クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
<< カッコ悪いアルファロメオは遅いフェラーリくらいダメだ | main | 中途半端にブレーキ交換 >>
試乗記・プジョー 207GTi
| 試乗レポート | 18:32 | comments(6) |
ブレーキ周りの改造のために入庫したMiToの代車はプジョー 207GTiだった。昨年12月にも一度お借りしたSマネージャーの私物なのだが、何と言うか、いいぜぇ〜。MiToを高校生とすれば207GTiは社会人2年生くらいの違いがある。全体的に成熟している感触があるのだ。それは主に足さばきのマナーに由来する印象だと思われるが、インテリアの作り込みなどもやっぱり数段レベルが上。現状で総走行距離が78,000kmオーバーしているからダンパー類は本来の性能ではないと想像できるが、それでも「成熟」なんて言葉を使いたくなる味だ。


MiToと比較して気が付いた点を列挙していくと

<やや目線が高い>
ヒップポイントがやや高いので、コーナリング時に身体にかかる負荷が違う。もうちょっと低くても良い。207というクルマの出自を考えると仕方ない部分でもあるが。

<エンジンが気持ちイイ>
はっきり言ってターボ付きということに気が付かなかった。今この文章を打ちながらエンジンの感触を思い出してみているが、やっぱりターボの存在を思い出せない。MiToの1.4L+ターボと比べてたった200ccの違いなのに、この余裕はなんなんだ。ま、これはノンターボながらほぼ同じエンジンのシトロエン DS3に時々乗っても思うことでもある。webCGのインプレッション記事によりとオーバーブーストがかかる条件があるらしい。曰く

・エンジンが温まっている(90度以上)
・ギアが3/4/5速のいずれかに入っている
・フルスロットル
・エンジン回転数が1600-4500rpm

だそうで、これらが重なるとブーストするらしい。通常の交通状況ではまず該当しないだろう。今日はワインディングに連れ出してみたのだが、「フルスロットル」という条件だけは満たせなかった。

<シートが素晴しい>
MiToのファブリックシートも大いに気に入っているが、207GTiのバケットシートはさらに素晴しい。ホールド感と居心地が非常に高いレベルで融合されていて、前述のヒップポイントの高さを帳消しにしてくれる。個人的には肩の部分のホールドがあるのがとても嬉しい。無理なくリラックスしているがちゃんと必要な緊張を保てるシートだと思う。MiToのシートもいずれもう少しホールド性の高いものに変えても良いかもな、と思わせるだけの味がある。

面白いことにMiToと車重がほとんど変わらないのに、207GTiは重厚な印象がある。コーナリングだけでなく、直線で加速する時ですらそれを感じる。MiTo比フロントが重いだろうからそれが原因ではないかと思うが、「鼻が重い」ということではなく「安心感につながる重厚さ」と言えば良いか。この重厚さが結果的にMiToよりも成熟しているような印象に結実していると思う。

5M/Tもエンジンの美味しいところをきちんと味わえるように調律されている印象。高速道路を走ればまた印象は違うだろうけれど(前述の記事によれば100km/hで3,000rpm弱だそう。Sマネージャーも以前「6速あると高速が楽なんですけどねぇ」的な発言をされていた)、これまた日常遣いでは5速で充分と思えた。

O.ZのイカすホイールにマランゴーニMythos。
当然17インチ。
Sマネージャーはマランゴーニ先輩でもある

全体的に見て、プジョー 207GTiはプジョーがこれまで培ってきた伝統(と呼ばれる買い手の妄想)と技術でコツコツとチューンナップした素性の良いクルマだと思える。一方MiToはやや邪(よこしま)なものが感じられる。足周りのチューニングをもっと煮詰めてからリリースして欲しかったし、ハク付けのための「d.n.a.」システムなど積まず、初めから「このクルマはこういうキャラ!」と決定打的な、煮詰めきったひとつの乗り味に統一して出して欲しかった。まぁぶっちゃけQVは言うに及ばず、CompetizioneもSprintも1.4Tに比べれば随分大人な乗り味で、つまりそういう煮詰めをある程度行っているとは思うが…。てかロードテストをユーザーにやらせんな!という話だが(笑)。

スロットルコントローラーやスプリング交換で愛着持てる乗り味にチューニングできたが、78,000kmを超えて走っている207GTiと比較してすら粗い感触を抱いてしまうMiTo1.4T。あくまで個人的な話だが、結局盾のエンブレムと個性的なエクステリア、そして「レースで活躍した過去」に対してお金を払っているのか?と自問してしまうのであった。
おばんです。
一つ忘れてはいけない事は、207GTiの新車価格は、
MiToのクワドリとガチンコという事です(確かに
当時はユーロ高だったけど...)。そう考えると、
MiToのトゥルボ・ベンジーナと比べて出来が良く
なかったら、金返せってと思います。
それと、BMWとの共同開発エンジンがやっぱり素晴
らしいんでしょうね。ただしあのエンジン、初期
ロットは結構トラブルがあったらしく、GTiを購入
する場合は注意が必要との事でした。
 実は、最近207GTが普通の鉄の屋根なら購入して
も良いな、と思っております。シートが本革から
人工皮革に落ちたのは何か微妙です。
| あお | 2011/10/06 10:10 PM |

