クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
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プントエヴォ・ダウンサイジングという徒花
| ABARTH PUNTO EVO | 08:51 | comments(16) | trackbacks(0) |


筆者は誰が何と言おうとアバルト プントエヴォを愛するものである。わざわざこんなことを書くのは、プントエヴォが全方位的に優れたクルマではないからだ。

こいつは一体何を言っているのかと思われる読者もおられるだろう。敢えて書いておくが、プントエヴォが素晴らしいのは「Bセグメントの中では」という条件付き範囲内での話だ。同セグメントの同門アバルトにすら695ビポストなんてバケモノがいるが、後部座席にそこそこ快適に座ることができ、必要ならばそれなりの量の荷物も運べ、それでいてあの動態性能なのだから文句などあろうはずがない。

「Bセグメント」じゃなければ?そんなもんいくらでも上には上がいる。あくまで2-300万円で買えるクルマの範囲でという注釈付きの話である。

小排気量エンジンの馬力の効かない範囲を、レスポンスに優れた小口径ターボで過給して、加速の鈍さを補完するという「ダウンサイジング過給」というスタイルは「あったまイイ!」とは思うけれど、ナチュラルな大排気量エンジン搭載車と比べれば、それはやはりある意味で歪なメカニズムと言える。乗ったことはないけれど、ターボの付いてないマセラティ グランツーリズモやアストンマーティン ヴァンキッシュに乗れば健やかで胸のすくような加速を味わえるのだろう。ノンターボ+大排気量こそがあるべき姿なのだと思う。
 


ま、そんなこと言っても一生グランツーリズモもヴァンキッシュも買えないのだから、代償行為としてプントエヴォは良い選択だと思う。筆者がこのエントリーで述べたいことは、「ダウンサイジング過給なんてダメよ、やっぱり」ではなく、日本国内で楽しむ限りは「あり」な落とし所ではないかということだ。VWの代表車種やプントエヴォのパッケージである1.2-1.4lクラスのガソリンエンジンを搭載したダウンサイジング過給FWD車両の弱点は以下のふたつだけだと思う。

・ターボラグ
・レブリミット付近で加速がタレる

ターボラグは確実に存在する。ワインディングロードの登りを真剣に走るようなシークエンスではなく、一般道路ならではの、自分以外の車両由来のスピードダウン後の再加速のような場面で実感することが多い。回してからじゃないとラグは感じられず、シフトダウンしようにも回してしまった後ではテクニックがいる。DCTやCVTならその辺は文字通り機械的に恙なくやってくれるのだろうけど、そこは修業中の身、ターボが効くのを待ちつつAペダルを踏みつけるしかない。グランツーリズモやヴァンキッシュに思いを馳せる瞬間ではある。後者はその様子をYouTubeにアップすると手にお縄がかかる領域のことだから、三桁国道や野趣溢れる県道ばかり走る筆者には(幸いにして)無縁である。

プントエヴォのようなクルマは運転そのものを楽しむために買われるクルマだ。そんな純粋なジョイのためのマシンにターボラグもリミット付近で馬力がタレるのも「悪」であるという正論はよくわかる。が、ターボラグはともかく、自分も他者も危険に晒す後者の瑕疵は無視して良いと筆者は思う。

ダウンサイジング過給とはつまり、ハイブリッドという手法を認めたくない欧州自動車メーカーが編み出した時代の徒花である。試乗したことはないが、日産 ノートe-Powerやトヨタ アクアを例に出すまでもなく、日本ではとっくにターボをモーターに置き換えて同等の効果を実現している。動力性能や手法に限って言えば、つまりプントエヴォは時代遅れ、あちらのガラパゴス車種なのだ。

とは言えアクアに乗る気はしない。旋回や制動それぞれにも魅力を感じられなければ乗りたくない。手法的に古くさいプントエヴォだが、1台のクルマとして俯瞰すればまだまだ魅力に溢れているし、古典的だからこそ必要なドライビングテクニックもある。もっと腕を磨け!と運転手を叱咤するクルマが今どれくらいあるだろうか。そして冒頭の1行に戻る。筆者は誰が何と言おうとアバルト プントエヴォを愛するものである。

いやぁ、マジでいいっすよ、プントエヴォ。
左ハンドルオンリーでなければ、本当にMiToよりも
欲しかったです。
個人的にエンジンを高回転域までブン回すよりも、
最大トルクの回転数で運転するタイプなので、小径
タービンで過給するのはアリだなと思っています。

そんな訳で、先代のNAル―テシアRSを試乗した時に、
「これは違う」
と思いました。本当に運転上手い人には堪らないん
でしょうけど...。
| あお | 2018/11/11 6:02 PM |

結局のところ原動機のコンセプトというものは、その地域の燃料価格・税制・排ガス/燃費試験方法などに左右され、その中から技術的に妥協できそうなものが生き残る、そのように思います。
例えば、ガソリン価格が30円/Lなんかになったら、ターボもハイブリッドもEVも無くなるのではないでしょうか。
今後、排ガス/燃費測定方法が大きく変わります。件のダウンサイジングもそうですが、個人的には電動パワステ・CVT・アイドルストップなんかも、時代の徒花に散るような気がします。

