クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
MiTo・音響環境改造計画2013第1期のその後
| 車載オーディオを考える | 22:38 | comments(6) |
MiToの第1期音響環境改善計画が完了してから1ヶ月以上が経過した。普通ならとっくにエージングも終わっている時期だが、仙台の気候がそれを許さない。大きな通りは完全にドライ。ところがひとつビル裏の路地に入ると全面アイスバーン。この時期の仙台市内は路面状況が最悪である。郊外に出ても状況はあまり変わらない。日当たりの良い場所と陰になる場所の落差が激しく、ドライ路面の一部だけがブラックアイス状態なんて場所もあるので、もはやこれは地雷と言っても過言ではない。

そんな地雷敷設路面状況のため夜活はおろか日中もふらりと走りに出かける機会が激減。それでも総走行距離はとうとう65,000kmを超えた。同時にそんな走行距離のためタイミングベルトにも気づかう必要がある。結果的に4,000rpm以上は回しません!的なセンシティヴな運転を自らに課す羽目になっている。はっきり言って楽しくない。

それでも劇的に改善されたオーディオ環境のおかげで少しは紛れている。筆者のカーオーディオ主治医クライスラー・ジープ・ダッジ仙台のK店長は、以前自らのオーディオシステムを更新した際、ある日ある時エージング後のスピーカーが素晴らしい音質に変わっていることに気付いて大喜びしたと言うが、残念ながら筆者はまだその瞬間を迎えていない。なのでエージング終了を宣言して良いか今ひとつ自信が持てないのだが、現システムの聴こえ方はわかってきたので、冷静になったレポートをアップしてみたい。

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左右の同軸スピーカー1組だけで全てを鳴らし切る!というコンセプトは、やはり間違っていなかったと今も思う。「定位感」という言葉が一般に通じるものかどうかわからないが、音楽(音像)の中で左右上下のどの位置にどの楽器が存在するのかがよくわかる。ある意味自宅のモニタースピーカーよりもこの点はあからさまだと言える。

しかし1ペアだからこそ、耳への聴こえ方はやや神経質なところがあるとも言える。運転中のドライバーの頭は上下左右前後に動かさざるを得ない。周囲の状況を常に確認しなければならないからだ。しかしそういう動きは当然耳とスピーカーの距離を小刻みに変えるため、結果「聴こえ方が刻々と変化する」ことになる。

またハンドルをキープする右腕も実は右ドアスピーカーと耳との線上にいることになる。10時10分、あるいは9時15分の位置でハンドルを握っている時と、8時20分で握っている時とでは聴こえ方が異なる。具体的には腕が下がっている方=8時20分の位置が、より高音域が耳にきちんと届くので、音像の輪郭がよりはっきりする。ツイーターをインパネ上部に設置する考えは、こういう変化を嫌ってのことなのだろう。それはそれで納得できる考え方ではある。

しかしフロント1ペアだけの定位感は捨てがたい。またFocalのみっしり詰まった中音域、余裕の低音域は実にゴキゲンだ。例え聴こえ方が神経質でも、当分はこのシステムで行くと思う。
MiTo・フレーム紆余曲折
| パーツ/グッズ | 21:51 | comments(6) |
MiToのセンターコンソール、ナビのメインユニット周囲のフレームの件。Sマネージャーにパーツで取り寄せたい旨伝えていたのだが、本日連絡があった。電話に出るなり「悪いお知らせです…」と。

本件、まだ結論が出ていないのだが、SマネージャーによるとFGAJではパーツ販売はしていないらしい。あくまでディーラーオプションに付随するパーツであって非売品的な扱いのようだ。極端な話もう一度ナビユニットを購入すればそれに付いてくるということだろうが、できるか!んなこと。まずは取り寄せられるかSマネージャーに念のため確認してもらうことにした。

もし取り寄せできなかったらどうするか。まぁそれを考えるのも楽しいのだが。
雪でも愉快な駐車場
| 愉快な駐車場 | 10:12 | comments(2) |
日本海側を中心に北日本では大々的に雪が降り続いている。仙台も例に漏れずもう30cmほどは積もったろうか。毎日少しずつ雪が積もり昼間少し溶けて夜に凍結する、の繰り返し。同志諸兄におかれては事故の無いようにお祈りする。

