クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
MiTo・ショックアブソーバ劣化疑惑
| MiToのメインテナンス | 22:27 | comments(8) |
装着を待つばかりになったスペーサーだが、いっしょに頂戴したメルヴェのスプリングも交換してしまうか!という案件も実はあった。こういうことになると筆者には優先順位が決められない。そこでSマネージャーに相談してみたところ、ここに思わぬ地雷が潜んでいたのである。

筆者のMiTo、どうも最近乗り味がささくれ立ってきているように感じていた。細かい路面の不整などがずいぶんダイレクトに乗員に伝わってしまう。筆者はスプリング(以前K店長から格安で譲っていただいたアイバッハ)が劣化してきてしまったのだろうと想像しており、じゃるさんからメルヴェのスプリングを頂戴したのは天の配剤だと思っていた。どうせタイヤ交換するならその時に…とほくそ笑んでいたのである。

が、そのことをSマネージャーに相談してみたところ、意外な見解が。そもそもアイバッハのスプリングはそんな簡単にはヘタらないという。「そこはやはりドイツ品質ですから」だそうで、むしろそのささくれ立った乗り味の原因はショックではないか、とおっしゃる。

ショック??ショックアブソーバ??ガーンショック。

それこそアイバッハスプリングを譲っていただいた際に、「本当はショックもいっしょにやっちゃった方がいいんですけどね」的な会話がK店長とはもちろんあったのだが、こういうタイミングでそれが浮上してくるとは思わなかった。

とは言えこれは確定事項ではなく、近日中に実施されるタイヤ交換作業の際にショックを診てみて、オイル漏れなどが無いかどうか確認ということになった。タイミングベルトのように危急の課題ではないが、ジワジワと低下する乗り心地はボディブロウのようにMiToの全体の印象に効いてくるはず。実はもっと乗り心地が良いかもしれないじゃないか。その方が嬉しいし。ということでタイヤ交換、ドキドキである。
オレカ・ロングボルト購入(追記あり)
| パーツ/グッズ | 21:28 | comments(6) |
まもなく3月も終わるというのにまだスタッドレスタイヤを履いている。こういうことは珍しいのだが、どういうわけか生業が今年度末はとても忙しく(普通はそうか)、まったくMiToにかまってやれない日々が続いている。だが野心はあって、じゃるさんから頂戴したホイールスペーサーを、タイヤ交換のタイミングに乗じてフロントに装着しようと目論んでいる。

件のホイールスペーサーは15mmの製品なのだが、ロングボルトを用意せねばならぬ。と言うことで慌てて購入したのがこれ。


オレカテクニックイデアル(通称オレカ)のロングボルト首下40mmである。購入にあたって非常に悩んだのは首下の長さ。先のリンク先をご覧いただくとわかるが、30、35、40mmの各長さがあり、15mmのスペーサーを噛ませた際にどの長さが適当なのかわからない。オレカに電話で確認した結果40mmになった次第。タイヤ交換は最速で4月4日の予定。

※追記2013.03.31.
肝心の値段について書き忘れていた。

アルファMITO用ロングボルト(メッキ仕様)首下40mm 735円×8本=5880円
送料735円(税込み合計3万円以下の場合)
合計6,615円
===追記ここまで

ちなみにオレカさん、電話での対応がとても親切だったので敢えて書いておく。とても丁寧に実例とともに教えてくれた。
kanaさんありがとうございます!まつり
| パーツ/グッズ | 18:45 | comments(12) |
以前よりこのブログに時折コメントをくださるkanaさんは、実はデザイナーさんであられる。先日のMiTo OFF#3には気前良くオリジナルステッカーをご持参くださり参加者にプレゼントしてくださった。それも2種類も、である。


本日ようやく貼り付けてみた。



ステッカーを貼って、より「自分のクルマ」感が高まるのも嬉しいが、それがクルマから生まれたご縁で頂戴したステッカーってのがより嬉しい。改めてkanaさんありがとうございます。

