クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
ボルボなら電動車両でも気にならない
| クルマにまつわる四方山話 | 08:43 | comments(9) |
例えば30年後に化石燃料エンジンは駆逐されてしまうかと問われれば、絶滅はしていなくても絶滅危惧種くらいにはなっていると筆者は想像する。ただ重要なのはクルマそのものが残っているかどうかよりも、燃料補給インフラであるガソリンスタンドという業態が今と同じ規模で存在するかどうかの方が、よほど重大な問題になっているだろう。主幹国道の両側にGSが立ち並ぶような絵は、前時代の話と一蹴されるんだろうな、きっと。

ちなみに30年後には筆者は80歳を超えていて、そんな年齢まで生きているかどうか甚だ疑問だ。生きていても免許は返納してしまっているか、悪あがきで返納を躊躇っている…というあたりだろう。だから化石燃料エンジン搭載車の未来については、傍観者の視点しか持てない。ひとつ言えることは、筆者にとって自動車とは化石燃料エンジン搭載車のことであって、ハイブリッドや電動車両にそれほど興味を持てないということだ。そんな筆者がこんな記事を見かけた。

AUTOCAR JAPAN
【電動化が加速】ボルボ ロックダウン解除後 内燃モデルの需要減少を予測

この記事を読んだ時、予想が当たるかどうかはともかく、電動自動車というパッケージはボルボというメーカーのクルマにとても似付かわしいと思った。例えばフェラーリやポルシェといった生粋のスポーツカーメーカー(フェラーリはスクーデリアだけども)が、ハイブリッド機構だったり純電動機構を搭載する車両を製造することには若干の違和感を覚えないわけではない。だがそれがボルボということになると、なぜかすぅっと納得できる気がする。筆者のボルボ体験は初代V40発売後の小1時間のディーラー試乗体験がメインで、アルファロメオ MiToの整備期間中代車としてS60を半日ふらふらと乗り回したことがあるだけ。しかしボルボ車が持つ、必要以上に乗員を保護しようとする設計理念は強烈に受け取ったつもりだ。

試乗記・VOLVO V40:ビシッと筋が通ったクルマ

試乗記・VOLVO S60 2.4

S60の「道路から隔絶され浮遊するような前進感覚」は今もよく覚えている。上でご紹介しているリンクでは、クルーザー船ってこんな感じじゃないかと書いている。つまりタイヤは路面を掴んでいる感触はほとんどなく、一般的に考えてもスローなステアリングはコーナリング時ちょっと怖く思えるほどだった(あれ?曲がらない!!と感じてしまう)。V40は真逆で、身体感覚に対して実にソリッドに追従した。MiToに比べればボディ剛性感も数段高く、そのことにも感動した。が、ボルボの社是である安全装備が頻繁に運転に干渉するし、ステアリングやスロットル反応の人工的なよそよそしさもまた大いに感じた。こういう「フィール」の部分にはおそらく年次改良も入ったとは思うが、ボルボ社是や電子デバイスの重畳という技術アプローチの現状を考えれば、少なくともイタリア車乗りが言う「肉感的」なものにガラッと変わるとも思えない。またボルボ車を購入しようとする人は、最高レベルの安全装置を搭載した快適な移動の道具を求めているのであろう。

そもそも「別に自動車なんて肉感的でなくてもいいじゃん!」が筆者としては未知なる感覚だし、そのことに思い至れば逆に電子制御デバイスの重畳の頂点としての電動車両、なるほどね、という感想にもつながる。テスラの諸モデルでもポルシェ タイカンでも日産 リーフでも、「電気自動車であること」以上の(2020年の今で言うところの)付加価値だけでは、それを選ぶ理由にならないんじゃないかと常々思ってきた。しかしボルボのようなクルマ造りを一貫して続けてきたメーカーが、最高レベルの安全装備と快適な運転の融合を目指す以上電動車両が最善の選択ですというロジックならそれは納得できる。ま、自動車メーカーの経営陣はそんな崇高な理念で自動車の電動化へ舵を切ったわけではないのは明白だが、いざ購入する側としてはそれくらいの甘言で騙して欲しいとは思う。

