クルマで行きます

AlfaRomeo MiToが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のMiTo乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
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試乗記・HONDA S2000 
| 試乗レポート | 22:35 | comments(9) | trackbacks(0) |

HONDA S2000に試乗する機会を得た。完全に数世代前のプロダクツであり、FR、2シーター、オープン、90年代ヴィンテージのS2000を、今から乗ろうという人がどれくらいいるのかわからないが、せっかくの機会なので試乗記として書いてみる。
 


さぁ、乗り込んだぜ!


今回試乗できたのは山形県・高畠町のヘンタイことalfa_manbowさんの個体である。去る2016年8月20日に筆者が演奏者として参加したイベントに、わざわざ足を運んでくれた…というか、タイヤを転がして来てくださった。その事実だけを凡人が聞けば「あーそーですか」だが、会場は花巻市なのである。高畠と花巻…。かなり遠い…。試みにGoogleMapで調べてみると、約250km離れている。駐車場で山形ナンバーのS2000を不審に思ったものの(笑)、alfa_manbowさんがハンバーガー片手に駐車場に現れた時は本当に驚いた。「ここで何してるの?」「いやー、見に来ちゃいました」と飄々とお返事される。えーっ?わざわざオレの演奏を聴きにきてくれたの??歓喜するやら恐縮するやら。筆者は事情あって出演後すぐに帰宅することにしていた。県道三昧コースにお誘いしたら、どうせならS2000、試乗しませんか?と。なかなか試乗記が始まらねーじゃねーか!とお怒りのみなさん、ようやくこれから試乗記です。

この日のことはalfa_manbowさんのブログでもレポートされているので、まずこちらをお読みいただきたい。
花巻でacatsukiさん捕捉(`・ω・´)ゞ



今回の試乗コース。
alfa_manbowさんも楽しんでくださったようでなにより。
県道37号、49号を南下するルートで、
GT的性格のクルマに乗っておられる方は、
ぜひ一度走ってみていただきたい


○まずは座ってみる
試乗は主に岩手県のK37〜K49で実施した。一応大人なので交通量の激少エリアで、節度を以て行う。まず運転環境の話から。MiToとは対照的にタイトな空間で脚を前に投げ出すような姿勢で座ることになる。クラッチの踏み代が浅くて驚く。座ってしまえば納得の姿勢、かつ目線の低さである。その座るシート、無理やり突っ込んだというレカロシートが過不足無く上半身を固定する。ハンドルはMOMOの小径ものに、シフトノブはBlackの蛇ノブに交換されている(かつてのmanbowさんの愛車のMiToに付けていたやつかな?現主力車ジュリエッタはTCTなので余っていたとお見受けする)。MiTo比、何もかもがとにかくタイト。ジュリエッタと交互に乗る関係で、ターンシグナルレバーとワイパーレバーの位置が逆転して付けられている。どうもコラムそのものを天地逆に取り付けたようだが、D.I.Y.精神の極みでなんとなくおかしい(笑)。おかげで特に混乱することもなく、走り出すことができた。

○屋根の開け閉め
動き出す前にS2000ならではの、屋根の話をしなければならない。S2000はさすが90年代の匂いプンプンの設計で、おでこのずいぶん手前でフロントグラスが断ち切られている印象だ。従ってオープンエアー感はたっぷりある。それでいて多いに風を巻き込む…ということもない。幌の収納・設置は電動だが、ロック・アンロックは手動。確実かつ簡易なシステムなので一度説明されれば問題なく操作できる。実際オープンで走行中雨が降ってきたが、筆者でもサクッと幌を固定することができた。ちなみに30km/h以下の速度なら走行中でもルーフの開閉はできるという※(でもロックが手動だから、現実的には停止して行う方が良いと思う)。

 

※追記:2016.08.23.

速度30km/h以下ならルーフ開閉ができる件は、本個体に施された改造によるもの。オリジナルは停車の上サイドブレーキを動作させないと動かない由。オーナーalfa_manbowさんからの情報により追記。

○HONDAのFR車なわけですけど
実は筆者はFR車をそのつもりで運転したことがない。かなり期待していたのだがしかし。S2000、期待していたほどの「FRらしさ」は感じられなかった。アクセルペダルの入力に対して、非常にニュートラルな挙動で応える。もっとも前述のとおり山の中の県道を大人の分別を以て走っているレベルだから、そうそうテールが流れるなんてことが起こるわけもないのだが。オーナーのmanbowさんも「(FF車である)MiToが正常に進化するとS2000の乗り味になるのかな」と。印象としてはそれくらい両車は近しい。あれこれ研ぎ澄まして行くと、FFとかFRを超えたニュートラル具合があるのかもしれない。速度域だけでなく、筆者の腕ではその違いを炙り出せなかっただけでもあろう。これがミドシップだともっとわかりやすかったのかも。


