クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
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今さらAL4の話
| クルマにまつわる四方山話 | 21:44 | comments(11) | trackbacks(0) |

どうしてクルマのことを考える時に、わざわざトランスミッションのことにフォーカスしてしまうのだろう。常人には理解できない観点であろうが、クルマヘンタイにとっては非常に重要な案件であることも間違いない。当ブログではイタリア車/フランス車の持つ異文化性を楽しむこともまた、輸入車乗りの醍醐味であると何度も書いてきたが、このエントリーではPSAグループの定番だった4段トルコンAT「AL4」をネタに管を巻いてみたい。

AL4、本当に残念だけれど、日本の交通事情には合っていない。誰にこの話をしても「いやー、昔よりは格段に良くなりましたよ」と言う。実際筆者の体験でも新しい車種の方が感じるストレスは減っている。また「思ったほど酷くない。ぜんぜんOK」的な要旨のブログエントリーも散見できなくはない。実際先述のDS3購入アドバイスでのやり取りの中で、DS3が搭載しているAL4の意外や評価が高いことに驚いた。生粋のヘンタイや廃人の方々だけでなく、クレバーなドライバーも同じく楽しめるのかもしれない。

しかし初期ものと比べて相対的に良いと言うことはできても、絶対値としてはダメなのだ、やっぱり。そこは当ブログとしては譲れない。

どうダメなのか。1〜3段までがあまりに近接している上に、ジェントルなペダル操作に対して燃費対策なのかそっけなくどんどん段数を上げてしまう。AL4搭載車は結局「欧州車ダウンサイジングエンジン祭り」以前のモデルがほとんどだから、それらは実に歯がゆい加速しかしてくれない。かと言って業を煮やしてAペダルを大きく踏み込めばやたらと車間距離が詰まってしまう。加速しきったらしきったで高いギアをキープしてしまうので、何かのはずみで減速し、再び加速を…!という場面では唐突かつ盛大なショックを伴うシフトダウンに見舞われる。

これが大排気量エンジンで低速トルクもりもり!ならギアは4段でも3段でも痛痒を感じないのかもしれないが…。

一応擁護しておくと、それら90年代 - 00年代のフランス車も、60km/hを超えて、つまりギアが4速に入りっぱなしの状態での乗り味は実にシェアでスイートなのだ。ステアリングの重さは適切、4つのタイヤの状態もそれなりに情報があり、特にコーナリングでは適度なロール(むしろその気になる塩梅)を伴って実に鮮やかに曲がる。コーナー脱出時のAペダルの付きもいい。だがこれらの美点はギアチェンジしない領域、つまりAL4の存在を意識しなくてすむ領域で初めて味わえる美点である。



筆者の輸入車初体験車、
プジョー 307SWも
AL4搭載車


ここまでに述べたAL4のダメっぷりと一定速度以上の素晴らしい挙動の混在は、日本国内だから表出するのだろうか。実際筆者は不思議で仕方がない。筆者はフランス国内をAL4搭載車で走ったことはないが、自動車雑誌などで読むかぎりは「のろのろ運転の都市部、高速でかっとばす郊外」らしい。それってざっくり言えば日本と同じ。筆者が暮らす政令指定都市仙台市は、クルマで30分も走れば海や田園地帯。まさに「都市部じゃのろのろ、郊外ではするする流れる」な日常である。交通事情はパリと仙台ではそんなに変わらないと思うのだ。パリっ子は「なんだよこのオートマ、乗ってらんねえよ(日本語訳)」みたいな文句を言わないのだろうか。欧州でも種々のオートマティックトランスミッション搭載車の割合がどんどん増えているとは聞くが、全体的にはまだMT車のシェアが大きいと思う。フランス国内を走るAL4搭載車両など数えるほどしかないとは思うが、ゼロではなかろう。EAT6、EAT8が開発された経緯は単純ではないとは思うが、きっと「ファッキンAL4!(日本語意訳)」と言う声はあったのだと想像する(トヨタ クラウンが8ATを搭載したのはいつのことだったろう…。ようやくPSAが追いついた)。
 


言わずもがな、プジョー 206も…


「あのエンジンの非力さを敢えて隠さないダメ変速っぷりがイイんですよ」なんていうフィアットアバルト仙台のYさんのような廃人(もはやヘンタイの域を超えている)はともかく、AL4に足掛け13年くらい乗っている筆者としては、正直「もうカンベンしてくれ」と思う。よくよく記憶を吟味すると、DS3は新しい分確かに307SW、206、C3よりも制御も加速動作も洗練されて来てはいる。しかし1.2ターボ過給+6EATという現行DS3を経験してしまうと、これはもうまるでお話にならない。
 


