クルマで行きます

AlfaRomeo MiToが好きなことにかけては人後に落ちない。
東北のMiTo乗りが綴る、クルマについてのあれこれ。
【試乗記】ルノー メガーヌR.S.「えぇ、もう、これで」
| 試乗レポート | 10:58 | comments(6) | trackbacks(0) |

筆者が愛読していた自動車雑誌AUTOCAR JAPAN(日本版は現在休刊しwebのみ)の英国本国編集部は、英国フォードとルノーびいきだった。あるドイツ製スポーツカーとルノースポール(本当はずばりなメーカーと車種が書いてある)の対決評価記事で「ドイツ製スポーツカーがエクセルシートと定規から作られている印象なのに対し、ルノースポールはドライビングシューズとお尻の感覚をもとに作られている印象がある」という意味の一文があった。筆者はこういうのにシビレるタイプである。

筆者は「スポーツカー」とは「観念」の世界だと思っている。作り手の「こうあるべきだ」が存分に反映されている必要があって、その考えに共鳴できるかどうか。観念と観念のすり合わせで納得できれば買う(多額のお金が必要だが)。その意味ではルノーでもトヨタでも共鳴さえできれば良いわけだが、「ドライビングシューズとお尻の感覚をもとにチューニング」する観念には積極的に共鳴したい。特にMiTo乗りである筆者にとって、ワンランク上のセグメントに君臨するメガーヌR.S.は現行モデルがデビューした時から垂涎の的であった。

2017年8月に開催された北日本MiTo会 MiTo Meeting 2017に参加してくださった関東在住のしまのすけさん。LHDのMiTo QVからルノー メガーヌR.S.への乗り換えを実現されていた。「うわー!いーなー!!」とよだれを垂らしていたら「乗ってみていいですよ!」と勧めてくださった。これまでイデアルさんの中古車売り場に並んでいるメガーヌR.S.のコクピットには何度も座ってきたが、動かすのは初めてのことである。厚かましくも試乗させていただいた。メガーヌR.S.を今からでも買おうと思っている人は、以下読まないでいただきたい。筆者の購入時にライバルが増えて困るいやー、メガーヌ最低!こんなの乗る人の気が知れない。最悪。以上、メガーヌR.S.を買おうと思っている方、さ・よ・お・な・ら。ぶっ!
 


これが!しまのすけさんのメガーヌR.S.だっ!


以下メガーヌR.S.に興味の無い人に向けて書く。着座してドライビングポジションは調整せず、しまのすけさんのポジションのままで走りだした。やっぱり人様のポジションをあれこれ弄るのは(ちょい乗りだし)気が引ける。しかし一応着座環境についてレポートしておく。まずイスとハンドルの関係は素晴らしい。ハンドルに刻まれた黄色いセンタートリムは伊達じゃない。メジャーなどを使っての検分ではないが、少なくともこの点は問題ない。ABペダルレイアウトは、やや左に寄っていた。敢えて理想のAペダル位置を探ってみたが、タイヤハウスに盛大に邪魔されている感じもない。もうちょっと右に寄せようと思えばできたと思われるが、深遠なチューニングの結果なのか機構的制約の産物なのかは判明せず。少なくとも気に障るほどのことはない。

フロント窓外を見ると、ボンネット前端は大きく落ち込んでいてまったく目視できず。このクルマでコンビニの駐車場に前から停める人はいないと思うので、これも大きな瑕疵ではない。本当はボンネット前端が把握できなくても不安に思わない理由は別にある。後述する。目線を移すとメータークラスターやダッシュボードの位置が予想よりも高い位置に見え、ボンネット前端の件と併せて、身長170cmの筆者でもやや囲まれ感のある環境ではある。巷で言われる後方視界は、なるほど狭い(笑)。だが少し走って引き返す時、駐車場に入ってわざと白線内に後進して停めてみたのだが、意外や苦労しなかった。ドライバーの目線から、クルマの向き(どれくらいナナメになっているか、真っすぐか)が把握しやすい。フロントドアガラスのラインの切り方がうまいのかもしれない。同じフランス車でも家人のシトロエン DS3はドアガラスの下端が前から後ろに向かって上がるように傾斜しているせいか、ドアを規準にすると真っすぐ後進しづらいのだ。ドライバーの感覚って繊細かつ微妙なのね…。おまけにメガーヌR.S.、どういうわけかタイヤの位置がとても把握しやすいのである。これは数メートル走らせただけでひしひしとわかる。ボンネット前端が把握できなくても不安を感じない理由はこれだ。駐車スペースに後進で停める1回の動作でこれらのことを体感できることは稀である。つまり着座環境全体ではネガティブな気持ちは一片も生まれない。

続いて走り出してどうだったのか。6MTとエンジン性能のバランスは気持ちいい。シフトノブの動きも格段にクイックではないものの、充分に「飛ばす気になる」動作。クラッチミートのタイミングもヘンなクセはなく、Cペダルのチューニングは手前側でミートするもので、MiToから乗り換えても違和感が無い。MiToと比べる視点でもうひとつ加えればシフトノブがやや短く、それだけで御の字だ。残念ながら今回のちょい乗り試乗ではエンジン(2リットル直列4気筒DOHC16バルブターボ)の真価を体感することはできなかったが、あっという間に免許に優しくない領域に突入してしまう、とだけ書いておく。

驚いたのはハンドルの重さ。電子制御パワーステアリングの抵抗感。もちろん驚くのは走り出しの一瞬のことで、速度が乗れば落ち着く。むしろコクのある動きである。しまのすけさんの個体は18インチホイールに確かミシュランパイロットを組み合わせていたが、メガーヌR.S.の純正オプションには19インチホイールもあるそうで、そんなの履かせたら一体どうなるんだ?と心配になるほどの抵抗感である。筆者が知る限りではあおさんのプジョー 206SW S16の油圧モノよりも、ヘタしたらMiToのdモードよりも重い。その分当然のことながら直進性は素晴らしく、残念ながらそれを堪能できるだけの直進路は無かったのだが、充分に想像できた。このハンドルの重さから逆説的に考えると、MiToを含めた昨今の欧州車の電制パワステが軽過ぎるのかもしれない。タイヤの位置の把握しやすさと合わせて、このハンドルの抵抗感はもしかしたらメガーヌR.S.の最大の美点かもしれない。試乗コースは羽鳥湖湖畔のザラザラとした平坦なクネクネ道。MiToのお手軽電制パワステに慣れ切った筆者では、ハンドルを切るのに「オラァ!」的な気合いがいるのだった。

しかし前述の車両情報やタイヤ位置の把握しやすさが、こういう道でものすごく生きてくる。横幅は1800mmを超えている(1,850mm)にも関わらず、初めての運転で車線のセンターを(コーナリングの最中でも)ビシッと維持できる。コクのあるハンドル操作とAペダルの微妙なコントロールと併せて、ラインはどうにでもコントロールできる感覚がある。

ちょちょちょ、ちょっと待ってくださいよ。

なんですか?このゴキゲン具合は。

めっっっっっっちゃ楽しいんですけど!

かつてイデアルのK店長がメガーヌR.S.を評して「乗れば乗るほどボディを小さく感じる」とおっしゃっていたが、なるほどなるほど。さすがにこの試乗だけでボディを小さく感じることはできなかったが、外観を裏切る車両の把握のしやすさはビンビンにわかる。その車両感覚の感知を助けているのがボディの高剛性とセミバケットシートだ。メガーヌR.S.の剛性感は、右ドアの合わせが微妙な感じになるほどグズグズに草臥れてきた我がMiToとは比ぶべくもない異次元の硬さだ。かつてhoshinashiさんとalfa_manbowさんの年代の異なるジュリエッタで経験した剛性感ともまた違う。メガーヌR.S.と比較すれば両ジュリエッタはまだ「しなっている」。腰から下(ドアから下)はみしりとも言わないガッチリ具合。ボディだけではなく足周りの取り付けからビシッと微動だにしない感覚が味わえる。半面ドアから上、ドライバーの肩から上に関しては、変に突っ張る感じはなく、爽やかに入力が逃げていく。ワインディングを全力で駆け登ったり駆け降りたり、あるいはサーキットに持ち込んで限界走行をすれば、また印象は変わるのかもしれない。繰り返すがアップダウンのないややざらついたクネクネ道での試乗だから、まったく涼しい顔である。こういうのをキャパが広いというのだろうか。

そしてそれらの感触を余さず伝えてくるのがセミバケットシート。まさにお尻で得る情報が溢れんばかりで、もっとペースを上げても左右のホールドは微塵も揺るがないだろう。沢村慎太郎のQ&A本に「速く走りたいならホールドの良いシートに替えるのが一番の近道」と書かれていたが、これは筆者も納得の回答である。自分の身体感覚とクルマがしっかりシンクロしている実感がある。レカロに換装したalfa_manbowさんの愛車2台を試乗させていただいた時もそれを実感したが、メガーヌR.S.でさらに上書きすることになった。

OFF会会場に戻り、あおさんに感想を訊かれた。

「どうでした?」
「えぇ、もう、これで」

自分のドライビングスキルを、今よりも高いところへ押し上げたいと考えてMiToから乗り換えるなら、こういうクルマがいい。しまのすけさん、ありがとうございました。

【試乗記】シトロエン NewC3・これは売れますよ、という特殊な見解
| 試乗レポート | 23:06 | comments(0) | trackbacks(0) |