ということに思い至り、「でんきじどうしゃ」に興味を持つきっかけになった。我が家の電気インフラ(100V仕様)では電動車両導入が現実的でないのが少し残念だ。
オフ会延期や定期レポート不提出について
| クルマにまつわる四方山話 | 12:53 | - |


世の中が平静ならば、明後日にあたる5月23日(土)はオフ会を実施するはずだった。しかし入院している我が身はいまだ退院予定すら立っていない。そして世情を考慮しても、延期はやむを得ないと考える。残念無念。宮城県は緊急事態宣言が解除され、元通りとは言えないまでも「ニューノーマル」の模索が始まっているようだ(入院中だから実感はできないけど)。筆者個人としてはこの気の緩みを縫って、COVID-19シンドロームの感染者数再増加は充分にあり得る事態だと考える。

毎月21日に上梓していたプン太郎の定期レポートも、やはり書けない。あぁ、プン太郎を運転したい。


お手軽に見た目を変える方法
| クルマにまつわる四方山話 | 08:55 | comments(12) |

大量に売れるとこういう商売が成り立つんだなぁというため息事例。

Auto Messe Web 2020年5月11日
純正を外して交換するだけ アルファード&ヴェルファイアのメーターが高級ドイツ車風の画面に
 


上記記事中より
当該商品画像


念のため宮城トヨタ公式サイトで純正メータークラスターを見てみたが、これはこれで充分かっこいいし、精密感もあるし良い思う。それでも、ちょっとでも人と違う方がいいという人気車種オーナーは多いのだろう。

ボルトオンで見た目ががらりと変わる!、プントエヴォ用のそんな商品があればなぁ…という個所があるだろうか?少なくとも筆者は内装では思いつかず、あるとすればマフラーくらいだろうか。

最近溶けてきてるふたつのメーターまわりの樹脂は、溶けないやつに交換したいです(笑)。

クルマヘンタイ受難2020
| クルマにまつわる四方山話 | 10:10 | comments(5) |
山形県と宮城県にまたがる蔵王山にはエコーラインという山岳道路があって、これがかなり楽しいワインディングである。例年ならゴールデンウィーク前の一大イベントとして、4月下旬に開通式を行う。数メートル高さの「雪の回廊」を連なって走るのが名物である。

ところが2020年はコロナウィルスとCOVID-19騒ぎだ。県をまたいだ移動は控えろとのお上のお達し。エコーラインは(例えば)宮城県から登っていって、頂上付近の「お釜(エメラルドグリーンの湖水をたたえる火口湖)」を眺め、山形県側に降りていってそばでも喰うか!温泉でも入るか!というのが楽しいのであって、わざわざ山の上まで登って行ってまた元の場所に戻ってくるドライブが楽しいとも思えない。今年はエコーライン、どーすんだか…と気になっていた。
 

ある日の
宮城県側エコーライン


ネットで調べてみたらこういうことだった。

(一社)蔵王町観光物産協会の下記記事より
http://www.zao-machi.com/1714

蔵王エコーライン 冬期通行止め 解除予定日
令和2年5月11日(月)11:00〜 (予定)
※蔵王ハイラインも同日開通予定
※山頂レストハウスはトイレのみ利用可能。
※規定雨量を超えたり、路面に降雪や凍結が見られる(ノーマルタイヤでの走行が危険と判断された)場合、
緊急的に通行止めになることがありますのでご注意ください。

ゴールデンウィーク明けの平日開通は苦渋の選択だとしても、コロナ対策の第2段もおおよそ明らかになるであろう頃に、ひっそり開通するというこの判断は落とし所としてとても良いと思う。宮城県側のエコーライン始点蔵王町にとってみれば、エコーラインは貴重な観光資源なのに。

