クルマで行きます

クルマが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のABARTH PUNTO EVO乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
スタッドレス・イヴ
| PUNTO EVOのメインテナンス | 00:18 | comments(10) |

山下達郎の印税収入が増える季節。あらゆる店舗で浮かれた季節音楽が流れている。コンビニですら路面販売でケーキを売っている。コロナ自粛でいつもよりも人が少ないとはいえ、それでもカバーオールを着た幼子と楽しそうに歩く親子連れやキメキメべたべたのカップルが行き交う歩道。街中の熱量がいつもよりも高い。そう、今夜はクリスマスイブ。大手を振って浮かれられる聖夜である。しかし筆者は別の理由で家路を急がねばならぬ。プン太郎が待っている。

12月半ばの気の早い寒波のせいで、仙台市内はがっつり積雪。しかし我が家のプン太郎は、いろいろな不運が重なってクリスマスイブになってもまだノーマルタイヤのまま、家から1.5km離れた賃貸駐車場で惰眠を貪っている。寒波の1週間を経てようやく平年並みの気温に戻った仙台。路上の雪もほぼ溶けて、ノーマルタイヤでも移動が可能となった。今だ。今しかない。仕事帰りの夜作業になるが、とにかくプン太郎のタイヤ交換を行うのだ!それがオレのクリスマスイブ!!
 


作業中の画像は無し!
空気圧調整中


病気のせいで体力も筋力も落ちてしまった筆者にとって、ラックに置いてある17インチのホイール+タイヤを上げ下ろしするのがもっともキツイ。その次にキツイのがタイヤを組み付ける工程である。要は重いのだ。こんなのが四隅のダンパーの下でバタバタ暴れるのを制御するのって、すごい技術だと思う。

タイヤ交換が遅れたのは、自分で作業することにこだわってしまったから。ホイールスペーサーを改めて組付けようと企んだせいだ。12月初旬にお願いした車検作業時に一緒に頼むという選択肢もあったのだが、純正状態こそ是とする正規ディーラー(株)イデアルさんに頼むには、ちと気が引けた。少々負担だが自分でやろうと決めていたのだ。しかしまさか、12月14日に積雪するとは思わなかった。

ヘロヘロになりつつようやく作業終了。なんと1時間近くかかってしまった。段取りがめちゃくちゃ、酷いもんだ。1本だけ極端に空気圧が減っているタイヤがあり、スローパンクチャーが疑われる。要経過観察ではあるが、一晩明けても問題なかったので多分大丈夫だろう。

お待たせプン太郎。次の休みはどこかへ走りに行こう。

プントエヴォ・車検2020・おかえりプン太郎編
| PUNTO EVOのメインテナンス | 21:41 | comments(2) |

プン太郎を車検に預けてみたら、あれ?(費用が)ちょっと高いぞ?その後あれこれ見つかってさらに値段が上がっていってOMG!という過程を大長編の前後編2回に分けてお送りした。

プントエヴォ・車検2020・不穏な見積もり編
プントエヴォ・車検2020・恐怖の見積もり編

今回は最終回、「おかえりプン太郎編」をお送りする。誰ですか?「驚愕の請求書編」を楽しみにしてたのに…なんていうのは!先生、許しませんよ!
 




ルノー メガーヌR.S. Sr.3が
5台も並ぶフィアットのお店!


プントエヴォ車検(4回目)
総走行距離77,608km


24ヶ月点検 技術料 34,000円
保安確認検査料金 8,000円
下廻りスチーム洗浄 技術料 6,600円
下廻り錆止めシャシ塗装 技術料 8,000円
ブレーキオイル交換+エア抜き 技術料 3,300円
オイルフィルター 73500049 1,770円
以上の技術料とフィルター代はイデアルサービスクーポンにて無料化

エンジンオイル交換 SELENIA ABARTH 5W-40 51029976 8,100円(@2,700*3.0)
TRANS BELT SPK1150 55232450 3,900円
上記技術料 6,000円
SPARK PLUG 55249868 7,360円(@1,840円*4.0)
上記技術料 4,800円
ウィンカーバルブ12V21Wアンバー V91191432 700円(@350円*2)
上記技術料 2,400円
発煙筒 22222 1,050円
ショートパーツ 2,000円

消費税 4,046円


値引きなどあり、車検費用は
91,856円

これにイデアルクーポンの代金を足す
106,000円


合計 197,856円


恐怖の見積もり編に書いたとおり、サービスフロントSさんの暗躍によって20万円の絶対防衛圏は死守された。ふー、危なかったぜ。本当はエアクリそのものを交換してしまうプランも一瞬頭をよぎったのだが(alfa_manbowさんには見透かされていたようだ)、とにかく今回は車検を通過することだけを重視した。今後にご期待いただきたい。

今回の車検は終わってみれば(内容としては)平穏無事だった。むしろ波乱があったのはイデアルさんのスタッフのみなさんで、K店長の秋田出向とか、Tさんが鎖骨を痛めたとか、驚いたり眉を顰めたり。まぁK店長はSさん経由で筆者のある相談に乗ってくれたり、Tさんは笑いながら話してくれはしたのだけど。お二方とも、1秒でも早い帰還、快癒をお祈りするものなり。

実はこの回収日は仙台でもはっきりと積雪があった日で、ホイールスペーサーを装着したい一心でタイヤ交換を先送りし続けてきたプン太郎はなんとノーマルタイヤ。本当ならエンジンオイルとフィルターを交換した効果を体感すべく、エンジンをぶん回しつつ帰途に就くところだが、大渋滞の幹線道路を静々と帰るしかなかった。そして寒波がいったん和らぐまでは、acatsuki-studio駐車部門スペシャルブランチ(賃貸駐車場のこと)でお休みいただくことになる。やむを得ぬ仕儀ではある。早くプン太郎でお出かけしたいものだ。おかえり!プン太郎!そしてごめん!プン太郎!
 