筆者が毎日昼間駐車しているコインパーキングでまた愉快な光景が。


手前からアウディ A3、アルファロメオ 147、筆者のMiTo。A3もきっと良いクルマなんだろうけど。見た目や触った時の品質感覚など147やMiToよりも良いんだろうけど。
MiTo・異文化以前の問題
| AlfaRomeo MiTo | 21:58 | comments(4) |
プジョー 307SW、アルファロメオ MiToとラテン気質なクルマに10年乗っていると、いわゆる国産車では滅多に体験できない故障や不具合に遭遇することがある。あるというより珍しくないと書いた方がしっくりくる。

念のために書いておくが、そう言った細かい不具合なら笑ってやり過ごせるだけの魅力がこれらのクルマにはある。このブログを時折ご覧いただいている方々にわざわざ書く必要は無いと思うが、中には国産車からアルファロメオだのシトロエンだのと言った、このブログでは頻出するブランドのクルマに乗り換えようと考えて、情報収集の真っ最中という方もおられるかもしれない。再度書くが、ラテングルマには細かい不具合など帳消しにしてさらにおつりが来るような、「ただ走っているだけで顔がにやけてしまうような魅力」が間違いなくある。

先に「故障と不具合」と書いた。「故障」は故障であって、メカニックの不動作など具体的に原因と症状がある。これは実はあまり多くない。少なくとも00年代以降のラテングルマはあまり故障しない。頻発、あるいは解決しないのが筆者が「不具合」と書くもので、これは文化的だったり思想的だったり、とにかく日本的文化や日本人的思想とは異なる哲学の下設計・施工されていることによって発生するギャップである。文化、思想的に異なるわけだから、もう良い悪いでは決着できないところがとても興味深い。「は〜、そう考えるんですね・・・」と二の句が継げないのがこの手の不具合発生時の特徴だ。

長文を費やして何を書きたいのかと言うと、オーディオユニット周囲のフレームが外れたのだ(笑)。

カーボン調シールで加工した直後の
在りし日のフレーム

このフレーム、申し訳程度の爪で本当にさっくり簡単に取り付けられているだけのシロモノで、購入当初からチリが合っていないという、国産車ではあり得ない低レベルの取り付け具合だった(もちろんドイツ車でもあり得ない)。これまでもビビリ音防止対策など施してきたがとうとう爪が1本折れてしまい、ちょっとした段差を乗り越えただけでガバッとシフトノブを握る左手の上に落下してくる始末だ。

2011年3月11日の東日本大震災以降、筆者の住む仙台市内の道も程度の差こそあれかなり傷みが激しい。唐突な段差や陥没などがまだ無数にある。やや車高を落としている筆者のMiToだとサスペンションが処理し切れず「底打ち」することなどしょっちゅうである。従って車体はもちろん、内装の細かい部品に至るまで相当のダメージを日々受けていることは容易に想像はできるのだが…。

取りあえずパーツとして発注しましょうかね。
得るものと失うもの
| CITROEN DS3 | 22:17 | comments(2) |
アンダースポイラーやアンダーカウルの取り付けのことを書いたら、もうひとつ思い出したことがある。

以前家人のシトロエン DS3の後部マッドガードの取り付け具合が、あまりにもプラプラで今にも落ちそうだったのが大層気になっていた。


いや、これもう、ある日気付いたら「あれ??無いぞ!!」というレベルではなかろうか。プジョー仙台に整備に持ち込んだ折り※などに「これ、もうちょっとしっかり固定できないスか?」とUさんにおねだりしていたのだが、留めているネジをちょっと調整するくらいでは数日で元に戻ってしまう。

先日最初の車検に出した折りに、やはりUさんに「これ、やっぱり気になるんで、なんとかがっつり固定できないでしょうか」とお願いしたところ、「わっかりました!やってみます」という力強いお返事をいただくと共に本当にがっつり固定されて戻ってきた。

やれ嬉しやと喜ぶ我々夫婦にUさんが淡々と「マッドガードがゆるく固定されていたのは、コンビニのクルマ止めとか縁石とかにひっかかっても、最悪マッドガードが取れることで被害を軽減する意味もあったと思うんです。今回がっちり固定しましたんで、もしそういうところに引っかけたりすると、ヘタするとバンパーごと行っちゃいますんで、ご注意ください」。

マ、マジすか〜!トカゲのしっぽじゃないけど、どうせ被害を受けるならダメージが少ないようにって配慮ですか!でも納得。やっぱりフランスは合理的だなぁ。以来クルマ留めには細心の注意を払うようになってしまったのである。得るものがあると失うものがあるのである。とほほ。