試乗したのは
NEW C3 SHINE DEBUT EDITION
メーカー希望小売価格(消費税込)2,260,000円
【限定200台】

シトロエン C3に試乗した。C4カクタスの日本導入ではミソが付いたが、相変わらずあのエアバンプと呼ばれるナゾの緩衝材(笑)をまとったエクステリアは魅力的だ。幸か不幸か、C3というBセグメントど真ん中のクルマであのルックスを(ほぼ)初体験する日本のユーザーはある意味ラッキーなのかもしれない。なぜならエンジンもトランスミッションも、非常にこなれた組み合わせのものが初めから用意されるからだ。

この日はまったく別の要件で(株)イデアルさんを訪れたのだが、そりゃもう引きも切らぬ試乗試乗試乗の嵐だったC3を見て、「そう言えば今日(7/29)がデビューフェアじゃんね」と欲を出した次第。まずは外観を見てみる。アーモンドグリーンなる固体色のせいか、はたまた角は丸められているものの全体的には角張った感じの外観のせいか、SUV色が強く感じられる。プラットフォームはプジョー 208と共有らしいが、あちらはネコ科の動物よろしくスポーティーな外観だが、こちらは横幅も上背もひとまわり大きく感じられる。実際全長は208よりも長い。まずこの「そこはかとなくSUVっぽい」感じが売れる要素1。

全長・C3:3,995mm/208:3,975mm
ホイールベース数値・C3:2,535mm/208:2,540mm
 



はい、エアバンプ。
このデビューエディションは
最初から17インチホイールを履く。
タイヤはグッドイヤーだった。
サイズは205/50/R17

運転席に着席してみる。シートとハンドルのオフセットはない。あったのかもしれないが、無視できるレベル。ペダルオフセットは、あと少し全体的に右に寄っている方がいいけれど、まぁこれも無視できるレベル。チルト&テレスコの調整代は充分あって、背を立て気味にシートを調整するとピタッと運転姿勢が決まる。残念ながらC3(と初代のDS3)はこうは行かなかった。姿勢は気持ちよく決まったが、シートそのもののホールド性はさほど高くない。ただしそのことを嘆くのはお門違い。コクピット周辺を見渡すと、ふたつ目に入るものがある。ひとつはダッシュボードのソフトパッド部分。シートやハンドルの一部と同じアクセントカラー(テップ・コロラド。デビューエディションだけの特別色)が施されており、黒基調ではあるが、車内は華やかである(それに比べて208も308もお通夜っぽい)。もうひとつはフロントドアの引き手。高級ブランドのトランクケースよろしく、革(合皮?)の太い引き手がこれも目のアクセントになっている。そして208比延長された全長のおかげか室内は広い。「如何にもフランス車っぽい色の遊びとルーミーな室内」が売れる要素2。ただし、Aピラーの傾斜はキツめで、ボディとAピラーが交わる点は運転手からけっこう遠い。これによって右折時の(試乗車は右ハンドル車)視界の妨げになる可能性はある。同時に屋根位置は低く、前席外側のヘッドクリアランスはギリギリ。不用意に乗り込むと何でもないところで屋根に頭をぶつけそうになるほどだ。FJクルーザーやイヴォークの影響だろうか。塹壕感のある外観を優先したのかもしれない。

全高・C3:1,495mm/208:1,470mm
 

クラシックな二眼式メーターは慶賀すべき仕様だが、
針の動きはやや安っぽい



エアベントもエアバンプ風(笑)

さて走り出してみる。1.2lピュアテック3気筒ターボエンジン+6EATは現行DS3、208でお馴染。こいつは滅法良い。まずエンジンのパワーバンドがそれなりに広く、2,000〜5,000rpmまでトルク感はほぼ直線的にがんばってくれる。少なくとも街中や空いている郊外で加速に不満を持つことはあり得ない(ラ・フェラーリやアヴェンタドールに乗っている人は別)。片側3車線の仙台バイパスで直進車待ちの青信号右折を試してみたが、立ち上がりこそ純MT車的ダイレクト感は薄いものの、「あ、間に合わない」とか「あ、向こうを待たせてしまってる」といった不安や恐怖を感じることはない。普及しきったところであれこれ言われているダウンサイジングターボも成熟しきった感がある。もちろんそのエンジンでうまいことやってくれているのが6速ATのEAT6で、筆者はオートモードで、同乗のあおさんはマニュアルモード中心で試乗したが、敢えて言おう。オートモードの方が快適であると。あおさん曰く「(マニュアルモードでも)大してエンジンブレーキ、効かない」だそうなので、ますます制動はブレーキ頼みだが、プジョー・シトロエンの滋味溢れるブレーキのバランスの良さは今更言うまでもあるまい。ただし右ハンドル車では7〜8掛けかもしれないが…(その点LHDの308GTiのブレーキは絶品だった)。

虎視眈々と出来栄えを伺っていたアイドリングストップは、所々思い出したようにエンジンを落すが、エアコンを盛大に使っているからか、今回のこの右折タイミングでは休止しなかった。でもよほどのことでもない限り、このアイドリングストップ機能の再スタート時間に不満を持つこともないだろう。筆者が買ったら恐らくOFFにはしないと思われる。

もちろん旋回性能は高い。我々のように欧州車に乗り慣れてしまうと「まったくもってふつー」な回頭性なのだが、同クラス日本車から乗り換える人にとっては、異次元クラスのリニアリティだと思う。街中・郊外の道路では特に大きくロールするわけでもなく、若干ボディ全体の長さを意識しないでもないが、最低限のヨー運動で旋回を終え、コーナリングが7割終わったところからの再加速の気持ちよさは前述のとおりである。

しかしそれにしても、わざわざ文章の段落を替えてまで強調特筆したいのは、NewC3の足さばきである。試乗では平滑度の高い舗装路から津波被害の復旧のために工事車両の往来が激しい区域まで走ることができたのだが、アンジュレーションはもとより、荒れた舗装、極端に言えば舗装割れの穴を乗り越える時などの収束の速さには、思わず「おおっ!」という感嘆の声が出るほどである。かなり粘っこく路面を掴もうとする足のセッティングと、拡大されたボディサイズから想像するに、コイツは高速道路での挙動もまったく不安がないだろう。この「加速・制動・旋回・ロードホールディングをワンセットにして、シトロエンというブランドに期待する乗り心地の実現」が売れる要素3である。

というか、この売れる要素3はプジョー 207とプラットフォームを共有する先代C3以降の乗り心地の典型であろう(AL4とかETG5搭載車は加速については歯がゆかったかもしれないが)。だからプジョー・シトロエン車から引き続き乗り継ぐオーナーにとっては特筆すべきことではないかもしれない。安心材料にはなるだろうけれど。しかしポロ、ゴルフを筆頭としたドイツ勢B・Cセグメントや、日本のワンボックスなどから(清水の舞台から飛び降りるつもりで)乗り換えるシトロエン初心者には、逆にもっとも効く要素だとも思う。しっかりしているのに緩い。緩いのに安心する。ゼロかイチかという「きっちり剛性感」を売りにするドイツ勢では味わえない懐の深さだと思う。

走りに重要じゃない要素について書くと、まず相変わらずインフォテイメント系が…(笑)。例によってタッチパネル式ディスプレイにまとめられてしまったクライメートコントロールやオーディオ、車両セッティング機能が、はっきり言って運転中にきちんと操作できない。無粋なことを書くけれど、運転中の携帯電話使用で切符を切るなら、警察はナビやこれらタッチパネル式コントロール方法を規制すべきだと思う。ちなみにボリュームコントロール、ハザードランプなど最低限の物理スイッチはある。あ、あと本当にどーでもいーことですが、純正ナビは搭載されてません。けどポン付けもできない。営業さんは大変だと思う。ま、でも輸入車に乗ろうって人がナビの有る無しでガタガタ言うのはお門違いであることは断言しておく(笑)。
 

他にもグローブボックスが本当にドライビンググローブくらいしか入らないとか、広大なドアポケットの中にドリンクホルダー的な仕切りはないとか、そういう日本車では考えられない部分もあるにはある。が、そんなことは前述の売れる要素1〜3の前では塵に等しい。もう一度売れる要素をおさらいしてみよう。

売れる要素1:個性的で、なおかつSUV風味漂うエクステリア
売れる要素2:お洒落の国フランスっぽい色遊びとルーミーな車内
売れる要素3:走る・曲がる・止まるの高次元バランスとフランス車らしい緩いが粘る足さばき


こう列挙してみたが、やはり一番の売れる要素は「個性的でSUVテイスト」だろう。とにかくパッと見でカッコいいだけでなく、視界の端に捉えたら二度見してしまうこと必至である。話を訊くとイデアルさんのスタッフも納車された時は相当盛り上がったらしい。「かっこいいじゃん!」「これはいいね!」「こりゃ売れるぞ!」と。ところがひとしきりワイワイ盛り上がったあと、あるスタッフさんが「そう?これ、一般人が見たら相当ヘンじゃない??」とぽつり。一堂ずこー。ま、確かに軽自動車やオーリスなどと競合するとも思えない(笑)。しかし実直かつ個性的な自動車を求める層は確実に存在する。そんな二律背反、クリアできるわけないじゃん!と叫ぶあなたは、ではこの試乗したデビューエディションで車両本体が226万円という事実をどう咀嚼しようと言うのか。

