クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
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試乗記・ある意味欧州車!マツダ アテンザGG型
| 試乗レポート | 22:31 | comments(3) | trackbacks(0) |
満を持してプン太郎のオーディオを改造することにした。屋島西町大旅行2018を経て、予定から2,000kmも交換時期を逸していたオイル交換とともに。

改造に関してはまた別途エントリーする。このエントリーで書きたいのはプン太郎を預けている期間、イデアルさんがあてがってくれた代車の試乗記である。最近はシトロエン C3(先々代)で安定してたイデアルさんの代車だが、今回はニューフェイス、マツダ アテンザ(GG型=アテンザ初代)である。
 

マツダ アテンザLA-GG3S型(個体の車検証による)
総走行距離約9.3万km
初年度登録 平成15年(2003年)
形式 LA-GG3S
原動機の形式 L3 
排気量 2.26L(ガソリン)
車両総重量1,665kg(前軸重840kg 後軸重550kg 車両重量1,390kg)
全長 467cm
全幅 178cm
全高 144cm

※厳密に「◎◎型」と車種特定をしたいのでプラットフォームの形式から「GG型」と記述するが、本当に正しいのかよくわからない。正しい形式名(表記ルール)をご存知の方がいたら教えていただきたい。

マーケティングよりもエンジニアリングで勝負をかけてくる(と思われている)マツダのことを、「広島のアルファロメオ」と呼ぶらしい。奇しくも今回の代車GG型アテンザを「和製156」と評しているテキストを読んだこともある。GJ型アテンザ(2012年〜)の素晴らしさは、しげさんの個体を運転させていただいて一度しっかり味わっているが、その先代たる「和製156」は以前から気になっていたので、偶然とは言え実に嬉しい配車となった。結論を書くと00年代初頭に発表された国産車の中にこれほど欧州車のような味わいのクルマがあったとは!と驚くことになった。嬉しい驚きである。ただし両手を上げて万歳ではなく、仕上げの迷走とも言うべき瑕疵もはっきりあった。

●素晴らしい運転姿勢作り
まず運転席環境から。ハンドルとシートのセンターは一致しており、Bペダルはほとんど直下だが足掛け代は少し右にあり問題ない。Aペダルは足を自然に延ばした先に待機している。というわけでハンドルとペダルとシートの関係はほぼ満点(A/Bペダルがあと数センチ右にあれば満点)。ファブリックのシートはガチガチに身体をホールドするものではないが、セダンという形態を考えれば必要充分な性能。座面が短かったりヘッドレストが明後日の角度を向いたりもしていない。変にアンコが薄かったりもしない。テレスコピック調整機能を持たないことはマツダの伝統らしいが、やはりこのクルマにも搭載されておらず、ハンドルはチルト調整しかできない。とりあえず筆者のセオリーで座面を最低高に合わせてみた。ずいぶん低く潜る感じで、ドアのショルダーラインが文字通り筆者の肩の高さに来る。残念ながらこのセッティングではハンドルをうまくホールドできない。そこで座面を徐々に高くしていく。さてどこで合わせれば良いのか…と探りながらリフトしていくと、その基準がすぐわかった。メーターパネルの傾斜だ。メーターパネルと正対する角度を得られるまで座面を上げて行くと、ヘッドレスト、ハンドル、メーターパネル視認がきれいに揃うポイントがある。設計者はきちんと意図を持って設えたことがわかる(この体験のおかげで家人のシトロエン DS3を運転する時のポジションも改善することができた)。ポジションを合わせてから頭上のスペースも確認してみたが、スポーツカーライクな外見とは裏腹に室内の屋根の高さはしっかり確保されており、身長171cmの筆者でも頭上にはきちんとスペースがある。

正直驚いた。マツダの運転席環境が秀逸なのは前述のGJアテンザ、アバルト 124スパイダーの試乗で理解していたが、それはSKYACTIV世代だからだと思っていた。この頃のアテンザでもすでにうるわしい運転席環境が実現できていたとは。ボンゴフレンディーの罰ゲームのような運転席と助手席を知る身としては、昨今マツダが喧伝する「人馬一体」を素直に賞賛しかねる気持ち(えー?そんなこと言ってるけど、前は相当酷かったじゃん!的な)を持っていたのだが、2002年にこの運転環境を実現していたとは恐れ入った。明らかに同時期の欧州車RHDモデルの環境を凌駕している。

●運転席からの眺め
センターコンソールの設えはさすがに古く、プラスティック感満載のチープな作り。しかしクライメートコントロール、オーディオ、ハザードなど必要な物理スイッチが過不足なく整理されて並んでいる。質感はともかく操作に迷うことはない。液晶表示も20cm定規のような小さなものがあるだけだ。そこに表示される情報で、なんら運転に困ることはない。これに比べれば昨今蔓延するタッチパネル式のコントローラーなど、むしろ退化していると言いたくなる。
 