4月にはクルマ1台で県外に遊びに行き、ほとんど誰とも接触しなければ防疫の観点からも問題ないだろうと筆者は考えていた。実際そのとおりだと今も考えている。が、今や防疫観点上正しいか否かという問題ではなくなってきた。他県ナンバーのクルマに投擲する、飲食店への入店拒否なんていう、単なる脊髄反射みたいな馬鹿げた事例が頻発しているようだ。東北の人間ですら東京電力の原子力発電所事故の風評被害「放射能がうつる」から学んでいない。筆者は本気で心配している。宮城県南や県北の長閑な町で、「仙台ナンバー帰れ!」と怒声を浴びせられる日が来るんじゃないか、と。県境の小さな町のコンビニで飲み物を買ってクルマに戻ってきたら、ボディに傷がつけられてた…なんてケースが起こり得るんじゃないだろうか。

残念なことに、ひとりツーリングを楽しむような我々ヘンタイの乗るクルマは、何かと目立つ車種が多い。どうしたって人目を引く。オフ会のように何台も集まればなおさらだ。今しばらくは自衛手段を常にアタマの片隅に置いて行動する方が良いと思う。自重はしたくない。メルケル首相が言うとおり「移動の自由」は貴重な権利だし、個々人の中で「移動の自由」が持つ価値の大小は異なる。我々のようなクルマヘンタイにとってはなおさらだ。

一方で、人類はもう「コロナウィルス以前」の生活には戻れない。世界大戦、大地震、バブル経済崩壊など、生活基盤そのものに大きな影響を及ぼす何事かの後は、新しい生活の仕方を受け入れていくしかない。防疫対策として今推奨されているソーシャルディスタンスやマスク着用などが新常識として折り込まれた世界を生きていくしかない。新しいバランス感覚が必要になるはずだが、どこがその均衡点なのかはまだわからない。

繰り返すが、我々クルマヘンタイは、脊髄反射しかできないような愚かな人々から自分自身と愛車を守る工夫が今は必要だ。お互い気をつけましょう。
不要不急の外出を控えた仙台の自動車模様【画像追加・加筆あり】
| クルマにまつわる四方山話 | 18:11 | comments(13) |

再入院してしまった。プン太郎ではなく筆者が。

何度も同じことを繰り返すお笑い芸を「天丼」と言うのだそうだが、体調不良による「入院の天丼」はまったく笑えない。5月1日から仙台の基幹病院のひとつに入院せざる得ないほど体調が悪化してしまった。2020年のゴールデンウィークは24時間点滴を受けて終了し(いや、これを打っている今もそうだ)、幾分かマシになった。ボーッとしている時間に、なんとか本を読んだりウェブを眺めたりはできるようになった。

ブログ執筆者として、せめて読者のみなさまに生存報告くらいはしたいと考えたのだが、このブログには原則としてクルマのことしか書かない。そうかと言ってツーリングや試乗のレポートが書けるわけがない。ウェブに飛び交う自動車関連の話題は(少なくともヘンタイにとっては)悲観的なものが多く、考察的なエントリーを書こうと思っても食指が動かない。そもそも身体の諸機能がその修復に全力を挙げている今、脳みそが思考・考察するための余計なリソースがない(あ、これはいつもか)。「少し動いてもいいですよ」と言われて、点滴スタンドを片手に病棟フロアをうろうろしている際に、窓から幹線道路を行き交うクルマを眺めていて思うことがあったので、そのことをランダムに書いてみる。