岩手県奥州市厳美町。
この写真の辺り一帯が「骨寺村荘園遺跡」として有名らしい


先月、2016年7月の同所


○偏執的な高剛性
近しい印象を抱かせた理由の一端を担っていると思われるのが、呆れるほどのボディの高剛性である。そう言えば以前雑誌で読んだ記憶がある。オープンのよれよれ具合を排除するために、溶接スポット増しなど相当な補強を施しているのだという。当時HONDAは「クローズドボディ車と変わらぬ剛性」を大々的に謳ったという。なるほど、MiToと比べて遜色ないどころか、S2000の方が硬い印象すらある。試乗はまずオープンの状態で走り出し、途中降雨のため幌を閉じたが、開け閉めによる変化は気取れない。先日何度目かの試乗を果たした顧問のアルファロメオ スパイダー(2代目)など、ねじれて曲がること自体がそのドライビングプレジャーになっていたことを考えると、同じ90年代生まれのオープンカーなのに、S2000は確かに日本じゃないと生まれないクルマだったのかもしれないと思う。とにかく、偏執的とも思える剛性感である。
 


人様のクルマをかっこよく撮影するのは難しい


○走ってみると
まぁそんなわけで、S2000の運転は快適だ。そうそう、シフトノブの動きは極ショートであるが、かつて一度だけ試乗した同じHONDAのCIVIC Type Rのシフトに比べればやや遊びが多いかもしれない。唯一の難点だと思っていたデジタル表示のタコメーターも速度計も、数km走れば気にならなくなる(筆者はクラシックな二眼式のメーターが好きで、S2000のそれを敬遠していた)。メータークラスタの見た目云々が気にならないというよりも、どちらかというと目の前に飛び込んでくる景色と、シフトやペダルやハンドル操作のあれこれに完全に脳みそが支配される。そしてどこにも無理がない。少なくとも今回の試乗ではクルマに負荷をかけた、あるいはクルマから負荷をかけられたという実感がない。コーナーでの挙動は驚くほどMiToに似ていて、まさにオン・ザ・レール。タイヤの能力を見切れていないので無茶はできないが、接地感は上々だ。その接地感を反芻していると、トレッド幅が広いことがイヤでも体感できる。タイヤが接地する4点よりも、明らかにその内側に自分が座っている感覚が得られる。これはコーナーに自信を持って入って行くにはけっこう重要な要素だと思った。この点MiToは右側の前輪と後輪の線上に自分が座っている感覚だ。10万km以上走破した個体で、このすっきり感は凄い。
 


自然吸気の2リッターエンジンは、それだけでもドスの効いた響きで、レッドゾーンは9,000rpmから。さすがにそんなところまで回す機会はなかったが、「このまま回せばさぞや…」というところまでは味わえた。もちろんタコメーターの上下動は活発そのもの。この辺は面目躍如だし、ユーザーも知らず知らずに求めてしまう部分だろう。その楽しみはきちんとある。

○その他
いざ幌を閉めると、意外や風切り音が多い。まぁ開けてナンボなクルマではあるし、そのことをあれこれ言うつもりはない。2シーターではあるが、助手席に乗ったところであまり面白いクルマとも思えない。事実上ひとりで乗るスパルタンなクルマである。ネットで中古車相場を調べてみると、13万km走破して87万円などと書いてある。逆に走行1.2万kmで500万円弱。やはり求める人はまだまだいるようだ。manbowさんは遊びグルマと称されていたが、筆者からすれば、manbowさんの手の入れ具合、「遊び」はD.I.Y.レベルを超えている。そういうスキルのある人なら15万km走った個体でも、まだまだエキスを吸えるだろうと羨ましくなった。alfa_manbowさん、ありがとうございました。



今回の花巻行の参考記録。
約360km
こんばんは(^_^)
大変楽しい演奏と帰り道でした。
天候不良もありGiuliettaにしようかとも迷いましたが、結果的にはS2000で強行して大正解でした。

ホント意外にFRを意識させないですよね。当初はもうちょっと前輪が切り込む感じがあったとも思うんですが、タイヤがマイルドなせいもあるかも?
今回は私もMiToを堪能させていただきましたが、いろいろと違うはずなのに楽しさのベクトルが同じというか、何かが似かよってますよね。何なんだろう?
MiToからGiulietta&S2000と実用と遊びに分裂してしまいましたが、MiToのカブリオレVer.があれば1台で完璧だったかもしれません(笑
| alfa_manbow | 2016/08/23 12:04 AM |

ふふふ、アッチでmanbowさんのブログを読んでいたので、来るぞ来るぞと待っていました。(笑)
ふーむ。
実はホンダのエンジンは4輪では弟が乗っていたCR-Xしか経験ないんですよ。
友達のシビックやアコードを少し動かしたことを除けば。
オートバイはよく知っていますが、やはり軽くよく回るエンジンでした。おまけに回転落ちが速い。まぁ、レッドゾーンはおろか最高出力や最大トルクの発生回転が10,000越えでしたからね〜。