シトロエン NewC3、売れなきゃオカシイという見解は特殊なものなのか、そうでないのか。ぜひ一度試乗してみてほしい。そして買わない理由を三つ挙げてほしい。相当な難問だと思いますよ、ええ。
【試乗記】アルファロメオ ジュリエッタQV・良過ぎて恐れ多い
| 試乗レポート | 20:56 | comments(14) | trackbacks(0) |

2017年5月27日に開催した「クルマで行きますオフ会#14-西蔵王公園でまったりふたたび-」にて、参加してくださったしげさんのフィアット 500 TwinAirとalfa_manbowさんのアルファロメオ Giulietta QVに試乗させていただいた。試乗記というには大げさだが、改めて感想を書いてみたい。今回はアルファロメオ Giulietta QVである。
 


単独で写した写真がありませんでした


先日のオフ会では「acatsuki-studioはMiToのあとに何に乗れば良いのか」をみんなで考える時間があった(話題設定 by あおさん。ありがとうございます)。MiToの次に何に乗るか?一般的に考えて進学コースはふたつある。ひとつはもっとヤンチャなキャラクターを求めてABARTH 595へ行く道。もうひとつはもっと落ち着いた乗り心地や格上のステイタスを求めてGiuliettaへ行く道である。

そもそも筆者がMiToに執着してしまう原因は、突き詰めて言えば「出来が悪いから」。あれこれダメな部分が多いにも関わらずワンアンドオンリーなMiToというクルマから乗り換えるには、ABARTHはあまりにもストイック過ぎるし、同族姉貴分のジュリは、はっきり言って出来が良過ぎるのである。良過ぎてダメではほとんど「クレームのためのクレーム」みたいなものだが、実際MiToオーナーから言わせてもらえばそうなのだから仕方ない。

じゃあジュリは魅力が無いのかと問われれば、これまた「そんなことありません」なのが話をややこしくする。hoshinashiさんに運転させていただいた6MTでも、alfa_manbowさんに2回も運転させていただいたTCTでも、QVというグレードはある意味パーフェクトである。機械・機構的な話の前に、ジュリがパーフェクトである理由とは、アルファロメオのクルマであることだ。アルファですよ、アルファ。少しでもクルマに興味がある人なら、賛否いずれにせよきちんとした反応が返ってくるブランド。特に輸入車なんていうものに乗る人間には、自車を誇らしく思う気持ちが少なからずある。その誇らしく思う気持ちを大いに満たしてくれるブランドのひとつがアルファロメオである。

ともあれそういう心情的背景があって、尚かつ特にTCT搭載の2015_ジュリQVは、まず1,750ccのエンジンがめっちゃ良い。マルチエア+ターボがトルクフルでうっとりである。高速領域は試していないが、充分に官能的である。だが筆者はジュリをジュリ足らしめている最大の立役者はシャシーだと思う。充分トルクフルなエンジンや18インチタイヤを余裕で受け止めてくれているシャシーがあってこその「出来が良過ぎる」だと思う。今回の試乗ステージは山形県・西蔵王公園内のワインディングで、三桁速度未満ならどんなにハンドルを忙しく切る場面が続いても、基本的に車内は別世界のように落ち着いている。道路と隔離されているのではなく、必要な情報だけをある程度整理した上でドライバーに伝えてくる印象だ。同じコースを2016年にあおさんのCitroen DS3 Sports Chic Ultra Marineで走ったのだが、あちらは逆に積極的にロールして車体状況を伝えてくる印象だった。さすがラリー屋さんである。ともあれ伝え方が違うだけで、ジュリもその意味では充分饒舌なので、ドライバーは「こいつがどこで音を上げるか試してみたい」とも思うし、これだけの高負荷な状況を涼しい顔で往(い)なす自分ににんまりすることもできる。

一言で言えば「懐が深い」のだ、Giuliettaは

6MTにせよTCTにせよ、どちらのQVに乗ってもhoshinashiさんの「高速の長距離が楽なのよ、MiToに比べると」というお言葉が理屈でなく体感できる。そういう観点から言うとトランスミッションはTCTの方がキャラに合っていると言えなくもない。念のために書いておくが、6MTだけでなくTCTの出来も良い。今回意識的にマニュアルモードのパドルシフトでギャンギャン言わせてみたが(比喩ですよ!比喩!!)、エンジンのおいしいところを切れ目無く味わえる楽しみは、ジュリ選択の理由に充分値する。

シートの出来もQVは特に良い。GT的な詰め方ではあるが、日常生活とその少し延長にある範囲なら、ポジションを一度決めてしまえばあとはぴったりである。内装も過剰にゴージャスにするのではなく、そこはかとなくスパルタンなテイストは残している。VW Golfでさえ液晶画面に「メーターの絵」を写すことになった昨今、ガジェット好きの心を捉えるのはむしろ複眼式の速度・回転数メーターであるとも思う。

そんなわけで、乗るたびに「順当に考えて、次に乗るのはジュリだべ」と思うのだが、その後MiToを運転すればするほど、これくらいずっこけてる方が、毎日が楽しいかもなぁと再びMiToに洗脳されてしまう。ずっこけ要素があるアルファなら、159系が旬を過ぎて今ちょうど良くなってきていると思うし、前述のAbarthという選択肢も依然として魅力的なので困る。

良過ぎて恐れ多い。考えすぎなのだろうか。
 

JUGEMテーマ:ALFA ROMEO

【試乗記】フィアット 500 TwinAir・「必要充分」の一割増し
| 試乗レポート | 23:03 | comments(89) | trackbacks(0) |

2017年5月27日に開催した「クルマで行きますオフ会#14-西蔵王公園でまったりふたたび-」にて、参加してくださったしげさんのフィアット 500 TwinAirとalfa_manbowさんのアルファロメオ Giulietta QVに試乗させていただいた。試乗記というには大げさだが、改めて感想を書いてみたい。まずはフィアット 500 TwinAir。
 


今回の主役は右の白い500


このクルマには国内発売直後にディーラーであるイデアルさんでちょい乗り試乗したきり。その前に1.4Loungeなんて豪華版にも乗ったのだが、明らかにTwinAirの方がクルマとの対話が濃いように思ったものだ。

【試乗記】フィアット500TwinAir
↑どうでもいいが、コメント欄にじゃるさんが初登場したエントリーだった(笑)

その後、MiTo入院中の代車で1.2popに数日乗る機会があり、これはこれで大変楽しいクルマであることも体感した。結論めいたことを書いてしまえば、2017年の今、スモールファミリーカーの決定版は500TwinAirで決定である。若夫婦(+小さいお子さま2名)、子育てを終えた高齢者夫婦、自動車に「単なる道具」以上のものを求める全ての人に本気でオススメする。

実はその結論に至る前に、個人的に唯一気になる部分がトランスミッションだった。デュアロジックというシングルクラッチのセミオートマティックタイプの変速機だけが、唯一のネックだと思っていた。もっとピンポイントで言えば、1速から2速にシフトアップする時の空走感、それだけは筆者を含めた一般人が「なんか、これ、ヘン」と忌み嫌うポイントだと思っていた。だが前述の1.2popの試乗でその考えは完全に覆された。デュアロジック、実に楽しいのである。前記シフトアップのタイミングでアクセルを戻す(あるいは踏み増さない)動作を加えれば良いだけなのだ。それを体得した上でマニュアルモードで走ると痛快である。シフトレバー1本ですいすいギアチェンジができる。筆者が運転するフルマニュアルのMiTo 1.4T Sportよりもスムースである。ずこー。デュアロジックは、その動作に自分の運転をアジャストする必要がある。それは輸入車のターンシグナル(いわゆるウィンカーね)レバーが左に付いているのと同じで、3日で慣れてしまう。デュアロジックの場合はむしろ楽しくなる。

【試乗記その1】FIAT 500こそファミリーカーの決定版である。以上!!

【試乗記その2】FIAT 500 1.2POP 足るを知る

ということで今回の試乗、「イイモノ」であることはすでにわかっていた。なので興味はただただTwinAirでグイグイ加速するとどうなの??という1点である。

試乗は西蔵王公園の駐車場から山形市内に降りていくワインディングと市街地、そこから引き返して同じ道を登って行く。下りでも上りでもあまり挙動の印象は変わらなくて、いずれにせよステアリングの確かさが体感できて嬉しい。タイヤ銘柄を確認せずに走り出したので無茶なコーナー進入は控えたが(よそさまのクルマなんだからあたりまえ)、旋回時のヨーモーメントと車体のロール具合が渾然一体となって安心感抜群。少なくとも速度が三桁未満であれば盤石である。特にコーナーからの立ち上がりでの加速は、まるで歌舞伎の大向こうのように「ぃよ!ついんえあ!」と掛け声をかけたくなる場面である。

途中で引き返すつもりだったのだが、うっかりワインディングを下り切ってしまい、少しだけ市街地を走った。シグナルスタートもやっぱりTwinAirの醍醐味ではなかろうか。思ったとおりグイグイ加速する。それは過剰に速いのではなく「必要充分の一割増し」という感じで、こういう時「いやぁ、買って良かったわー」と素直に感じるはず。信号ついでに言えば、停止する際の挙動もいい。最後の最後にギアはニュートラルになるので、トルコンATのDレンジ入れっぱなし的なカックンストップになりにくい。この静止挙動も美点のひとつだと思う。