●デザインの平均化
建物の7階から見下ろす形なのだが、とにかく自動車のデザインの平均化が進んでいて、見ていてあまり楽しくない。そりゃ折りからの緊急事態宣言下の外出自粛要請の真っ最中、交通量が極少なのは言うまでもなく、その状況下でまるで自動車業界全てを見渡したかのような物言いでデザイン云々と書くのは恐縮だが、「それでも自動車で移動せざるを得ない人々が使う車」という意味ではある種の縮図とは言える。凝縮された状態をチラ見するからこそ、均質化に目が行ってしまうのかもしれない。例えばこうだ。赤信号の交差点に10台と少しの停車車両がいるとする。たったそれだけの台数の現役車両の中に、どうしても車名のわからない車がいる。似たような形と色で、特定できないのだ。SUV車両だとさすがにそんなことはないが、極端な話、ダイハツ ロッキーなのかトヨタ ライズなのかは判然としない。軽のトールワゴン系も同じく。国産車で唯一自信を持って判別できるのは現行マツダ車だ。なんなら塗装色(ソウルレッドクリスタルメタリック)でわかる。マツダは今後も2、3、6をこの調子で育てていただきたいものだ。
 


●恐るべしドイツ資本
そんな中で明らかにまったく違う形をしているクルマがいる…!と思うと、それは輸入車なのだった。特に夕暮れ時などはデイタイムライトの造形で良くわかる。デイタイムライトなんて今どき国産車でもたいてい付いてるじゃないか、と思うのだが、エクステリアデザイン全体への馴染ませ方(あるいは浮き立たせ方)に一日の長がある。で、その輸入車は十中八九ドイツ車だ。ドイツ御三家に国民車と派生ブランドのミニを加えた5ブランド。GW中の仙台、輸入車=ドイツ車の様相だ。入院して以来、病院の窓からドイツブランド以外で見かけたのはプジョー 308を1台のみだ。いやはや。

厳密に言えばジープ ラングラーは1日に1台以上見かける。すごいぞアメ車!すごいぞFCA!しかし筆者にとってもはやジープは輸入車とか国産車という次元を超越して、「ジープ」という存在なのだった。
 



と、こんな具合に、生きてはいるが思考はまだできない(もう一生できないかもね)。退院の予定は立っていない。プン太郎のアイドリングはまたしても息子に委ねられた。

クラシックレインジローバーのレストア動画
| クルマにまつわる四方山話 | 11:38 | comments(6) |

入院中のヒマにあかせてYouTubeを徘徊していたら、クラシックレインジローバーをレストアする動画を見つけた。
 


 

有名な動画なのだろうが、それも納得だ。現況確認からレストア完了まで、静止画のストップモーションアニメ中心に詳細が描かれる。その内容は執拗で、ビスを1本外すところまで丹念に撮影されている。これ、撮影もだけど編集にも途方もない時間がかかっているに違いない。と言うか、レストア作業自体どれくらいの時間がかかっているのだろうか。半年?1年??もっと???

90分近い尺なので映画を1本観るくらいの労力が必要になるが、当ブログをわざわざ見に来てくださるような方々は観て損はしないことを請け負う。ツマミ見でもいいからぜひご覧いただきたい。

クルマとの一体感を考える#5
| クルマにまつわる四方山話 | 14:58 | comments(8) |
入院中のヒマに任せてつれづれに綴ってきた本稿も、たくさんコメントをいただいたおかげで、筆者の中で結論めいたものがぼんやりと浮かびつつある。このエントリーをもって結びとしたい。前回までのリンクは以下のとおり。

#1 / #2 / #3 / #4

ジアコーサ式FFダウンサイジングターボは、ひとまずもういい!というところから始まったこの思考の旅だが(おおげさ)、筆者が日々感じていた違和感はメカニズム上の「自動車と運転手の一体感」の正体であり、また同時に魅力的な自動車を作る文化の違いの正体ということだった。きっかけは確かにクルマを構成しているメカニズムの差異を体感したいということではあったが、それは欧州車とは「異なる文化」を体験したいという、渇望のようなものでもあったわけだ。

キーワード1
「大排気量自然吸気+6速マニュアルトランスミッション」
もうひとつ付け加えれば、フロントエンジンリアドライブ=FRである。これらはすべてアルファロメオ MiToやアバルト プントエヴォとは対極にあるもので、筆者のまったく知らない世界である。正直ベースでお話しすれば、FF小排気量ターボ車両の性能を、極限まで引き出してやる技能を、筆者はいまだ持てていない。だからプン太郎を相棒にやることはまだあるのだ。だが、これも有り体に言って、52歳の筆者の身体諸機能は衰えてきた(今回の入院とは別の話だ)。プン太郎とともに峠道やサーキットに行くこと自体が、年寄りの冷や水になりかねない。筆者には「エキサイトしない運転」というものを身に付ける必要が出てきたのだ。

