クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
フォルクスワーゲン・DSGリコール(外-2900)について思うこと
| クルマにまつわる四方山話 | 07:16 | comments(22) | trackbacks(0) |

フォルクスワーゲングループジャパン株式会社が自動変速機DSGのリコールを届け出た。対象、最大で176,068台。このことから考えたことをランダムに書いてみたい。

国土交通省あて
フォルクスワーゲングループジャパン株式会社 リコール届出書

●1,648件
届け出によると不具合報告件数が1,648件。ここまで事例が多くないとリコールにならないのか…と、少し驚いた。多少のトラブルは「サービスキャンペーン」や「修理費○%、インポーターが負担」のように、インポーターによるグレー対応で終った経験を、筆者は何度か経験した。そのたびに「全国規模で同じトラブルが何件くらいあるのかなぁ」と考えたものだ。

●革新的技術の光と影
人為的なずるっこだったディーゼルゲート事件とは異なり、今回のリコールは純粋に機械設計上の不具合だろう。本件で迷惑を被った方々にはお見舞い申し上げるが、ツインクラッチという新しい技術を勇躍導入したことには敬意を表したい。DSGそのものは枯れた技術の集積と改良したものと言えるが、変速機の新しいスタンダードを生み出したという意味では、重要な発明だったと思うのだ。筆者は友人(の父上)のゴルフ 7でしか経験したことがないが、市街地・郊外を普通のペースで走っている分には隙のないものだった(渋滞が苦手らしいけど未経験)。これを機にしっかりブラッシュアップしてほしい。

●以前からくすぶっているデュアロジックはどうなんだ?
変速機のリコールと聞いて、筆者が真っ先に思い浮かべたのがフィアット・クライスラー・オートモビルズ=FCAのデュアロジックである。同じ機構を導入するブランドごとにその名称は変わるが、シングルクラッチのセミオートマティックトランスミッションである。2018年にあるブログエントリーでこのことを知り、以来気にしてきたというか、心配してきたというか。

ブログ「あなたの知らない方が良かった世界」
2018年4月12日のエントリー
FiatのDUALOGICに構造的な問題?
2018年5月30日のエントリー
FiatのDUALOGICに構造的な問題?その後

その後このブログでは触れられていないが、告発元のカルトが2019年7月になって、ツイッターでFCAのセミオートマティック変速機について、今後一切修理・メインテナンスを行わないこと、質問には答えない旨発信している。

有限会社カルト
カルトのツイッターアカウント

加えてGoogleで少し検索してみれば、以下のような記事も見つかる。

AUTOCAR JAPANの、当の(有)カルトの2015年4月23日のエントリー
スペシャルショップナビ「デュアロジック、ギアの入りがおかしいと感じたら・・・

レッドポイント
工場通信「デュアロジック トラブルの原因はココにありました。

筆者はこれについて判断することができない。インターネット上にこういう情報があった、という事実をお知らせするのみである。当該変速機を搭載した車両に乗っておられる読者がいるので、必要以上に不安をあおるような記事は書きたくないが、日本国内でFCA車両に乗るにはデュアロジック/セレスピード/デュアルファンクション/F1マチックのことを無視できないのが現状だ。ご自身にてご判断願いたい。

新しい発想に基づいた新しい技術を投入するのは、リスクと背中合わせな面があるだろう。そういうチャレンジがなければ、そもそも進歩・発展はない。DSGにしてもデュアロジックにしても、市販車両に投入されたことは素晴らしいことだと思う。ただ不具合があれば、それは速やかに改善してほしい。ことは人命に関わるのだから。

シフトチェンジという動作を考える・その2:MTの効能
| クルマにまつわる四方山話 | 21:36 | comments(8) | trackbacks(0) |

せっかちなシフトチェンジ動作をしてしまい、そもそもシフトノブの正しい握り方とは?と気付いた話を前回に書いた。それはそもそもマニュアルトランスミッション(MT)車両だからこその視点であり、さらに言えばそれは実用車ベースの精度の低いMTを搭載しているクルマに乗っているからこそ気付いた話で、スポーツ走行に特化したMTを搭載しているクルマ(例えば124スパイダーやS2000、シビックタイプR)のオーナー諸氏などは「ちょっと、なに言ってるかわからないんですけど」な案件でもあろう。