TwinAirのブルブル具合は愛嬌のうちだと思っているのだが、エンジンの振動を感じるがゆえにボディの堅牢さを逆説的に実感できるのもまた醍醐味と言える。とにかくボディがしっかりしていてとても嬉しい。また1.2popではエンジン音だけでなく、デュアロジックの機構動作音が割と大きめに室内に進入してきていたが、同じ機構を搭載しているのにTwinAirではまったく気にならなかった。エンジンがうるさいから音振(制音と防振)をがんばったのだろう。ついでに余計な騒音もちゃんとカットされるようだ。めでたい。

さてこれらワンダフルな要素を堪能しつつ、ワインディング上りや僅かにある直線路で5,000rpmくらいまで回したのだが、そのあたりのエンジン音がちょっと他の時と違う。わずかにだが爆発音に間断が感じられるのだ。前川清のビブラートにそっくりのそれは、ある程度以上エンジンに負荷をかけると=回すと現れる。2気筒ってこんな感触だったかなぁと試乗を終えて、しげさんをはじめオフ会参加者のみなさんに訊いてみたところ、そいつは吸排気のバランスがずれてるんじゃないか?ということだった。しげさんのTwinAir、エアクリーナーをTEZZOのものに交換している。吸気は高効率になったものの、マフラーは純正だから、吸気が勝っている状態なのかもしれない。で、しげさん、マフラーを発注しているそうで良かったですね(笑)。
 


はい、ということでフィアット 500 TwinAir、最高でした。吸排気が高次元でバランスしている状態でまた運転させてください。

【試乗記】Newプジョー 3008 Allure・現代の猫足
| 試乗レポート | 22:52 | comments(6) | trackbacks(0) |


プジョー 3008Allureに試乗した。ブルーライオン仙台でちょい乗り。そもそも別件で訪れていたところたまたま試乗が叶った。だから予備知識一切無し。外観も記憶になくて「もしかして、あれ、3008?」というくらい。実は筆者、レンジローバーのイヴォーク、かなりいいよねぇと憧れていたのである。高嶺の花に片思い的な。だがニュー3008に30分くらい試乗しただけで、それが成就した生活というものがリアルに感じられてしまったのだ。それはMiToでいえーい!とかっ飛んでいる筆者にとって、あまりにも平凡かつ安定に満ちた生活だ。筆者は(少なくとも今)そういう自動車人生を欲していない。「イヴォーク欲しい欲しい煩悩」が浄化された瞬間であった。

さて筆者の煩悩はともかく、細かいことを読んでる暇はない!という方のためにニュー3008のインプレッションを箇条書き。

・先代比、品質向上著しい
・i-Cockpitは「売り」になるけど、弊害もある
・加速性能は充分あるが、重さを感じる場面もある
・旋回性能は文句なしだが、電制パワステの動きが少々滑らかでない
・制動性能は必要にして充分


MiToという歪なクルマを愛する筆者のような人間には、平和すぎて所有欲は起こらないが(それが一番の驚きでもあった)、レンジローバー イヴォーク欲しい!欲しい!欲しい!けど高い!!高い!!高い!!という方にはドンピシャの物件である。

<静的観察>
実はつい最近まで拙ブログのアクセス記事ランキング上位に先代2008の試乗記がいた。注目を浴びてる商品(というかカテゴリー)であることを遠巻きに実感しているわけだが、日本国内で輸入SUVが猛威を奮い始めた頃に先鞭をつけた先代2008と3008は、当世やや古い車種になっていた感は否めない。だから満を持してのwill returnなわけだ。筆者は応援したい。ニュー2008は試乗していないが、今回乗ったニュー3008は、そもそもベースとなった308が格段に良くなっていて、自然と室内環境のクオリティは上がっている。まぁ昨今のプレミアムSUVはみんなこんな感じなのだろう(知らんけど)。試乗モデルのAllureは、ペダルは硬質プラスティックだしシートアレンジも手動だ。プレミアムを名乗るには少々不利だが、腰から上の環境に関しては充分美麗である。
 


ドライバーを囲むようなセンターセクションは健在。またデザインアイコンだったトグルスイッチも、形状がより洗練されて残っている。運転席をぐるり見渡してみて、先代3008を気に入っている人なら胸をなで下ろすだろう。ただし以下に紹介するブログ記事にあるように、そのスイッチに割り振られた機能はベストかどうか少々アヤシイ。人によっては重宝するかもね、という機能が多い印象だ。そもそも車内のコントロールサーフェスとして、タッチセンスパネルは最適ではないのだ。見た目の新しさや他社との差異化だけの目的で、画面を指でなぞる方式を取り入れるのはやめてもらいたい。

あなたの知らないほうが良かった世界
新型3008はプジョーの集大成のようなクルマだった(2)
 


トグルスイッチは男子の夢


乗用車ベースの3008ゆえ、座ってしまえばシート周りは基本的に乗用車である。ふと前を見ると、のっぺりしたボンネットフードが左右端を認知させにくくしている。i-Cockpitのアイデンティティとしてハンドルよりもメータークラスタが上に来るという独特のデザインのため、これまでのデザイン技法によるドライバーの視線制御がうまく機能していないのかもしれない。その意味でプジョーはまだi-Cockpitの育成期間中であると言える。

<動的観察>
さて動き出してみる。必要充分に加速し、室内は静寂そのもの、旋回挙動にも制動性能にもまったく不満が無い。試乗は仙台市若林区の卸町と荒井方面だったのだが、特に営業車やトラックがひっきりなしに走り回る卸町の荒れまくった舗装の上を、涼しい顔で走る足さばきに感動した。かと言って路面から隔絶されているわけではなく、必要充分な路面情報はステアリングから感じることができる。少なくとも日常で乗り心地に不満が出る場面は皆無だろう。普段ダウンサスを組んだMiToに乗っている筆者としては…ってもういいですか、シツコイですか、そうですか。

ただし電子制御と思われるパワーステアリングには少々違和感あり。切り始めは良いが、戻りがぎこちない…ような気がする。ある程度速度が出ている場合はきれいに戻るが、例えば交差点を右折しようとして、あれ、でも横断する歩行者がいるから減速して、それ再び加速!なんて場合に少しだけ挙動不審というか…。単に上下にひしゃげたハンドル形状のせいかもしれないが。

そもそもこのハンドル形状が良くない。F1マシンじゃないのだから、ぐるっと一回転させる場面はけっこうあると思う。これもi-Cockpitの弊害。真円ハンドルだとメーターが見えないのだ。ついでに言うとひしゃげたハンドルの後ろにはコラムに固定式のシフトパドルがある。ハンドルがひしゃげていて回転中にパドルとの距離が絶えず変わるのもカンに障る。筆者が慣れていないだけかもしれないが、指がパドルに届かない場面もあった。ちなみにトランスミッションは安定のアイシンAW製6速AT。

ブレーキの反応も、すっきり端麗というわけではなかった。要は踏力への反応に薄皮一枚遅れみたいなものを感じる。バイワイヤなんてそんなもんでしょと言われれば黙るしかないが、かと言って気になりませんと書く気にもなれず、である。実はアクセルにも同様の「タメ」みたいなものは存在するのだが、どうもこれは1.4トンという車重によるものではないかと思う。30分も走れば慣れてしまうレベルではある。また加速にせよ制動にせよ、あまりにも反応速度が過敏だと3008というクルマそのもののキャラクターと相容れないとも思う。3008はそのボディの重さを生かした乗り味を堪能すべきで、つまり「走る・曲がる・止まる」の三要素トータルでは良く調律できているのだ。

試乗同行はアルファロメオ仙台のYさん。燃費については訊かなかったが、どうなんだろうか。普段MiToでやっているようなゼロスタート加速を試みれば、「わー!気持ちいい!」という加速感を得られる頃には、エンジン回転数は4,500〜5,000rpmに達している。SUVブームで人口が増えるということは、乗用車ライクな運転をする人の割合も増えるということだから、勘違いした燃費クレームをつけないで欲しいと(老婆心ながら)思う。それにクリーンディーゼルバージョンのGT BlueHDiが2017年夏に導入予定だから、加速や燃費に妥協しない!←(笑)という人はそっちを買うと幸せになれると思う(Allure比、本体価格で72万円高いけど)。

<まとめ>
ここまで見事に先代ユーザーを掬い取るモデルチェンジを果たすプジョーを見るのは久しぶりだ。先代3008が気に入っているけど、こういうSUVってファッション物件だし、新しいの出るなら新しい方がいいなぁと思っている既存ユーザーは迷わずどうぞ。しかしブームだけあってこのカテゴリーの選択肢の多さ、そのクオリティの高さにビックラゲーション。ニュー3008購入にあたって本当に心理的に対抗馬となるのは前述のレンジローバー イヴォーク、そしてAUDI Q2だろう(このQ2がまたべらぼうに出来が良いらしい)。しかし価格帯だけで比較すると、隣に並んでいるのはフィアット 500Xやジープ レネゲードなんかになるだろう。BMW X1やMAZDA CX-5もまな板の上に乗っているかもしれない。逆にその価格帯グループの中からプレミアム路線に一番近いのが3008と言える。動的観察の項で書いた乗り味は、昨今プジョーがプジョーらしい乗り味として、ようやく定着させることに成功しつつある「現代の猫足」だと思う。Allureならその猫足がベーシックモデルなのに満喫できるのである。3008の「売り」は実はここではないか。この価格でこのクオリティ?いいじゃん!という人は多いと思う。がんばれ!3008!
 