代車でよくお世話になった
シトロエン C3も…


本家プジョーもシトロエンもDSオートモビルズからもAL4搭載車がなくなり、増してや8段ATである。隔世の感がある。いや、トルコンATだからオススメしないのではない。昨今ロックアップ領域をどんどん拡大して、反応の速いトルコンステップATが再度脚光を浴びているという話を聞いたが、クルマのキャラクターに合っていて、気持ちよく加速できるなら変速機は何でもいいのだ。問題は如何にドライバーの想定どおりに加速し、止まれるかなのだ。

神経を逆なでする変速に加え内部で鉄粉が溜まって故障も多い。旧いモデルでは熱対策もできていない。繰り返すがこのブログの読者諸姉諸兄にはAL4搭載車はオススメしない。
 


家人の愛車
シトロエン DS3も…


余談。ソースが不確かなので言いふらさないでほしいのだが…。2000年頃、日本市場のAL4へのクレームがあまりにも多いという声を聞き、フランスのプジョー本社からわざわざ開発担当者が日本に来て、307に試乗したことがあるという。その際ほとんどマニュアルモードに入れっぱなしで「問題ないじゃん」と言って帰っていったらしいので、AL4はマニュアルモードが基本らしい…って違うよ!!プジョージャポンの人もちゃんと説明してよ!!

acatsuki様 こんにちは。
以前 DS3購入を検討されていた「くう」さんへのコメントに参加させて頂きました、AL4愛好家のMorikichiです。

AL4について書かれておりましたので、チョットだけコメントを。
ワタクシ自身、そんなに多くの車に乗っていたわけでは無いのですがacatsuki様のおっしゃる程のネガな要素をAL4から感じたことがないのです。
確かに街中では3速から中々シフトアップをしてくれないなあとは思うことはありますが、ドライバーの想定どおりに加速しないとか止まれないと感じたりはしませんよ。(会社の車、レガシーやインプレッサと比べて特段かわりばえしないようにも思えますが)
ただ、確かに何かに↑の車たちとはあきらかに違う乗り味は感じます。(サスペンションとかの問題ではなく)

うまくいえませんが、自分が操縦しているはずなのに「乗せてもらっている」感といったモノでしょうか?
(ハッツ!!これってもしかしてドM体質のヘンタイ?)

纏まらない意見で申し訳ございません。これからも修行させていただきます。
| Morikichi | 2018/08/13 2:56 PM |

◇Morikichi様
いやもうね、こういう反論ありありだと思って書いてたんですけどね(笑)。

私は基本的に根がせっかちなんで、そういう人間的な基本構成ゆえの印象なのかもしれないと思わないわけではありません。

と言いますのも、このエントリーをアップした直後に家人のDS3を2-30kmほど運転したのですが、私がイライラしたのは3速-4速ではなく、1速があまりにも早く2速へシフトアップしてしまう点でした。つまり私はもっと1速で引っ張って、速度を稼いでほしいんですね。そうなるとあの車重(約1.2t)に対して120ps/6,000rpmというスペックそのものが、私の求める性能に及んでいないという、AL4以前の問題の可能性もあるなーなんて。実際スポーツモードに入れれば不満のほとんどは胡散霧消します。

のんびり走る家人がDS3に不満を覚えないのは、クルマの性能に対して鈍感なのではなく、家人の求める仮想性能にフィットしているからかもしれないですね。考えてみればAL4にダメ出しする人はちゃきちゃき走りたがる人ばかりのように思います。

なんだ!AL4は悪くないのか??

いやいや、やはり内部に鉄粉が溜まって最後は壊れる+熱対策不足という2大宿痾はどうにもならないわけで、やはり「今からフランス中古車を買う」という人にはオススメはできないなぁという、結局同じ結論に。

しかし「乗せてもらっている」とはうまいことおっしゃいますなー。AL4云々以前に、DS3を運転すると私が感じる違和感(と言うには少し大げさ)もそれです。日常でMT車に乗っているので、AT車に乗ると大なり小なりそういう感触を持ちます。かと言ってDS3が寡黙でフィードバックが少ないクルマってわけでは決してないので、少なくとも私がそう感じる原因のひとつはAL4なのでしょう。
| acatsuki-studio | 2018/08/14 5:57 AM |

こんにちは。
いつも楽しく拝見しています。

AL4、曲者ですよねぇ…
私も最初は否定派でした。一番気になったのは1速から2速に切り替わる際の下から突き上げるようなショック。買って早々に壊れたかと思いきや、それが仕様のようで(笑)

