今回はカーオーディオに関連するリモコンスイッチについて考える。
1990年代に
ソニーがリリースしたカーオーディオ用のジョグシャトルリモコンは画期的だった。自分も使っていたが非常に便利だった。何より運転中に視線移動が無いのでより安全だと思う。ただこのコントローラーは色々な機能を盛り込みすぎてスイッチ類の絶対数が多く、慣れるのに時間はかかった。また後付け前提なので、コントローラー本体は両面テープで固定するしかなかった。そもそも力を入れて操作するものだから、段々固定が怪しくなってくる点が惜しい。
その後自動車メーカーが純正の、つまりクルマ本体の設計に含んだ形でハンドル裏に配置するようになった。こういう方法だと固定が頑丈だという意味でより良い。以前の愛車Peugeot307SWにも存在し、非常に重宝した。後述するある機能がオミットされたことと、スイッチがヤワだったことを除けばほぼパーフェクトに近かった。
ステアリングリモコンはまず高級車から導入されたという印象があるので、MiToにステアリングリモコンが付いていることについて筆者はふたつの感慨を抱いた。MiToみたいなセグメントのクルマにまで浸透したのか、というクルマ社会全体に対する大きな感慨と、「オレもステアリングリモコン付きのクルマを買えた!」という非常にスケールの小さい感慨である。
ところで形状を問わず、カーオーディオのリモコンに必要な機能について、筆者は以下のように考える。
・システムのオン/オフ
・トラックの送り/戻し
・音量の上げ/下げ
・アッテネータのオン/オフ
・ソースの切替
特に「システムのオン/オフ」は重要だと思うのだが、この機能を持ったクルマメーカーの純正リモコンを知らない。筆者はエンジン起動時にその前に聴いていた音楽が無造作に途中から再生されるのが非常に嫌だ。だから停車してエンジンを落とす時オーディオの電源もオフにしたいのだが…。ソニーのジョグシャトルにはこれがあった。307SWのほぼパーフェクトなコラムリモコンにはこの機能だけが無かった。まことに惜しい。
MiToのステアリングリモコンの具合はどうか。MiToには「システムのオン/オフ」が無い。また先日のログでも触れたとおりiPodなどの外部音源については「トラックの送り/戻し」が無効である。もうひとつ細かいことを言うと筆者の搭載している
carrozzeria AVIC-HRZ088の場合「アッテネータのオン/オフ」も厳密には「音声コントロールの待機状態」であり、確かに音楽の音量は下がるがアナウンスが入ってしまい鬱陶しいし、もとの状態に戻るには結局タッチパネル上の「戻る」スイッチにタッチしなければならない。
MiTo日本仕様車の場合、音量コントロールがステアリングの左側に付いているのも本来おかしい。なぜなら右ハンドル車では左手はシフトノブ操作のためにかなりの時間を割かれるのだから。これがA/Tならさして問題化しないと思うが、MiToはM/Tなのだから深刻だ。
部品の共有化の方が重要なことはよくわかる。ましてや日本に於けるMiToのM/Tヴァージョンなど風前の灯火である。最後の一件は舌打ちしてれば済む話だ。