少々わかりづらいが、リアドアのウェザーストリップ。
二重になっており、ドア開閉音のチューニングと
静寂性アップに効果があるという
【試乗記その2】FIAT 500 1.2POP 足るを知る
| 試乗レポート | 18:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
ほんの数日で200km以上走ってしまった(株)イデアルさんからの代車FIAT 500 1.2POP(っぽいヤツ)の試乗記その2。500の試乗記など何を今さら感120%だが、カワイイ物件として輸入車初心者が初めてのガイシャとして中古車を購入するケースもあろう。そういう人たちの役に立てば良いと思う(輸入車初心者がイタ車の中古車を買うかどうかという論議はさて置いて)。
 

試乗記その1へあおさんが寄せてくださったコメントのとおり、「500をファミリーカーと定義して良いのか」というそもそも論もあろう。筆者が500をファミリーカーと書いた、その「ファミリー」とはどういう家族・人物を指していたかというと、まずDINKSの若夫婦。中学生くらいまでの子どもが2名くらいいる核家族。三世代家族の元気なおじいちゃんおばあちゃん、18歳でさっそく運転免許を取得した若者。とまぁ仙台在住の筆者の周辺ではありふれた人々である。大都会にお住いの読者諸兄にはピンとこない人物像も含まれているかもしれない。乱暴にまとめてしまえば自動車運転初心者と老人、そしてデザインの良いものや、人とは違う良いものを所有したい中流家族を構成する人々である。

基本的にこのブログは自動車好き、中でも欧州車好きの人々への親近感を背景に書かれているが、そういう人々は往々にして世間の価値観とはズレているものだ。ちょっと壊れて嬉しい顔をするとか、運動性能しか基準にしないとか。まぁつまり筆者のことなのだが(笑)。今回味わった500はそういう人への訴求はもちろん、「クルマ?あんまり興味ないけど、軽自動車じゃなくてカワイイのがいいなー」などと言う人々にも充分アピールでき、それだけでなく「ちゃんとしたクルマって乗ると楽しいね」と1年後ににっこり笑って語り合えるような(誰とだ?)出来になっていることに深く感動した。

●静的検分
パッと見についてはあまり言うことはない。BMW MINIと同じで「これが欲しいから買う」が通用するエクステリアデザインだと思う。しかもマイナーチェンジを経た2017年の今見ると、MC前の造形は実にシンプルでそこも好感が持てる。運転席に座ると広くて驚く…というか、Aピラーが遠い。おかげで運転手と助手席の人には広々感はあるのだが、右ハンドルの場合左前輪位置がちょっとわかりづらい。慣れるのに1日くらいかかるかもしれない。加えてその影響は後席に顕著で、前席に身長170cmの筆者が座り膝前の空間をタイトにシート位置を決め、その後に後部座席に座ってみるとそれでも膝はフロントシートの背中に触れっぱなしである。さらにヘッドクリアランスは無きに等しく、ヘッドレストもきちんと頭を支える位置まで伸ばせない(なにしろリアゲートガラスに当たるのだ)。この一点を以てダメグルマの烙印を押す人もいるかと思うが、小学生くらいまでの子どもなら全く問題ないとも言える。2シーターと割り切る必要はあるかもしれない。
 

MC後は必要以上に目力が強くなったような…。
これくらいすっきりしている方が、
素材の良さを実感できますよね?ね?


ほら…

もうひとつ気になる人には気になるかもしれない要素として、エンジンルーム内の機械動作音がある。鈴虫の鳴き始めみたいなキーともジーとも言えない高い音域のノイズが常に車内にいる。複数の音源があるようだが、そのうちのひとつは確実にデュアロジックで、変速する度にそのノイズが聴こえる。また音域と車内空間設計のせいか、そのノイズは常に耳元で鳴るのである。これはどうしたって気になる。今回借り受けていた期間中の大部分はラジオもCDも聴かずひたすらエンジン音だけを聴いて走っていたので、音楽を大音量で鳴らせばある程度はごまかせるかもしれない。要は音対策は手を抜かれているのである。

欧州車の右ハンドル化につきまとうオフセット問題は、ある。全体的にシートセンターとハンドルセンターは左にずれているし、ふたつのペダルももう少し右に置いて欲しい。最長で100km、あとは通勤程度の短距離しか乗っていないので、ロングドライブで身体にどれくらい負荷がかかるかは未検証だが、膝か腰に影響が出そうだ。ただし試乗記その1にも書いたように、今回の個体はシートがアバルト 500のものに換装されており、素のシートの場合はどうなのかというさらに未検証な部分もある。沢村慎太郎のツインエア評に拠れば、500は全体的にシート内部のウレタン劣化が早そうだと書かれている。


笑ってしまった後付けシフトノブ。
かつてイタ雑さんでよく見たなぁ

●動的検分
今回一番感動的だったのはこの部分。デュアロジックのAUTOモードでもマニュアルモードでも、普段使いには必要充分な加速が得られる。むしろ問題はブレーキで、未確認だがブレーキシリンダーのマスターは左のままなのだろう。必要な制動力はいつでも得られるが、その効き始めが曖昧なのが本当に惜しい。加速は楽しいのだが、思ったとおりのタイミングで止まれる自信を持てないので、結果的に80km/hも出すともうブレーキを踏むタイミングを伺っている自分がいる。車間距離を多めに取ってしまうのも、加速が悪いからではなく余裕を持ってブレーキ操作をしたいからなのだ。

デュアロジック(セミオートマティック)については「これまで誤解しててゴメンな」の一言である。この変速機はクルマの運転が大好きな人々が作った佳作である。AUTOモードで割と乱暴な運転の流れに乗ろうとすると、1速で5,000rpmくらいまで平気で引っ張る。典型的な非力エンジン(なにせ69psだ)向けプログラムなのだが、そこから2速へ繋ぐ時の空走感たるや。ヘタすると「どこか壊れてる??」と思ってしまう程なのだが、実際例えばMiToで1速5,000rpmまで引っ張って2速にスムースにつなごうと思えば、相当慎重にクラッチを繋がざるを得ず、結果的にそれなりの時間を浪費する。それに比べてデュアロジックの1→2速への繋ぎは決して遅いわけでもルーズなわけでもない。こここそがこの変速機の要であり誤解の基なのだ。AUTOでもマニュアルでも、このタイミングでアクセルペダルを戻せば実に美しい変速動作を味わえる。2速より上のギアでは乱暴にアクセルを踏んだままでもその空走感は許容範囲。マニュアルモードに入れて、いわゆる3ペダルMT車のように変速操作とアクセルON/OFFをきちんと組み合わせれば、これはやっぱり人間が同様の操作をするよりも格段にショックが少なく速い。

もちろん完璧ではない。イタリア在住の実験部隊が日本の交通事情を熟知しているわけでもなかろう。AUTOモード時、特に交差点での前走車に続く右折や、登り坂での微妙な速度調整などではギクシャクする。マニュアルモードに入れてしまえばこちらの手のひらの上なのだが。

もうひとつ美しいのが足廻りの動作である。かつてクライスラーブランドからイプシロンがデビューした時、ツインエアと同じ車体、エンジンでありながらホイールベースは若干延長され、それによって500比バタつきが無くなったという評価を聞いたが、なかなかどうしてこの500だってそんなにバタつくわけではない。むしろ175/70/R14なんていうプロフィールのタイヤ(今回は鉄ちんホイールである!)なのに、コーナリングでのじんわりした粘りは嬉しい驚きだ。MiToだと避けて通るような悪路でも、ショックは上手に丸められているし、路面追従性は高い。

こんな風に書くと上から目線のようで恐縮だが、今回の500に乗って思ったのは「足るを知る」である。非力なエンジンを特殊な変速機で操り、パワーを使いきるような走りを楽しむ。このグレードではあれこれオプションや機械的ドーピングを目指すよりも、純正の状態をキープし続けた方が良いと思う。何か特別なものが仕込まれているのではなく「この製品はこれでいい」という割り切りがはっきりと見て取れると同時に、その「これ」が指す基準がとても高いところにあることがよくわかるからだ。操作する楽しみ=自分がこの機械を御している感覚を満喫できる。箱庭のような楽しみだが、逆に走ったり曲がったりのひとつひとつが濃厚に感じられるのだ。

5万kmを走破した1.2は、中古市場ではもはやアンダー100万円である。乗り出し価格でも100万円くらいだ。デュアロジックの耐久性というジョーカーは潜んでいるものの、これだけ濃厚でクリーンな乗り味を提供されればクルマとしては評価しないわけにはいかない。大きい箱グルマの乗り味が大好きなんだ!という方はともかく、小さいクルマであっても家族の足は務まるし、なによりドライバーは乗るたびに楽しめるという大きな特典が付いてくる。大事なことは、初心者は言うに及ばず身体能力が衰え始めてきた高齢者でもすっきりきれいな運転ができるだろうということだ。むしろそういう人たちこそ500のようなクルマに乗るべきだ。クルマの出来が良いと安全運転に徹していても運転は楽しいと実感してほしい。
【試乗記その1】FIAT 500こそファミリーカーの決定版である。以上!!
| 試乗レポート | 22:26 | comments(6) | trackbacks(0) |

MiToのオイル交換とある部品交換をお願いしたら1週間ほど預かりたい旨、(株)イデアルさんにて聞く。「代車もご用意しますよ」とにこやかにMさん(シトロエン仙台のスタッフ)から言われたが、思い出すのはHONDA That'sである。あれは本当に辛い体験だった…。それならオイル交換だけでいいから日帰りさせてくれとお願いしたところ、他に用意できる代車が無いか確認してみると言ってカウンターの方に下がったMさん。そちらを見ると、最近何くれとなくお世話になっているTさんが代車スケジュールを確認していた。「あ、500、ご用意しますよ」とTさんにっこり。筆者もにっこりである。
 




FIAT 500(個体の車検証による)
総走行距離約52,000km
初度登録年 平成24年(2012年)
形式 ABA-31212
原動機の形式 169A4 
排気量 1.24L(ガソリン)
車両総重量1,210kg(前前軸重650kg 後後軸重340kg 車両重量990kg)
全長 354cm
全幅 162cm
全高 151cm

これはいわゆる1.2POPというグレードであろう。排気量がさらに小さいツインエアエンジン搭載グレードが遅れて発売された後も、結局"一番安いグレード"というヤツである。だがこの個体、ちょっと手を入れられていて、フロントのふたつのシートはアバルト500のものが移植されている(笑)。メーターフードとハンドルも、である。ついでに言えばデュアロジックのシフトノブも社外品(アルファロメオエンブレム付き・笑)に交換されている。友人がやったら拍手と嘲笑が同時に起こる類いの改造である。もちろん筆者は大好きだ(笑)。
 


やけに肉厚でレーシーなシート…??