マスクケースを頂戴しました!


余談
イデアルさんから帰る間際、Sさんから「実は当店のユーザーさんで……」とお話しをいただく。その方は当ブログの読者様で、たまたまの来店時、入院中のプン太郎を目ざとく見つけ、「ありゃあacatsuki-studioのプン太郎じゃねーのか?」とお気づきになったらしい。わざわざSさん経由でそんなお話をいただくのも嬉しいことだ。LのYに乗っておられるという。お声がけありがとうございます。いつかお会いできたらゆっくりお話ししましょう。しかし同時に、プン太郎が「走る個人情報」であることが(またもや)実証されてしまった。
 

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プントエヴォ・車検2020・恐怖の見積もり編
| PUNTO EVOのメインテナンス | 09:19 | comments(9) |

2020年12月、プン太郎が4回目の車検を受ける。例によって主治医の(株)イデアルさんに持ち込んだら粗見積もりで14万円だった。想定よりちと高いなぁとぼやいたら、工賃のほとんどを賄えるサービスクーポン購入を勧められた。それなりの金額を相殺できるものの、さらに3万円くらい上乗せでざっくり18万円の見積もりになったのだった。

不穏な見積もり編

筆者はクーポンを購入することとし、作業をお願いした。Sさん曰く「整備を始めてみてさらに何かあればご相談しますね」。不測の事態は常にあり得る。後日まんまと電話がかかってきて以下の項目を推奨された。

・エアコンフィルター交換(部品代と工賃で約1万円)
・エアクリーナーフィルター交換( 〃 )
・エンジン補器類用ベルト交換( 〃 )
・スパークプラグ交換(部品代約8千円)
・ワイパー交換(約5千円)


18万円にこれらを全部加えたら、ざっと23万円くらいではないか? 


無理。


いや、ホントにセコイ話で恐縮だが、こちとら今年2回も入院した身なのだ。オアシがほんっとに不自由なのだ(入院加療ってホントにお金がかかるのね)。なのでエアコンとエアクリのフィルター交換とワイパー交換は見送り。走りに直結の補器類ベルト交換とプラグ交換はお願いすることにした。「それだと21万円くらいですかねぇ」「引き取り日、オレは20万円持っていきますから、それでお釣りください!」「わっかりました!なんとか20万に収めます!」どちらがどちらのセリフか、説明の必要はなかろう。嗚呼。

続く
プントエヴォ・​車検2020・不穏な見積もり編
| PUNTO EVOのメインテナンス | 18:47 | comments(11) |


筆者の愛車アバルト プントエヴォことプン太郎が車検を受ける。現車検の満了日が2020年12月11日。もっぱら筆者の支払いの都合から満了日ぎりぎりまで受検を引っ張り、入庫は12月7日だった。お願いするのはこれまでどおり(株)イデアルさんである。2011年の国内初登録以来4度目の、筆者が2018年1月に購入して以来2度目の車検である。
 

2011年 登録初年度
2012年
2013年
2014年 車検1
2015年
2016年 車検2
2017年
2018年 筆者プン太郎購入・車検3
2019年
2020年 車検4


さて事前に予約を入れていたので、入庫日当日、サービスフロントのSさんが粗見積もりを作ってくれていた。それによると約15万円である。なんとか12万で収まるといいなぁと思っていたが、最低限の検査だけで12万、それにフロアのスチーム洗浄とコーティング、オイルとフィルター交換という不可避メニューを乗せただけで14万3千円とかになってしまうのだな、これが。

さらにSさんから提案が(イデアルさんのサービスフロントはイニシャルSさんが複数人いて紛らわしいのだがやむを得ぬ)。イデアルさん独自のサービスクーポンを同時に購入すれば、さっそく今回の車検から適用でき、さらにはこの先のオイル交換も数回無料になったりして大変お得ですよ、ときたもんだ。同行してくれた家人も「あたしは買うね」と断言。プン太郎購入時もやはりそのクーポンは大活躍だった。筆者もそのありがたみはよくわかっている。しかし今回の支払いはさらに3万円程度上乗せになってしまう。車検の工賃はクーポンで賄えるのだが、クーポン本体の価格というものがあるのでそうなってしまう。

約18万円かぁ。

当初想定(というか勝手な希望)から6万オーバーである。うーむ、どうしたもんか。

考え方を変えてみよう。9年オチ/約8万km走ったイタリア車の車検が18万円。ま、故障しないことで有名なガンマプラットフォーム(GM開発)のクルマとしては中庸な値段と言えるかもしれない。それにあーだこーだ言ったところで、現状のメンテ内容はどれも今やらなきゃまずいものばかりである。こりゃ覚悟を決めるしかない。

続く

プントエヴォ・タイミングベルト交換とスプリング交換など
| PUNTO EVOのメインテナンス | 21:21 | comments(8) |

ロードスター購入以来、こいつぜんぜんプン太郎に乗ってねえじゃねえか!と呆れている読者も多いかもしれない。だがこのエントリーを読めば筆者のプン太郎愛に涙を流さずにいられまい。珍しく先手メンテナンスが功を奏した話。
 


すでに報告したとおり、筆者が退院してきて久しぶりにプン太郎を動かしてみたら、ほどなく右前足から不穏なガチャ音が発生し、調べてみたら純正スプリングが折れていたというのが前回までのお話
 


これを見せられた時は
本当に驚いた


実はこの件とは別に、この夏のメンテナンスメニューとしてタイミングベルト交換を考えていた。それはプン太郎のこれまでの人生(車生?)を考えるとむしろ必然なのではないか…と思えてくるのだ。スプリング破断時の報告エントリーから再掲してみよう。

