久しぶりにEDOセッションを実施。今回は牡鹿半島をぐるっと一周してきた。EDOについては欄外の用語説明を参照のこと。
仙台在住の免許取りたての若者にとって、山形、石巻、七ケ宿あたりは格好の「オレもクルマが運転できるようになったんだなぁ〜」と実感できる地である。中でも牡鹿半島、特に筆者が免許を取得した頃(なんと27年前である)には「コバルトライン」という有料道路(今は無料化された)があり、距離も手軽で、かつ魅力的な「度胸試しコース」だった。仙台の若者みんながみんなそうだったかどうかはわからないが。かつて毎年正月に我々EDOメンバーでコバルトラインを走るのがお約束になっていた時期がある。当時は1台にみんなで乗って、わいわいやりながらのドライブだった。つまり今回のEDOセッションはBack To The Basic、初心に帰るがテーマである。裏テーマとして思い出の彼の地の震災による被害状況を知ることと、個人レベルでの被災地支援=買い物などである。
朝6時にデイリ−ヤマザキ仙台今市東店に集合。約1名が集合時間に起床する、別の約1名が朝飯を買い過ぎて腹いっぱいになってしまうなどのトラブルが発生したが、無事に出発する。お盆休み最終日ということで混雑を予想して早朝に集合したのだが、通称「利府街道」は、にも関わらず随分な交通量である。ではあったのだが、最初の目的地「
宮城県慶長使節船ミュージアム(サンファン館)」に到着。晴れているがまだそれほど暑いわけでもなく、海風が非常に気持ち良い。サン・ファン広場で海を見つつ今後のコースを検討する。
支倉常長が当時航海した帆船を再現した
サン・ファン・バウティスタ号を
係留・展示している。
ちなみにサン・ファン館自体は
津波被害のためいまだ休館中
本日のメインイベントのひとつは鮎川にできた「おしかのれん街」なる仮設商店街にて買い物+食事をすることなのだが、この時点で朝の8時。このまま反時計回りに牡鹿半島を周り始めたら、どう考えても開店時間よりも相当早く到着してしまうことは明らかだ。よって一旦女川町まで走り、時計回りに攻略することを決定した。今回コバルトラインは走らず、海沿いの小道をなるべく地形に沿って走破する。
さて女川港を経由して牡鹿半島へ。筆者はもう20年くらい前に一度走った事があるきりだったのだが、こんなに楽しい道だったのか!!アップダウンと適度な道幅のワインディングが延々と続く。フロント側がそろそろスリップサインに近づいてきたマランゴーニMythosがスキール音を出すが、ペースを落とせない。これ、誰か映像で撮ってくれないかな〜!・・・とこの世の極楽のように描写してみたが、実は東日本大震災の影響からか、道中、ガードレールなど海側の法面はほぼ全域に渡って何かしらの工事中だし、再舗装工事区間、つまり砂利道区間も相当あった。また凹凸も場所によっては激しい。筆者は何度もアンダースポイラーをザリザリ言わせてしまった(下手したらリップスポイラーも苛めたかも)。従って万人にオススメするものではない。
海水の透明度がすごく高い!
途中いくつかの浜に立ち寄った。筆者以外のふたりは釣り仲間として牡鹿半島にはよく訪れているようで、かつひとりはダイバーでもあるので、この辺の小さな浜もよく知っているのだ。おかげで素晴しい景色をいくつも見る事ができた。そのうちのひとつ小竹浜では地元と思しき方が観光客の捨てたゴミに憤っておられた。見れば細々したものだけでなく、破損したキャンピングテーブルまで置き去りにしていた。丁度我々と同じタイミングで海水浴に来たらしい若者たちといっしょに我々も秘かに憤る。震災以来近辺の漁師の多くは移住を余儀無くされ、震災前なら歩いて30秒だった「おらほの浜」まで女川や石巻の仮設住宅から通って来て仕事をしているのだ。百歩譲ってその事情を忘れたとしても、自分の生活の場、仕事場をよその人間に汚されることがどういうことなのかわからない愚鈍な人間が多いということに腹が立つ。さらに言えばこんな小さな奥地の浜に来るのは恐らく地元、あるいは近郊の人間であろう。同じ震災被害者がこんなマナー知らずなことを…と思うとさらに腹が立つ。もっともスキール音を鳴らして楽しんでいる我々も、彼の地の人々の生活道路で遊んでいるよそ者に過ぎないのだが…。
さてその先にある女川原発を通り過ぎた我々は最終的に道に迷うことになる。迷うもなにも一本道なのだが、それこそ小さな浜への分岐点など、小さな分かれ道は多い。また改修途中の道もあり、ナビもここぞと言う時に役に立たなかった。おまけにいざと言う時の頼みの綱、コバルトラインは途中から通行止めになっていた。あらら。どうしようかな〜と進んだ我々は、なんと鮎川に抜けてしまう。せっかく時間稼ぎに遠回りしてきたのに!頃は10時。念のためおしかのれん街に立ち寄ってみたが、数件のお店が開いているものの、飲食店は当然仕込み中である。それに腹も減ってないし!
ここでもうひとつのメインイベント候補であり懸案だった「金華山渡航」を実施することとした。金華山は牡鹿半島の東に位置する離れ小島で、鮎川港発の海上タクシー(大人@3,000円:往復)や定期観光便を使えば15分程で渡れる。金華山神社に3年連続でお参りすると家が建つという(金持ちになる、だったか??)。当然行きますよね、これは(笑)。船で海上を疾走している時は海風が最高に気持ち良かったのだが、島に渡ると日陰も少ない灼熱地獄である。今回の道行きは全員がノーエアコンで走破したこともあり、ひとりあたりの水分補給良は並大抵ではない(笑)。話が逸れた。金華山神社の境内まで行けば大きな木々も多く、標高が高いこともあって少しは涼を得られたが…。それにやはり神社の境内というのは、我々のようなものでも厳かな気持ちになるものである(笑)。心頭滅却にはほど遠いが、そういう効果はあったかもしれない。
寝坊した約1名と朝食を食い過ぎた約1名。
海上タクシー船内にて
金華山と言えば野生の鹿
お目当てはここに入居している黄金寿司というお店である。「お好み」で親方の腕が上がらなくなるくらい握ってもらうぜ!!という意気込みでのれんをくぐったのだが。残念ながら日曜日は「海鮮丼」しか提供していないという…。考えてみれば仮設店舗での営業、仕入れなどに不透明な部分は多いだろう。増してやこの時期、市場も通常スケジュールではない。ともかく郷に入っては郷に従えで、二種ある海鮮丼のくじらとうに入りの方をお願いする。当然大盛りである。うまかった。ちゃんと握ってもらえる日に再訪を誓う。
さらにあれこれ買い物をして残りの区間を走破すべく走り出す。ただ鮎川まで来てしまうとそれほど進めるものではない。コバルトラインの突端まで行ったものの、昔あった展望台などは重機が停まっていたり資材置き場になっていたりで様相も変わっていた。仮設住宅も多い。このあたりですでに帰路。あとは海岸沿いをゆっくり走り、朝最初の休憩ポイントだったサン・ファン館まで戻った。
この後R45を中心にひたすら仙台市内へ走り、仙台港付近のコンビニで解散。次回は11月9日と決定。さて、どこへ行こうか。
そう言えば塩釜でも買い物した
コバルトライン終点付近にて
金華山を望みつつ
※写真はメンバーが撮ったものも含めているがクレジットを省略した