我が家の恒例行事、「ゴールデンウィークに福島県喜多方市で朝ラーメンを食べる」を決行。大人はもちろん、高校生ともなれば子どもにもそれなりに予定が入るものだ。針の穴に糸を通すようなスケジューリングの末、プン太郎に4名フル乗車。レッズゴー。
ところが天気はあいにくの雨。実は毎年この恒例行事の日は晴れていたので、当然のように晴れると思っていた。今回唯一残念だったのはこの天気である。当日は朝3時半に自宅を出発。言うまでもないが往路の高速・有料道路は不使用。宮城県は七ケ宿町までおなじみK51で南下し、R113で山形県高畠町へ。ブドウマツタケラインを下って米沢市に入り、R121で喜多方市へ。道のりはシンプルかつ王道のコースである。
セブンイレブン蔵王宮店
大人4名のフル乗車となれば、ダウンサイジングターボ過給エンジンのプン太郎ではもはや加速に大きな期待はできない。しかし得るものもある。リア加重の増加による旋回挙動の安定化である。おかげでプン太郎は家族グルマとしても優秀なことが今回よくわかった。特に宮城県K51を七ヶ宿へ向かう上下左右に揺すられるその道々、それは顕著だった。
宮城県七ヶ宿町から山形県高畠町へ
高畠町「道の駅たかはた」でひと休み。奇跡的に晴れ間が広がってきた。ゴールデンウィーク中だからだろう、道の駅の駐車場には夥しい数のキャンピングカー、トレーラーハウス、改造ワンボックス車両が停車している。ここには何度も来ているが、こんな景色は初めて見る。そしてとても寒い。どうやら気温は3度くらいのようで、この季節、着るものを選ぶのがとても難しい。
道の駅たかはたからは、オーソドクスにR13を南下してもいい。いや、最近は東北中央自動車道の整備が進み、こいつを使うのが一般的だろう。昨年はあれよあれよと有料道路を走ってしまったが、今年は一味違う。ブドウマツタケラインを南下するのである。高畠から米沢までの区間は割と穏やかなカントリーロードだという記憶があったのだが、それは単なる勘違いだった。アップダウンもあればワインディングっぽくなっている箇所もあり、ひとりで走っている時はゴキゲンな道路であるが、フル乗車(しかも爆睡)で走行するにはちと難易度が高いと思った。おまけに先ほどの日差しはどこへやら、激しい雨が再び降ってきた。「どうせ3時半に起きるなら今夜は寝ない」という若さゆえのバカ丸出しの長女・長男はそれでも爆睡していたが(笑)。
米沢市内に入っても雨足は弱まらない。先日の南東北三県踏破ツーリングで走ったコースを、今回は逆行である。すでに朝6時頃で、さすがに走っているクルマが増えてきた。道々の信号も復活し始めている。のんびり走って郊外へ。R121では虹も出た。さすが山沿い、天候が目まぐるしく変わる。
喜多方と米沢を結ぶR121はこれまでに何度も走ってきたが、北上する時と南下する時では距離の感じ方が異なる。北上、すなわち喜多方市内から米沢方面へ走ると、いつまでも山の中を走っている印象があり、米沢を遠く感じる。しかし今回のように南下するとあっという間にトンネル地帯を走り抜け、喜多方郊外へ到達するように感じるのだ。同じ高度へ登って行くのでも、米沢側は急勾配で喜多方側は緩い。恐らくそれが理由だろう。
喜多方・あべ食堂(福島県喜多方市緑町4506)到着6:45。昨年より30分くらい早く出発したのに、到着はほとんど同じ時間だった。どうもブドウマツタケラインが仇になったようだ(笑)。幸い雨は上がっており、傘を差すことなく開店待ちの列に並ぶ。雨がやんだのは嬉しいが、やはり寒い。並んでいる間にもひっきりなしに他県ナンバーのクルマが駐車場に入ってくるので、その列はどんどん長くなる。結局我が家は開店と同時になだれ込む一団には入れず、さらに10分ほど待って通されたのは奥の蔵座敷だった。我が一家は毎年ここで食べることになるなぁ。我が家も他のテーブルにつくお客も無言。誰もが空前絶後の空腹と闘っているのだ(笑)。
そしてラーメンが運ばれてきた。まずスープを一口すする。うまい。身体に電流が走るように全身の感覚が一気に覚醒する感がある。おはよう諸君!今目覚めたよ、オレは!!あとは夢中でラーメンをすするだけだ。
チャーシューメン900円
満腹で退店しても8時前(笑)。本来なら有名な菓子舗太郎庵で名作の数々を買って帰りたいところだが、喜多方市内はまだ眠っているかのように静かである。涙をのんで帰路へ。R459で裏磐梯を目指す。雨足は弱くなり降ったり止んだり。相変わらず喜多方から見上げる磐梯山も美しい。順当に標高を上げ桧原湖へ。南岸を走り首尾よく裏磐梯のホテル・ペンション街へ出ると、レークラインに左折。先日の南東北三県踏破ツーリングで通行止めを喰らったリベンジである。
R459で塩原温泉へ
かつては有料だったレークラインは現在は単なるK70であり、何年も懸案となっていた未踏道路のひとつ。人生初踏破がかない感慨深い。先日は曇天の下で引き返して散々だったが、今回は厚い雨雲の隙間から青空が覗いたり、日光が差し込んでくるタイミングだったこともあるだろう、文字通り三つの湖を見下ろすことができる素晴らしい道路だった。思えばレークラインといい猪苗代湖に抜ける磐梯山ゴールドラインといい、福島県裏磐梯は美麗道路の宝庫である。
レークラインを完走しR115に合流、安達太良山を迂回しつつ土湯峠を駆け降りる。満腹でかなり眠いのだが、MTアレルギーの家人ゆえプン太郎の運転が交替できぬ。それでも吾妻総合運動場近くのジェラート屋「honey bee(福島市荒井字山神下17-14)」に立ち寄ってうまいジェラートを食べれば目も覚めたかもしれない。しかし、9:30だと思っていたhoney beeの開店時間はいつの間にか10:00に変わっており、暗い店内は無人であった…。無念!
もうダメだ!!一刻も早く帰って寝たい!!東北自動車道に福島西ICから乗り、仙台宮城までショートカット。眠気をMINTIAで撃退しつつ10:45に無事帰宅。爆睡したのは言うまでもない…。
約7時間/350km
そもそも喜多方市は見どころの多い歴史ある都市であり、味わい深い飲食店も多い。朝ラーはほんの一面に過ぎないのだ。2014年に喜多方に宿を取り、ニ泊三日で朝ラー家族旅行をした時は本当に楽しかった。ラーメンを食べて帰ってくるだけではもったいなさ過ぎる。「旅行」までハードルを上げずとも日中遊びにくればもっと楽しいのは確実。その時はDS3で来て、家人に運転を交替してもらえるようにしようそうしよう。