そこで、だ。この嬉しい気持ちを読者諸兄とも分かち合いたい。昨年末に実はkanaさんよりiPhone5用のオリジナル壁紙を頂戴していたのだ。先日のOFF#3でめでたくkanaさんのご承諾も頂戴できたので、この壁紙(なんと3種類もある!)を期間限定でダウンロードできちゃう企画である。kanaさん曰く「acatsuki様はiPhone5をお使いですか?私はiPhone5なのですが、MiToの壁紙が何処で探しても無いので、自前で作って使用しております」とのこと。なるほど、確かにインテリア、エクステリア、どちらもiPhone用の壁紙になっているものはトンと見かけない。こちらもありがたく頂戴し、当然愛用している。ご覧いただきたい。




どうです?カッコいいでしょう??と筆者が自慢するのもおかしな話だが、iPhone5ユーザーの読者諸兄は当然3つとも落としていただき、ご自身で設定していただきたい。

※こんなこと書きたかないが、ダウンロード、インストール、及び設定操作等において発生する如何なる障害・被害に対して、作者kanaさんもこのブログの責任者であるacatsuki-studioも一切責を負えません。ご自身の判断でご利用くださいませ。

期間限定と言いつつ、いつまでなのかは厳密に決めていない。DESIGN STUDIO CUBE特製mito壁紙 for iPhone5。なるべくお早めに、とだけ申し上げておく。

kanaさんありがとうございます!!
MiTo・メンテナンスの長期計画(と言う名の妄想)
| AlfaRomeo MiTo | 21:19 | comments(4) |
最近MiToは安定しており、総走行距離70,000kmを目前に絶好調、ミントコンディションの毎日である。筆者の住む仙台もさすがに春めいてきた。早くスタッドレスタイヤからノーマルタイヤに戻したいのだが、仕事が多忙で時間を捻出できない。4月になって仕事が水平飛行に移ったら、とりあえずどこかへぶらりと走りに行くことだけが今の心の支えである(笑)。

とは言え、同時に現在の安定したコンディションはクルマとしての「最盛期」の晩年であろうことも承知している。ここから先は、手を入れつつこのコンディションを維持する生活になるのだ。「ダメになってきたところを対処療法で治す」である。その第1段としてタイミングベルト交換や足下の小リフレッシュ計画を含めた長期計画を考え始めた。

この手の話をホイホイと実行できる資金がある人が心底うらやましい。残念ながら筆者は元手がなければ莫大な収入があるわけでもなく、常に財布の中身や通帳の残高とにらめっこしながら清水の舞台から飛び降りるわけだが、この6月までには少なくともタイミングベルト交換を実施しなければならない。(恐らく)日本一走行距離を稼いでいるMiTo乗り、しょーた先輩(最近じゃるさんと筆者は敬意を表して先輩と呼んでいる)に具体的な金額を以前伺ったのだが、まぁ二桁万円に届かんとする金額であったように記憶している。

以前K店長より譲り受けたアイバッハのスプリングももはや走行40,000kmにならんとしており、替え時である。幸いじゃるさんよりメルベのスプリング(とホイールスペーサー)を頂戴するという平成24年度最大の幸運にも恵まれたので、これも6月に一気にやってしまおうかと思っている。スペーサーはタイヤ交換の時にやってもらうけど…。

さらに最近もうひとつ不穏な話が…。最近、当家のMiTo、やけに排気音にドスが効いてきた。以前から冬期に路上散布される融雪剤の被害でマフラーの腐食が進んでいたが、どうやらそれが最終段階に入りつつあるらしい。となると当然純正を付け直すなんてことは無いので、どこぞのスポーツマフラーを買っちゃうであろう。

156、147時代のアルファには、歴戦の勇士たちによるメンテナンスのノウハウが相当蓄積されていると思うが、MiToはその点まだまだひよっこ同然、新人ちゃんである。「今歴史が作られている」と言えば聞こえは良いが、なんのことは無い人柱である。エンジンルーム内でくたびれていくパーツもあるだろう。

漠然と100,000kmあたりを目処にオーバーホールのようなことをしなければならないと思っている。で、そのタイミングでイモライエローに塗り替えるというものすごい妄想もある。


そうしたらブレーキキャリパーは赤に塗り直しだな(笑)。
またトランスミッションの話
| クルマにまつわる四方山話 | 00:14 | comments(4) |

ひとつ前のエントリーに自動車におけるトランスミッションについて書いた。スポーツドライビングに向く/向かないをトランスミッションにだけ着目して記事にするマスコミの論調に異を唱えた。FFとFRのように、「FFだから(あるいはFRだから)こういう挙動なんだ。それを楽しめ」とどうして書けないのかね、ということなのだが、論調の是非はともかく、MT車の選択肢が増えるのは個人的には歓迎ではある。