突然革張りの豪華なメーターフード…???


白飛びしているが、
明らかにイタ雑の定番シフトノブ…????
アルファロメオのエンブレム付き(笑)


500はこれまで1.4LOUNGE(DL)、TwinAir(DL)、ABARTH 500(5MT)、595(5MT)に試乗してきた(DL=Dualogic)。ほぼ全てがディーラー試乗で、ABARTH 500だけはRyouさんの当時の愛車にご厚意で運転させていただいたもの。これらの印象から導き出した当座の結論は、「デュアロジックじゃなきゃイイクルマ」。身も蓋もない。それくらい5MTの(クルマとの)ダイレクト感は強かった。そして500のポテンシャルは高い。これらに試乗した当時は、とにかくかっ飛べるクルマ=正義だったのだろう。今ならそれは偏見に満ちた誤認だったと断言できる。

だってデュアロジック、いいぜぇ〜

いや、自分でも意外すぎる。まさかデュアロジック=セミオートマを褒めちぎる日が来ようとは。借り受けた当日、まずはAUTOモードで走り出したが、1km走らないうちにマニュアルモードに入れてしまった。エンジンブレーキを活用したかったからだ。仙台市郊外のR4は大変混雑しており、信号ごとに止められてしまう。その都度エンジンブレーキを使ってスマートに停車しようと試みるのだが、このマニュアルモードの+と-が自分の体験しているATのマニュアルモード(つまりプジョー 307SWとシトロエン DS3のAL4なのだが)とは逆で、そのため500の動作はギクシャクしてしまうし、筆者の神経もひたすらシフトチェンジに持って行かれてちょっと疲れる。

だが勝手に非力だと思いこんでいた1.2リッターSOHCエンジンは、少なくとも街中を走るレベルでならまったく問題ない。いや、むしろ(交通の流れを)リードできんじゃね?とすら言える。もともとボディの堅牢さやシャシーの俊敏さはちょい乗り試乗でも知り得ていただけに、1.2がこんなに実用的で楽しいエンジンなのは大発見だった。

あまりに楽しくてけっこう走ってしまい、そろそろ帰ろうかという時にその近くにある峠道を思い出した。具体的には宮城県岩沼市から村田町へ抜けるK25である。逆にここをAUTOモードで走ったらどうなる…??非常に興味が湧いたので、岩沼市内からAUTOモードに入れっぱなしでK25の峠エリアを目指した。当然交通量は少ない。するとどうだ。まるでマニュアルで自分がコントロールしているかのように、高回転域までぎゃんぎゃんに引っ張るのである。1速から2速にシフトアップする時の空走感は仕方ないとしても、2〜5速はその空走感も希薄。峠道でもシフトチェンジに関するストレスはほとんど感じない。デュアロジックのクセがわかってくれば、どうしても必要な時は自分でシフトチェンジすればいい。AUTOモード時にマニュアルシフト操作をしても、AUTOモードが解除されるわけではなく、その後はまたコンピュータがシフト操作を引き受けてくれる。

これがわかってくるとデュアロジック500は断然楽しい。激しいカーブが次から次と現れる上り坂でも、渋滞ぎみの国道でエンジンブレーキを使いたい時でも、いかにもスイッチ然とした短いシフトノブを"ちょん"と押し引きすればいいだけなので、運転に集中できる。こうなるとパドルが欲しくなるが、このクルマにそれは過ぎた望みであることも確か。逆にロボタイズドMT車両をパドルシフトで操る楽しみが、突然リアルに感じられてくる。具体的にはジュリエッタ QVのTCT版だ。あれこそ確かにこういう楽しみだった。

借り受けたその日の内に約100kmも走ってしまい、翌日以降もなるべく遠回りをしてあちこち行き来している。もちろんずっこける面も持っているので総評はまた改めて書くことにする。しかしこれまでは運転初心者や高齢者がゲタ代わりに乗るなら、プジョー 206の中古車を車両本体価格16万円くらいで買ってきて、2年で乗り潰すのが最良だと信じていたが、この1.2 500の真価がわかってしまうと、宗旨替えせざるを得ない。FIAT 500こそファミリーカーの決定版である。ファビュラス!

試乗記・HONDA That's これで満足できる人
| 試乗レポート | 22:04 | comments(11) | trackbacks(0) |

2016年師走、我がMiToは板金修理のために旅立った。詳細は修理完了後にレポートするつもりだが、本エントリーではMiToの入院期間中の代車について、恒例の試乗記を書いてみようと思う。

ここ最近(仙台卸町の)イデアルさんの代車はシトロエン C3(の先代モデル)があてがわれる。2016年6月、3度目の車検時にこのC3を初体験し、詳細なレポートを上げた。今回もC3があてがわれるはずだったのだが、どうもスケジューリングが狂ったらしい。サービスフロントのTさんがすまなそうに奥から出してきたのはこいつだった。



ばん!


ばばん!


HONDA That's。That's The 軽自動車。イデアルさんの駐車場でこのクルマと初めて対面した時に頭に浮かんだのは、当ブログコメント欄常連にして筆者のイタフラ車道の師匠、あおさんの以下の言葉だった。「いや、最近の軽自動車はそんなにひどくないですよ」。一時期軽自動車をDisるエントリーを上げていた筆者に対して、あおさんはそうおっしゃったのである。今こそそれを検証するチャンスではないか!本当に軽自動車はそんなにひどくないのか、味わってみることにしよう。

というポジティブシンキングで走り出した。これでThat'sが素晴らしい走りを披露して、「うわ!オレが完全に間違っていた!軽自動車をなめてはいけない!」などと筆者が悔い改めるようなストーリーになれば良かったのだが、世の中そんなに美しい話ばかりではない。





Moduloのエアロがついてまーす


HONDA That's(個体の車検証による)
総走行距離約12万km
初年度登録 平成14年(2002年)
形式 LA-JD1
原動機の形式 E07Z 
排気量 0.65L(ガソリン)
車両総重量1,080kg(前軸重540kg 後軸重320kg 車両重量860kg)
全長 339cm
全幅 147cm
全高 162cm

自らイタリアの自動車を買い求める筆者のような人間がクルマに求めるものと、HONDAのチューニングの方向がまったくすれ違っているクルマだった。そしてそれは埋めようのないものだった。

○○運転環境
 


ステアリングコラムは固定でチルトもテレスコピックも無い。従って調整代は椅子にしかない。基本的にアップライトな姿勢で運転させたいようだ。だからペダルへの距離と背もたれの角度を決めてアップライトな姿勢になってしまえば、ドライビングポジションは、身長170cmの筆者には特にストレスの無い体勢が作れる。ポジションを決めると頭上には広大な空間が広がる。普段MiToやDS3のような穴蔵系のクルマに乗っている当方としては、「広々〜!」というよりも「スースーするー!」という印象。ただし視界は最高に良い。シートは軽自動車のそれとしか言いようがないもの。

メーターナセルの中を見てみると、なななんとタコメーターが存在する。おまけみたいな造りだが…。この辺はHONDAのこだわりのようなものを感じる。その代わりなのかシフトインジケーターは無い。
 


ダッシュボード周りは直線基調で樹脂感著しい。物入れは多いが中の仕切りは少ないので、小物を置くと運転によっては暴れてしまう。小物を満載にすれば良いのか。
 


HONDAと言えばトグル風のこの安スイッチ。


すごく立派なフットレスト


○○動的感想
一番勘に障るのは曲がる時の挙動。鷹揚と言えば言えるが、普段旋回挙動の立ち上がりが命!というMiToに乗っている身としては、「こんだけハンドルを回したのになぜ鼻が動かない?」という印象になってしまう。旋回挙動はもっとも価値観のすれ違いを感じる部分である。実はThat'sを受け取った日の昼間は同じくHONDAのステップワゴン(初代)を170kmも運転した後で、第一印象は「あ、ステップワゴンとそっくり」という印象だった。これがHONDAのファミリーカーのチューニングなのだろう。だが中立付近の狭い範囲でだが、セルフアライニングトルク=切ったハンドルが自動的にセンターに戻る力が働かないという瑕疵は見逃せない。これ、微速でも常用速度でも試したみたのだが、速度に関係なく働かない。微速域で、例えば点在する路駐車を避けつつ狭い街路を進むなどというケースでは、常にハンドルを元に戻す操作も必要になって煩わしい。曲がらない割りにハンドル操作が忙しいなぁという印象は、これが原因だ。