プン太郎のこれまで
●2011年初年度登録
●2018年筆者購入。この時の総走行距離約25,000km
●2020年現在の総走行距離約72,000km

新車から7年で2万5千kmしか走っていないクルマを、その後の1年半で5万km近く走らせているわけだ。自動車の劣化を測るにはふたつの軸がある。ひとつは経過時間、もうひとつは距離だ。経過時間軸で考えるとプン太郎は9年オチなのだ。しかも優しく扱われたと思われる7年の直後に山だ!田んぼだ!の5万kmである。時間軸上で劣化が進んだ各部位に距離軸上の負荷がのしかかっているとみて間違いあるまい。

まぁそれでスプリングが折れるとは思わなかったが(笑)。

ということで左右フロントのスプリング、そしてタイミングベルトの交換のための(株)イデアルさんへの入院は、途中に休業日1日を挟んだ7月9日から16日の8日間に及んだ(だからロードスターに乗るしかなかったのだ。代車も辞退したし)。

左右サススプリング交換とタイミングベルト一式交換_73,349km
Fサススプリング左右交換
SPRING 50902164 30,800円(@15,400 *2)
NUT 55702313 220円(@110 *2)
NUT 55702312 4,200円(@2,100 *2)
NUT 12578321 400円(@200 *2)
技術料 24,000円

タイミングベルト一式交換(ウォーターポンプ・クーラント含む)
KIT 71771575 28,300円
PARAFUL UP 59059420 6,300円(@2,100 *3)
技術料 36,000円

ショートパーツ(ブレーキクリーナー、油脂類) 1,200円

消費税 13,142円
合計 144,562円


サービスフロントTさんに「なんとか15万円でおつりが出るようにしてぇ!」と泣いて頼んだのだが、さすがTさん、斜線であちこちの金額を訂正してくれたらしい。ありがとうございます。なにしろこの話を詰めている時は、NCロードスターの支払い問題の佳境で、財布の中身はてんやわんやだったのだ。いやー、よく買えたよな、ロードスター。

Tさんによると、交換したタイミングベルトはけっこう劣化していたらしい。筆者の読みは当たっていたわけだ。00年代以降のフィアット車の消耗品の耐久性は著しく向上した。筆者の実体験で「タイベル10万kmは大丈夫」と理解しているが、それは新車乗り出しで5年10万kmなら…ということであって、単純に「9年酷使されたゴムのベルト」と考えると、このタイミングで交換しておかねばいつやるの今でしょなのだ。ともあれこれで自宅から200km離れた場所で5,000rpm回すようなことがあっても安心だ。

実はもう1件、同じくゴム製品に関する点検をお願いしていた。足周りアッパーマウントやブッシュ類もタイベル同様劣化しているんじゃないか疑惑である。スプリング交換でフロント足周りをバラすついでに劣化具合の確認をお願いした。こちらは目立った劣化はなかったらしい。少し意外だが、いずれにしても今回の作業ではなく12月の車検で対応するつもりだったので、引き続き注視していきたい案件である。

さて、スプリングを交換したプン太郎の乗り味や如何に? 残念ながらその違いは筆者レベルでは感知できなかった。むしろロードスターとのテイストの違いを味わうのに一生懸命になってしまっていた。もう少し時間が経ったらプン太郎とロードスターの乗り味の違いをまとめておいた方が良いだろう。自分の備忘録として、レガシイとしてのマツダ ロードスターの記録として。
 


 

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【寄稿】プン太郎搭載"ADDZEST APA4200"カーオーディオシステム修理についての技術的解説
| PUNTO EVOのメインテナンス | 15:31 | comments(16) |

プン太郎に搭載しているカーオーディオシステムの一部、別体アンプ、アゼスト APA4200が起動しない問題を、筆者の親友あにまる(あだ名である)に治してもらった。当初はAPA4200を解体するなりして起動しない理由を突き止めてもらうつもりだったのだが、アンプ本体ではなく電源ケーブルに取り付けているヒューズに問題があった。最初の作業日はごく単純な対処療法でしのいだが、バッテリーから直接引き出している電源のトラブルということもあり、ヒューズホルダの交換やヒューズの規格を無難なものに交換すべきとの指示が下され、別日に追加作業までしてもらうことになった。その作業の様子はふたつのエントリでレポートしてきたが、電気的理論と施工のロジックは置き去りにしてきた。これらの詳細をシステム設計を行ったあにまる氏に解説してもらえることになった。まずは以下のふたつのエントリをお読みいただき、技説文をお読みいただきたい。

なーんだ、こいつが原因か…な作業1日目の記録
おかえりADDZEST APA4200

満を持して危険を取り除く作業2日目の記録
プントエヴォ・オーディオ用ヒューズホルダ交換


ではあにまる氏の技術解説文を掲載する。なんと、当ブログ開設12年目にして初の寄稿掲載である。
 



【寄稿】プン太郎搭載"ADDZEST APA4200"カーオーディオシステム修理についての技術的解説 
ハイパーあにまる(@HYPER_animal)


0.本稿を読み進めるための予備知識
・電圧(V)=電流(A)x抵抗(Ω):有名なオームの法則。知恵袋によると中2で習うらしい。
・電力(W)=電圧(V)x電流(A):履修学年は同上(らしい)。
・乗数のテキスト表記:(例)3の2乗(=3x3)を3^2と表記する。コンピュータのプログラムやExcelの関数で使う。
・補助単位(正確には接頭辞):本稿では"m"(ミリ)しか登場しない。x1/1000(x10^-3)の意味。mm(ミリメートル)やmΩ(ミリオーム)など。
・電線の太さの規格:(例)2sq(読み:2スケア)=2mm^2(読み:2平方ミリメートル)=AWG14相当:電線の芯線(銅線部分)の断面積を示す。実物はビニルやゴムで被覆されているのでもっと太い。(例)を「2スケ」とか言うとプロっぽい。