◇あお様
おお!さすがプジョー乗りの目は違うなぁ(笑)。

確かにQVと価格はほぼ同じ額ですね。そうかぁ、そう考えればGTiは質素かもなぁ。アルファは派手さとか色気とか、そういうムード作りが上手いと思います。QVには何と言うか、質実剛健とは正反対なムードがありますね。

エンジンの初期ロットトラブルは聞いた事がないのです。むしろ今回のGTiといいDS3といい、個人的には非常に好感度の高いエンジンです。え?そいで207GTに「乗り換えちゃう」んですか?じゃなくて増車ですよね??

シートは最近ファブリックの方が好きですが、今回のバケットシートにはほれぼれしました。本革と人工皮革の差は、多分オレにはわかんねぇだろうなぁ(笑)。
| acatsuki-studio | 2011/10/06 10:21 PM |

お邪魔します。

207といえば近所のOLさんが207ccに乗って毎朝キビキビとウチの前を通過して行きます。
通勤時は屋根は閉じてるみたいで、開いている所はまだ見た事がないですが、オシャレでいいですね。

ちょっとこの場をおかりしてお聞きしたい事があるのですが、実はウチのMiToが最近まっすぐ走らず、気になってます。そこで以前acatsuki-studio様のMiToも同じ症状についてのエントリーありましたよね?
ディーラーさんでのアライメントの調整等の費用ってどのくらい掛かったのかお聞かせ願えませんか?
参考にしたいので、よろしくお願い致しますm(_ _)m
| じゃる | 2011/10/06 11:52 PM |

◇じゃる様
CCに乗って颯爽と出勤するOLさんってそもそもプジョーが時々広報イメージとして使う手ですよね!ライヴで見られるなんて貴重ですね(笑)。

さてアライメントの件ですが、あれはマランゴーニに履き替えた時に発生したトラブルなので、事後サポート的な感じで費用は発生していないんです。お役に立てずすみません。
| acatsuki-studio | 2011/10/07 11:16 PM |

最近、207GTiを増車で購入しました。ポルシェカレラ4Sとベンツブルーテックワゴンで満足していたはずなのに、どうしてもMTが欲しくて。結果は大正解!この1ヶ月、プジョーにばっかり乗っています。国産のできの良いMTと違い、エンジンの低速トルクが割と無くて、逆に1足のギア比は高くて発進がしづらいこと、80キロ以下は乗り心地が悪いことなど、癖の強さがたまらなく良いです。プジョーディーラーには、けっこう部品が既に無くて今後のメンテが心配ですが、乗れる限り大切に乗ろうと思っています。
| 千葉のカレラ4S | 2020/03/28 10:51 PM |

◇千葉のカレラ4S様
ようこそようこそ。すごい保有車両なのに「敢えて」207GTiを加えるところに業のようなものを感じてしまいます(笑)。

本来の意味での実用車をGTiみたいな乗り味にチューニングできるあたりにプジョーの凄みを感じますが、やっぱりどうしても歪にならざるを得ないのでしょうね。「エンジンの低速トルクが割と無くて、逆に1足のギア比は高くて発進がしづらい」とか「80キロ以下は乗り心地が悪い」などがその歪さだと思うのですが、チーズと同じで、クセがあるから美味しいみたいなところがありますよね!

私のように歪案件ばかり乗り継いでいるとカレラ4Sみたいな生粋の、しかも理屈の通ったスポーツカーこそが憧れなんですけど、カレラ4Sのオーナーさんが楽しいと思えるとは意外でした。でも207GTi、そして308GTiは本当に懐が深い、良いコンパクトカーだと思います。正規ディーラーさんでは確かにパーツ欠品も出てくる頃合いでしょうけど、市井のガレージさんなら部品取り車両とか保有している可能性もありますよね。207はそれなりの台数が出たはずですし、シトロエン C3やDS3もパーツ共有できるはずですから、しぶとく行けるんじゃないでしょうか。ぜひまたそれぞれの比較インプレッションなど教えてください。
| acatsuki-studio | 2020/03/29 4:05 PM |










トラックバック機能は終了しました。
+ PROFILE
+ accesses since Dec.2009
+ RECENT COMMENTS
+ 「クルマで行きます」用語集
■プン太郎■
筆者の愛車ABARTH PUNTO EVOのこと。
ブログ本文に「プントエヴォ」と
フルネームで書くと煩わしいので命名。

■R、K■
R=国道(Route **)
K=県道(Kendo **)
のこと

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。

■顧問■
筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

■朝練&夜活■
早朝に走りに行くのが朝練。
夜に走りに行くのが夜活(やかつ)。
夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■EDO■
Eat and Drink Organizationの略。
親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
「同乗者無しでひとり1台」
「うまいものを食べ、飲む」が掟。
+ CATEGORIES
+ LINKS
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT TRACKBACK
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ OTHERS
このページの先頭へ