2018.06.06 Wednesday
プン太郎で行く!南陽市内で大冒険
南東北のクルマヘンタイに熱烈推薦案件・山形県の置賜広域農道。今年最初の走破レポートをお送りする。置賜広域農道は山形県のちょうど真ん中あたり、白鷹町と長井市を結ぶ山際を走る農道である。クルマで行きますオフ会#13でalfa_manbowさんに案内されて初めて走った。適度なアップダウンと少ない直線路という条件に加え、とにかく人気(ひとけ)がない。まさにイタリアやフランスのクルマにぴったりのコースなのだ。当然acatsuki-studioの「とっておきひとりツーリングコース」に認定である。だが農道そのものはそれほど長距離ではなく、「走破後のプラン」も必須である。今回は白鷹町から長井市へ南下し、長井市から南陽市へ市内の細い道で抜けることにした。長井市街地を貫くR113は交通量も信号も多くてカナワン。そして南陽市から山道を通って上山へ抜け、蔵王温泉から西蔵王公園に抜けて帰ってくる。近場とは言えなかなかに盛りだくさんなのだった。そして初めて走る南陽市内の細い生活道路がとてもとても楽しかった。以下ログをGoogleMapで示そう。 朝7:30に自宅を出発。山形市内へは王道コース、すなわちR286で川崎町へ。県境の笹谷峠は山形自動車道でトンネルを使い、山形市内へ至る。R13をまたぎR348へ。このコースはあまりにも走り慣れてしまったので、山形市街地を抜けるこの辺まで来ないとツーリングらしい気分が盛り上がってこない。R348を白鷹町へ西進する。この日天気は快晴。例によって山間の集落や朝日連峰が美しい。ペースは遅いけど(笑)。 白鷹町のファミリーマート白鷹町十王店を目印に右折。K17とK164でどんどん山側に進む。山の木々の緑がどんどん深くなっていく様がよくわかる。K164とK254の交差点をまたぎ、いよいよ置賜広域農道へ。 相変わらず美しく楽しい。そして草や木々の成長の早さに驚く。山の中だけあって、夏に来ると虫だのクマだのがたくさん出るのだが、幸いまだ虫はそれほど多くない。写真を撮ろうとプン太郎を道々停めても快適そのものだ。プン太郎の外気温計は30度くらいを表示しているが、湿度が低いのか快適。 そんな置賜広域農道だが、ヒャッハー!と楽しめるのはせいぜい20-30分くらいだろうか。意外とすぐに長井市郊外に出てしまう。 出発が朝早めだったので、セブン-イレブン長井花作町店に到着してもまだ10:20頃。お茶など購入。次は第二の主題、南陽市内の未踏の県道を行くわけだが、今回はこの区間がえらく楽しかった。生活道路におじゃまして、現地の空気を路面を通じて感じるのが筆者は好きなのだ。 上掲画像地点から進むと、すぐに道路幅はどんどん狭くなる。特に前掲マップ内に表示すらされない極細の路地は、東進すると右手の柵を隔ててすぐにフラワー長井線の線路。残念ながら電車と並走はできなかったが、こういう生活路、わくわくしちゃうね!さらにその先では福祉バスがゆっくり走っている。近在のデイサービスセンターにでも利用者を送迎しているのだろうか。速度はほぼ30-40km/h。道路が細くてとてもじゃないが追い越せない。いつもならイライラするところだがこの日は逆で、のんびり進むのが楽しい。 やがて道路は再び幅を広げ、K3で熊野大社に近づくともうそこは立派に市街地である。銀行で所用を済ませ駐車場に停めたプン太郎のドアを開けようとしたら、その銀行の向かい側は杵屋ではないか!しかも大きく「本店」と書かれている。杵屋は有名なお菓子屋さんだ。筆者は幼少の頃からこの杵屋の「カスタードケーキ」が大好きだった。「杵屋の本店って南陽だったのか…」と感慨に浸るよりも先に身体が勝手に入店。カスタードケーキの在庫を一掃。午後に買おうと思っていた人、すみません。 次の経由地は上山市。K5を北上しK238でR13へ抜ける魂胆。熊野大社を横目で見つつK5に乗る。往路に走ったR348にぶつかるこのK5も実は美麗な県道だ。南下も北上もしたことがあるけれど、本日は途中でK243に右折して上山市内のR13に抜ける。…つもりだったのだが、早々に通行止めの表示が…。半信半疑で標高を上げて行く。毎度のことだが、こういう状況で「でも実は走れましたー!」ということは絶無である。通行止めっつったら通行止めなのだ。そうは思いつつも楽しいワインディングと美しい木々の様子に「とは言え、ワンチャンあんじゃね?」