※2013年1月現在、仙台にはシトロエン店舗が存在しないため、プジョー仙台がセールス&サービスポイントとして機能している。メンテナンスはもちろんだが新車・中古車問わず販売もしてくれるし、スタッフの男気によって試乗車も準備されているので、ヘンタイに憧れる人はプジョー仙台に相談してください。ちなみに仙台から一番近いシトロエンディーラーはシトロエン山形なのだが、シトロエン盛岡の担当者佐々木さんがめっちゃ良い人なので筆者はどうしてもという場合は盛岡に行くことにしている。
床下にまつわるいくつかのこと
| AlfaRomeo MiTo | 23:55 | comments(8) |
いつも欲望の赴くままにMiToを改造しつづける、当ブログコメント欄常連のじゃるさんが(また)危機に陥ったらしい。以下コメントから抜粋。

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ついにフロントのアンダーカウル脱落(笑)!、大きく口を開いてエンジン下から丸見えになってました!

原因はカウル固定ネジがなんか全部外れてただけでしたので、万一の予備にホーマックで同じネジを揃えていたので、PAでジャッキアップして下に潜って固定し直しました。もちろん、また外れても困るのでロックタイトもしときました。

中略

前方下部からトンデモナイプラの擦り音と風切り音がしました!幸い路面が雪だったのと、PAまで1キロ手前だったので、特にカウルにダメージはありませんでした。ちょっとササくれてただけで。

カウルは先っぽがベロになってて、フロントバンパーに引っ掛けて下からネジで止めるタイプで、引っ掛けただけでトリノからネジ固定忘れて出荷されたか、轍の間の氷雪と風圧に耐えきれなくなったのか…。

擦り音がした瞬間、ダウンフォースを以外と感じました(笑)(一部改行を編集)
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これ、高速道路での出来事である。怖い。「ちょっとささくれただけ」とか「トリノからネジ固定忘れて出荷されたのか」とか突っ込みどころが過積載という感じだが、一番感心したのが予備のネジをワンセット持っていたというじゃるさんの心構えである。じゃるさんのMiToのトランクはまるでドラえもんの4次元ポケットで、あれもこれもとなんでも出てくるのである。OFF会では驚いてばかりだ。

筆者もエンジン下部には少々思い出があって、以前このカウルの前に付いているアンダースポイラーを誤って中途半端に剥がしてしまったことがある。この時も自走のため「とりあえず固定」するのに筆者は苦労したものだ。すぐにSマネージャーに相談して部品を取り寄せてもらったのは良いが、今まさにぶらーんとぶら下がってるヤツをどうするか。Sマネージャー曰く「届くまで今付いているのは外しちゃいましょう」。その時は部品代もわからなかったので、「これって外しちゃっても特に影響ないんでしょ?」と聞いてみた。そうしたら「いやいやいやいや、付けましょう。でないとカウル直撃ですから」と言下に否定されたものだ。

落ちてます

取りました

最近の仙台は日陰には根雪が残っており、仙台市の中でも北部に位置する筆者の住まいの周辺はまだまだ一面真っ白である。轍が深くなってくるとしょっちゅうこのアンダースポイラーがザリザリと雪を削る。いやぁ、あの時付け直して良かったわぁ。幸いアンダースポイラーそのものは非常に安価な部品だった。付け直したアンダースポイラーは先に付いていたのと同じくタッカーで固定したのだが、二日くらいですぐにまた落ちてしまった(笑)。一体出荷時はどういう部品を使っていたんじゃ!結局メカニックさんやK店長と相談して、ボルト留めにしてもらったのである。以来絶好調だが、アンダーカウルとは盲点だった。MiToオーナー諸氏はご注意いただきたい。

※じゃるさんはビルシュタインの車高調キットを取り付けて、極限まで車高を下げているのである意味仕方ないのかもしれないが、じゃるさんのMiToはどうにもこうにもカッコいいので、ぜひ低いままで乗っていただきたい。
STOLZブレーキパッド・No News is Good News
| パーツ/グッズ | 17:41 | comments(6) |
家人のシトロエンに後付けしたブレーキパッドSTOLZ F948。その後のレポートである。

以前に装着直後レポートをアップしたあたりから「鳴き」が始まった(笑)。ほぼ冷間時のみだが「ひぃ〜」とも「きぃ〜」とも言えない高音域の鳴きである。純正パッドにありがちな「ごほぉ〜」というホワイトノイズ系の鳴きと比べると、全然気にならないレベルだと思う。それに冷間時だけだし。