上位セグメントのSUVやセダンは言うに及ばず、大排気量のスーパーカーでも何らかのオートマティックトランスミッション(AT)が当たり前になった2019年。高い運動性能を謳うB、Cセグメント車両ですら、MTを搭載しないモデルが出始めた。しかしハイパフォーマンス車両を公道で運転する行為は、操作過程とその結果を味わうものでもあり、効率だけを追い求めることが最適解とは限らない。

もっとも車両のチューニングそのものがATを前提にしている場合、MTへの過剰な拘泥によって「いちばんおいしいところ」を味わい逃すケースもあり得ると思う。991、992型ポルシェ 911のMTはどうやらその類いらしい。VW ゴルフなんか最上位のRモデルですらDCTである。ストイックに走りに特化していることで有名なルノーRSモデルの頂点、メガーヌRSもDCTだけのリリースで数奇者をがっかりさせた(限定バージョンのトロフィーRで6MTを復活させたけど)。

AUTOCAR JAPAN2019年8月15日の記事
ニュル7分40秒 量産FF最速 300ps 新型ルノー・メガーヌRSトロフィーR 初試乗



上記サイトより拝借


日本に住んでいるとMTは風前の灯と映るが、EU圏以外の欧州、特に旧東欧と言われる国々やその他の地域の新興国では、今まさにモータリゼーションが庶民に浸透している最中らしく、現地では割高になるATよりもMTが選ばれるという(身に覚えがありますよね!)。結果として世界規模ではMT車両は増えているのだ。

その現状が先進国メーカーがこぞって入信する新興宗教「自動運転」を改宗させるわけもなく、日本国内の国産車/輸入車を問わず、MT車両の復権に直結なわけでももちろんない。そもそも利益率の低い「ホットハッチ」の変速機を専用設計すること自体が稀であり、ほとんどはサプライヤーから買い上げる汎用品ではないかと想像する。MTを好む人は、乗り換えるたびにその操作感触の変化に一喜一憂されていることと思う。

一喜一憂は仕方ないこととして、心あるドライバーならば自車の操作は正しく行えるようにしたい。プン太郎ののんびりしたトランスミッションを、実用車の使い回しだから…とディスることは容易いが、「それなのに速く走る」と発想を変えれば楽しみにもなる。少なくともアバルト プントエヴォは、MTで走ることを前提に仕立てられているようだ。だとしたらあとはドライバーの腕次第。やってやろうじゃないか、という気持ちになる。

それは自動運転やプリクラッシュセイフティーなどとは真逆の概念であり想念ではある。巷言われるMT=ペダル誤操作抑制策なのではなく、自分の運転する車両への能動的な関わりと責任感を育むことこそが、MTの効能のひとつだと思うのだ。

この項終わり

シフトチェンジという動作を考える・その1:正しい握り方
| クルマにまつわる四方山話 | 22:00 | comments(11) | trackbacks(0) |

最近、最適なシフトノブの握り方について考えている。

と、大上段に構えて書き出した筆者が、「正しい握り方はこれだ!」的なことが書けるわけではない。そもそも考えてみれば、実用車ベースのプントエヴォ、マツダこだわりの内製シフト搭載のNDロードスター、それで公道走るのかよ!のアリエル アトムのドグミッションなどなど、クルマの変速機そのものが千差万別なのだから、正解もへったくれもない。だが筆者は前愛車のアルファロメオ MiToといい、現愛車のアバルト プントエヴォといい、トラベルの大きな、決してスポーティーではない実用車転用トランスミッションの経験者。だからこそ「あ、こうやって握ってちゃダメなんだ」あるいは「こうやって操作しちゃダメなんだ」と気付いたという側面はあると思う。

左様、「あ、今のシフト操作はアカンやつだ」という実体験があったのだ。

どんなアカン操作をしたのかを書く前に、シフトノブの握り方を考察してみたい。筆者の経験と周辺のMTオーナーの様子を観察するに、握り方には3種類あると思う。ひとつは手の甲を上にして、上からシフトノブの頭を押さえつけるように握る方法 もうひとつは横から握る方法◆これは常に横から握っているよりも、身体側に引き寄せるシフト動作の時だけ…というケースが多いだろう。最後は手のひらを上にして、シフトロッドそのものを指の間に挟み、ノブを掬い上げるような形で握る方法。この他にもあるだろうか。