単純に筆者が今MT車であるMiToを大いに気に入っているからこその歓迎気分なのだが、実はMT車は高齢者の運転にも有益なのではないかと思っていた。運転操作ミスによる事故というのは必ずしも高齢者だけが起しているわけではないが、内閣府が警察庁資料を元に発表した平成22年の交通事故死者数を年齢層別に見ると、死者数合計4,863人中2,450人が「65歳以上」であり、割合は実に50.4%にあたる。この2,450人を状態別で見ていくと、23.9%にあたる約585人が自動車乗車中に亡くなっている。この約585人全員が運転していたわけではないのだろうが、これはなかなかに大きな数字である。

65歳以上の方が起した交通事故の内、(判断ミスではなく)操作ミスによる事故の割合に関する資料を見つけることができなかったのだが、少しこれが気になる。改めて書くがミスは老若男女に発生するもので、お年寄りばかりがミスを起していると書きたいのではない。判断ミスはともかく操作ミスなら機械工学とか人間工学の領域で軽減できる可能性があると思うからだ。

「操作ミスを誘発する」と書くと極端過ぎるが、ATによってシフトワークから開放された結果、運転行為が「見ること」と「ハンドル操作」と「右足でのペダル操作」の3つだけが重要になってきているとは思う。細かいことを言うと左足ブレーキはどうなんだとかATのマニュアルモードはどうなんだとか出てくるが、自動車文化に能動的ではない人種(つまりこのブログを読んだりしない人たち)については、「見てハンドル切ってアクセルを踏むこと」が「運転行為」と化していると思われる。要は運転がラクチン過ぎるのだ。

もちろんそのことに恩恵はたくさんある。スポーツドライビングにもAT車ならではの楽しみがあることは前回書いた。また市販車そのままでOKかどうかはともかく、運転操作の各要素が簡易化されることによって、身体の不自由な人でも運転できる可能性が上がるだろう。これはいつでも自分に起こり得る話である。例えばもし交通事故で筆者がMT車を運転できなくなったとしても、ミシュラン社が言うところの「移動の自由」を筆者は謳歌したいと思う。住んでいる地域によってはクルマが無いと生活がこの上なく不便ということもあるだろう。介護にクルマが欠かせないという場面もたくさんあろう。

しかしそう言った「生命線としてクルマが不可欠」というケースの割合も、日本国内の運転手人口から考えてそれほど高いとは思えない。筆者の自宅の近くには保育園があり、毎朝毎夕送迎のクルマがたくさん走る。全部が全部ではもちろんないが、中には危なっかしい運転をする人もいるし、酷いのになるとチャイルドシート未装着なんてのもいる(殺人予備軍である)。筆者に言わせてもらうとそういう「クルマの運転をなめている人」たちに、ATはむしろ害毒だと思う。

クルマの運転はもう少し身体を使った方が良いと思う。自分の動作がどういう意味を持ち、どういう結果をもたらすかということを絶えず(それも動作で)認識できる方が良い。MTにはそういう効果もあると思う。スポーツドライビングに於けるATは「より速く」を追求する時には大いなる武器であるが、自分のペースでクルマとの対話を楽しむのにはMTもとても有効だと筆者は思うのである。
「運転して楽しいクルマ」のトランスミッションとは
| クルマにまつわる四方山話 | 21:44 | comments(10) |
Yahoo!ニュースにMT車がブームに!みたいな記事があった。


筆者がMiToの購入を決めた理由のおよそ1/3は「MiToがMTだったから」だ。それまで約10年AT車に乗ってきたので、渋滞とか坂道とか大丈夫かなという心配はわずかながらあったものの、最初の試乗でその懸念は払拭され、ただただシフトノブとクラッチペダルを組み合わせた操作が楽しかった。そしてシフトワークにはウマイヘタがあり、綺麗に決めるには熟練が必要だということを知るにつけ、これもむしろ筆者にはプラスに働いた。これまでも折々にエントリーしてきたが、この修行は今も秘かに続行中なのである。実に楽しい。