効き具合に関しての感想に大きな変化は無いが、本日の仙台のように道路一面圧雪状態だったりすると踏み始めの踏力の調整がややシビアである。道路上の雪がシャーベット状だとガクッと効き、圧雪だと滑る。法定制限速度以下で走っているような状態だから大事には至らないが、雪道の運転が一割り増しで神経質にならざるを得ない。

金のことばかり書くのもアレだが、上記のようなことがあってもフロントペアで12,600円である。良しとしなければ。まだダストや耐久性のことはレポートできるほどではない。思ったよりダストが多かったら再度リポートするかも。今後このブログでSTOLZの話題が出なければ「お、ダストの減ったのか」と思っていただきたい。No News is Good Newsである。
爆弾低気圧が去って
| 愉快な駐車場 | 10:16 | comments(6) |
毎年1月14日、仙台の主な神社では「どんと祭」というお祭りが開かれる。年始のお飾りなどを神火にくべて1年の無事を祈るのだが、自分としてはむしろ出店で少ない小遣い使いまくりや親公認の夜更かし夜遊びという点でのみ記憶されている。さすがに大人になってしまったので出店のジャンキーな味や夜遊びには興味が失せてしまったが、そんなことはどうでも良くて、仙台で1月14日というとなぜか天候が荒れるのである。ここ数年は特にその傾向が著しい。2013年は結局日本全体の太平洋側が大雪になってしまった。筆者は市街地のコインパーキングにMiToを1日中停めっぱなしにして、パーキングで遭難しかかった。

必死で雪を降ろしたら
もはや前進できないレベルに…

それでも何とか帰宅したら、1日自宅待機だった家人のシトロエン DS3がこんなことに。



アンテナに樹氷が!

そしてまだ雪降ろしをしていない(笑)。
MiTo音響環境改善計画2013第1期完了報告#4・第2期計画発動
| 車載オーディオを考える | 20:33 | comments(13) |
「MiTo音響環境改善計画2013第1期」が大勝利を納め、その恩恵に毎日浴している。古いジャズから00年代の打ち込み系音楽まで、文字通り浴びるように音楽を鳴らし、聴いている。冬の仙台なので凍結路なども多く、おいそれと遠乗りできないのが残念で仕方ない(タイミングベルト交換時期を伺っていて距離を稼ぎたくないというさもしい理由もあるのだが・笑)。

しかしクルマのチューニングに終わりは無い。今回も毎日にやけっぱなしになりつつも、次に手を入れるなら…というポイントを見つけてしまう。自身の忘備録として書いてみる。

○サブウーファー、欲しいよね
#2でも書いたが、男性ボーカルがメインに活躍する音域が低音域にマスキングされる瞬間がある。やっぱりある程度低音域はドン!と欲しいので、現状では180Hzを若干カットすることでそれを避けているのだが、ミッドレンジスピーカーだけで中音域〜低音域をフォローするのはある程度限界があることが早々に実感できた。K店長は計画立案の段階から「できれば別体のサブウーファーを導入したい」と再三筆者に薦めてくれていた。ミッドレンジスピーカーを中音域に専念させた方がより立体感のある音になると思う、と予言していたのである。さすが「地獄を見てきた男」である。楽器の積み下ろしがある筆者のMiToでは実現しないプランなのかもしれない。

○アンプレスメインユニット+大容量アンプの方がベター
#3に於て、今回取り付けたFocal 165CVXを「キャパシティの大きなスピーカー」と褒め称えているが、それは同時にドライブにパワーがいるということでもある。実はエージング中の現在、毎朝30分程度はミッドレンジスピーカーが鳴ってくれないのだ!ひたすらツイーターだけがシャカシャカ言っている状態なのである。冬の仙台ということもあり、スピーカー交換以来毎朝気温は氷点下3〜4度になっていて(MiToの室外温度計に拠る)、それも影響しているのかもしれないが。だって気温が上がってくるとちゃんと鳴るのだ(大笑)。交換翌日の朝シャカシャカ言っている状態に驚愕し、あれこれメインユニットをいじってみるも改善せず、あきらめてラウドネスをONにしたまま運転し続けた。すると突然「ビ、ビビッ、バッ!ババッ!!」とスピーカーが割れるような音が混じったかと思ったら突然低音がドーンと鳴った瞬間には爆笑してしまった。