 


‐紊らシフトノブの頭を押さえつけるように握る方法


横から握る方法


手のひらを上にして、
シフトロッドそのものを指の間に挟み、
ノブを掬い上げるような形で握る方法


中古で買ったプン太郎はシフトノブが社外品と交換されており、前側に指の形の溝がある。このシフトノブそのものは純正よりもやや小振りで、握り心地も良く、実は購入時に楽しみにしていたパーツでもある。だがこの前側に付いている指形の溝に中指と薬指を合わせようとすれば、必然的にノブを横から握ることになる。
 


前述のとおりプントエヴォのシフトは実用車ベースだから、シフトロッドは長いしトラベルも大きい。また動作もゆっくり落ちるエンジン回転数とギアがしっくり合うまで、一呼吸置くよう躾けられている。また奇数ギア(上段)から偶数ギア(下段)への変速が特に動かす絶対量が多い。ある日3速から4速へのシフトアップ操作時に、最後の最後、ゲートのドン突きまで押し付ける作業を、指形の溝に合わせた中指と薬指を引いて行ってしまった。当然シフトノブは手のひらから離れる形になる。

この、シフトチェンジの最中に手のひらがシフトノブから離れる瞬間があるのはアカンのではないか。

横から握っているシフトノブを縦方向に引き、4速に入る直前に中指と薬指だけで押し出すように入れてしまう。なぜか?自分でもわからない。あと1-2cm腕を引けば良いだけなのに。ま、せっかちな筆者の性格による人力クイックシフトだとしても、シフトチェンジ動作の最中にノブのホールドが甘くなる、もしくはホールドしてない状態はよろしくない。シフトミスは車両の挙動不審につながるわけだから。

やっちまって以来、ノブの握り方には注意を払うようになった。プン太郎のシフト操作、握り方ひとつとってもまだまだ奥が深い。読者諸姉諸兄におかれても、他山の石としてシフトチェンジ動作再考のきっかけになれば幸いだ。

派生して考えたことがあるので、それは続編としたい。(続く)

跳ねる/跳ねない
| クルマにまつわる四方山話 | 22:49 | comments(6) | trackbacks(0) |

21世紀に入ってから異常気象や大きな地震に見舞われている日本列島だが、過日「緊急地震速報」が発信される規模の地震が仙台市で発生した。

その地震は夜に発生したが、寝入るような時間ではまだなく、筆者は自宅の2階で怠惰な時間を過ごしていた。緊急地震速報が突然鳴り響いた直後、筆者が何をしたかというと、避難経路の障害にならないよう、その時いた部屋のドアを開け、階段を駆け降りて玄関のドアを開けたのだ。幸い何事も無かったから良かったが、はっきり言うとこの行動は間違い。もっと大きな揺れだった場合、階段で足を踏み外して大けがなんてことがあり得る。本当は頭を保護するとか、身体の安全を図るべきだった。あのアラートサインが鳴り響いてから実際に揺れが到達するまでの数秒-数十秒で、最優先で身体を動かすべきことがあるとすれば、火の始末くらいだろう。

ともあれ間違った行動の結果、筆者は揺れている最中に玄関前に駐車している我が家の自動車を、図らずも観察することになった。まず目に付いたのは老母のトヨタ パッソがぶわんぶわんと跳ねていたことだ。「ええ?そんなに揺れるの?」と驚いた。速報は出たものの、階段を下りながら「ん?揺れてる…よな??」という体感レベルだったので、例えば電柱間の電線も派手に揺れてはいなかった。なのにパッソはロデオ馬的な動き(今思い返すとピッチング系ではなくバウンシング的動きだったと思うが)を見せていた。すぐに隣のプン太郎を凝視すると、同じく縦揺れしてはいるが、凝視すればわかる程度だ。この2台を見比べているうちに揺れは収まってしまったので、家人のシトロエン C3の様子はよくわからなかった。
 