ところで記憶違いかも知れませんが、S660はそのS2000より剛性が高いと聞いたことがあります。
そうならバリ堅ですね。
| hoshinashi | 2016/08/23 7:10 AM |

◇alfa_manbow様
本当にありがとうございました。manbowさんのブログに「久しぶりにMiToに乗ったら、操作動作が軒並み軽くて驚いた」的な意味のことが書かれていましたが、S2000からMiToに乗り換えた時、私も同じように思いました。まぁ操作系全体が軽いので、それでまとまっているとは言えますが。というか、やっぱりMiToの運転姿勢はヘンですね(笑)。翌日の朝まで違和感残りました。S2000は「うわー、ひくー!(低い)」に慣れれば首尾一貫しているのですぐに慣れることができました。

MiToのカブリオレがもし出ていたとしても、あんな剛性はないだろうから、また違うクルマですよ(笑)。

◇hoshinashi様
すでに書かれている個体について書くのは、また別の気を使いますね(笑)。でも楽しかったです。本文中に書いたように、MiToから乗り換えてもそれほど大きな違和感があるわけでもなく、その意味では「違うクルマに乗ったー!」という達成感みたいなものはないですけど、純粋にHONDA車らしさっていうんですかねぇ、大人こどもが真面目にイイクルマを作った感がじんわり感じられて嬉しくなります。一度だけチョイ乗り試乗したCR-Xデルソルも、操作感はS2000とほとんど同じでした。なんか、カチカチしてる(笑)。

S660はRyouさんが絶賛されていたので、とても興味があります。

回転落ちのタコメーターの動きを堪能する余裕はなかったなー(笑)。もったいないことした。27日には、hoshinashiさんは堪能できるかもしれませんよ。
| acatsuki-studio | 2016/08/23 7:59 AM |

ごめんなさい。
ちょっと訂正というか、追加で説明を……
>ちなみに30km/h以下の速度なら走行中でもルーフの開閉はできるという
ですが、オリジナルのS2000はできません(^^;ゞ
しっかり停車してサイドブレーキを引かないと作動しません。
このサイドブレーキってのが思った以上に不便で、幌を購入したコンバーチブル研究所というとこから出てるパーツで低速なら開くようにしてます。
関連の2つのコネクタからエレクトロタップで配線を引っ張りだして謎の小箱を繋ぐだけの簡単な工作です。でも一部配線の切断も必要なのでちょっと度胸が要ります(^_^;)

S660は乗ったことないですが、あまりにマジメなスポーツカーなので敬遠気味です(^_^;)
きっとスゴイ剛性なんだろうなあ……。
でもあそこまで走りに特化されると、花巻までライブ見に行くような使い方には合わないんだろうなあ、などと勝手に思ってます(^^ゞ
| alfa_manbow | 2016/08/23 12:25 PM |

◇alfa_manbow様
お!そうでしたか。早速追記しておきました。ありがとうございます。

S660、乗ったことも触ったこともありませんが、良いクルマなら今回のような用途にもばっちりじゃないかと思いますけど…。
| acatsuki-studio | 2016/08/23 4:56 PM |

>>acatsuki-studioさま
S660、走るだけなら素晴らしいようなのですが、走りに特化しすぎて積載能力とかはアレらしく、遠出にはあまり向かないのではないかと。
私の中では近所のお山専用機の印象ですね。勝手な想像ですけど(^^ゞ
| alfa_manbow | 2016/08/23 7:59 PM |

◇alfa_manbow様
そういえばあおさんがS2000での参戦を知って、「えー!テーブル持ってこられないんじゃ…?」と心配してました(笑)。S660だったら確実に不可能なわけですね。

S660オーナーの90%(くらい)がセカンドカーとして購入らしいんで、積めなくても関係ないんですよ、きっと。Beatの時は若者が無理して買って、「どこにいくのもこれ台です!」みたいな潔さがあったんですけどねぇ。
| acatsuki-studio | 2016/08/23 9:19 PM |

>えー!テーブル
言われてみれば、搭載テストしてなかったなと思い今朝やってみました。
…………載りませんね。
こんな大きかったっけ(^_^;;)
トランクより明らかに大きいので助手席に乗せて行きます。
S660のこと言えないなあ……
うちのS2もセカンドカーなんで、9割のS660オーナーの気持ちはよくわかります(笑
| alfa_manbow | 2016/08/24 7:08 AM |

◇alfa_manbow様
いやー、すみませんが、テーブル、よろしくお願いいたします。
| acatsuki-studio | 2016/08/24 11:34 PM |










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