することになる。ただし少々距離があるので湖は見えない。会津若松市に入ってすぐの「原郵便局」から湖側へ右折。海と違って水辺ぎりぎりまで住宅が建っている景色がおもしろい。雨が降るどころか西日がどんどんキツくなってくる。「崎川浜湖水浴場」へMiToを停め、水辺へ。
また磐梯山。
こんなに晴れて美しいのに…
さっきまで走ってきた東岸、
特に大阪屋のあたり、この画像の右側は大雨っぽい
まるで絵のようにくっきり雨
西岸に沿った道路はけっこうアップダウンもある
磐梯山があまりにも美しかったのでもう一枚
見るとさっきまで走ってきた東岸は真っ黒な雲に覆われ、灰色に煙っている。大阪屋のおばさんの天気予報は大当たりだったのだが、こちら側は前述のとおり真夏を思わせる日差しが燦々。梅雨の季節らしい天候である。そして猪苗代湖の水はとてもキレイで、しばしのんびりしたくなる。MiToに乗り込みさらに北上すると、ヨットハーバーやプライベートポートが点在しており、どうも猪苗代湖西岸はマリンスポーツのメッカのようだ。地図で確認していただきたいが、猪苗代湖の(アナログ時計で言えば)9〜11時の区間は入り江が複雑な形で連なっており、風情もすばらしい。こりゃあ同僚の若人T君に礼を言わなきゃなぁ〜と感激していたら、最後の最後に道路工事で通行止めを喰らってしまった(笑)。少しだけ引き返して再びR249に乗りなおし、R49へ。
夜に用事があったので15時頃には帰宅したかったのだが、読みが甘過ぎた。R49に乗ったこの段階で15時である。ここから再びR115や喜多方〜米沢を経由するのも体力的に不安だったので、悪あがきせず猪苗代ICから高速道路に乗り、まっすぐ帰宅した。
8時間/386km。
けっこう走ったな(笑)。
磐梯吾妻スカイラインの霊峰と美麗ワインディング、偶然出会えたルノー メガーヌRSとオーナー氏、そして猪苗代湖と大阪屋のソースカツ丼。良くできた話である。こういう出会いがあるからひとりツーリングはやめられない。改めて福島県のキャッチフレーズ「うつくしま ふくしま」は、看板にいつわりなし!である。ありがとう。