そこで思い浮かんだのがアメリカ車。フォード マスタング。シボレー カマロでもいいしコルベットでもいい。たまたま小学生の頃からなんとなく憧れていたマスタングが、思考の俎上に載ったにすぎない。北米大陸、ひたすら伸びるハイウェイをただまっすぐドロドロ進む…という図に、今さらながらシビレる。少しして同じパッケージでアストンマーティンの諸車があることを思い出した。レースを起点にしているからこちらは基本的にカリカリしているが、足周りなどの細かいことを忘れれば、メカニズムの面ではマスタングもヴァンテージも同じような構成だ。だが、前述の「エキサイトしない運転」の面から考えると、両者は激しく違う。それはなぜか。

キーワード2
「気候・風土・社会」

もやもやとその違いを考えているうちに、この連載#3へナカジョー・フリムさんが的確なコメントをつけてくださった。

それはアメリカの風景、アメリカ人の気質、英語(米語)の響き、社会構造、生活習慣、人生観、そして聴く音楽などとワンセットになったもので、なかなかアメ車だけを単体で日本に持ってきても成立しにくい感を抱きます(その点、欧州車は日本でも違和感なく溶け込むような)。

なぜ欧州車が日本に馴染むのかという考察はともかく、筆者が漠然と憧れていたアメ車の要素を、ここまで言語化されると恐れ入るしかない。そうなのだ。結局アメリカという風土や社会構造が育むアメリカ人気質こそが、アメ車を作り上げているのだ。自動車の世界におけるそのエリアを、筆者はまったく未体験と言っていい。あの必要以上にマッチョな車体デザイン(のわりに内装は貧弱)の理由などを、プロダクトを体験することによって理解してみたいのだ。そう考えるとアストンマーティンが「なんか違うな」という違和感とともに選択肢から外れるのも納得だ。基本的に「エキサイトするためのクルマ」だし、出自となる気候風土はどちらかというと東北地方に近いんじゃないか。

キーワード3
「自動車の未来に対する漠然とした嫌悪感と妥協」

というわけで、筆者が自動車に求めるものはシンプルな機構でシンプルな味わいという方向なのだが、そういうクルマはどこにあるのか?と、あらゆる自動車のジャンルを眺めてみると、実は少ない。というか、ほとんどない。そのことに改めてがく然としてしまう。加速・旋回・制動の最重要3要素が、重畳する電子制御で高度かつウェルバランスでできるようになったが、自動車と運転手の一体感は置いてけぼりにされている。現代のFF小排気量ターボはこういう制御なしにはもはや成り立たない。非常に腹立たしい、と思っていたら、この思考の先にも論客が来てくれた。A.Sudさんである。#4へのコメントで曰く。

極論すれば、電制でもいいので「忖度」さえしなければいいと個人的には考えています。レスが悪ければ悪いと正直に反応してくれればいいし(レスが良いに越した事はないですが)、妙な演出はなるべく控えてほしい。
過給機はエンジンの出力特性に「演出」を与えているデバイスと言えますし、変速機が自動化した時点で「演出」という見方もあります。