メインユニットcarrozzeria AVIC-HRZ088のボリュームは20より上である。20でやや大きめ、26くらいまで上げると軽自動車のヒップホップお兄さんくらいの音量だろう。純正スピーカー時代、ボリュームがこんな数字になったことは無い。つまりそれくらい大パワーでドライブしてやらないと165CVXはユニットが動いてくれないのだ。アンプ内蔵メインユニットには荷が重いのだろう。と言うことでアンプレスで良いから信号ロスの少ない高級なメインユニットと別体パワーアンプを導入するのが吉と言えよう。

以上、ゴキゲンなカーオーディオライフ序曲の詳細であった。同軸スピーカーが果たして今回の目的に合致しているのかどうか、K店長も筆者も確信が持てないまま突入したが、ひとつの改造例として読者諸兄の参考になればこの上ない幸いである。3月のOFF会(3月10日を想定している)にご参加いただければ、いくらでも試聴していただきたいと思っている。

もうひとつだけ書き加えておく。作業終了の報を受けMiToを引き取りにイデアルに赴いたところ、預ける時にはドロドロだった筆者のMiToが宝石のように輝きながら登場した。K店長が「汚かったんで洗っておきました」とおっしゃる。だがその「洗っておきました」具合が半端ないのである。内装のプラスチック部分まで磨き上げてくださっていて、はっきり言って3年前の納車の時だってこんなじゃなかった。いまや筆者のMiToのインパネ周りはレクサスもかくやの輝きである。あおさんが先のエントリーにK店長が本来多忙である旨コメントをくださっているが(笑)、イデアルさんはK店長やSマネージャーを始めとしたユーザーの無茶に本気で付きあってくれるような親身なスタッフがいることこそ会社の財産ですよと、老婆心ながら申し上げたい。K店長、ありがとうございました。エージングが終わる頃にまた伺います。

本シリーズ終わり
MiTo音響環境改善計画2013第1期完了報告#3・結果
| 車載オーディオを考える | 23:16 | comments(0) |
右フロントドアの純正スピーカーが突然寿命を迎えたことをきっかけに、急きょ着手した「MiTo音響環境改善計画2013第1期」が大勝利と共に完了した。前々回は大勝利宣言、前回はプラン全体について説明したが、今回は設定した達成目標3点

○生楽器がナチュラルに聴こえること
○イコライザー(EQ)やDSPなどで低音域を不必要に強調する必要が無いこと
○音像が立体的であること

について1点ずつ詳述したい。

目標1「生楽器がナチュラルに聴こえること」
生楽器がナチュラルに聴こえるためには、スピーカーの解像度が高い必要があると思う。この問題はスピーカーだけの責任ではなく、実はメインユニットのコンバーターやアンプの能力も大いに関係することではあるが、今回はこの点には触れなかった(単純にスピーカーだけを交換した方がその実力をきちんと測れると思ったので)。しかしこの「単なるスピーカーのリプレイス」だけでこの点が大いに改善されたことを強調したい。自分の好む音楽(の音質傾向)にフィットしたスピーカーに交換するだけで、聴き慣れた曲ですら新鮮に聞こえるという幸せ。

一方致し方ないことだがFocalは音が硬めである。恐らくエージング中であることを差し引いても硬い。弦楽四重奏やクラシックギター独奏などを聴くのには適さないと思う。その代わり音の速度が速い(正確には早く感じるということだろうけど)。疾走感が必要な音楽には相応しい。当然のことながらアメリカンロックを聴くのに最適と言える。聴かないけど(笑)。

目標2「イコライザー(EQ)やDSPなどで低音域を不必要に強調する必要が無いこと」
低音域を不必要に強調しないということは、メインユニットのEQやDSPをスルーすればいいんでしょ?と思われがちだが、そういうことではない。例えば現MiTo(QVのBOSEシステムを除く)オーナーで、日本国内のディーラー純正オプションのcarrozzeriaナビユニットだけでシステムを組んでいる方は、メインユニットのEQもVSC(carrozzeriaブランドのDSP的機能)もラウドネスもOFFにしていただき、左右前後のフェーダーをセンターにしてみていただきたい。要はあらゆる電子加工機能を全部OFF、スルーしていただきたいのだ。するとどのような音源を再生しても、高音域も低音域も全く足りないはずだ。この携帯ラジオでAM放送を聞いているようなショボショボの音をどうにかすべく誰もがEQで低音域と高音域を強調し、場合によってはラウドネスやVSCでさらにドンシャリ傾向の音にしていることだろう。いや、せざるを得ないのだ。だがしかし、この圧倒的な再生能力の不足は純正スピーカーに拠るものだと今なら断言できる。少なくともディーラーオプションとして選択できるパイオニアcarrozzeriaブランドのナビユニットは、ある程度以上の音を出している(純正BOSEシステムの音は残念ながらきちんと試聴したことが無い。きっと良い音なんだろう、最初から。ふん)。