当然その時の画像も動画もない


これはなかなか良いものを見たと思った。なんと言ってもプン太郎が動いている様を外から見ることは、オーナーである筆者は滅多にないのだから。普段のプン太郎の挙動を反芻すれば、あの縦揺れにもどっしり動かない様は納得できる。少なくともハーシュネス系処理能力の高さを目で確認した思いだ。同様にパッソのあのロデオチックな動きも、まったく別の意味で納得できる。旋回時のあのロール具合なら、ピッチングだのバウンスだのといった動きも出るだろう。

トヨタはパッソ(2代目の1リッターモデル)の走行能力を「40km/h以上では走らないでね」レベルに設定しているようだが、電子安全装備を声高に訴える前に、全車種を先代ヴィッツ(MC後)くらいにチューニングしてほしい。運転手が自信を持って制御できることこそが、安全運転の起点なのだから。

幸い被害の少ない地震ではあった。偶然とはいえ良い視点を得られた。

決定権はオレにある
| クルマにまつわる四方山話 | 23:54 | comments(11) | trackbacks(0) |

馴染みのガソリンスタンドでちょっと気になることがある。

筆者の愛車アバルト プントエヴォは左ハンドルなので、スタンドのスタッフはいつもちょっと戸惑う。つまり必ず「助手席」側にまずは近寄るのだ。筆者ひとりが乗っている時は当然改めて「運転席」側に来るのだが、助手席に人が乗っているとそのまま助手席のドアを開けてコ・ドライバーに声をかける。そういうケースで助手席に座っているのはほぼ100パーセント家人なので、家人がプン太郎のキーを渡しつつ「ハイオク満タンで」などとお願いする。

この「運転手に訊かないスタッフの対応」に猛烈に違和感がある

なぜなら油種、給油量から「窓拭いていいすか?」とか「吸い殻やゴミございますか?」という質問まで、決定し返答するのは当然運転手だと思うからだ。それなのに単なる習慣でクルマの左側に廻ることを面倒くさがるとは何事か、とこちらは思う。ある時など助手席の家人にカード払いの伝票とペンを差し出そうとしたので、「なんで運転手のオレに確認しないの??」とバイト君に抗議したことがある。「あぁ…いや、特に理由は…」。いや、それ、面倒くさいからでしょ。

仮にもクルマとクルマに乗る人を顧客とする商売なら、車両運行管理責任者は運転手であることを認識すべきだし、というかそれ大前提だし、いくら助手席に人が乗っているからといって、運転手を無視して交渉をすべきではない。プン太郎にかかる全ての事象に対する決定権を持つのは、オーナーであり運転手である筆者なのだ

接客業として、お客の顔を見て…、つまりお客の様子を把握しながら仕事をするのは当然ではないか。レーンに入ってくるクルマの運転手が右と左のどちらに座っているのか見もしないのか。最近じゃドイツ御三家もみんな右ハンドルばかりだから、如何にもガイシャという風情のそれらですら左ドア側に行くということが滅多にないという事情もあるのだろう。もっともこれがベントレー コンチネンタルGTやランボルギーニ アヴェンタドールSVJなら、また話は別なのだろうけれど、プントエヴォなんて正体のわからないクルマはガイシャと認識されないのだ。

昨今ではそもそもフルサービスのガススタンドがどんどん減りつつある。ちゃんとスタッフが配されているスタンドだって、シフトをまわせるギリギリの人数でスタッフはいつも忙しく、運転席の右左などいちいち見ていられないなどと思っているのかもしれない。だが「忙しいのに左ハンドルのクルマなんかで乗り付けんなよ」という理屈に与する理由は、当方にはない。

このガススタンド、当ブログでは「馴染みのガススタンド」などと書いてきたが、ここ最近は馴染みのスタッフが異動したり辞めたりで、お馴染度が薄れてきているところにこの案件である。筆者がわざわざ自宅から5kmも離れたこのスタンドを常用してきたのは、ひとことふたことでも顔なじみのスタッフと交わす会話があったからだ。ハイオクを言った通りに入れてくれればそれでいいという関係なら、団地の入り口にあるセルフスタンドで事足りる。

たかが助手席の人に声をかけただけで何もそんなに、と思うだろうか?この話の根は深いのだ。
 

1191の怪
| クルマにまつわる四方山話 | 00:10 | comments(2) | trackbacks(0) |

サービス供給元のJUGEMによるアクセス解析機能もあるのだが、当ブログはフリー素材のアクセスカウンターを設置している。そのカウンターに異変が!
 


