6月15、16日の週末は本当に家で大人しくしていた(ダラダラしていただけとも言う)。だが本日17日月曜日の休日だけは別だぜ。久しぶりにひとりツーリングに出かけるの巻。どこを走ろうか随分迷ったのだが、やはりこの季節、国道47号線を
鳴子温泉から新庄に抜けて、田んぼの育成状況と山々の残雪量をチェックせねばなるまい。だが問題もある。新庄からR13をただ南下してくるのはあまりにも芸が無い。何度も走って飽きちゃったし、あのあたりのクルマの流れはのんびりし過ぎてるぜ…、と思いつつGoogleMapを眺めていたら、如何にもワインディング然とした「国道458号線」があるではないか。しかも南で寒河江にぶつかる。おおそうじゃ!鳴子温泉経由で新庄市に行き、R458を南下して「チェリーランドさがえ」でケバブサンドイッチを喰って帰ってくる、うむ、これだ!これしかない!!
朝8時に出発。まず給油。またガソリン単価が上昇。やはりトルコ情勢の影響か(嘘)。順調にR457を北上し、岩出山の銀行で路銀を補給。ついでに「
あ・ら伊達な道の駅」に立ち寄り
岩出山家庭ハムの「スペアリブ」を食す。
岩出山町内の風情もすてきですね
スペアリブ650円。
これが普段のランチ1食分より高い、と
今日気が付いてしまった…
R47に合流。のんびりペースで鳴子温泉を順調にパスし、
中山平温泉に差しかかる頃には空が明るくなってきて、山形県最上町に入ると完全に晴れ間に。YES。やっぱりこのあたりの絶景は晴れていると魅力倍増であるなぁ。
新庄市をそのまま西に通り過ぎ、R458との分岐点へ。なんと「国道458号線全面通行止め」という表示が。がげーん!しかし「肘折温泉への迂回路有り」と書いてある。GoogleMapで確認するとK331経由K57がR458と並走している。なるほど合点が行った。つまり最終的にK57をぐにゃぐにゃ走っていけば寒河江まで抜けられるのね。よしよし、ではまず肘折温泉まで行ってみようじゃないか。
さて本日のハイライトがこのK331とK57だった。素晴しい景色のワインディングロードである。梅雨の晴れ間に展開されるパノラマは感動的だった。どうやら冬季閉鎖される県道らしく、確かに道幅も狭いし標高も高そうだ。こう書いただけで血が騒ぐ方もおられるだろう。ぜひお薦めしたい名道路である。
小1時間走ってようやく
肘折温泉に到着。この温泉街の風情も素晴しい。同じ山形の銀山温泉や宮城県だと鎌先温泉や小原温泉などを彷彿とさせる山間のステキ温泉街であった。ただし道が物凄く狭い。MiToだと躊躇するような狭い路地ばかりである。だがR458に合流するなり他の県道なり、とにかく肘折温泉からさらに南下する道を見つけねばならぬ。さんざんうろついてようやくR458への合流点を見つけたら大工事中である。へ?他に合流できる交差点とか無いの??
おお!泊まりた〜い!!
工事のおじさんも首をかしげてます。
画面右上のガードレールがR458
これには参った。引き返して元ガソリンスタンド、いま燃料店みたいな風情のお店のおじさんに突撃質問。「あの〜国道458号線にはどこから乗ればいいですか?」
おじさん「うんにゃ、今458は走れねンだ」
筆者「え?全部ダメなんですか?」
おじさん「荒れてしまってダメなンだ。クルマいだましくって(痛ましくって)」
と、おじさんちらっとMiToを見る。
筆者「寒河江に行きたいんです」
おじさん「ンでは戻るしかねェね」
筆者「え?新庄まで?」
おじさん「ンだ(微笑みながら)」
ががが〜ん!確かに帰宅した今、改めてGoogleMapを見てみると、K57は肘折温泉のあたりで途切れている。前述のとおり深い山の中である。そもそもR458が整備された時点で県道も最低限のものしか残っていないのだろう。「肘折温泉への迂回路あり」を勝手に「肘折温泉までは迂回路だけど、その後R458に合流できますよ」と曲解していたのだ。小学生の頃、ケアレスミスをするたびに「問題をよく読みましょう」と先生に注意されたものだが、三つ子の魂百まで、人間そうそう簡単に性質は変えられない。などと言う大げさな話じゃなく、勝手に都合の良いように読み間違えただけである。
と言う事で筆者のツーリングの掟「同じ道を通らない」をあっさり破ることになってしまった。この段階で時間はほぼ12時。気温はぐんぐん上がって30度近い。とぼとぼと新庄へ戻る途中、おいしそうな分岐点を発見。これがK331、K30、K36のトリプルコンボで、銀山温泉近くの背炙峠並みの超ハードなワインディングである。山側には側溝、崖側にガードレールは無し。こんな細い山道がよく舗装されてるもんだ、というほど難易度の高い道。これは正直お薦めしかねる。幸い対向車が無かったから良かったようなものの、特にK36で対向車が来たらお手上げである。
こんな感じ
なんとか次年子付近に抜けて、そこからは平和なクルージングに戻れた。灼熱のK347などを走破して無事に「
チェリーランドさがえ」に到着。もはや13時半である。気温32.5度の屋外でアツアツのケバブサンドを食べるのは中々にシュールな体験であるが、旨かったので良しとする。
食後はR112からR48へ抜け、一目散に帰宅。走行距離こそ275kmとライト級のツーリングだったが、大満足である。R458は残念だったが、肘折温泉までの美しい風景で充分お釣りが来る。K331とK57を走りながら、「これこそ『満ち足りる』だよなぁ」としみじみ思った。もちろん冬は凄まじい積雪が人々の生活を圧迫するのだろう。筆者の「わ〜、良い景色!」など旅人の気楽な感想でもあろう。事の是非はともかく、ほんのわずかな時間でも、その土地その土地の空気や風景を感じるにつけ、筆者は「日本の風土」というものを考えずにいられない。この土地と空気があるから私たちは日本人という感覚を持てるのではないか。MiToでひとりツーリングに出かけるようになってから訪れた山形や福島、岩手、秋田など、東北各地の景色を見るとそう思う。MiToに乗れて本当に良かった。