取り外された純正スピーカー


今回の計画の基本骨子は、K店長と筆者で意見を交わしながら(K店長のご意見を拝聴していただけとも言えるが)、基本的には「信号は無加工な方が結局音が良い」と確認したところからスタートした。キャパシティが大きいスピーカーを選択することでそういう「過剰な信号処理」を回避できると考えたのである。「キャパシティが狭いので、あらかじめ盛った信号を流し込んで帳尻を合わせる」のと「キャパシティがでかいから、流し込んだ信号が欠落せずにそのまま鳴る」のは天と地ほども違う。まぁ実際には完調のFocal 165CVXでもEQに頼らずに最適化することは難しいと思うが。

そもそもEQなどの電子機能で音質を変えていくと位相は狂っていく。特に後述する「立体感」を達成したいとなれば、なるべく使わないに越したことはない。スピーカーそのものの音色(=クセ)が自分の好みの音であれば、電子機能に過剰に頼ることなく好みの音像を作れることがわかったのは大きな収穫である。

また自宅内やスタジオなどで使われるスピーカーと、音響的に過酷な環境である自動車車内で使われるカーオーディオ用スピーカーとでは、仕事が異なるんじゃないかと筆者は思う。カーオーディオという分野に於ては、「理想のスピーカー」とか「理論的にはこうあるべき」のようなきれい事だけでは心躍る音響環境にならないと思う。スピーカーで「色が付く」ことを肯定的に考えられるのはリスニング用スピーカー全体に言えると思うが、カーオーディオでも同じだと思う。

目標3「音像が立体的であること」
音像が立体的であるというのは抽象的な話である上に実現が難しい。今回はデッドニングで余計な共鳴を抑え※、音がひたすらスピーカーの前に出て来るように図った。またFocal 165CVXという同軸スピーカーを選択し、思い切ってツイーターもリアスピーカーもキャンセルしたのはタイムアライメントという要素を無くしたかったからである。EQやDSPと同じく、各スピーカーから耳への音の到達時間差は位相変化になって信号を滲ませる。その現象を積極的に活用することで得られる効果もあるにはあるが、タイムアライメントそのものを「活用」まで持っていくノウハウは高度なものである。同軸スピーカーの利点は、中低域と高域にホーンは別れてはいるものの同じ1点から音が放射されることだ。ステレオ1ペアの同軸スピーカーだけで鳴らすというのはシンプルなプランである。ゆえに思ったとおりに鳴らなくても問題点の洗い出しが楽である。

※確認したところ、デッドニングも全ての穴を塞ぎまくってとことんデッドに!的なものではなく、鳴らしながらここは塞ぐ、ここは開けておくと言う風に、チューニングしながら作業していただいたようだ。ドアにスピーカーハウジングの役目を負わせることを考えたデッドニングということらしい。素晴らしい。


音エネルギーをスピーカー周囲に散らさないようにデッドニングし、スピーカーの数を最低限にすることで定位のはっきりしたクリアな音を出すことができた。電子的加工を最低限に絞ったピュアな信号をキャパシティの大きなスピーカーで鳴らすことで、音像を立体的に作ることができた。工夫した取り付けのツイーターが付いている同軸スピーカーを使うことで、音像そのものも耳に近いところに作ることができた。

これですよ。素晴らしい。

実はFocal 165CVXはネット通販で購入すると1ペア2万円しない。現状で筆者はかなり満足している。次回は本シリーズ最終回。高い次元に到達出来たがゆえに見えてきたさらなる改善のヒントについて書いてみたい。
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■プン太郎■
筆者の愛車ABARTH PUNTO EVOのこと。
ブログ本文に「プントエヴォ」と
フルネームで書くと煩わしいので命名。

■R、K■
R=国道(Route **)
K=県道(Kendo **)
のこと

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。

■顧問■
筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

■朝練&夜活■
早朝に走りに行くのが朝練。
夜に走りに行くのが夜活(やかつ)。
夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■EDO■
Eat and Drink Organizationの略。
親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
「同乗者無しでひとり1台」
「うまいものを食べ、飲む」が掟。
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