2019年5月3日のアクセス数が明らかにおかしい。普段は300アクセスもあれば良い方なのだが、3日だけで1191アクセスを記録している。で、翌日以降はまた元に戻っている。5月3日の段階で一番新しいエントリーは4月30日にアップした「ゴールデンウィークだけど誰もいない場所」というエントリー。

ゴールデンウィーク後半にどこに遊びに行こうか…という人が、そういうワードで検索をかけたのかもしれない。いざ読んでみたら山奥のキャンプ場だの市街地の住宅地なんていう内容で、喜んでくれた人がどれくらいいるのだろうか…(笑)。

売り物は「重厚さ」
| クルマにまつわる四方山話 | 22:16 | comments(8) | trackbacks(0) |

家人の愛車乗り換え問題が一段落したので、閑話休題的に小ネタを書いてみたい。

車検切れで動かせないパンダ(ツインエア)に座ってみたことを書いたが、隣にやはり横幅1,650mmのVW up!が置いてあったので、良い機会だと思い座ってみた。そして驚いた。民族性の違いというか文化の違いというか、同じAセグメント4ドア車両なのに、イタリアとドイツではこうも違うのか!と。
 


これ。
グーネットから拝借した画像。
もちろんこのエントリー執筆時点のものなので、
今も売っているというわけではない


不動のup!に座ってみて何に驚いたのか。それはAペダルの重さだ。反力の強さと言い換えてもいい。何気なく踏んでみたそれは、グググッと重かった。プジョー 307SW、アルファロメオ MiTo、アバルト プントエヴォ、フィアット プント、シトロエン DS3まで、これまで乗ってきた欧州車のAペダルの踏み応えは、国産同セグメントの自動車に比べても大きな差はなく、up!のようにここまで決定的な違いはなかった。加えて踏み代の遊びも少ない。それならとBペダルも踏んでみたが、ガチッと硬質な反力を返してくるだけで、ぴくりとも動かない。強く踏めば動いたのかもしれないが、少なくとも筆者の常識に沿った重みづけではなかった。そこに驚きつつ、ならばハンドルは?と握って動かしてみると、やはり遊び領域がほとんどないだけでなく、コラム周辺の取り付け剛性のしっかり感も段違いに強い。そう言えばドアの閉まり方もそうだったもんなぁ。うーーーーむ。

パンダもup!も両社の製品ヒエラルキーの最下層製品。乱暴な言い方をすれば、どちらも彼の国の軽自動車のようなもの。まずは廉価であることを良しとするジャンルのクルマである。そこにフィアットはツインエアという技術的な優位点を盛り込んで商品性を高めた。ではup!は?想像でしかないが、上級車種と大差ない剛性や操作上のレスポンスを演出したのだ。「廉いクルマだからって手を抜いてませんよ」という無言のアピールとそれを裏付ける「全体的な剛性感」こそが、up!の売りなのだ。

BMW E30系3シリーズのペダル類は軒並み重かったという。それは一般的なドイツのBMWオーナーがソールの厚い革靴を履いて運転することへの、メーカーなりの矜恃だったのではないか。重い靴を履いて運転されるんだから、ペダルの反応は軽々しくてはイカン、とBMWの実験部隊は考えたのだろう(もちろん重々しい加速感との辻褄合わせという意味もあったろうが)。こういう性格付けはメルセデスベンツでもアウディでも行われているだろう。ドイツに滞在したこともなければドイツ人の友人知人もいない筆者なので想像するしかないのだが、ドイツ車のペダルは重いことを是としているのだろう、きっと。

up!に関してそういう視点の評価を見聞きしたことはない。しかしあのAペダルの重さを体感すれば、誰だってステレオタイプのドイツ人的イメージに思いを馳せるだろう。なんというか、あの人たちは、「こんなんでいいでしょ?と言えないドイツ人」というイメージを売りにしているのだ。

奥深いタイヤ空気圧の世界
| クルマにまつわる四方山話 | 23:39 | comments(11) | trackbacks(0) |
所用のため東北自動車道を南下する案件が出来した。ホイール歪み疑惑(もはやホイールではないかもしれない疑惑に変わりつつある)が未だ解決していないのだが、背に腹は代えられない。