このコメントのおかげで、筆者の自動車体験を支配するFF小排気量ターボというパッケージに対する不満点も、すっきり見渡せるようになった。結局は「演出」なのだ。自動車メーカーによる「ほら、こういうの、好きでしょ?」という忖度とも言えるし、上級テクニックを持ったドライバーだけが体験できていた世界のほんの一端を、筆者のようなボンクラドライバーにも垣間見せてくれる優しさとも言える(笑)。そこには「車両と運転手の一体感」は無いけれど、キャブレターと完全パッシブ機構という、操作にコツもいれば頻繁なメインテナンスが必要だった頃の煩わしさと無縁の日常がある。確かに2020年の今、チョークレバーを引いて、イグニションの瞬間に少しだけAペダルを煽って…なんてことをオーナーに強制していたら自動車は売れない。自動車メーカーは商品性を高めたに過ぎない。運動性能の演出はそのお釣りみたいなものだろう。その演出が過剰に進み、運転手が必要とされない未来が描かれつつあることには素直に嫌悪感を表明しておくが、「今日はエンジンかかるかな?」という生活が不便であることも認めなければならない。

幸い2020年の今なら、ケイターハム スーパー7も、ポルシェ タイカンも選ぶことができる。お金さえあれば(笑)。メカニズム上の一体感の正体がわかった今なら、電子制御でラクチンに走るマスタングを選ぶことは決して間違いじゃないな、と腹落ちしたのである。拙い筆者の思考にお付き合いいただいた読者諸姉諸兄と、コメントくださったみなさんに感謝いたします。

さて、マスタングのV8+6MTモデルの中古市場価格はいくらかな?


これはタイカン。
2020年3月8日現在、
日本国内売価未定
クルマとの一体感を考える#4
| クルマにまつわる四方山話 | 13:21 | comments(10) |

ジアコーサ式FF車両、ダウンサイジングターボ。これら日本国内に蔓延した近代欧州車に11年も乗り続けた筆者、なんかもう違うメカニズムのクルマに乗ってみたい!と思い始めた。前回までのリンクは以下のとおり。

#1 / #2 / #3

とは言うものの、この一連のエントリーの主題は「一体感を考えること」であった。ついうっかり物欲日誌みたいになってしまった。反省。主題に戻してみようと思う(大排気量NAとMT、アストンマーティンもありましたね)。

クルマとの一体感を考える時に、真っ先に筆者が疑問を抱くのは、Aペダルが電子制御されていることだ。これはMiToでの経験だが、いくら加速しようとしてもエンジンが1,000rpm以上回転しないというトラブルが発生した時、アクセルペダルポテンショメーターが疑われたことがある。

MiTo・Check engineアラート、解決…か??

上記記事から当該部分だけ引用してみる。

ふたつあるポテンショメーターとは、アクセルペダルの開度を関知するセンサー。メーター1は解像度が高く、メーター2は1に比べると粗い。アクセルペダルの位置を管理するポテンショメーターがふたつある意味は、メーター1に対する予備。アクセルペダルの開度を関知できなくなると、それは走れないという意味であり、走行状況によっては重大な事故につながる可能性が高い。そのために万一片方が壊れても走り続けられるように2つ装備されているという。


もちろん筆者だってAペダルとスロットルがワイヤー1本で繋がっていて…なんてことは思っていなかったが、こうなるとポテンショメーターの解像度ひとつで「クルマの反応」というか印象そのものが変わってしまう。もっともだからこそのd.n.a.システムだし、社外品のスロットルコントローラーではあるわけだ。スロットルに限らず、パワーステアリングでもMiToではアシスト消失を何度も経験した。これもステアリングコラムに内蔵されている「舵角センサー」の故障によるものである。

MiToに限らず、当代の電子制御前提の実用車はもっともっと電子制御領域を増やすだろう。なんたってEVと自動運転こそが向かうべき自動車の未来なのだから。この変化は現在も過渡期と思われ、これまでの「自動車の故障」とは違うトラブルがきっと水面下で頻発しているのだろう。筆者の知る範囲では、PSAグループの最新作、508やDS7でソフトウェアプログラムの不具合が起こり、それが日本導入のタイミングだったので、販売停止命令がPSAジャポンから出てしまった。物はあるのに納車できない、とS店長は力なく笑っていた(笑いごっちゃない)。まぁそれは時間が解決したわけだが、プラグが死んだみたいな単純明快なものから、プロでさえテスターを繋がなければどこが故障しているのかわからないという物体に自動車はなりつつある。それは消費者の好みでは変えられない潮流なのだ。