エンジン、最後は排気量・・・真理だと思います。
ただ、Bセグには難しいかな・・・
ダウンサイジング過給の登場前夜に存在した、VWの挟角V型のような「体積の小さい大排気量エンジン」は、再注目されてもいいのでは。
でも、ターボラグも味の一つなんですよねぇ・・・
| A.Sud | 2018/11/11 6:21 PM |

◇あお様
ルノーの方向性そのものには大賛成なんですけど、いかんせん、ご縁がなく…。今後の人生で「Bセグメント+元気が良い」というクルマを買う可能性は低いだろうなぁ。407SWを30万円とかいいかもなぁ。307SWを15万円とかいいかもなぁ。

◇A.Sud様
まったくおっしゃるとおりと思います。自動車の技術的な流行って結局政治に左右されるんですよね。CO2やNOxの「排出を減らす努力」をがんばるよりも、「出ちゃったそれらを浄化する技術」をがんばった方がみんな幸せなんじゃないかと思えますね。

ターボラグを味と言う世代もいずれいなくなるでしょうね(笑)。
| acatsuki-studio | 2018/11/11 7:31 PM |

私はそんなに高回転志向ではないですけど、たとえ大排気量でなくとも、NAのフィーリングの方が自然(リニア)で好ましい、とは感じています。208も当初は1.2NAのモデルを考えていたんです。試乗もしましたし、これで十分というかこれがベストではないか、と。お財布にも優しいですし(笑)

個人的には、前車405(1.9NA)くらいの感触が自分のクルマとの関わり方・使い方からすれば、ドンピシャな好ましさでしたね。
| little red sherbet | 2018/11/11 11:09 PM |

◇little red sherbet様
208の1.2/5MTに乗っておられる方を知ってますが、嬉しそうに「非力だ」と言ってました(笑)。Bセグメントくらいでぶんぶん回すと室内騒音が堪え難いので、私はあまり回さなくてもトルクが出るエンジンの方がありがたいです。となるとそれなりの排気量が本来は必要ってことになると思うんです。

ちょうど良い排気量ってのもエンジン以外の要因でいろいろ変わると思いますが、405はうらやましいです。
| acatsuki-studio | 2018/11/11 11:20 PM |

今でもターボラグあるんですね。
最近の車は「どっかん」じゃないと聞いていたので。

四半世紀昔のターボ車にも乗っていますが、ターボラグはありまくりです。でも、ターボが効き出すと、回転数をそれほど上げなくてもすーーっと加速していく感じが堪らんのです。

ダウンサイジングターボと聞くと、930ccの日産マーチとか713ccのダイハツストーリアとか想像してしまうんで、ターボラグの嗜好と併せてもう前時代の人間ですね>自分
| えすぷれそ | 2018/11/11 11:35 PM |

◇えすぷれそ様
「最近」が具体的に何年からこっちなのかも、このブログではけっこう問題ですけどね(笑)。少なくともMiToもプントエヴォも「どっかん」ではないです。「おお!いい調子だぜ!」という感触の時にひっそり効いてます。まぁ注意深く加速すれば誰でもわかりますけどね。んだから「足される」んじゃなくて「それでちょうどよくなる」程度なんです。まさにすーーーーっですね。

>>
ダウンサイジングターボと聞くと、930ccの日産マーチとか713ccのダイハツストーリアとか想像してしまうんで、ターボラグの嗜好と併せてもう前時代の人間ですね>自分

なんちゅーか、ガラケー、iモードを今でも使ってる人みたいな感じですね(笑)。
| acatsuki-studio | 2018/11/12 10:42 PM |

私は鈍感なので、MiTo・500Twinair・Giuliettaのいずれもラグは感じてないです(^^ゞ
Giuliettaはダウンサイジングターボじゃなくてモアパワーのターボ加給だろうけど……。
過給の恩恵で下からトルクが厚くてトルクバンドを外してもそれなりに加速してくれるので、追い越し加速とかはNAより楽ですね。
でも慣れるとNAでトルクバンドを外さないように走るのも楽しいし、”楽”イコール”楽しい”じゃあないですね。

私の好みとしては小型軽量な車体にやや高回転型のNAエンジンの組み合わせですかね。大排気量はそれに伴いどうしても重量が増すんで、排気量やパワーは程々で、出来れば重量1t以下なら理想的。
って書いててコレってNDじゃね?って思いましたが、NDはセッティングが好みじゃない。乗り味なら156V6のほうが全然好みだけど、上記とは矛盾してくる。……あれれ?
| alfa_manbow | 2018/11/13 1:29 AM |