旋回挙動に対しては加速能力もそれなりに見合ったものになっている。最初の夜に帰宅してリアハッチを見たら誇らしげに"Intercooler Turbo"のバッヂがあって心底驚いた。「これで?ターボ付いてんの??」。気付いてから車内で耳を澄ますと、確かにターボの吸気音が聴こえる。そして制動力もそういう加速能力に合わせてある。だから速度を上げる気にならない。

○○その他
本当に箱のようなデザインなのだが、風切り音がほとんどしないことには感心した。もっともエンジン音が箱形ボディの室内に篭って風切り音をマスキングしている可能性はあるが。あと4枚ドアって本当に便利ですね(笑)。後部座席に荷物を置いたり取り出すのが本当に楽(笑)。

 

○○おまけ
冒頭に書いたように、That'sの引き渡し時、サービスフロントのTさんは申し訳ないと謝ってくれたのだが、「でもこのクルマ、今どき珍しい3速オートマですよ」と付け足してくれた。往年のメルセデスだのコルベットなら溢れるトルクで3段ギアでゴキゲンかもしれないが、軽自動車ではダメダメですよ、Tさん(泣)。でもTさんの「3速オートマですよ」といういたずらっぽい目つきは楽しかった(笑)。


○○まとめ
クルマ好きにとってHONDAはスポーツカーのイメージである。国内の数々のレース参加、F1への参加、数々のスポーティカーと高回転まで淀みなく回るエンジン。加えて2016年だけでもS660の人気ぶりやNSXの復活。しかしTHat'sはスポーティーなクルマではない。それらのイメージとはむしろ対極にいるクルマだ。もっともそのことをあれこれと論う(あげつらう)つもりは無い。HONDAに限らず、アルファロメオだってプジョーだって、メルセデス・ベンツだってレンジローバーだって、イメージで商売しているに過ぎない。売れなきゃ会社が立ち行かないのだから、売れる層に売れる商品を投入するのは当然である。むしろ気を引き締めるべきは購入する側で、自動車に求めるもの、優先すべき項目を自らが持っていなければ、自動車という商品でシアワセになることはできない。

筆者の叔父はある時「なんでガイシャに乗るの?なんか、良いの?」と訊いてきた。その頃筆者はプジョー 307SWを愛車とし、その足さばきと旋回挙動に心酔していたのだが、そんな質問をしてくる叔父にあれこれ説明するのも面倒だったので、「思った通りに曲がるんだ」とだけ答えた。すると叔父は驚いたように、また「こいつ何を言ってんだ」という風情の表情で、大きな声でこう言った。「そんなもの、ハンドル切れば車はなんでも曲がるに決まってるだろ!」。そういう人はThat'sで満足できるのかもしれない。

試乗記・ABARTH 123スパイダー あれこれ言ってもしょーがない
| 試乗レポート | 22:27 | comments(6) | trackbacks(0) |
世間様から遅れること2週間近く、ABARTHからリリースされた124スパイダーに試乗することができた。ABARTH仙台のYさんに「あれ?acatsuki-studioさん、まだ乗ってなかったでしたっけ??」と言われつつ。
 

このブログの読者諸兄に対して「釈迦に説法」なのは承知の上だが、万に一つ、何かの間違いで迷い込んだ輸入車童貞/処女の方々のために一応説明しておくと、ABARTH 124スパイダーの実態はマツダ ロードスター(ND)である。ざっくりざっくり言うとエンジンをフィアットのマルチエアエンジンに換装し、エクステリアの一部をイタリアンテイストにリメイクしたものである。それ以上でもそれ以下でもない。

で、試乗の結果もそのまんまなのだ。それ以上でもなければそれ以下でもない。
 

NDロードスターよりもかっこいい!


NDロードスターよりもカッコいい!2

●●静態観察
散々見せられてきた写真よりも大きく感じる。そしてフロントとリア(つまりABARTHが手を入れた部分)はプレスラインもセクシーで、期待は高まる。サイドシルは乗り込むのをためらうような太さではないものの、彫りが深く高剛性であることを匂わせる。乗り込むと目線はそこそこ低くてスポーツカーに乗りましたよーという気分も盛り上がる。ドライビングポジションを設定する。お尻の位置とペダル(特にクラッチ)に伸ばした左足膝の曲がり具合さえしっくりくれば、ポジション決めにあたって悩む要素はそれほど多くない。何と言ってもテレスコピック機構不搭載。左足膝とバックレスト角度以外調整要素が無いとも言える(笑)。が、無理な姿勢を取らされている感覚はない。家族で乗り回すようなクルマじゃないので、オーナードライバーが慣れてしまえば問題ないと割り切れる。
 

クロスカットテープは傷保護の意味で…


左腕の置き場所がきちんとあって、
ショートストロークシフトがスコスコ入る。
快感

タコメーターがセンターに来て盤面はメタリックレッド。「ほほ〜」。ダッシュ全般を革っぽい素材で覆い、赤いステッチが入っていて「なるほど〜」。しかしタコメーターの隣、燃料計と水温計が表示されるメーターの内部は日本語表示である。ABARTHの車内に日本語…。違和感である。前方180度の視界に限っても視界の中にはほぼ直線しか見えず(ハードなスポーツドライビングにはいいのかもしれないけど)、いわゆるイタ車に言わずもがな期待する造形上の「色気」はゼロである。かと言ってスパルタンかというとそうでもなく。まぁストイックと言えば言えるだろうが、パネル合わせ目やコラムのレバー類をしげしげと見ると、イタリアの匂いは胡散霧消。これらの印象を総合して短く端的に言うと「良くできてるけど、ABARTHに求めるものは盛り込まれてない」ということになる。

●●走ってみて
まずボディ剛性がやっぱり高い。ビシッとスキッと。だから直進がものすごく楽。シフトもほとんど手首だけで決まる。のだがゲート入り口の抵抗がやたらプラスティッキーで硬い。あんまり濡れてないのに無理やり入れちゃったみたいな感じ。「これ、硬くないすか?」と同乗のYさんに聞くと「いや、これでもかなりこなれた方なんです。マツダ内製で伝統的に渋いというか、硬いんですよねぇ」と、走り大好きで数々のクルマ遍歴を誇るYさんは言う。ワインディングを走ったわけではないので、全体の2〜30%くらいしか味わえていないことは承知の上だが、実にバランスが良い。口には出さないけど、これホントにFR?と思ってしまう。「雨の日に本気走りしたら、FR初心者の人は確実に事故りますね」とYさん。それなりの領域ではやっぱりちゃんとFR的挙動なのだそうだ。今回の試乗では、仙台港付近の3〜4車線の幹線道路で車線変更を行った時、そのことを気取ることはできた。スッと鼻先が入っていく。それもFF特有の全体が一気に移動する感じではなく、明らかに「蹴られたかのように」鼻先がポンっと入ったあとに車体後半が付いていくような、ものすごく鋭さだった。まぁ買うならこうであってほしいとは思う。

「買うなら??」え?買いたくないの??そう、なんだかちっとも欲しくならないのである。ABARTHのクルマの試乗なのに、走れば走るほど冷静になるとは、此は如何に。

●●スパイダーならでは
曇天ではあったが幸い屋根を明けて走ることができた。思ったより頭の随分手前でフロントガラスがすっぱりと切れ、風がそれなりに巻き込まれてくるが、不快ではない。会話もまぁ普通にできる。つまりここまでの印象は全部屋根を開けている状態のもので、それでも剛性感とかスパッと入るとか書けるのだからすごい。実に爽快な乗り味である。ソリッドである。走ることしか考えてない感じ。

●●acatsuki-studioの感想まとめ
ABARTHからスパイダー出るぞ〜〜!!の報に浮かれたい渇望感は、輸入車ヘンタイとしては当然だったと思う。実際このクルマは悪いものじゃない。いや、屋根開きグルマを買うなら最右翼で選考するべき車種だと思う。でもペネロペ・クルスみたいな肉感的美女をリクエストしてるのに、純和風のスレンダー美人を紹介されても困惑しちゃうのである。


ペネロペ・クルスはスペインの方ですが

今日は濃厚豚骨ラーメンにニンニク山盛り入れて喰うぞ〜!と意気込んでいるところに煮干し出汁のあっさり醤油スープ中華そばを出されたら、一部の人はテーブルをひっくり返して怒るかもしれない。このテーブルをひっくり返すほどの濃厚豚骨ラーメン好きこそが、我々のような輸入車、とりわけイタフラ車好きのヘンタイなのである。確かにマツダ ロードスターは「走ることしか考えてない」クルマの筆頭だろう。そのことで尊敬を集めてもきた。走ってナンボのクルマ「しか」出してこなかったという意味ではABARTHもまったく同じだが、両者は色気の有無において決定的に違う。あんなに実直かつ生真面目だと思っていたアバルトプントですら、124スパイダーに比べれば艶めかしい。やはりイタリア人はカッコつけることに関しては堂に入っている。躊躇しない。優先順位が高い。敢えてロードスターと書くが、このクルマは実直で良くできていて走ると速い。そこにあるのは言わば武士道的ストイックさで速さと正確さを追い求める姿である。カワイコちゃんを見つけたとたんに仕事をほっぽり出して口説いたりしない。ABARTHに武士道を求めるか?求めるわけがない。

フロントとリアのエクステリアをリデザインしようが、赤いステッチで彩ろうが、このクルマが国産車であることには変わりがない。事ここに至り、もはや輸入車ヘンタイがあれこれ言ってもしょーがないのである。むしろABARTHに過剰な幻想や期待を抱かない輸入車童貞/処女のみなさんこそが、このスパイダーを正しく評価できるのかもしれない。

筆者は人生に一度はオープンカーを所有したいと考えており、マツダ ロードスターはその最右翼だった。124スパイダーに試乗して、ますますその思いが強くなった。筆者が買うならロードスター。もう一度書くが、それ以上でもそれ以下でもないのだった。

●●おまけ
試乗から帰ってきてアルファロメオ仙台の前に124スパイダーを停め、クルマから降りる。そこには売り物のアルファブレラ(2.2JTS LHD 6MT)が。そのままYさんとブレラ礼賛の嵐。口角泡を飛ばして…という勢いでブレラを褒めちぎった。JTSで煤がたまろうが、全然エンジンが回らなくて重かろうが、あのお尻だけで2年は乗れる!ヘンタイにつける薬はイタフラ車しかないのである。


カーセンサーEDGE、当該ページより(笑)
試乗記・アルファロメオ159 巧みな心理操作に踊れ!
| 試乗レポート | 00:26 | comments(5) | trackbacks(0) |

なんだ?この美麗159は…!