そんな大げさな話をしなくても、例えばこういうもどかしさがある。プン太郎、停車時、ギアをニュートラルに入れて空ぶかしをしてみる。がばっとAペダルを踏むと、エンジンは一拍おいて反応する。丁寧に開けていくとリニアに反応するのだけど。筆者にとって、これこそがダイレクトでない感覚の筆頭だ。高回転でのシフトチェンジのためのブリッピングという意味でも、それは歓迎できない反応だ。「ECUチューニングで後からどうにでもできる」と人は言うかもしれない。しかしフィアットはそうチューニングしなかった。いや、そういうことじゃない。かつて単純なメカニズムで達成できていた鋭利なスロットルレスポンスを、今はECUを重畳しなければ現出させられないという思想自体に不満を覚えるのだ。

クルマとの一体感を考える#3
| クルマにまつわる四方山話 | 14:12 | comments(13) |
ジアコーサ式FF車両、ダウンサイジングターボ。これら日本国内に蔓延した近代欧州車に11年も乗り続けた筆者、なんかもう違うメカニズムのクルマに乗ってみたい!と思い始めた。続きものなので、前回までのリンクは以下のとおり。

#1 / #2

考えてみればA-Cセグメント車両がFFというパッケージを採用するのは、ひとえに空間効率が良いから。そのパッケージだって、ダンテ・ジアコーサ御大が産み落としたものが結局最終解になって、全世界で「ジアコーサ式FF」車両が生み出されている。なのでMiToとプントエヴォに11年乗って、そのパッケージに飽きたという筆者は、違う場所に行く他にないのだ。

そこでそれら要素と全部反対なクルマ、という意味で前回具体例として挙げたのがアルファロメオ ジュリアとフォード マスタングである。現実的に買うとなれば中古車だから、マニュアルトランスミッションを重視するならマスタングの方が圧倒的に弾数が多い。


で、実は筆者、マスタングもだけどシボレー アストロとか、アメ車って割りと好きなのだ。とにかくカッコイイじゃあーりませんか。メカニック方面からの興味なら断然欧州車の方がトピックが多くて、見聞きする分には楽しい。反面アメ車のメカニズムには保守的というイメージがあり、だからこそアメリカ産のクルマへの興味が筆者の中で高まらなかったのかもしれない。ビッグ3同士のエンジン開発競争が、エンジニアリング面で見れば手に汗握る熾烈な戦いとなっていることは、沢村慎太朗の著書で最近知ったばかりである。

格好良ければほとんどOK!な筆者なのに、自分の生活にアメ車がインストールされることは具体的に想像しにくい。それはなぜか。それは単純に筆者が暮らす環境と、例えばマスタングが生まれた交通環境がまっっっっっったく違うからだ。これは完全に筆者の想像ではあるが、マスタングが一番気持ち良く走れるシチュエイションとは、砂漠の真ん中の山脈と山脈の間を貫く一本道のルート××であろう。要はこちゃこちゃした場所じゃない。日本国内だったら高速道路とか北海道の誰も走っていない海沿いの国道とか。そういう道路を、いらいらせずのんびり流す…。そういう図が浮かぶ。

これまで筆者は「ガイシャに乗ることは異文化と接することだ」と何度も書いてきた。今もそう信じている。これまでの筆者の車歴で体験できたのは、フランスとイタリアという、大まかに言ってヨーロッパ文化ことになるのだが、ことクルマという視点ではアメリカだって相当な異文化だ。セグメントやメカニズムの成り立ちなどの「自動車らしい着眼点」の他に、「まっすぐな道路をのんびり流すのが楽しいクルマ」との生活がどういうものなのか、今、そこにすごく興味がある。MiToやプン太郎と比較すれば、これも真逆のクルマの楽しみ方と言えると思うのだ。
クルマとの一体感を考える#2
| クルマにまつわる四方山話 | 13:10 | comments(10) |