高速道路走行に備え、タイヤの空気圧を調整した。現在履かせているナンカン NS-2Rのロードインデックスに鑑み、装着時は前後とも2.5barとしていた。しかし予想以上に乗り心地がピーキーだったため、後日2.3barまで下げていた(前後とも)。約1ヶ月を経て前:2.5bar、後:2.4barへ戻したことで、プン太郎というクルマそのものの印象まで変わった。この変わり様は正直予想以上である。

2.3bar時
・ゼロスタート時にハンドルを動かすと、ねっとりした反応の後にワンテンポ置いてタイヤが向きを変えるような印象
・コンフォータブルで凸ショックの丸め方が上手
・直進が(比較的)楽

2.5bar+2.4barに戻したら
・直進/旋回ともにダイレクト感が増した
・全体的にピーキー
・直進が神経質

特に低速走行時の前輪の動きに大きな違いがあり、2.5bar時はハンドルを動かすと間髪を入れずに前輪に角度が付く。その時の感覚はひたすらリニアで、前輪角度変化が速くても怖くはない。ポテンザ RE050Aやダンロップ WinMax01の時には、ことさらにダイレクトな感じはなかったから、これはNS-2Rのキャラクターが影響しているのだろう。
 

旋回挙動が正確であるというプン太郎の素性と、前:2.5bar圧時のNS-2Rのキャラが組み合わさった結果のこのダイレクト感は、もちろん歓迎すべき感触である。だが旋回時の爽やかな速さやリニアリティと引き換えに、速度を増していくと、直進時の神経質さを増幅する傾向がある。その神経質さの正体とは、ハンドルの反力が軽くなることと、前輪の動きがクイックに感じられるようになることの合わせ技ではないかと想像している。

2.3bar時のねっとり感をベースにしたコンフォータブルな乗り味と、ピーキーだがクイックかつダイレクトな乗り味とどっちがいいのよ!と問われれば、やはり後者、つまりクイックアンドダイレクトな方でしょう。ちなみにFWD車で低速でもヨー運動を感知する方法として、リア側の圧を0.1bar単位で減圧させながら旋回を試みる…という手法があるという。ぜひチャレンジしてみたい案件だ。
クルマと対話する - 続・ハンドルの握り方・回し方
| クルマにまつわる四方山話 | 22:46 | comments(6) | trackbacks(0) |

当ブログでは、運転スキルについてのエントリーにもコメントが多く付く傾向がある。コメント欄がチャットのようになることすらある。それだけ運転技術の向上・習得に興味のある方に読まれているという証左であり、そう思うとエントリーを書く方としては身の引き締まる思いである。「ハンドルの握り方・回し方」というエントリーにも多めにコメントをいただいたが、筆者の未熟な書き方のせいで、趣旨が思ったとおりに伝わっていない部分があったようだ。またエントリー後に気付いたこともあるので、もう少しこの件について書いてみたい。

いただいたコメントに見られたのが「自分は●●派」という話。●●の中には「引く」とか「押す」が入る。実は筆者もMiToで「10時10分を握って、旋回内側に腕を引くときれいに回れるな」と気付いて以来「オレは引く派」と思っていた。つまりどんなクルマでも「旋回内側の手で引けばOK」と思い込んでいた。

ハンドルの回し方だけの話ではなく、例えば旋回挙動の組み立て方にしても各メーカーごとに特色がある。教習所で習う「スローイン・ファストアウト」は真実ではあるが、コーナーのどこまでスローで、どこからファストかは(もちろんコーナーの特性も関係はするものの)クルマによって異なる。そういう要素を組み合わせてクルマの旋回挙動は仕込まれるわけだが、シャシーセッティングやボディ剛性按分なども相互に影響しあう。だから真理はひとつではなく、メーカーごとに(もしかしたらモデルごとに)最適な運転方法が存在することになる。すべてのクルマをひとつのメソッドで運転できるわけではないのだ