しかし、しばらく乗っているとシフトチェンジする直前は強めにアクセルを踏むことでその現象を抑える事が出来ると気付きました。
ストレスの原因を突き止め回避する手段が見つかると、「この問題児を躾たぞ!」という感情になり、何故だか愛着まで湧くようになりました(笑)

車を意のままに操る楽しさを求めるのであればMT車を選択するのが近道なのでしょうけれど、コイツはまた違った観点からそれを与えてくれたのだと、勝手に思い込んでいるのであります。


…でも最初から快適に乗れるという事に越したことはないですけどね!(笑)
| TK | 2018/08/14 8:12 PM |

◇TK様
いつもご覧いただきありがとうございます。いやでも、「曲者」じゃなくて「ダメ」ですよ、あれは(笑)!

しかしTKさんのコメントを読むと、これも「スイートスポット」の一種でしょうかね。

>>しばらく乗っているとシフトチェンジする直前は強めにアクセルを踏むことでその現象を抑える事が出来る

これ、今度試してみます。で、TKさんはAL4が好きなんですか?嫌いなんですか(笑)?
| acatsuki-studio | 2018/08/14 11:07 PM |

私自身は、AL4より前のZF製4ATに長く乗っておりました。AL4搭載車にも代車として何度も乗りましたが、正直なところ、まあこんなもんかなという印象で。可もなく不可もなくというか、要するにATでしょな感じで(苦笑) ATになるとクルマに対する感覚が鈍く、というか鷹揚になってくるような。

片や、AL4を絶賛する方も一定数いらしゃるんですよね(故障の観点は別として)。

| little red sherbet | 2018/08/14 11:12 PM |

ぜんぜんエントリーと関係ないのですが、307の頃の写真と最近の写真の画素数の違いにもAL4の話題と同じように、カメラ性能の時代の変遷を感じます。。。
| じゃる@郡山 | 2018/08/15 11:29 AM |

考えてみると、AL4(弟の306)に乗ってみたときは、4速のトルコンであの当時でも1世代古いクルマであるとの先入観があったので、多少の変速ショックや自分のタイミングとのズレは大目に見てたかも(^^ゞ
経験や先入観で評価軸が大分変わりますね(^_^;)
| alfa_manbow | 2018/08/15 10:10 PM |

◇little red sherbet様
DS3に乗るたびに思うんですけど、AL4、変速時間は明らかに自分が運転するプン太郎よりも速いはずなんです。トルコンがスリップしてても。片やマニュアルって忙しく足も手も動かしてるから、時間がかかるのは仕方ないってあきらめられるんですよね。「感覚が鈍く」とか「鷹揚」ってのは私も感じないわけではありませんが、どちらかというと「乗せられてる感覚が強い」ってのがドンピシャじゃないかと思います。もうこれは生き方の問題ではないでしょうか。

◇じゃる様
実際307SWの画像は、あまりの低解像度だったのでぼかし処理みたいなのをしてるはずです。ソニーのコンデジ欲しい。

◇alfa_manbow様
306の頃はAL4も出たばっかりで熟成も進んでいないから、なおさらでしょうねぇ。というか、306とか505とか乗ってみたい。今と乗るとどうなんでしょう。あれらのエクステリアデザインは大好きなんですけど。
| acatsuki-studio | 2018/08/15 11:24 PM |

なるほど「乗せられてる感覚が強い」ですか。確かに運転への能動的な介入度合いが少なくなる感覚ですからねぇ。でも高性能車のATだと、また感覚は違うんですかね?

306は代車として半年近く!? 乗っていましたが、今でも印象に深く残る1台で、とても良かったですよ〜。前期型(N3)だったのでAL4ではなくZFでした。代車を修理に出したのもコレでした(笑: 代車の代車)
| little red sherbet | 2018/08/16 10:57 PM |

306、いいクルマでした。
今所有したら、あの頃よりもっと濃厚におフランスを感じられるかもしれませんね。
| alfa_manbow | 2018/08/16 11:08 PM |

◇little red sherbet様、alfa_manbow様
GOLF7のDCTをマニュアルで乗ったら、けっこう操ってる感ありました(笑)。もう3ペダルにこだわるのはよくないなと思いました。DCT、やっぱり速いですもん、チェンジが。あれはやっぱり凄い。

306、良さそうですよね。今乗るには内装がチープ過ぎて耐えられない気がしますけど。
| acatsuki-studio | 2018/08/16 11:31 PM |










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