ATと同じ感覚で運転できるとしてデュアルクラッチMTが猛威を奮っている。実際に一貫性を持ってきちんとチューニングされたクルマなら、トランスミッションの形式もそのチューニング内容に含まれているはずだ。早い話がGOLF GTIのミッションがDSGだからと言って、ドライビングプレジャーが半減するとは筆者は思わない。要は機械がもっともコンディション良く動作するように命令・操作し、そのポテンシャルを惹き出したのが運転手自身であると実感できるクルマが「運転して楽しいクルマ」だと思うのだ。DSG前提にチューニングされたクルマなら、DSGで操作するのが一番理に適っているはずだ。ノブをゴクゴク動かすかパドルを指先で引くかはあまり重要ではないと思うのだ。

DSG搭載車などちょい乗り試乗しかしたことないのに、大上段からの文章ばかりで恐縮だが、MiTo1.4T SportはMTで乗ると楽しくなるようにチューニングされており(未成熟だったけどさ)、筆者はMTを操作して運転するMiToが大好きだ、という事実がこのブログにはあるに過ぎない。誤解無きよう改めて書くが、シフトワークを行う道具としてのATかMTかという優越を論じたい訳では無い。「そっちの方が楽しいならそっちでいい」でいいんじゃないか。冒頭に引用したニュースのように運転を楽しむならMTみたいなことをマスメディアが言ったり書いたりするのはやめてもらいたい。

試乗したのはこれ。GOLF Variant1.4。
Scirocco1.4TSIの試乗させてくれと言ったら
試乗車が無いけど同じエンジンだから、と
薦めてきたDUO定禅寺の営業さんの根性はすごい。
根性はすごいが営業としてはどうかと思う
シトロエン盛岡 佐々木
| クルマにまつわる四方山話 | 23:04 | comments(4) |
先日ふとこのブログに辿り着いた「検索キーワード」の一覧を見ていて面白いキーワードを見つけた。


「シトロエン盛岡 佐々木」って!佐々木さんすごい人気だなぁ。以前も書いたけど、盛岡の人は幸せだ。なぜならシトロエン盛岡に佐々木さんがいるからだ。楽しみに楽しみにようやくシトロエンの何かを購入したとして、その後のカーライフがただクルマと自分だけの関係ではなく、ディーラーの担当者との良い関係もいっしょに付いてくるというのは、実はラッキーなことだしカーライフをより楽しくしてくれる。

Sマネージャー、K店長、A工場長ほかのイデアルのスタッフのみなさんとの関係も、筆者のクルマ人生をどれだけにぎやかに楽しくしてくれているかわからない。このブログを通したみなさんとのことも同様だ。感謝である。
友人の父上がMINIじゃないクルマを買うらしい
| ココロ惹かれるクルマ | 23:47 | comments(6) |
前回のエントリーからかなり時間が経過してしまったが、例の友人の父上がMINIを買うらしいという話。実はこれまでも友人からはMINIじゃなくて他のはどうなんだ的なメールがぽつりぽつりと届いていたのだ。

結局父上はMINIはあきらめて、なんと7月発売のGOLF7を狙っているらしい。


孫にも恵まれてお年を召したご夫婦が仲むつまじくGOLFに乗る…。ほほ笑ましい話だが、ヘンタイ1年生の筆者などは不謹慎にも「つまらん!」と思ってしまう。いや、まったくめでたい話なのだが。GOLFにせよPOLOにせよ、あんな完璧なクルマに乗っても筆者は楽しめない。どこかに歪な部分を持っていてほしい。それこそが愛を注ぐ対象になり得るのだと思う。

この「友人の父上がシリーズ」には有益なコメントがいくつか寄せられている。まぁこういうブログへのコメントなので(笑)、最初からPOLOもGOLFも存在しないかのようなアドバイスではあるが、それも輸入車ユーザーを取り巻くひとつの側面ではある。筆者も友人への返信に

・プジョー 208
・フィアット 500TwinAir
・シトロエン C3

と薦めてもみた。しかしだ。

正直なところを言うと、国産車と比べて維持費がどうとか壊れやすいのがどうとかを気にする「輸入車初心者」に対して、シングルクラッチセミAT搭載車は厳しいと言わざるを得ない。輸入車優等生的な選択を嫌悪する私ですらそう思ってしまうのだ。言わんや輸入車初心者をや。私の別の友人の父上も、デュアロジックに最後まで馴染めずグランデプントを手放したという実話がある。筆者の老母を見ていても思うが、老齢になると変化に対応するのが億劫になるらしい。