1.はじめに
今回、本稿掲載のブログ「クルマで行きます」のブログ主から、「カーオーディオの別体アンプの電源が入らない。(中略)診断してみてもらえないだろうか。」という依頼を受けた。

筆者は、一応電気関係の仕事にも携わっているものの、専門は工場等の電気計装設備の保守や運用で、それ以外は趣味で室内用のプア・オーディオ(安価な機材で高音質を追求するオーディオ沼)自作等をするものの、車の電装系は余り実務経験がない。正直、骨折したので眼科医に治してくれと駆け込む(もしくは飛行機内で産気づいたご婦人を介抱する居合わせた医者が耳鼻科医...どちらにしても全世界の医師に失礼千万、謝罪します。ごめんなさい!)と言うような話ではあるが、大親友の頼みである。出来る限りの協力をすることとした。

そして、「ヒューズホルダー交換作業の全般及び技術的注意点」を書いてみないか?とも誘ってもらった。詳細な作業過程などはブログ主に任せるつもりだ(彼のライヴ感溢れる文章にはいつも脱帽している)が、技術的注意点、パーツ選びや工法の根拠についてを、本稿で詳しく述べたいと思う。

車系実務経験が乏しい故、本稿には間違いが散見されるかもしれない。もしおかしな記述を見つけたら、ブログ主を通じて、あるいはTwitter等で"やさしく"ご教示いただけたらと思う。お礼はいつか必ず、精神的に!


2.原因調査
調査当日の流れは、ブログ主が2020.06.16のエントリで詳細にリポートしてくれている。ごく簡単に述べると、アンプの電源ケーブルのヒューズボックス内に浸水による発錆と思われる接触不良があり、アンプが起動し電流が流れると、ほとんどの電源電圧がヒューズで食われ、アンプにはわずかしか供給されないという危険な状態であった。


3.修理方針
 


危険な状態のヒューズボックスを交換する必要がある。早速ネットで検索してみると様々な製品がヒットする。ブログ主は「エーモン工業製「【2889】防水平型ヒューズホルダー」をチョイスした。言わずと知れたクルマ関連補修パーツ大手の製品であるし、しっかりとIPX4(防水規格:水の飛まつに対して保護)を謳っているのが信用度高い(腕時計などでも、しっかり防水規格の等級を明記していない製品は"なんちゃって"防水腕時計なので信用してはいけない)。パッケージ裏の能書きも頼もしい。

エーモン工業製「【2889】防水平型ヒューズホルダー

"バッ直"された既設のプラス側ケーブルはパッと見5.5sqくらいの太さか?これとヒューズホルダーのリード線を圧着スリーブでしっかりと圧着し、電気工事界マストアイテム・エフコテープNo.2でがっつりと絶縁・防塵防水処理することとした。

朝日電器製圧着スリーブ
古河電工パワーシステムズ製エフコテープNo.2

圧着スリーブは5.5sqに対応する製品(ELPA PB-5.5H)を使用し、2sqのリード線は芯線を二つ折りにしてスリーブに差し込み圧着する。圧着には当然専用の圧着工具を使用する。大電流が流れる電源ケーブルを、いわゆるペンチカシメなぞ禁忌。非常手段でもやってはいけない。
 


エフコテープの一般名は自己融着テープといい、巻いて重なった部分が融着して一体化し、強固な被覆となる。見た目は厚手のビニテのようだが、融着した部分が剥がれなくなるので、長期間、且つソコソコ過酷な環境の電気系統の処理には必須で、厚みも巻いた分だけ増やせるので、太めの配線なら熱収縮チューブよりオススメだ。
 


4.ケーブルの許容電流とヒューズの選定
やりとりの途中、ブログ主から「現状でつっこまれてるヒューズは40Aなんだよな。」と質問が来た。ヒューズホルダーのパッケージには「15Aまで」と明記されている。さてさてどうする?

リード線は2sqだが、一例としては産業界で一般的なIV線というケーブルで太さ2sqなら27Aまで電流を流して良い。だがこれは、被覆の素材(耐熱性)や周辺の環境で変わる。ケーブルに電流が流れれば、大なり小なり発熱するので、高温な場所やケーブルを多数束ねたい場合はもっと電流は抑制しなければならない(余談だが、電工ドラムやコード式掃除機のケーブルを全部引き出して使わなければならないのは、発熱によるケーブル被覆の焼損防止のためである)。まず40Aは絶対無理、27A以下...いやエンジンルーム内は高温なのでもっと低く抑える必要があるのでは...と思い、改めて調べてみた。

ヒント(というか答え)はパッケージに書いてあった。「AV2sqx約300mm」と記載されている。2sqのリード線が300mmついているのはすぐわかったが、AVってもしかしてケーブルの規格か?と思い調べてみたら、「AV 自動車用低圧電線」というのを見つけた。

住友電装株式会社ウェブサイト > 一般電線 > AV 自動車用低圧電線
http://prd.sws.co.jp/cables/jp/av.html

筆者は仕事や趣味で色々なケーブルを扱ってきたが、この規格は恥ずかしながら知らなかった。ありがとうブログ主!勉強になった。
注目は2つ目の表「許容電流」。太さ2sqは周囲温度40℃で28A、60℃で20Aとある。安全マージンを見てパッケージ記述の15Aは妥当だ。だがしかし、ADDZEST APA4200は最大出力200W+200Wのパワーアンプである。単純計算で、

出力(200W+200W)/バッテリー電圧12V=33.3A

も流れる可能性があるではないか?!