ナビは隠すこともできる。
この個体はcarrozzeriaのナビが
インストールされていた



●旋回マナーの不可思議
着座しての環境がここまで良いのに、動かしてみると残念な面がないわけではない。その前にパワーステアリング。このアシスト機構はおそらく油圧だろう。昨今のECU制御パワーステアリングに比べればその抵抗はどっしりと重く非常に好ましい。この動きと抵抗、油圧式というそれだけで加点要素になってしまう昨今のパワステチューニングはホントに酷い。GG型アテンザの場合、ハンドル操作時の抵抗そのものには文句はないが、残念ながら切った量と曲がる量が速度域で相当違う。これは前輪のキャスター角度などの足周りチューニング領域の問題だと思う。微速域ではセルフアライニングトルク(ハンドルが自然に直進に戻ろうとする力)が足りず、運転手がよっこいしょと戻してやらねばならない反面、巡航速度域ではクイックになりすぎ、例えば5-60km/hくらいでコーナリング、舵角で約90度以上あてると、オーバーステアの一歩手前くらいの振るまいをする。もっと上の速度域ではさらに小さい舵角でもその症状が出る。筆者の勘違いを疑って様々な速度域で試してみたが、速ければ速いほど舵角は小さくなり鼻先の挙動は神経質になる。コーナリングの途中で自車位置修正のために微調整する(そういうことがないようにがんばってますけど)ような場面では、わかっていてもおっかない。この豹変ぶりを意識して運転しないと簡単にオーバーステアを招いて危険だ。中立付近の遊びがやや気になるほどはっきりあるのは、高速域での過敏な反応と辻褄を合わせるためではないだろうか。直進時、低速域での挙動が大変好ましいものなのに、この豹変ぶりは残念だ。

●加速マナー作り込みの不手際
Dセグメントのセダンだから、基本的にはぶっ飛ばしてどうこう言うクルマではない。だがこのGG型アテンザ、加速の調律も極端なのだ。今回の代車はトルコンAT(恐らく4速)なのだが、停止状態、あるいは微速域からある程度以上の速さでAペダルを踏み込むと、まるで何かに弾かれたようにグワッと加速するのだ。シグナルグランプリ向けか?と苦笑いするレベルである。Aペダルを踏み込む量ではなく、速度を監視することでコントロールしているようだが、運転手としてはオーバーシュート(過剰な加速)する動作(ペダルを踏み込む速度)を探りながら加速管理することになってしまう。正直そんなところに神経を使いたくない。

●「スポーティーたれ」という呪縛
ステアリング時の挙動といい加速の過剰な演出といい、GG型アテンザは極端な二面性を持っている。微速域から40km/hくらいまでのどっしりとした落ち着いた挙動と、仮面を脱いだかのようなかっ飛び加速とその時のクイック過ぎるハンドリング。

この二面性をどう判断すればよいのか非常に悩む。当時のマツダとしては長年看板商品だったカペラからのフルモデルチェンジだったり、経営再建でフォードのヒモ付きだった環境からようやく脱出できたりで気合いも入っていただろう。「マツダ=スポーティー」というイメージも商品のキャラ立ちに利用できると踏んだはずだ。その結果「安楽に走る快適性と、いざと言う時は必要充分以上に加速できるスポーティネスを両立したセダン」というゴール設定だったと思われる。気持ちはわかる。だがその変化は連続性がない。「段」が付いている。これは興醒めだし危険だ。微速域の安寧と鞭を入れた時の瞬発力はシームレスに繋がっていて初めてニンマリできるのだ。惜しい。

そういう極端な二面性を理解した上で加速動作を作ってやりハンドル操作に集中すれば、なるほど「和製156」という評はうまいこと言うなぁと感じる。筆者の乏しいクルマ経験から印象の似たモデルを敢えて探すと、156よりはプジョー 406ではないかと思う。それも2.0自然吸気エンジンと悪名高いAL4との組み合わせの方。406は微速域はじれったく、ハンドリングも期待するほどシェアではなかった。GG型アテンザはその乗り心地や操縦性において、実に欧州車らしい味わいを持っており、部分的には欧州車の下位グレードを凌駕しているモデルと言える。

●その他
その他に気付いたことをランダムに書く。車体の見切れがやや曖昧だ。鼻先や左前輪が今どこにあるかを把握するには慣れが必要だ。同時に車幅1,780mm以上に左側2輪が外側にあるように感じる。つまり初めて乗ってすぐOKではない。プン太郎比車幅も軸距も長いボディに筆者が慣れていない可能性も高いが、乗り始めてから7日経っても自信が持てないということは、パッケージの煮詰めが足りない疑惑もある。