そういう意味でPOLOにせよGOLFにせよ、友人の父上は今回の問題に対する回答の正道を行っていると言わざるを得ない。ゲルマン系の異文化に触れられるという意味では、首元までどっぷりと輸入車を楽しむことに変わりは無いのだから、「つまらん!」などとイチャモンを付けるのは偏見家の戯れ言でしかない。だって…

208

500のTwinAir

DS3の4Door版、C3

冒頭のGOLF7と改めてこれら3台を見比べてみると、エクステリアからでも「文化が違う」ことがはっきりわかる(笑)。MINIやGOLF7に魅力を感じる人にこれらを薦めても無意味かもしれない、と今なら思う。
MiTo・しみじみ幸せ
| その他のツーリング・夜活など | 23:22 | comments(2) |
三寒四温をようやく体感できるようになってきた仙台。MiTo OFF#3の余韻からか、朝練を復活させてみた。ここ最近走りに行くのはなぜか南方面が多かった。あちこち新鮮な道が多いということもあるが、やはりこの季節、仙台以北の細かい道路は単純に危険なのだ。思わぬところに残雪、凍結があるため必要以上に緊張を強いられるのである。

しかしようやくそういう心配をしなくてもよくなってきた。朝練と言っても8時くらいだし、もう良かろうということで大和町、大郷町へ。


田んぼの真ん中の道をひたすら自分のペースで走る喜び。人様から見れば「一体何がそんなに…」という行為かもしれないが、本当に、しみじみ幸せである。

ふと立ち寄った須岐神社

境内にはすべり台と鉄棒。昭和チック

試乗記・プジョー 5008
| 試乗レポート | 18:13 | comments(3) |

プジョー 5008に試乗する機会を得た。セッティングしてくださったあおさんと無茶な試乗を許してくれたプジョー仙台に感謝である。先にエントリーしたとおり、この試乗はMiTo OFF#3のフィナーレであって、いつもの試乗とは違う、みんなでわいわい言いながらの少々浮かれた状態での試乗であることを最初にお断りしておく。

当日は錚々たるメンバーの中、筆者が運転を仰せつかったので、運転してみてのあれこれについてまずは書こうと思う。前述のとおりOFF会の流れで行った試乗であり、プジョー仙台の営業さんも含めて大の大人が6人も乗り込んでの試乗であった。にも関わらず5008は闊達な挙動を示した。もちろん初期の加速は「よっこいしょ」という印象ではあるが、それもステアリングを握りアクセルペダルを踏み込むからこそ感じるもので、恐らく助手席、後部座席の乗員は「もっさり感」をあまり感じずに済んでいると思われる。

1.6Lのガソリンエンジンと最近徐々にAL4を駆逐し始めた6ATの組み合わせ。この6ATが絶妙な仕事をしている印象で、小刻みに変速を繰り返しながらエンジンの活発な部分だけを提供するようにがんばっている。立ち上がりのアクセルレスポンスは確かに緩慢な印象があるものの、慣れてしまえば気にならないレベルだと思う。それにそんなにリニアな加速を望むなら初めから5008など選ぶべきではないという話だし、大人が6人も乗っていたのだ。むしろ立派だと思う。そういう苛烈な乗車条件でもブレーキは過不足無い自然な制止ができるし、市街地を90度に曲がるレベルではコーナリングマナーも意外なほどロールせずやり過ごしてしまう。もっともコーナリングマナーについては大人6人乗車がプラスに働いている可能性もあるが、硬すぎず柔らかすぎず「おお!ネコ足!」と後席の誰かが思わずつぶやいてしまうしなやかさである。


さて居心地はどうなのかということも書いておく。まずコクピットは3008を引き継ぐもので、切り立ったセンターコンソールのクルマが増えている昨今、○008系の緩やかなスロープで運転手を取り囲むデザインは新鮮だ。残念ながら(という表現が正しいかどうかわからないが)3008のインテリアで一番のキモだったトグル風スイッチ類は5008には無い。スイッチ類はごく一般的なデザインと配置である。