...実際には33Aも流れる瞬間はそうそうないと思われる。陸上自衛隊音楽隊はチャイコフスキーの「大序曲 1812年」の演奏に155mm榴弾砲FH70(王城寺原演習場から時々聞こえて来る重低音の正体。スバルの水平対向1.8Lを搭載し、陣地変換程度の短距離ならば自走できる)を撃つ時があるので、そんなのをVOL.Maxでスーパーウーハー鳴らしたりしたらいくかもしれないが、例えば我が家の自作プア・オーディオの20Wアンプと10cmスピーカのセットだって、VOL.を時計の2時程度まで上げたら隣人から怒鳴り込まれそうな音量が出る。最大電流33Aの爆音なんて、安全運転上も考慮しなくていい。そもそも、ひんぱんに33Aも流れたら、バッテリーやオルタネータが悲鳴をあげるだろう。

よって、ヒューズ推奨はパッケージ記述通り15A、ヒューズ飛びまくって困る場合でも20Aにとどめるべき、とアドバイスした。15Aの時でも、

12Vx15A=180W(90W+90W)

は出せる。十分だろう。


5.既設ケーブルについての考察(オームの法則さん、出番です)
前述の通り既設のプラス側ケーブルが5.5sqだとして、その妥当性を検討してみた。(注:以下の計算は四捨五入して丸めた数値で計算を進めているので、少々誤差が大きい。読み易さ,追い易さを優先したことをご了承願いたい)
たとえば、一段細いAV線3.5sqで配線されていたら?、前述のAV線資料ページ、表の1つ目(表中のサイズ3)を見ると、最大導体抵抗が5.59(mΩ/m)とある。エンジンルームのバッテリーから助手席下のパワーアンプまで配線長5mくらいかな?とするとケーブル全体では、

5.59mΩ/mx5m=0.028Ω(式の左項と右項で補助単位変えてるので注意)

となる。わずかな抵抗値だが、これにアンプ最大出力時の33.3Aが流れると、

0.028Ωx33.3A=0.932V

がケーブルによる電圧降下となり、

0.932V/12V=7.8%

もアンプに電圧が届かず、ケーブルで熱となって車内に逃げてしまう計算結果となった。結構効く!

また産業界の例だが、電子機器が正常動作を保証される電源電圧変動幅は定格の±10%くらいが多い。一応3.5sqでも範囲内の結果となったが、実際にはこれにヒューズやアンプの端子台での損失も加わるので、結構ギリギリかもしれない。
ではこれが5.5sq(表中のサイズ5)の場合だとどうだろう?

3.52mΩ/mx5m=0.018Ω
0.018Ωx33.3A=0.599V
0.599V/12V=5.0%


で済む。ケーブルのチョイスは、この最大導体抵抗と電圧降下を一番最初に考慮しなければならない。加えてまた2つ目の表から5.5sqの許容電流を拾うと、50℃で44A,60℃で36A。元ヒューズ40Aとだいたい合う。

プン太郎、そしてその前のアルファロメオ MiToの時にセッティングを依頼したのは、ブログ主が「カーガイ」と呼ぶプロ中のプロだそうだ。おそらくプロはこんな計算はいちいちしない。経験でこれくらいのを使えばOKとチョイスしているだろう。経験乏しい筆者は、後追いで机上検討してみて、さすが!と納得した次第(acatsuki-studio注:MiToのオーディオ施工はK店長で、プロというよりは凄腕のカーオーディオマニアと表現するのが正しい)

なお、ヒューズボックスの2sqリード線は、往復でも最大0.6mなので、大して電圧降下はしないだろう...計算してないけど。33Aも流さない(15ないし20Aのヒューズが飛ぶ)しね。

あと、被覆の色(ケーブルの色)は、絶対"緑"だけは選んではいけない。地球上、日本もアメリカもヨーロッパでもどこでも緑(もしくは緑と黄色のストライプ)はアース線だ。余っているからとか、好きな色だからとかでプラスの電源に緑のケーブルを使われたら、のちの整備者が絶対に間違ってひどい事故になる。


6.施工および試運転
材料が揃ったので、いよいよ施工だ。

定石通りバッテリーのマイナス側→プラス側の順にケーブルを離線し、不良ヒューズボックスを撤去し...と順調に作業は進んだが、中盤、圧着スリーブを車内に落とす痛恨のミスをしてしまった!マイナスケーブルを外した後の養生が不安だったので、バッテリー周辺をビニールシートで覆う準備はしていたが、思ったほど邪魔にならなかったので、養生せずに作業を進めてしまったのが敗因だ。エンジンルーム内の奥に入り込んでしまって、全く視認できず回収は断念。読者の皆様は、レジャーシートやビニールの風呂敷でいいので、きちんと養生をして作業に臨まれたし。

その後は修理方針通り、圧着スリーブで既設ケーブルとリード線を圧着したのちエフコテープで絶縁処理。ヒューズボックスの固定は、ウォッシャー液ポンプのリレーユニット(かな?)が手頃な場所に手頃なサイズのボルトで留めてあったので、ヒューズボックスのパッケージ作例写真通りに共締めし、リード線はボンネットの開閉操作ワイヤーに這わせて結束バンドでまとめた。テスターで施工部分の地絡(プラス側がアースに落ちて漏電を起こす危険な状態)・短絡(通じるべきはところは通じ、開放されているべきところは開放を確認)したのち、復旧の定石通りプラス側→マイナス側の順でバッテリーにケーブルを復旧して作業完了。
 


エンジンスタートしてヘッドユニットからアンプを起動すると、車内にサウンドが鳴り響きほっと一息。ブログ主が通常聴いている音量に上げてもらって、しばしリード線部分に触れて温度上昇を確認したが、その兆しはなくこちらも問題なし。

もちろん数日かけてもう少し様子を見る必要はあるが、計画通りに修理は完了した。詳細はブログ主の2020.06.25のエントリをご一読願う。


7.アフターメンテナンス(というより、半分は筆者の興味)
作業・試運転完了直後に本稿を書いているが、新しいヒューズボックスを経由して、アンプの端子台に電源が何V供給されているのかを確認していない。これはミスに近い確認漏れだ。近日中に再会の機会を得て測定しよう。その際には端子増し締めも忘れずやらねば。