先日社用車の忌忌しいホンダ ステップワゴン(初代)を60kmくらい運転した。忌忌しい理由はふたつある。ひとつはAペダル開度のチューニングが極端で、踏んでもまったく加速しない領域とバカみたいにかっ飛ぶ領域に2分割されていること。もうひとつはスローでスローで欠伸が出るようなステアリング特性。おまけに背が高いくせにだらしなく盛大にロールする。この両極端な二面性を持つ加速の仕立てとスローなハンドルが組み合わされた上にグラグラとロールする操縦性は、もはや異次元の「運転しにくさ」である。而してこいつのハンドルの取り付けはバスやトラックのように平たく取り付けられている。つまり乗用車の中でもややクセのある仕立てになっているわけだ。にも関わらずおっちょこちょいな筆者は10時10分で握ってさえいれば安泰と信じ込んでおり、「ちくしょー、運転しにくいなぁ。ハンドルの上の方、手が届かねえし!」などと心の中で舌打ちしながら運転していた。

しかしその道中ふと気が付いた。ステップワゴン(初代)のハンドルは4本ステー。9時15分以外にも8時20分の位置にもステーが伸びている。その9時と8時の間、15分と20分の間をホールドすると、必然的にバスやトラックのハンドルを回すようにゆっくり大きく回すことになる。すると旋回挙動の初めから終わりまで、きれいに一筆書きのように曲がれることに気がついた!そー言えばバスの運転手さんは8時20分でハンドルをホールドして送りハンドルばっかりじゃないか。それに気付いてからは旋回が(少し)楽になった。ホンダはステップワゴン(初代)をマイクロバスと仮定してチューニングしたのだろう。
 


ネットから拾った
E-RF1型のハンドル


ハンドルの取り付け角度やステーの数に注目できたのも、元はといえばアバルト プントエヴォとシトロエン DS3の差異に気付けたからだ。プン太郎とDS3ではハンドルの握る場所も、回し始めの主役になる腕も、回し方も全然違う。まずはクルマと対話して、あぁ、あんたのハンドルはここを持ってこう回せばいいのね、と見切ることが「正しい運転」の第一歩だと思う。

事はハンドル周りだけの話ではない。着座姿勢やペダル操作も各メーカー/各モデルごとに一貫したルールがあるはずだ。実験部隊と呼ばれる人たちの仕事は、(安全性能確認・確保の他に)そのクルマの運転操作にびしっと一本のルールを作ることだし、そのメーカー、ブランドとしての味付けを行う…んですよね?行えてない車も時々見受けられますが

筆者が経験した限りでは、たいていの欧州車にはメーカーが長年培ってきた独特のルールがあり、運転に没頭するためにクルマと対話するに足る造りをしていると思う※。DS3のケースではベスト握り方や回し方を自分で見つけたわけではなく、諸情報から推測して見つけたわけだが、経緯はともかく直進も旋回も格段に楽に行えるようになったし、それはクルマへの不要な負荷を減らす意味もあるはずだ。

クルマと対話して、クルマが求めるとおりに運転操作ができるように備えておきたい。

※電子制御と部品共有が徹底されてきた10年代以降、欧州車のB-Cセグメント車はみんなVW ゴルフみたいにななりつつある。ゴルフは良いクルマだと思うけど、そうじゃない味のクルマも欲しいじゃないか。

ハンドルの握り方・回し方
| クルマにまつわる四方山話 | 20:51 | comments(23) | trackbacks(0) |

MiToやプントエヴォなどという「運転を楽しむ以外には用途がない」的なクルマに10年近く乗っていると、クルマの操作や、その結果表出してくる「クルマの挙動」という現象を身体で理解するだけでなく、頭でも理解したくなってくる(当社比)。操作(原因)と挙動(結果)という意味で一番最初に気付いたのはMiToに乗っていた頃のこと。「ハンドルをどのように操作すれば最も効率良く曲がれるのか?そもそもハンドルはどう握るのが正しいのか?」と疑問に思ったことだった。

自動車雑誌などをナナメに読んでいても、例えば「英国車らしく、背筋をぴんと立てて座り」とか「イタリア車運転のメソッドどおり、腕をほぼ真っすぐに伸ばしてハンドルを握り」とか、そういうことが書かれている。この「お国柄によって運転姿勢やハンドルの握り方が違うのか?」という疑問は輸入車や自動車運転にのめり込む過程の重要なマイルストーンだった。