と調子に乗ってしまい、ぐいぐいプン太郎を進めていく。しかし…。 看板の脇に佇む警備員さんに「上山市へ抜けたいんだけど、抜け道ないスか?」と訊いてみた。 警「んー、そっすねー、ここ下って(つまり戻って)左折して南陽から…」 a「今そっちから来たのよ」 警「んじゃあ、ここ下って右折して…」 a「K5を北上してR348で山形?(それ朝走った道だってば…)他にないスか?」 警「んー、どっちかしかないスねー」 ま、ここまで言われたら仕方ない。K5を南陽市内へ戻ることにした。R348で山形へ戻る選択肢はあり得ない。なぜなら上山市から蔵王温泉-西蔵王公園を走らねばならないからだ。実はこのK238じゃなくもう1本R13に抜けるさらにせまい県道未満の道路があったのだが、それは後から調べて気がついた…。このワインディングを引き返す道々、工事車両のダンプトラックと正面衝突しそうになること2回、すれ違いのためにダンプを待たせること2回。大迷惑をかけつつ(すみませんでした)K5へ戻り南陽市街地を経由してR13で上山市内へ。R13、退屈だ…。 ようやく上山市内へ。株式会社でん六の蔵王の森工場が見えてきた。筆者は『でん六豆』ほか(株)でん六のお菓子が大好きである。これ以上のランドマークはない。北上してきたR13から右折してK12、蔵王温泉方面へすぐに左折してK14。前回走った時は夕暮れ時だったが、陽の高い時間に走るとまた別の味わいがある。いい気になって走っていたら、残燃料が心もとないことに気がついた。西蔵王公園を走り抜けてから給油というプランは許されないようだ。道中、これから向かう蔵王温泉街のガススタンドの看板を見つけた。ちょうど良い。無事にプン太郎で滑り込む。 店員さんと「暑いですねー」「山の上なのにねー」などと他愛のない会話を交わすもまた楽し。カード払いの伝票にサインしようとしたら、総額なんと7,000円越え。え?リッターいくら?と訊いたら「レギュラー160円/1l」の表示を指さしながら「あれの10円増しくらいというところで…」。「170円???」「うち、高いんです。すみません」。うっかりいつものクセで「ハイオク満タン」と言ったのはこっちだし、営業しててくれて助かったのは事実だけれど、1回の給油で7,000円越えは久しぶりだなぁ。「高いっすね」「日本は石油作ってないんで、仕方ないっす」。そう言われちゃあ仕方ない(笑)。 西蔵王高原ラインに入ると完全にワインディング。いえーい!燃料を入れるといつも思うのだが、満たしたばかりの燃料の重量はプン太郎の挙動に影響を与えていないのだろうか。その気になって察知しようといつも努力してみるのだがよくわからず。昔のフェラーリなんか燃料重量で重量配分が変わることを嫌って、タンクを左右に振り分けたというけれど…。まぁミッドシップフェラーリほどプン太郎の挙動が神経質でないのは事実である。車両情報をもっと丁寧に検知できる能力が欲しい。そうこうするうちに先日のオフ会会場を通り過ぎる。頃も良し、手打ちそば竜山に突撃ぃ〰! 立地やここまでの交通量を鑑みれば、商売の中心は週末の二日間なのは理解できるが、竜山、3連休とは…。ここまで来ると昼飯省略の案も浮上してくるが、伝家の宝刀「梅そば(山形県山形市東原町3-5-10)」を思い出す。蕎麦というものにまったく興味が持てなかった筆者に、その美味さを教えてくれたのが「梅そば」である。さすがに竜山からはGoogleMap.appにナビを頼んでしまったが、13:00すぎに無事に梅そばへ到着。いやー、久しぶり。「ごめんくださーい」「はーい」「ひとりなんですけど…」「あいすみません、おそば、終ってしまったんです」がげーん。ホントにクチから「がげーん」と発音してしまった(笑)。 梅そばがトドメとなり、筆者は傷心のまま仙台に帰った。あまりの傷心のため笹谷トンネル、R286という朝のコースを逆戻りしてしまったほどだ。 往復270kmがショートかロングかは個人の主観によるが、この日の筆者にはちょうど良い距離だった。快晴の山形路をプン太郎で走れば愉快なのは当然だが、今回は何と言っても南陽市内の生活道路とK238の通行止めが印象深い。初踏破の道路や通行止めからのリカバリー、ワクワクせずにいられない。そこで今回のエントリーのタイトルである。クルマを運転することさえできれば、例えば南陽市内でも充分大冒険できるのだ。置賜広域農道と組み合わせて楽しい冒険要素を探す旅は続く。山形はもっと走りこむ必要がある。 |