電流が何A流れているのかも机上計算のみである。最近はクランプメーター(回路に流れる電流を、離線作業なしに安全に測定できる測定器)もずいぶん安価になったので、この機会に購入してちゃんと測定しようか?アンプのように負荷変動の大きそうな電流を精密に測定するのは難しいと思うが(ちゃんと測るなら、シャント抵抗とオシロスコープが必要だろう)。

ヒオキ製クランプオンAC/DCハイテスタ3287
(DC/ACクランプメーターの例。筆者は電気の測定器は横河よりも日置推し)


8.謝辞、そしてクルマヘンタイなブログ読者の皆様へ
貴重な修理経験と勉強の、そして本稿執筆の機会をくれたブログ主に感謝する。死ぬまで親しい友達付き合いをお願いします。

読者の皆様へ、このように中学程度の理数の知識はヘンタイ的カーライフにとても役立ちます。中2といえば14歳。この年頃のお子さんのいる読者の方々は、妄想でエヴァに乗せるのもいいけど、しっかり勉強させて、立派なクルマヘンタイに育ててください。
 

acatsuki-studio注:画像挿入やリンク先の編集を行った

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プントエヴォ・オーディオ用ヒューズホルダ交換
| PUNTO EVOのメインテナンス | 07:34 | comments(3) |


カーオーディオシステムの一部として搭載している別体アンプ、アゼスト APA4200が起動しなくなったため、親友あにまるに仕切ってもらい見事復活を遂げたことはすでにエントリーした。

おかえりADDZEST APA4200

起動しなかったのは、バッテリーから直接引いているプラス側電源ラインに付いている40Aヒューズが、発錆によってヒューズそのものが「抵抗」化して電圧が低下したことが原因だった。上記エントリーでは対処療法で事無きを得たが、バッ直電源のこうしたトラブルはたいへん危険、改めて強固な防水仕様のヒューズホルダに取り換えるべしという提案(というよりも命令)が下ったところまでで終っている。必要な部材を揃えたので、再びあにまる監修のもとヒューズホルダ交換作業が某所で行われたのでレポートする。
 


今回用意した部材。
ヒューズホルダ、
圧着端子
ヒューズ
絶縁テープ

 

ヒューズが錆びるということは、いずれかの理由で水分に侵されたからだ。どこから水分が入り込んだかを検証するよりも、設置位置を変えて守る方が実効性が高い。さて新しいヒューズホルダをどこに付けるか…。



あ、なんですかこのボルトは


仮留め。
おー!ぴったりじゃないか。
ここでいいじゃん



ボンネットを閉めても
干渉しないことを確認


旧ヒューズホルダを切断。
長いことおつかれさま


被覆むきむき


右手側が
アンプへ伸びる元々の負荷側ケーブル
左手側が新ヒューズホルダのケーブル。
径が異なるので二重にして圧着端子に挿入



はい、結線できました


絶縁テープで保護


これくらいやればよかろう。
あとは電源側も作業


念のため通電確認


新配置


本当は15-20A規格のヒューズに
しなければならないのだが、
この日は手配が間に合わず
暫定的に新しい40Aヒューズを設置


バッテリーマイナス端子側も結線し、
作業は終了

 

改めてあにまる君ありがとう!! あとは20Aのヒューズを買ってきて入れ替えるだけだ。なぜ40Aヒューズが搭載されていたか、そしてなぜ20Aに取り換えても良いのか。ここは筆者の意訳解説よりもシステム設計者の説明を聞くのが最善である。当連載企画では、最終回としてあにまる君の技術解説文を掲載予定である。ご期待あれ。

さて、親友とは言えここまでやらせてPETボトルのお茶一本で文字通りお茶を濁すわけには行かぬ。あにまるのリクエスト…というか、話の流れでギャラランチはうなぎに決定。筆者も初めて知ったのだが、実はあにまるはうなぎエクスプローラーだった。市内のうなぎ屋にやたら詳しい。そんなあにまるが「仙台市内でいちばんおいしい」というお店「いわま」へ、プン太郎で移動。



わーい!


おおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

 

うなぎにすっかり気を取られてしまったが、20Aのヒューズ、買ってこなくちゃな。最終回の技説を待て。
 

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強化サスひと巻カットってヤツやね(Copyright by シャコタン★ブギ)
| PUNTO EVOのメインテナンス | 06:07 | comments(10) |

COVID-19対策として取られていた「県をまたぐ移動の自粛」がようやく解除された6月19日(金)。しかし我が愛車プン太郎は越境どころではない絶不調に陥っていた。いや言葉が正確ではない。動作に異常は感じられないのだが、右フロント周辺から無視できない音量の異音が発生していたのである。

走行中はほぼ鳴っていると言っても過言ではないが、路面からの不正入力に敏感に反応しているのは間違いない。田舎道のごく細かいアンジュレーションから舗装剥がれのガツンという入力にまで、ある意味で正確に反応し、カラカラともガラガラともつかない異音を発生し続ける。足周りからの異音で良い話であるわけがない。2020年6月第三週始めあたりから発生していたが、6月17日、あまりの晴天に少しだけツーリングに…と思い立った筆者のやる気をその異音があっさりと打ち砕いた。

路肩にプン太郎を停め、(株)イデアルさんサービスフロントに電話で入庫相談。「ハブベアリングが逝ってる可能性がありますねぇ」。ええ、私もそうかもしれないと思いました。で、診てくれませんか。「あいにく今日明日はもうピットは予約で埋まってしまっておりまして…。最速で19日**時になります」あ、もうそこでいいですから診てください。ということで6月19日に入庫が決まった。