MiToのリバースランプスイッチ交換の折り、イデアルさんに入庫したてのアルファロメオ 159 ti(2.2JTSセレスピード)を試乗することができた。「あ、そ。なんか、今さらって感じですね」と思われる御仁も多かろうが、筆者にとっては非常に意義深い試乗だった。なぜかというと、MiToが不動になった際の後継機種として159、または同じシャシーを使うブレラを考えているからだ(もちろんジュリエッタQV_MTもだ)。この試乗記は、全国にいる、今まさに159の出物ないかなーと探している同志に向けて書く。

で、そういう人々に対して、今さらエクステリアについて四の五の書くのは野暮というもの。筆者などこのフロントライトの造形だけで丼飯4杯は行ける。このフロントライトさえあれば、多少のことには目をつぶれると思えるほどかっこいいと思う。なのでエクステリアについては以上。



おかわり!


この個体はTEZZOのエアロパーツやらマフラーやらで武装済み。
エグソーストノイズ、思わず3.2 V6いらず…とまで思ったとさ


フロントのフォグランプ、
ほぼ間違いなくこの画像のように黄ばみが発生するという…


運転席に着座する。ti専用らしいレザーシートのホールドがまずすンばらしい。アルファがセダンにこんなシートを用意するなんて、正直驚いた。がちっとホールドされるのは腰のあたりだけで、肩甲骨のあたりは遊びもあるのだが、後述する159のキャラクターを鑑みれば、むしろこれでいいと言える。右ハンドル環境のハンドル、ペダル類配置も良好で、普通に座って背もたれの角度とハンドル位置さえ決めてしまえば、運転環境的にストレスはほぼない。よく見ると、ターンシグナルやワイパー操作用レバーにもマルチファンクションディスプレイの投影内容変更や数値決定のスイッチなどがごてごてと付いている。そしてマルチファンクションディスプレイの表示レイアウトも、相変わらず(いや、歴史を遡るのだから「この頃から」と言うべきか)とっちらかっている。これらのことを除けば、運転席は本当にストレスフリーである。そんな細かいことよりも、すべてのメーター類がドライバー側に角度を付けられて設置されていることや、囲まれ感のあるシート周りの設えなど、セダン(ワゴンもあるよ!)なのに、「さぁ、ほれ、運転してみろよ、セニョール!」とクルマが挑発してくるようで嬉しい。これはやっぱり「官能」と言ってもいいのではないだろうか。これに比べればMiToのコクピット周りはつま先立ちして粋がっているあんちゃんぽく見えてしまう。

さてセレを1速に入れて走り出すと、まず動かない。と言うのは比喩で、思った以上にアクセルペダルを踏み込まないと動き出してくれない。一瞬壊れているのかと思ったが、同乗してくれたアルファロメオ仙台のAマネージャーによると「セレなんで、動き出しはこんな感じです」とのこと。はー。これは双方3車線の幹線道路の交差点などで右折をする時に、少々やっかいだと感じた。ここぞというタイミングで思った通りの加速をしてくれないからだ。まぁこれも慣れだろう。とにかく筆者はセレ初心者なのだ。

あとから調べると重量は1,570kg(3.2は1,770kg)で、自然吸気の2.2リットルエンジンでは鈍重な加速でも仕方ない…とは言うものの、この印象はあくまで走り出しだけの印象。そこから先の速度域では実に上品かつ素性の良さを感じさせてくれて、筆者にやけっぱなし。変にどっしりしすぎず、かと言って腰が軽い感じもない。いつでもガッと攻められるけど、敢えて今は実力の7割りですよ、とでも言いたそうな盤石っぷり。純正ローダウンの足周りは、実は近年(90年代以降か?)のアルファロメオのベストという呼び声もあるくらいで、言わばこれ見よがしスポーティーなのではなく、スーツを着たアスリート的な「やるな、おぬし」の世界である。この印象は平地の市街地郊外をちんたら走っている時のものなので、ワインディングに持ち込んだらどう変化するのかはわからないが、159で峠を攻めてどーするの?と筆者は思う。

そういうわけで右に左にひらりひらりという場面は無かったが、市街地コーナリングの範囲でなら、「いつでも攻められますぜ」という余力を感じさせつつ、しかしニュートラルにコーナリングを終える。大げさなロールもない。その所作には思わず「うお!」と声が出そうになる。「重いしセダンだし…」と思って手加減しつつコーナーに進入するや否や、スポーティーな素性を表す。贔屓の引き倒しと謗られることは覚悟の上で、この159のコーナリングの挙動は、扁平タイヤを履かせたMiToのそれとよく似通っている、と書いてしまう。車重が重いからより盤石な印象すらある。その意味ではドライバーも良い意味で裏切られるのだ。
 


はい、指1本しか入りません


欠点は何かと問われれば、「重い」、結局それに尽きると思う。2.2リットルのJTSエンジンには重荷だろうし、では3.2リットルV6ならゴキゲンじゃね?とも思うが、あちらは四駆ということもあり、重量200kg増し、燃費は更に悪化するという。2.2を中古車で購入する場合、多くの個体がトランスミッションはセレスピードであり、こいつがまたほぼ確実に壊れることで定評があり、重篤な故障だと30万円くらいの修理費がかかる。購入するならセレ貯金は必須。お金のこともあるが、旅先で不動になるのは困りものだ。そこをどう見るか。可能ならば6MTの個体を探す方に残り全部 by クイズダービーと言う感じである。

かつてある機会にK店長に「ブレラ、どーすか?159でもいいけど」と聞いてみたことがある。すると意外なことに「オススメしない」というのだ。つまりMiToのようなヤンチャぶりとはあまりにキャラクターが違いすぎる、というわけだ。MiToを愛する筆者が乗ると「がっかりすると思いますよ」とまでおっしゃる。筆者のキャラクターをよく理解してくれた上で適切なアドバイスをくださったわけだが、「そこまで言われたらどれだけダメなのか体験してみたい!」と思うのが人情ではないか。

今回の試乗でよくわかった。159(2.2+セレ)は確かにMiToとキャラクターが異なる。同じアルファロメオと思い込んで運転すると、裏切られる部分と得心する部分がある。裏切られる部分とは「スポーティー」という言葉の解釈の違いである。ギャンギャン鳴かせながらかっ飛んでいくのではなく、どこか余力を残しているかのような挙動をじっくり味わう系のチューニングなのだ。そこを変換して飲み込めれば、159はまだまだブルーオーシャンだと思う。得心する部分とは、とは言うものの、やはりDNAレベルではアルファロメオの血が濃く流れているということだ。単なる退屈なセダンでは終わらせない、ドライバーズジョイに溢れた設えが施されている。「御す」のではなく「相棒として付き合う」ことができそうだ。

もう思い込みであることを承知で書くが、アルファロメオらしさとは、つまりそのことなのではないか。運転席に座り「相棒、今日も頼むぜ」とエンジンをかける。その心の動きを筆者はMiToで初めて知った。短い試乗だったが、159もきっとそういうつきあいができると思える出来だった。

今にして思う。筆者、K店長の口車にまんまと乗ってしまったのではないか?と。「ダメ」とか「やめとけやめとけ」と言われれば興味も湧くし、乗れば乗ったで「なんだ、思ったよりいいじゃん!」と勝手にプラス方向にバイアスをかけるものだ。K店長の巧みな心理操作だったのではなかろうか。だって159(の2.2のti)、めっちゃいいじゃないですか!
 

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筆者の友人太郎君のこと。
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早朝に走りに行くのが朝練。
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夜の走行活動の略。
どちらもひとりであてもなく走る。
つまりひたすらクルマとの対話を楽しむ。

■S店長■
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現在VOLVO仙台泉店の店長。
筆者のクルマ人生を変えた人。
一言で言えばカーガイ。

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親友2名と行うツーリング企画の名。
「移動に有料道路は使わない」
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■K店長■
クライスラー・ジープ・ダッジ仙台の店長。
TCT版リリースを機に滑り込みで
MiTo1.4TSportを購入したカーガイ。
カーオーディオ地獄サバイバー。
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