ジアコーサ式FF車両、ダウンサイジングターボ。これら日本国内に蔓延した近代欧州車に11年も乗り続けた筆者、なんかもう違うメカニズムのクルマに乗ってみたい!と思い始めた。

9年乗ったアルファロメオ MiToにしても、続けて乗ってすでに2年目になったアバルト プントエヴォにしても、大変楽しいクルマである。その魅力は小気味よい加速であり、オンザレールな旋回機動であり、それらを精神的に楽しむだけの余裕がある制動性能に他ならない。とは言え実用車ベースのチューニングカーである。乗っているうちに「もっとリニアに激しく加速!」「もっと旋回機動をタイトに!」「もっとがつんと来るような制動力!」を求めてしまうのだ。人間、上を見ればきりがない。筆者の知る範囲では、ヤマベさんがこの欲望に忠実にMiToを仕上げている。ありゃ凄いよ。でも300万円前後の吊るしの値段に、パーツ代と作業工賃、一体いくら上乗せすることになるのか…。この高いハードルを越えてあのMiToを仕上げているヤマベさんには尊敬の念しかないが、筆者にそれはできなかった。

そんな筆者は、逆にどうしてそういう不満が生まれるのか、と考えるようになった。そして行き着いたのが、ジアコーサ式FF車両、ダウンサイジングターボというパッケージでは解決しない、という結論だった。だから逆張りで行ったらどうなるか?と想像し始めてしまったのだ。

まずエンジン縦置きだ。そしてターボ(できればスーパーチャージャーも)なし。自然吸気ガソリンエンジンでスパッと加速するならまず「軽量たれ」というカテゴリーがある。ケイターハム スーパー7かマツダ ロードスターだ。なんだよ、いきなり最高かよ!しかしこのカテゴリー、MiToやプントエヴォ同様に高機動次元に持って行くとより楽しいというヤツで、最近のんびり走る楽しみを覚えたおっさんの筆者にはどうだろうか。

もっと逆の要素は?「旋回機動のタイト」さ。これの逆要素は「直進安定性」と解釈したい。確かにA-Cセグメント車両の場合、旋回機動の鮮やかさと直進安定性はトレードオフの関係になる…というか、旋回機動の鮮やかさに振らざるを得ない面があるだろう。要は高速道路や平坦まっすぐな道を、リラックスして走りたいということだ。

さて決定的なのがFFじゃないこと。現代のクルマは何かと全輪駆動に行きがちだが、もっとシンプルにFRで行きたい。今どきFRで売ってるクルマってーと、あ、いきなりアルファロメオ ジュリアか!友人がスーパーを買ってゴキゲンらしい。他には?あまり考えたことがないジャンルだから車種が思い浮かばないが、フォード マスタング、こいつはそもそも小学生の頃からかっこいいと思っていたクルマだ。

そしてやっぱりマニュアルトランスミッションであること。あとは左ハンドルならなお良い。おいおい、そうなるとマスタングしかねぇじゃねぇか!ということになる。しかもコンバーチブルがあるじゃないか。屋根開き、6MTなんて都合の良い仕様があるのかどうか知らないが、一生に一度は屋根の開くクルマに乗りたいと思っている筆者にとって、これ以上の選択肢は無いように思えてくる。



久しぶりにアルファロメオが
噂通りのモデル追加をしましたね



なんと現行モデル
コンバーチブルの6MT仕様が
普通にあるじゃん!


つづく

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■プン太郎■
筆者の愛車ABARTH PUNTO EVOのこと。
ブログ本文に「プントエヴォ」と
フルネームで書くと煩わしいので命名。

■R、K■
R=国道(Route **)
K=県道(Kendo **)
のこと

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。

■顧問■
筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

■朝練&夜活■
早朝に走りに行くのが朝練。
夜に走りに行くのが夜活(やかつ)。
夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■EDO■
Eat and Drink Organizationの略。
親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
「同乗者無しでひとり1台」
「うまいものを食べ、飲む」が掟。
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