その日、頼れるサービスフロントTさんが「原因、わかりました」と紙で包まれた何かを持ってテーブルに近づいてきた。包みの中身を見てぎょっとする。サスペンションスプリングが破断していたのである。
 

ロワー側の最初のひと巻目がぱっきり

通りかかったK店長と仕事帰りに立ち寄った家人も加わり、破断したスプリングを前に今後の対策を検討。スプリングの高さがひと巻ほど不等長状態ではあるものの自走は可能。最悪地下鉄とバスで帰宅することを考えていた筆者夫婦は安堵した。が、Tさんから提示された純正パーツ使用前提の修理見積りの内容(=費用)を確認し暗転。

右フロントスプリング交換
技術料 14,400円
S ショートパーツ *1 20,300円
NUT 55702313 *1 110円
NUT 55702312 *1 2,100円
NUT 12578321 *1 200円
消費税等 3,711円

見積額 40,821円 

アバルトブランドの車両は500ベースの595モデルだけに今はなってしまったが、アバルト グランデプント/プントエヴォは、ブランドの中では異質のGT的傾向をまとう、すなわちグランドツアラーモデルであると筆者は信じている(もちろん峠道での旋回も楽しいし懐は深いけれど)。そんなプン太郎のしなやかな足周りの不具合は、さっさとしなやかな状態に戻すべきなのだが、問題はそのしなやかさが純正パーツならではの味わいであることだ。スプリングを社外品で少し安くあげるという手段もなくはない。が、プン太郎の足さばきは純正パーツだからこその味わいだと筆者は信じており、安易な社外品への交換には興味がない。今からでもエッセエッセキットを取り付けられるなら話は別だが…(エッセエッセキットは純正だろ!というツッコミは不要です)。だがやはり純正品はトゥ エクスペンシブですなぁ。上記見積り内容はあくまで右片側分だけの話というのも問題に拍車をかけている。どこに拍車があるのか。今回の推移を考慮すると、破断の原因は経年劣化であろう。フィアット車両の純正スプリングが経年劣化で破断というケースは実に珍しいとK店長はいう。ただプン太郎という個体の来歴を考慮すると、やや異質な背景が見えてくる。

●2011年初年度登録
●2018年筆者購入。この時の総走行距離約25,000km
●2020年現在の総走行距離約72,000km

初年度登録から7年間で2万5千kmしか走ったことのない個体を、その次の2年半で約5万kmもしごいている。こういう運用は消耗品の劣化を早めても仕方ないのではないか。加えて5月の筆者の再入院騒動である。この2年半ほぼ毎日しごかれていたプン太郎としては突然1ヶ月の放置である。毎日乗っているクルマは毎日乗り続けることで健康が維持されると思ってきたが、それを裏付けるかのような今回のスプリング破断。当然反対側の左フロントでも発生する可能性は高まったと言えよう。仮に破断まで至らなくても、片や新品片や9年オチというチグハグさは、アバルトブランド車両だからこそ許されない。足さばきの美技を味わうなら、左右双方を手当てするしかないのだ(リアは放置かよ!というツッコミは不要です)。

つまり値段は見積書の倍ですわな。

頭ではわかっていても、支払いという現実がそびえ立っている。家人と筆者はいったんイデアルさんから引き上げることにした。駐車場でプン太郎の現状確認。スプリングが左右不等長であることは理屈ではわかっているが、見てもわからない。
 

走り出してみてもまったく異常は感じられない。良いんだか悪いんだか…。その帰宅途中の車内で緊急費用捻出会議が実施されたことは言うまでもない。acatsuki-studio家の出した結論とは?次回を刮目して待て。
 

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おかえりADDZEST APA4200
| PUNTO EVOのメインテナンス | 09:20 | comments(5) |

実はしばらく前からカーオーディオ別体アンプADDZEST APA4200が起動せず、車内で音楽を聴けない状態になっていた。運転中の音楽再生が必須というわけではないが、クルマの機材が不健康な状態は気に障る。さてどうするか。昨今のカーオーディオ用デジタルアンプなど、アナログ高級品に比べれば駄菓子のような値段である。新規購入するにやぶさかではないが、本当に壊れてしまったのかどうか確かめてからでも遅くはあるまい。どことなく接触不良による突然死の気配が以前からあった。しかし電気に疎い筆者、アンプ本体をバラすことはできても、ハンダ浮きの再ハンダくらいはともかく、コンデンサー不良を突き止め代替品へ交換するなどのスキルは持ち合わせていない。どーしたもんか。

そこで本件、電気に詳しい親友「あにまる」に面倒をみてもらうことにした。あにまるとはもちろんあだ名である。EDOメンバー(欄外「クルマで行きます」用語集EDOを参照)。あにまるの貴重な休日の午前中にプン太郎で乗り付けるの巻。
 


作業開始のよろしくおねがいしまーす、の図。
あにまるの愛車は
日産 マーチ12SR。
車両剛性感やソリッドな旋回挙動など、
実はプン太郎を超える名作車両

 


助手席下に設置しているAPA 4200


 

定石どおり、まずは通電確認と電圧測定から。幸い通電に異常はなかった。さまざまな状況で電圧を測定しているうちに、あるタイミングで異常な電圧変化を計測。



システムリレー電源ケーブルもチェック。
異常なし


1.プン太郎の電源OFF状態=正常
2.アクセサリ電源ON状態=正常


!!!???
3.
アクセサリ電源ON
オーディオユニットON状態=異常
に、2V??