もうひとつ車内の制音について。おそらくエアロパーツなどが原因と思われる風切り音のボリュームが大きい。ドアミラー付近の風切り音なら音源の特定ができそうなものだが、腰より下から全体的に聞こえてくる。ロードノイズよりもそちらが目立つのだ。幸い癇に障る音域ではない。

●まとめ
改めて思い出せば、次世代機GJ型でもやはり二面性はあると思うが、その間はシームレスになるよう巧みに繋がれていた。もしかしたらマイナーチェンジ後GG型では解決しているのかもしれない。今から中古車で購入するならその辺をよくチェックして、マイナーチェンジ後のモデルをお勧めしたい。

よくよく考えてみると、ここまで書いてきたインプレッションは、プン太郎と比較してしまうからそう思うのかもしれない。プン太郎自慢になってしまうが、プン太郎の微速域と高負荷時のシームレスだが鮮やかな変貌っぷりには改めてホレボレだ。とは言えGG型アテンザ、束の間の代車としては申し分ない。4枚ドアのセダンという、最もオーソドクスな自動車を無邪気に楽しんでいる。

初期型RX-8もこの隠せるナビが付いてましたね
画面が小さくて見づらい上におバカなナビだったので 使わず閉じたままでしたが

マツダは『スカイアクティブ』を謳い文句にしてからは 安定性重視のちょいダルなハンドリングに変わってしまってますが、それ以前のモデルは動かした分だけ過敏に反応するかなりピーキーなハンドリングでしたね

特に2代目デミオはそのピーキーさが面白く結構ゴキゲンなクルマで、ちょっとしたワインディングならRX-8より楽しかったのを覚えています
妹用の車として家にありましたが、女性が普段使いする車としてはステアリングが軽すぎて危険と思ったことも確かです


2代目アテンザからはボディ下面をほぼ覆うぐらいのアンダーカバーが標準装備されてましたが、初代にはそういったモノは用意されていなかったと記憶しています
それと2代目アテンザまではDセグメント車としては比較的軽く作られていたので、その分だけ遮音性も低かったはずです
その軽さからくる乗り心地の悪さを補う&誤魔化すために、マツダ車の足回りは分不相応に良いものが奢られていると聞いたことがあります
| ヴェスペ | 2018/07/07 12:23 AM |

87年10月〜91年6月までの約4年間、マツダ製フォード・テルスターというのに乗っていました。
カペラのOEMですね。
私にとって初ハッチバック、4AT、電制サスペンション、ABS、などなど、今まで乗っていたクルマとはかなり違うタイプのクルマでした。
そしてこのテルスターで、東京から九州長崎、神戸、京都、福島などなど、遠出をする機会が多くって、とっても重宝しました。
ロングクルージングも得意種目でしたけど、対向車とすれ違うのがやっとの峠道をカッ飛ばすのも得意でした。
アクセルペダルの動きとリニアに反応しましたし、ハンドリングも素直、乗り心地もかなり快適、本当に言う事なしのクルマでした。
そんな言う事なしのクルマから、イタリアのランチアに行ったのですから、ほんと変態ですね!
| ガキんちょチンク | 2018/07/07 9:11 PM |

◇ヴェスペ様
取り扱い説明書を見てみたら、カロッツェリアですけど純正扱いのようですね、ナビ。まぁ一度も使ってませんけど。

そう!「ピーキー」!!そう言いたかったんだ。テキスト打ってる時はどうしても思い出せなかったピーキー。で、このGGアテンザは常にピーキーじゃないんです。40km/hくらいまでは(ハンドルにやや遊びが多いものの)リニアに反応してくれるんです。でも70km/hくらいから「ん?」となって、もっと上に行くと「ちょっとヤバくね?これ」というくらい豹変するんです。ワインディングを上がって下りてみましたが、下りはちょっと怖かったです。ブレーキもまぁ常用域の分しか担保されてない感じで。

SKYACTIV世代のデミオを(残念ながら)運転したことがないのですが、ピーキーよりは多少ダルでもまとまってる方が安全面では正解なのではないでしょうか。

あ、あと「軽い」感じはしないですねぇ。2リッターに1.7t弱ですから、重い/軽いは印象に残らなかったです。ただけっこうガスは喰ってると思います。「まさかね…」と思いつつ取説読んでみたら、L3型エンジンはハイオク仕様でしたー!

◇ガキんちょチンク様
あー、なんとなく外観を思い出せる感じ…、テルスター(笑)。そうですか、そんなに優秀でしたか。フォードはやっぱり一度ちゃんと乗ってみたいですねぇ。一度だけ仙台にも、というかイデアルさんの中古車売り場にフォーカスSTが並んだことがあって、おお!と色めき立ったんですけど、速攻で売れたみたいです。

>>そんな言う事なしのクルマから、イタリアのランチアに行ったのですから、ほんと変態ですね!

ま、私が今更何か申し上げるまでもありますまい(笑)。
| acatsuki-studio | 2018/07/07 10:52 PM |










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