これは3008のスイッチ群。
シビレル

例によってシートの座り心地は素晴らしい。208ほどビタッとホールドするタイプではもちろん無く、背面などは薄さを感じてしまうのも事実だが、長距離も疲れなさそうな、ほど良い硬さである。ちなみにシートの動作はノンパワーアシストでシート生地はファブリックである。筆者としてはこの2点も加点要素だが、人によってはレザーシートを選べないことを残念に思うかもしれない。繰り返すが座り心地は素晴らしい。

7シーターが売りなので、セカンドシート、サードシートについても触れた方が良いだろう。セカンドシートは前後の調整代もそれなりにあり、3座独立なのでこの手のSUV、ミニバン系の中では素晴らしい座り心地だ。残念ながらサードシートは少なくとも大人は無理。セカンドシート下に足を潜らせることができないため完全に体育座りである。またセカンド、サードともリクライニングやスライドの操作が独特で、慣れないと少々苦労しそうだ。特にサードシートはスライド、リクライニングともできずほぼ固定で、ヘッドクリアランスも170cmの筆者の場合でゼロだった(つまり天井に頭が付いてしまう)。本気で6人目以降も快適に座るならメルセデスのVクラスとかクライスラーのTown & Countryくらいまで行かないとダメだということがわかった。

はい、V-Class

はい、Town & Country

307SWに7年乗っていた筆者として感慨深かったのは、セカンド、サードシートの5座全てが取り外すことなくフルフラットになることだ。収納したシートのでこぼこを隠すためのギミックは少々ぎこちないのだが(笑)、本気で畳が運べる程のスペースが生まれる。また助手席も畳むことができるので、1800mmを超える長尺物も積める。307SWは運転席、助手席以外のシートが全て外すことが出来、それはそれで快適だったが、外したシートは重いし、どこに片づけるかという別種の問題も発生したものだ。

よいしょ、よいしょ

おおお!

フルフラットになったキャビンを見たみんなで「泊まれる泊まれる!」と大喜びしたのだが、もちろんそれも楽しいと思うが、5008の本当のうま味は「家族グルマなのに運転しがいがたっぷりある」ことではないだろうか。こんなミニバンクラスの巨体なのにちゃんとプジョーの乗り味になっていることこそ5008の最大の魅力だと思う。

以前助手席に乗せてもらった某国産のミニバンは、硬くて硬くてお尻が悲鳴を上げそうな乗り心地だった。加速も暴力的で、要はゲルマン系乗用車を曲解したような味付けだった。しかし筆者はミニバン的なクルマに求められる乗り心地はそういうものでは無いと考える。5008は同乗する人に安楽な環境を、運転手には必要最低限以上のフィードバックを与え、クルマを操縦する楽しみが十分担保されている。この最後の項目がミニバンでは最初に犠牲になるところだと思うが5008は違う。「フランスのお洒落なミニバン」などという惹き句が完全に虚像であることが消費者に浸透してしまった今、素っ気ない内装やシートのぎこちないフルフラット化などは完全にネガティブ要素であることは筆者ももちろん理解している。しかし運転する人の主権が確保されているという意味で、少なくとも国産車とは全く違う魅力があると言える。しかも安い方(Premium)なら車両本体価格は300万円。プジョーを買う時に値段のことはあまり考えないと思うが、満漢全席みたいな国産ミニバンと秤にかけるユーザーもいるかもしれないので、この価格はそれなりにがんばっていると筆者は思う。

高い方(Cielo)についてる
ヘッドアップディスプレイ。
確かに視認性抜群
+ PROFILE
+ accesses since Dec.2009
+ RECENT COMMENTS
+ 「クルマで行きます」用語集
■プン太郎■
筆者の愛車ABARTH PUNTO EVOのこと。
ブログ本文に「プントエヴォ」と
フルネームで書くと煩わしいので命名。

■R、K■
R=国道(Route **)
K=県道(Kendo **)
のこと

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。

■顧問■
筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

■朝練&夜活■
早朝に走りに行くのが朝練。
夜に走りに行くのが夜活(やかつ)。
夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■EDO■
Eat and Drink Organizationの略。
親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
「同乗者無しでひとり1台」
「うまいものを食べ、飲む」が掟。
+ CATEGORIES
+ LINKS
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2013 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT TRACKBACK
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ OTHERS
このページの先頭へ