なんと3.状態で計測するとアンプへの電圧が2Vまで低下する。これが起動できない原因であろう。12V仕様のアンプへ2Vしか送電されなければ、電圧不足で起動できなくてあたりまえだ。バッテリーからプラス電源を直接引いている都合から、途中にヒューズボックスを咬ませているのだが、こいつが何か悪さを…?とヒューズそのものを確認してみれば、接点にサビのようなものが浮いているではないか。
 


ヒューズの接点を
ガシガシこすって清掃


再装着。
接点固定が甘めなので
ビニールで養生

 


正しく送電され無事起動。
ビル・エヴァンストリオの
ライヴが
高らかに鳴り響きました
 

結局このヒューズそのものが巨大な電気抵抗となり、アンプへの供給電圧が稼げず、異常低電圧状態が発生し、APA4200が起動できなかったわけだ。現象確認・原因究明・作業・復活と鮮やかな手腕でありました。あにまるありがとう!


アナログカーオーディオアンプAPA4200はADDZESTブランド(元クラリオン/現クラリオン)の商品だが、実は米国マッキントッシュ社のOEM製品。中域が豊かでかつ高域も必要充分にさわやかに抜けていくその音質は、筆者の音楽的嗜好とフォーカル 165CVX(後付けスピーカー)とも非常に相性が良く、安易にリプレイスを許さない。本体のトラブルじゃなくて本当に良かった。

ということで対処療法としては解決したのだが、リレーヒューズ(40)がサビ的な何かで劣化していた現象は解決していない。ヒューズボックスそのものが防水タイプではないので、経年で徐々にわずかな水分に侵されていったと想像する。あにまるからは早々に防水型のボックスに替えることを強く推奨された。えぇ、amazonで発注したのでまた面倒みてください。
 

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憧れのガレージジャッキ(とウマ)
| PUNTO EVOのメインテナンス | 08:03 | comments(9) |

運転できないプン太郎に関する心配事と言えば、先に書いたサイドブレーキ固着とバッテリーあがりの両問題である。固着はもうどうしようもないが、息子がアイドリングだけはしてくれているので、過剰に心配しなくても良いかもしれない。なにしろ昼飯を作って喰ってる間かけっぱなしだったケースもあるらしい。週に2ー3回もそれだけ回してくれればオルタネータも少しは仕事をするだろう。もうひとつ、火急の問題ではないものの気になっていることがある。

それは外したままのホイールスペーサーをいつ再び取り付けるか?である。取り外した経緯が情けない案件だったこともあり、正直、今すぐ再装着したい。ところがこちとら体調絶不調、2週間以上絶食していて食事再開のめどすらつかない。つまり体力も筋力も、もうこれ以上はヤバイっすレベルで低下してしまっているのだ。

どれくらい体力が落ちてしまったか別メディアに書いた。
Tumblr 仙台にいます「再入院日記2020 #3:20200515 恐ろしく体力が落ちている話」

踏み台昇降もできないへろへろ人間が、17インチのアロイホイールの取り外しと再装着4本!なんて作業をするのはもはや危険である。情けない案件に関わった息子も手伝うのを嫌がるだろう…。かと言ってディーラーたる(株)イデアルさんへ持ち込むのも大仰な話。そもそも自分でやれる作業に工賃を払うのも腹落ちが悪い。どうしたものか。

実作業についてはともかく、ホイール交換の際にいつも考えるのがガレージジャッキとウマ(=リジットラック)のことだ。すでに油圧ジャッキ(耐荷重未確認)は導入して、パンタグラフものに比べれば天地ほど違う安楽さを手には入れたものの、4回の上げ下げが2回で済むならもっと楽じゃんねという、筆者の下の方へ下の方へ流れる性情には切りがない。ただ作業効率は良いと思うのだ、実際のところ。

時間をかけずにホイール交換作業を終えたい理由は、筆者の怠惰な性格に拠るものだけではない。筆者自宅の駐車スペースには傾斜が付けられており、ジャッキ作業に適さない。仕方ないので自宅前の路上で作業するのだが、どうしたってご近所の交通を妨げてしまう。いつも心苦しく思っている。だから作業はさっさと終えたい。4回の上げ下げより2回で済むなら…のココロである。
 


当家駐車スペース現状


じゃあガレージジャッキとウマをさっさと買えよという話なのだが、肝心のプン太郎ことアバルト プントエヴォの、エンジンルーム下/トランク下のジャッキポイントがわからない。同一プラットフォーム車種であるアルファロメオ MiToに乗っていた頃に、いちどイデアルさんで尋ねたことがあったのだが、「無いんじゃないですかね…」とはぐらかされた。まぁピットでは正規のジャッキポイント4点をリフトで昇降するのだから、普段そのことを考えないのも当然ではある。しかし無いということもあるまい。整備マニュアルに載っていないのだろうか。

冷静に考えてみて、単にホイール交換作業のために、前を上げてウマを噛ませて2本交換作業、前を降ろして後ろをまた上げてまたウマを噛ませて…という作業が、4本地道に上げ下げする作業からどれほど時間短縮できるかは疑問である(笑)。自分でオイル交換をしたいというならともかく、筆者如き素人には過剰な設備投資かもしれない。そもそもホイールスペーサー装着は必須ではないのだし。

ただねぇ…。やっぱりツライチアピアランスに満足しちゃうと、純正状態が迫力不足に見えることも事実なのでねぇ…。
 

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■プン太郎■
筆者の愛車ABARTH PUNTO EVOのこと。
ブログ本文に「プントエヴォ」と
フルネームで書くと煩わしいので命名。

■R、K■
R=国道(Route **)
K=県道(Kendo **)
のこと

■S店長■
筆者のMiTo購入時の担当営業さん。
現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。

■顧問■
筆者の友人太郎君のこと。
エンスージアストにしてドラマー。
いろんな意味で筆者の指南役にして
このブログの技術顧問(と勝手に思っている)

■朝練&夜活■
早朝に走りに行くのが朝練。
夜に走りに行くのが夜活(やかつ)。
夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■EDO■
Eat and Drink Organizationの略。
親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
「同乗者無しでひとり1台」
「うまいものを食べ、飲む」が掟。
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