◇alfa_manbow様
ジュリエッタはね、まぁ、補完の意味よりは文字通りモアパワーですよね。

以前manbowさんの代車トヨタ カローラワゴンを運転させていただいた時にはっきりわかりましたけど、「楽」と「楽しい」は別次元の話ですね。むしろ双極と言えるかもしれない…。もっと言うと、あのカローラワゴンが実現しようとしていることは、運転時のストレスからドライバーを隔離することじゃないでしょうか。そのためには路面情報はなるべく少なくしたいし加減速にも旋回にもコツはいらないようにしたいし…を積み重ねていくと、あのように「操作すること自体が苦痛になる車」ができあがる…んだろうなぁ。

>>って書いててコレってNDじゃね?
NAかNBじゃね?とも思います。オレはNCが欲しいです。
| acatsuki-studio | 2018/11/13 1:16 PM |

ああ、NA・NBもありますね。
私だったらNAかなぁ、NCは大きく重くなっちゃったイメージが……
あとリトラクタブル好きだし(笑
| alfa_manbow | 2018/11/13 8:34 PM |

◇alfa_manbow様
これは本で読んだだけの受け売りですが、NDはNA-NCの三代に比べて着座位置が少しだけ後退しているんだそうです。だからこれまでのロードスターのセオリーで旋回挙動を作ろうとすると「ん?ちょっと違う」となるんだそうで。ホイールベースの真ん中にドライバーが座ることもロードスターの美点だったのに、この意味ではNDは退化した、という文章でした。NA-NCは運転したことがないのですが、124スパイダーに試乗した時「ん?思ったより直進安定に振ってるなぁ。ツアラーになりたいのかな」と思ったのです。ロードスターと言えば何はなくとも旋回命!みたいなのだと思ってたので。同乗した営業さんは「とは言えFR車を運転したことがない人が雨の日に乱暴な運転したら、すぐ突き刺さっちゃうと思います」と言ってましたけど。

オレは口では旋回旋回って言ってますが、実際に買って幸せになるのはGT的性格のオープン2シーターなんだと思います。BMW Z4とか。あぁ、イヤだイヤだ…。
| acatsuki-studio | 2018/11/13 10:02 PM |

そこは939 Spiderでしょ。カモンベイベー。
むかーしのNAの記憶をほじくり出すまでもなく、軽量ロードスターと重量級GTとは別物ですね。同じO2Sを名乗っちゃいけない気さえします。どっちも幸せですが、どっちかを選べと言われたら、あぁ困る。サーキットなどの純走り用ロードスターと高速道路含めた日常用GTって2台持ちはアリでしょうか?頼まれてもいないのに、妄想に走っちゃいました。
私もリトラ大好き〜!
| Profumo | 2018/11/13 11:32 PM |

軽量O2Sはロドスタが他車を駆逐しちゃったので、Z4やボクスターの高級路線のGT系か エリーゼや4Cのマゾ&スパルタン路線のどちらかで販売するほかないのでしょうね…

NDロドスタは軽量化によってナックル等のアーム類がアルミ製になってしまったことで旋回挙動が不安定なんだそうです
ちなみにNDのRFはマイチェンで2リッターのエンジンを搭載したことで、86&BRZよりもパワーウェイトレシオが上の車になったのだとか
これ1台で純走り&常用GTの両方がカバーできちゃいますよ!
とか言ってみたりして(笑
| ヴェスペ | 2018/11/14 12:58 AM |

◇Profumo様
おーいえー!acatsuki-studio in da house!と行きたいところですが、横幅広すぎー。<ブレラ あ、間違った、939スパイダー

2シーター2台体制は本当にアホ(尊称)ですね。

◇ヴェスペ様
いやはやまったくおっしゃるとおり。軽量旋回戦闘機、快適GTのどちらでもない第三の選択としてモーガンとかどうですか(笑)。オレはイケるような気がします。高いけど。

ND RFはカッコはいいけどもはやロードスターなのか?という気もします。まぁそういう需要もあるってことなのでしょう。

なんかみなさんの熱いコメントを読んで、プントエヴォで走りの腕を磨くのが一番良い選択肢なのでは?という気がしてきました!!
| acatsuki-studio | 2018/11/14 8:49 PM |

>着座位置が少しだけ後退
>軽量化によってナックル等のアーム類がアルミ製
知りませんでした(^_^;)
繊細なものなのですね。
運動性能的には軽量に越したことはないけど、フィーリングは適度に重いほうが良かったりしますもんね。

>プントエヴォで走りの腕を磨くのが一番良い選択肢なのでは?
大いに楽しまれるのが吉だと思いますが、後輪駆動でも腕を磨ければ理想的ですかね。限界での挙動が真逆になるので、どちらも乗りこなせれば引き出しが増やせるかと。
75とかS.Z.とかいかが?(笑
| alfa_manbow | 2018/11/15 8:50 PM |

◇alfa_manbow様
だからなんで沼の深い方へ誘い込むんですか(笑)!今年の「修業」は2202の18話分鑑賞で済ませました。
| acatsuki-studio | 2018/11/15 9:50 PM |










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