ハンドルの握り方ひとつとっても、実はメーカーごとに言うことが違うのには驚いた。あるメーカーは10時10分と言ったり別のメーカーは9時15分と言ったり、つまり絶対解が存在しない。ハンドルを両手で握ることは基本だとしても、どこを握るかが千変万化なのであればこれはもう自分で探るしかない。そうやってMiTo、プントエヴォのハンドルを子細に撫でさすってみれば、やはり10時10分のようだ。ハンドルのサムレストの形状や、10時10分箇所のリム形状から考えてそう思う。そして旋回時は旋回内側の手でハンドルを引き下げるように回す。この操作で(加減速さえヘマをしなければ)プン太郎は一筆書きのように過不足なく旋回を終えられる。

また少しプン太郎との距離が縮まったな!と悦に入っていたのだが、特定の1台の旋回方法をマスターしただけで、すべてを理解できるほど自動車運転は簡単なものではなかった。以前アップした家人のシトロエン DS3のスタッドレスタイヤ新調に関するエントリーで、DS3の旋回挙動をうまくコントロールできていない記述がある。

DS3・冬のスタッドレスタイヤまつり2018・その4
 

また旋回動作もややクイックに感じる。鼻の入り初めが速い。「あ、回し過ぎ…?」とハンドルを回す腕が途中で止まる(あるいは躊躇する)ような場面を数回経験した。もっとも筆者がプン太郎とDS3の挙動差を体感して、修正するまでのわずかな距離で感じるだけだが。


16インチから15インチのタイヤ・ホイールへのインチダウンのせいで顕在化した可能性もあるが、実は過剰にクイックと思える旋回挙動は、筆者の操作が拙いせいでもあった。過日DS3を60kmほど運転する機会があり、その時もDS3の旋回挙動がギクシャクしていて、この時に「あ、こりゃオレの運転が下手なせいだ」と認識した次第。プン太郎と同じような運転、すなわち10時10分の位置から旋回内側の手でハンドルを引き下げると、引用テキストのように想定以上に旋回内側に鼻が入ってしまう。だからハンドルを止める。で、また必要になって回し足す。典型的なダメ旋回挙動。がっくし。

そこでいろいろ試してみた結果、DS3はハンドルを8時20分の場所を握り、旋回外側から押し上げるように回すとぴったりきた。往年のDS(UFOみたいなヤツ)に代表されるシトロエン車のハンドルグリップ場所は、軒並みここらしい。家人のDS3のパワーステアリングはやけに軽いなぁとこれまでも思ってきたが、8時20分握りでの直進の楽なこと楽なこと。10時10分握りでは手からの力が伝わりすぎてしまっていたのだ。そういえば古いシトロエン車のハンドルはステアリング軸から太い軸が1本ハンドルの下に繋がっているだけでではないか。あれは視覚的にも「下を持つ」のがしっくりくるようにデザインされた結果なのだ。
 


シトロエン DS


シトロエン SM


DS3も8時20分のリム形状は、手のひらではなく、指を引っかけるような形で握ると身体への負担が少ない。10時10分位置からハンドルを引き下げていくと軽すぎると思っていたパワステも、外側のハンドル下半分から押し上げていくためにわざと軽くしてあることが体感できる。

筆者が実体験しているメーカーごとの運転メソッドは、今回書いたフィアットとシトロエンのふたつだけだが、極端に言えばメーカーごとに存在するだろう。そしてそのメソッドは国民性や風土が時間をかけて醸成したものなのだろう。こういうことがわかるだけでも、運転はもっともっと楽しくなる。2018-2019年の冬は望外に雪が少なかった。さっさとノーマルタイヤに履き替えるか!

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■プン太郎■
筆者の愛車ABARTH PUNTO EVOのこと。
ブログ本文に「プントエヴォ」と
フルネームで書くと煩わしいので命名。

■R、K■
R=国道(Route **)
K=県道(Kendo **)
のこと

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。

■顧問■
筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

■朝練&夜活■
早朝に走りに行くのが朝練。
夜に走りに行くのが夜活(やかつ)。
夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■EDO■
Eat and Drink Organizationの略。
親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
「同乗者無しでひとり1台」
「うまいものを食べ、飲む」が掟。
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